社員の多様な成長を実現する変化に強い人事システム


ウイングアーク1st株式会社
- 業界: ITコンサルティング・ソフトウェア開発
- 事業概要: ソフトウェアとサービス
- 従業員数: 連結651人/単体561人(2020年2月末現在)
“The Data Empowerment Company”として、「データ活用」を支援するため、帳票基盤ソリューション「SVF」、データ活用ソリューション「SPA」、BIツール「Dr.Sum」「MotionBoard」などの製品・サービスを提供。
導入の目的
- 社員データを蓄積し社内でスムーズに検索と共有ができるようにしたい
- 活用を通じて社員の成長を最大化させたい
課題
- 既存のシステムは給与労務の実務で用いる範囲の限定的なものであった
- データの公開範囲が人事部門のみで社員に開かれた設計になっていなかった
導入の決め手
- HRシステムが人事だけのものになっていた
- 旧システムの利用範囲が給与労務のオペレーションに限られていた
- 人事制度の改変時に都度スクラッチ開発を要し費用がかかっていた
効果
- 社員が自らデータを入力しているが操作に関する質問もほぼなく順調に行われている。
- 入社処理に伴う情報もHRMOSタレントマネジメントを起点とし問題なく実現できるなど、活用範囲が広がった。
- システムをSaaSで構成することで、変化に対応しやすい体制を構築できた。

HRMOSタレントマネジメント導入を決めた背景は何でしたか?
―従来のシステムでは社員の成長のためのデータ活用が難しかった
以前のシステムを簡単に説明すると給与労務のオペレーションのためのシステムでした。「カスタマイズ性が低い」「人事のみが利用する前提のUI設計」「API連携に対応していない」など、さまざまな問題がありましたが、そもそもシステムとしての思想が異なるという点が最も大きなポイントでした。実際に「給与労務を担当する社員がそのオペレーションを着実に実行する」という観点では、大きな問題はありませんでした。
社員のデータ活用をより強く意識し始めたのは2018年ごろです。人事として「社員のデータを集め、活用することで成長を最大化させていきたい」と意志を固めた際に、HRMOSタレントマネジメントのようなSaaSへの切り替えが選択肢に挙がってきたという経緯です。
―パッケージシステムからSaaSへ
今回の刷新以前は、人事制度改変時などにその都度スクラッチ開発を要し費用が掛かってしまう状況でした。社会の変化に合わせて、人事業務も変わっていかなければいけません。エンゲージメント、1on1など、時代の変化に合わせてスピード感を持った対応が必要になると考えたときに、重厚長大なパッケージシステムではなくSaaSに変化する必要がある、という判断に至りました。
―システムの中心であるデータベースの重要性
以前のシステムは、今後のHRシステムへの課題を残している状態でした。ソフトウェアサービスをお客様へ提供する企業としては、特に他システムと連携が図れないという点を課題視していました。各種SaaSを組み合わせていくことを決めた際に、中心である人事データベースをさまざま検討した結果、HRMOSタレントマネジメントを選択しております。

導入を進めるなかで、どのような効果を感じていますか?
―パッケージ型から、SaaSで構築したHRシステムを運用できている
「データを格納する箱を自由に設計できる」ことはHRMOSタレントマネジメントの大きな特徴ではないかと思います。こういった文言自体は他社の商品でもよく見ますが、インポートしたいファイルにデータベースが合わせて箱を用意できるほどデータの型のバラエティーが豊富な点が良いと感じています。単一レコードと複数レコードから選択できるだけではなく、複数レコードは履歴データとして管理ができ、その履歴も編集しやすい設計となっているため、非常に助かっています。
―UI設計がわかりやすく、操作にまつわる社員からの質問はあまりない
人事だけがシステムを利用するのであれば、多少不便でも大きな問題にはなりません。目指す世界観を考えたときに、自身のデータは社員自身が積極的に入力する、他メンバーの情報を検索するという作業は必須になります。そしてその作業を行うユーザーはもちろん人事以外の社員となります。
取り組みの中で「社員データはシステムや人事のためではなく、もともと社員自身のもの」という風土を育んでいきたいと考えるようになりました。そのときには、人事から強制力を持ってデータを入力してもらう形ではなく、自発的に自身の情報を開示していただけるような状態のほうが望ましく、その際にサービス(HRMOSタレントマネジメント)のUIの印象は非常に大切になってきます。
HRMOSタレントマネジメントに関してはデータの新規登録、変更、削除と、その承認申請というシンプルな設計にしてくれていることもあってか、操作方法に関する質問はあまり上がってきません。
数ある人材管理システムのなかでも、HRMOSタレントマネジメントを選んだ理由は?
―HRMOSタレントマネジメントを基幹に据えたシステム運用が最適な選択だった
さまざまなサービスと比較をしましたが、「給与・労務の実務にもある程度耐えうること」が最も大きなポイントでした。給与・労務の実務に必要なデータは基本的に標準テーブルとして所持してくれており、なおかつ足りないテーブルは簡単にカスタマイズができる。いわゆるタレントマネジメントに特化した製品に比べ、SaaS群の「基幹」として機能できる点に、株式会社ビズリーチの人事業務に対する理解度の高さを感じました。
昨今はいろんな企業が社員データベースの拡充を図っているように思いますが、組織図情報の見やすさなど社員目線の観点や、データ項目のカスタマイズ性の観点からHRMOSタレントマネジメントを選択しました。
―使い勝手の良いベーシックなシステムを必要としていた
いわゆるタレントマネジメントに振り切ったものというよりは「シンプルに使い勝手の良さそうなもの」を求めていました。その意味でHRMOSタレントマネジメントはデータの格納がしやすく、柔軟性も持っており、必要であればタレントマネジメントの要素も満たせるところも大きいポイントでした。われわれにとって何よりも重要なことはまず「データがしっかり蓄積できること」と、それを「つなぎやすくすること」で、HRMOSタレントマネジメントはそれらをしっかりと満たしていました。
―HRMOSタレントマネジメントは押さえどころを押さえているという印象を持った
導入にあたっていろいろなシステムを見比べました。手続きに振り切ったもの、タレントマネジメントに振り切ったものなど、当然それぞれ特徴がありますが、それぞれのシステムをすべて導入するとなるとそれはそれで大きな手間がかかってしまいます。その点でHRMOSタレントマネジメントは、それぞれの分野で一定の水準を満たせる作りをしているバランスの良いシステムだと感じました。カスタムも比較的容易に行えるため、例えば1,000人や2,000人規模の人事業務にも耐えうるのではないかと感じます。
―頻繁にアップデートされる点や導入後のカスタマーサクセスのサポートも魅力
先程の「押さえるところを押さえている」という感覚はアップデートの内容にもあらわれていて「こうなったら良いな」と感じるアップデートがスピーディーになされていくという点はありがたいですね。
しっかりとしたカスタマーサポートがついてくれた点も非常に助かりました。粒度が大きい状態での相談の投げかけにも、質の高い提案で応えてくれて、実際に人事に長く従事している私としても非常に納得感の高い対応をしていただいていると感じています。
HRMOSタレントマネジメントを今後どのように活用していきたいですか?
―多様性のある成長を尊重していく
社員データの活用に関しては、「メンバーの成長に寄与する取り組みかどうか」を最大の論点としています。ひとくちに成長といっても、型がひとつということはそもそもありえませんし、現在の500人程度の社員になるとなおさらです。「成長の仕方も成長欲求の持ち方も社員によってさまざまである」ということは人事としても意識をしていますし、会社として大切にしていきたい言葉です。
―マネジメントが主観的になりすぎないようにテクノロジーの力も併用していく
マネジメントのスタイルは千差万別で、社員ひとりひとりに寄り添うためにはアナログな面も大切にしていきたいと考えています。社員規模が拡大していく中でも、マネジメントのレベルを一定以上の水準で維持し続けたいと考えたときに、社員データを武器として提供し、マネジメントに活用してもらう、という状態を継続していければと思っています。
社員数が少ないうちは、役員クラスのメンバーが管理職層を直接指導し、マネジメント水準を引き上げることも可能ですが、社員数が多くなるにつれ難しくなってきます。そうなったときに客観的なデータでサポートをしてあげたい。具体的な例を挙げれば、その人の強みや志向性がわかるもの。客観的な診断データやその人自身が入力したものなど、形自体はさまざまですが、マネジメントをする側とされる側で、より質の高い会話になるような材料をしっかり人事から提供するといった取り組みが必要になると考えました。
HRMOSタレントマネジメントというプロダクトを通じて、および株式会社ビズリーチが採用以外の人事領域に対しても本気で取り組んでいる、データを活用して進化させようとしているということが、さまざまな点で伝わってくるので、今後のシステムの進化についても期待しています。
―“The Data Empowerment Company”を体現したい
当社が掲げる“The Data Empowerment Company”について簡潔にお伝えすると、「働くひとのパフォーマンスを最大化すること」となります。2018年ごろに、当社のビジネスモデルが主軸事業である「帳票基盤ソリューション」の提供に加え、ビジネスにおけるデータ活用をより強く推進するという方向に変遷していきました。同じ流れで自社の人事の捉え方も同様に変遷していった、という経緯があります。
―メンバーの成長に寄与する取り組みかどうかを最大の論点とする
刷新前は「人事システムは人事のためのもの」というような状況で、活用の範囲が限られていました。今後はデータの民主化とでもいいましょうか、情報を社員自身の判断で提供してもらい、人事だけでなくできるだけ社内に開放し検索できるデータベースにしていきたいと考えています。いわゆるピープルアナリティクスのような高度な分析よりも、まずは社員情報の共有がしっかり快適に行われる環境になることが優先事項であると考えています。
―人員が拡大していく環境下での社員データ整備の価値
現在、社員規模が500人を超えてきたところで、徐々に社内に目が行き届かなくなってきた側面があります。その中で例えば社員一人一人の強みや、キャラクター性に関する情報を格納して、社内で自由に検索・閲覧できるようになるとありがたいですね。繰り返しになりますが、そういった項目を容易に追加することができるということはHRMOSタレントマネジメントの価値と考えています。刷新前のシステムではそういうわけにはいきませんでした。今後は、よりさまざまな情報を蓄積することで、クロス集計のバラエティーを広げていく取り組みも実施しています。取り組みをすすめる中で、やりたいことが新たに出てきているという状態ですので、ひとつひとつ実現していければと考えています。