社内版ビズリーチ導入インタビュー
次なる100年へ向けた、岡三証券グループの人事戦略


株式会社岡三証券グループ
- 主な事業内容:金融商品取引業
- 従業員数:2,788名(2025年6月30日現在)
株式会社岡三証券グループは2023年4月に創業100周年を迎え、次なる100年に向けてさまざまな改革を実行しています。
人材基盤の確立もその一つです。岡三証券グループでは、多様な人材の「採用」「配置・育成」「評価・処遇」のバランスを適切に循環させることを目指し、これまで多くの施策を推進。2025年4月からは新人事制度の運用もスタートしました。
また、新人事制度の運用にあわせて「社内版ビズリーチ by HRMOS」(以下、社内版ビズリーチ)も導入しています。
社内版ビズリーチを通して、岡三証券グループはどのような人材戦略を実現したいと考えているのでしょうか。
人事戦略部の阿部直樹部長にお話をうかがいました。
「人大事」「社員大事」。創業者の理念を実現するために
当社グループの成長と価値向上のためには、人材基盤の拡充が不可欠です。そこで当社は現在、人材の「採用」「配置・育成」「評価・処遇」の循環を通じて社員との長期的な関係を構築すること、ひいては企業価値向上につなげることを目指し、さまざまな施策に取り組んでいます。
その成果がいま少しずつ出ているところで、たとえば、2022年度に11.9%であった離職率が、2023年度には9.8%へと良化しました。
一方で、人材マネジメントにおいてはまだまだ課題があると感じています。特に人材の配置は、会社起点で人員を補充する方式が中心となっているため、社員の自律的なキャリア形成を踏まえたうえで、人材データに基づく戦略的な人材配置・活用をする余地が十分にあると考えています。
近年、働き手の価値観や働き方に対するニーズが大きく変容しています。従来の会社起点の画一的な人材配置をつづけていては、社員と長期的な関係を築くのは難しいでしょう。
こうした課題感を踏まえ、2025年4月よりスタートした新人事制度の運用にあわせる形で、社内版ビズリーチを導入しました。
当社の創業者がよく言っていた言葉で、「人大事」というものがあります。そのなかには「社員大事」(会社という組織において同じ時間を過ごす仲間を大切に、助け合いながら高い山を越えていこう)という言葉もあったと記憶しています。
私が担当している人事戦略業務とは、その「人大事」「社員大事」を体現することが使命だと思っています。社員が生き生きと活躍し、社員に「この会社に長く居つづけたい」と感じてもらえる、そういう環境を提供できるのは、人事戦略業務に従事している私たちなのだと考えています。
今後は社内版ビズリーチを活用しながら、会社起点の人材配置から、社員起点、社員目線の人材配置へとシフトしていければと思っています。

全社員のキャリアを“見える化”。「可能性にわくわくしています」
当社は2023年4月に創業100周年を迎えました。この先100年つづく持続可能な企業であるためには、人材基盤の強化が欠かせません。では、そのために何をするべきか。まずは、社員一人ひとりをしっかりと把握することが重要ではないかと思うのです。
経歴や経験、保有するスキル・資格などの情報はもちろん、働き方といったキャリアに対する志向も知り、そのうえで適切なキャリアパスを会社が提示する。それができてようやく社員との間に信頼が築かれ、エンゲージメントも向上するのではないでしょうか。
すべての社員のキャリアを把握するのは容易ではありません。しかし今回、社内版ビズリーチを導入したことで状況が一変しました。
これまで、タレントマネジメントシステムといったものを社内で活用する機会がなく、社員に関するデータがいろいろな場所に散らばっている状況でした。そのようななか、社内版ビズリーチの導入により、すべての情報を集約して一覧化できるようになったのです。
「この人のこういうスキルと経歴をすべてつなげると、こんなことができるんじゃないか」「今後、いろいろな可能性が生まれるのではないか」。いま、そんな「わくわく感」を持っているところです。
一人ひとりがキャリアにオーナーシップを持てる環境を目指す
社内版ビズリーチを活用した人事戦略の実現に向け、目下、人材のデータベース化とキャリア自律を促進するためのさまざまな仕組みを整えています。まずは、中核子会社である岡三証券株式会社から活用し、今後はグループ全体で利用できるようにしていくつもりです。
その際には、社員に対しては自分自身のロールモデルや、「この人はこういう経験を通じてこういったポジションに就いている」といったキャリアの歩みなどを、できる限り「見える化」していきたいですね。
あわせて「この人みたいになりたい」「この人と一緒に仕事がしたい」というキャリアビジョンを植え付けるような仕組み、仕掛けをしっかり導入していきたいと思っています。
そのための準備として現在は、社員一人ひとりのキャリアの「見える化」とあわせ、各部署の代表的なポジションに求められる、人材要件および職務要件の見える化を遂行中です。
キャリアや人材要件・職務要件の「見える化」は、私たち人事に関わる者だけでなく、すべての社員にとって非常に有益だと感じています。AIにより自動生成された職務経歴書を見れば、社員は「自分にはこういう強みがあったんだ」と認識できます。それが次のキャリアを考えるきっかけにもなるでしょう。
社内の各ポジションに求められる人材要件・職務要件が明確化されていれば、「次はこのポジションを担いたい」「いずれはこのポジションにチャレンジしたい」といったビジョンも描きやすくなるはずです。
社員一人ひとりが自身のキャリアにオーナーシップを持ち、自律的にキャリア形成ができるようになること。社員のキャリアビジョンを、社内転職などを通じて叶えること。この2点を、社内版ビズリーチを通して着実に実現していきたいと考えています。

同時に、社員の市場価値を把握し、キャリアプランや報酬に反映させるような体制も、社内版ビズリーチを活用しながら整備していきたいですね。
社内版ビズリーチをベースとした統合的な人材情報プラットフォームを構築できれば、経営戦略と人材戦略をより一層連動させることができ、実効性も高まるでしょう。それが、次の100年も成長しつづける経営基盤を確立する第一歩になる。そう確信しています。
