SCM本部 SCM部・ヴァイスプレジデント(VP)/T.N
Profile:理系大学出身で、エンジニアを志望し大手電機メーカーに新卒入社。その後、自らを成長させたいという思いから、外資系企業やベンチャー企業で経営に携わるなど国内外でさまざまな現場を見てきた。今回の転職はこれまで築いてきたキャリアの集大成だと話す。
メーカーの経営管理において、サプライチェーンマネジメント(以下SCM)が果たす役割の重要性は年々大きくなっている。そうした中、ファイントゥデイ資生堂ではSCMを横断的に管理する部門を新たに設置。国際的な競争力を高めるため、自社に最適化されたサプライチェーンの構築に取り組みはじめている。ここではSCM本部のVPを務めるT.Nに話を聞いた。
サプライチェーンの川上から川下まで
メーカーの中には、購買や物流、需給管理などの機能を個別の組織で構築・運用する組織体制をとる企業もあります。しかしファイントゥデイ資生堂では、全社横断型の「SCM本部」を立ち上げ、川上から川下までを一つの部署で統括する組織体制です。それは一体何故でしょうか。
T.N:当社は資生堂の事業分割により設立された時点で、すでに年商が1000億円を超えていました。ただ、大手メーカーのように機能別に分けるほどの事業規模ではありません。逆に言えば、我々なら長いサプライチェーン全体を俯瞰し、一気通貫で最適化を図ることが可能です。そこを狙っての設置です。
幅広い業種、大小さまざまな企業で経営などに携わってきた経験を買われ、マネージャーとして招かれたT.Nさん。どのような方針で組織づくりを行なっているのでしょうか。
T.N:私は確かに組織マネジメントに必要な経験を持っていますが、SCMの専門家ではありません。すでに事業は動いているため、できるだけ早く組織を形にし、自社向けに最適化されたサプライチェーンの構築に着手する必要があります。そこでサプライチェーンに関連する業務の経験者を集め、組織を構築していくという方策で進めています。
高い専門性が求められる新部署をマネジメントする難しさとは。
T.N:ひとつの部署に機能を統合するということは、各メンバーが担う業務範囲が広くなるとともに、一人に与えられる裁量が大きくなるということです。そのためある程度のキャリアをお持ちでサプライチェーンの全体像が見える方には面白い仕事だと思いますが、そういう方が世の中にどれだけいらっしゃるのかが正直なところ見えません。そういう意味で、人材採用のハードルの高さは今のフェーズで感じる難しさのひとつですね。
資生堂からの自立+供給網の自社最適化
SCM本部は2021年秋に立ち上げられ、「国内SCM」「海外SCM」「購買」「物流」の4グループで構成。現在は複数のプロジェクトを同時に走らせています。
T.N:現在は国内市場の需要予測や、供給計画の立案・運用などをメイン業務として進めています。海外市場は今のところは各拠点にお任せしており、国内拠点の足場を整えた後に取り組む予定です。これらと並行する形で、資生堂に委託中のサプライチェーン業務を自社に移管する業務を行っています。
その他にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
T.N:SCM本部は、今後大幅な増員を予定しています。その過程で、幅広い業務を少人数で効率よく回していくために、業務の棚卸を行いながら無駄のないシンプルな組織構成にできるようマネジメントしていきたいと考えています。サプライチェーン全体のリードタイム・サイクルの短縮や頻度の向上、データの利活用による需要予測や物流プロセスおよび在庫管理の精度改善なども、できるところから始めていきます。立ち上げ期ということもあり、各メンバーが何足ものわらじを履いている状態ですね(笑)。
さらに今後全社で取り組んでいくのが、資生堂ブランドからファイントゥデイブランドへのパッケージの切り替えです。この活動においてSCM本部に期待されることとは?
T.N:ファイントゥデイブランドへの統一に伴い、現在は資生堂が持っている製造販売責任も自社に移さないといけません。そうすれば当然カスタマーセンターや品質保証部門も自社で持つ必要が出てきますので、そうした業務にも関わっていくことになると思います。
強いブランド・巨大な流量をマネジメントする面白さ
幅広い領域を俯瞰しながら、サプライチェーン全体のあるべき姿を考えていく。それがこのSCM本部での仕事の特徴と言えそうです。
T.N:需要予測だけ、購買だけ、物流だけとなると、個人でやれることはどうしても限られてしまいます。ここでは、誰がどこまでやるという範囲は決まっていません。自分の仕事をはみ出しさまざまな業務を経験することで、自分の手で物流網を設計するだとか、トータルで在庫を減らす戦略を考えるだとか、そういうことができる力が身につくはずです。
T.Nさん自身、転職する際に「すべてが柔らかい状態で、ゼロからつくりあげていくことができる」ことに大きな可能性と魅力を感じたといいます。
T.N:もちろん、会社の立ち上げフェーズ特有の大変さはあります。ただ、私のこれまでの経験上、最も多様な経験ができるフェーズであることは間違いありません。当社はスタートアップ企業でありながら、大きな売り上げと実績あるブランドを持つという稀有な状態にあります。ここのSCMをゼロから立ち上げるなんて、他ではなかなか経験できないですよ。ここで得た知見は将来自分のキャリアに必ず役に立ちます。ミドルキャリアの方も若い方も、その後のキャリアを左右するターニングポイントになるのではないでしょうか。
職種 / 募集ポジション | 社員インタビュー05 SCM |
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雇用形態 | 正社員 |
給与 |
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勤務地 | |
会社名 | 株式会社ファイントゥデイ資生堂 |
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給与 | 博士了 : 284,450円 修士了 : 252,310円 大学卒 : 228,890円 ※キャリア採用の場合は、経験、能力等を考慮し、規定により優遇いたします。 ※雇用形態、居住地域により地域手当を支給(全国コース 最大9,000円/月) ※残業手当・通勤手当は含みません。 |
本店所在地 | 108-0075 東京都港区港南二丁目16番3号 品川グランドセントラルタワー 18階 |
代表者 | 代表取締役 社長 兼 CEO 小森 哲郎 |
事業内容 | パーソナルケア商品のマーケティング・販売 |
設立年月日 | 2020年8月19日 |
勤務地 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡 |
勤務時間 | 9:00~17:45(休憩時間60分) フレックスタイム制:有 (コアタイム設定なし、最低就労時間目安1時間) |
休日 | ・土日祝日 ・夏期休日(日曜日、土曜日の他に5日間) ・年末年始休暇(12月30日から1月4日) ・その他会社が指定した日 |
社会保険 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 |
福利厚生 | ・選択制確定拠出年金 ・確定給付年金 ・慶弔見舞金 ・カフェテリア制度 ・社内販売・社員割引 ・育児・介護休業 ・リフレッシュ休暇 ・子の看護休暇・介護休暇 ・育児・介護時間取得 他 |