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本橋 良／開発本部 本部長
大学卒業後、大手電機メーカーに就職。技術者としてさまざまな製品および技術の開発に携わった。その後同社R&Dセンターの所長などを歴任し、定年退職。家具メーカーに再就職し1年ほど経った2022年、長年の経験を買われてMTGに転職した。

部署の現在

構想段階から量産化まで、すべての工程に関わる開発専門部署

ReFaやSIXPADなど、さまざまな自社ブランドの製品開発を一手に引き受ける開発本部。毎年の事業計画に即した新商品の企画段階から参加し、設計から量産までものづくりの全工程に関わっています。その数、年間約100アイテム以上。MTGは工場をもたないファブレスメーカーですが、どのような流れでものづくりを行っているのでしょうか。

「次年度のマスタープランをもとに、社内のマーケティング担当や各ブランド担当と『こんなものをつくったらどうだろう』という企画を詰めていき、工場を持つパートナー企業に設計・製造を委託発注します。その後、試作・評価を繰り返し、調整・修正を重ねながら仕様を決め、量産に漕ぎ着けるまでが当部署の担当領域です」（本部長／本橋）

近年は年度ごとの活動と並行しながら3ヵ年計画を立案するなど、中期的な視点での開発も行っています。

「カタログ品の仕様変更ではなく、まったく新しい製品をゼロからパートナー企業と一緒に形にしていく仕事です。自分の考えで新しいものをつくることができます。もちろん責任はありますが、ある程度自分の思い通りにできるところが魅力の開発職ですね」（本橋）

部署の未来

事業規模拡大に欠かせない研究開発力の強化に挑む

一方、ファブレスメーカーならではといえる課題もあります。現在のところ要素技術開発などのR&D領域でパートナー企業の力を借りることも多々ありますが、今後はこれらの工程も、もっともっと自社で生み出していきたいと本橋は考えています。

「現在もイノベーティブな先行研究を担う部署はありますが、規模は小さく成果はまだこれからです。そのため既存技術を応用するなどあの手この手を使いながら、新製品開発に取り組んでいますが、今後のさらなる事業成長を実現させるためには自社での技術開発力の強化が必須になるはずです。近い将来社内に研究拠点を設け、新技術搭載を前提とした製品開発ができる体制を整えていきたいですね」（本橋）

各ブランドが手がけるアイテム数が増加する昨今、商品企画においても各事業部や経営陣のアイデアをベースにした現行のやり方に加えて、開発部門の中期アイデアを常にもっておく必要があるとも話します。

「技術については社内で我々が一番精通しているので、次の商品や未来の商品、商品ラインナップの構成案を開発サイドで描くことで、これまでになかった魅力的な商品を、よりスピーディーに生み出すことが可能になるはずです」（本橋）

求める人材

開発プロジェクトを取りまとめるコーディネート力をもつ方

一般的なメーカーでは商品企画部、設計部、生産技術部といった役割に分けて開発を行っていきます。ところがMTGでは、企画から量産までを1人の担当者が担います。MTGの開発職に求められる力とは、一体どのようなものなのでしょう。

「一言でいえばコーディネート力です。どんなものをつくるのか、そのためにどのような技術や設備が必要なのか、製造コストはどれくらいで、各プロセスにどれくらい時間をかけるか。製品づくりに必要なことをすべて把握した上で、パートナー企業とともに仕様を満たす製品をつくりあげていく力ですね。コミュニケーション力が最も重要になるので、文系出身のメンバーも多く活躍しています。技術的な面でわからないことがあれば同じフロアにいる技術者に聞けばいいのですから」（本橋）

ただ、今後の開発力向上のためにも技術者を増やしたいと本橋は考えています。

「技術的な側面からものの良し悪しを判断できないと、より良いものづくりは難しいですから。今後、高い競争力をもつ機能実装を推進するためにも、技術者の数を増やしていきたいと私自身は考えています」（本橋）