企業概要
サグリの向き合う課題
■スマート農業と日本の農業の現在地
「スマート農業」は現在、例えばドローンでの肥料散布や、自動運転の農機など、さまざまなデバイスが発展し、技術で農業の効率化や人手不足の解消を目指す取り組みが実現に近づいています。
一方で、農地管理における問題は、農家さんの人口減少、それによる耕作放棄地の増加も問題となっており、農地の集積・集約は非常に進めづらく、圃場が分散してしまう状況です。
農業は家族経営が全体の96%を占め、このことも農地の集約や生産性の高い大規模農場づくりを難しくしている一因です。
農地の集約が可能になれば、農家さんの生産性は向上し、生産量の増加や所得の向上にも寄与できます。
■「気候変動」や「食糧問題」など社会問題の今
日本の農地は分散しており、地形による少しの高低差でも土壌の状態が違う、といったことも多い中、農業は長年、データなどの根拠となる情報が取得できないまま化学肥料に頼ってきた現実があります。化学肥料を削減できれば、農家さんのコストを下げるだけでなく、地球温暖化問題の対策にもなりえます。
食糧安全保障の問題も、ウクライナ情勢をきっかけに注目を集めています。
食糧不足や食糧の価格高騰などの問題がウクライナ情勢を受けて浮彫となり、農業における生産性向上やコスト削減は現実的な問題として、問題意識が高まっています。
サグリの強み
「AIポリゴン」によるデータ基盤構築
農地の区画情報(=ポリゴン)は、ドローン空撮画像や衛星画像をAI解析する際に、大量の農地を解析する上で必要となる基礎情報です。
サグリでは、AIによる農地のポリゴン自動生成技術の特許を取得(特許第7053083号)。各農地の輪郭をAIで示し大量に自動生成する技術です。
区画ごとに農地を管理したい、肥料や生育情報を記録していきたいといったニーズにおいて、情報管理の基盤を構築する技術です。
農業の知見×衛星データの解析
衛星データは、地球全体のデータを24時間365日継続して取得することが可能であり、リモートセンシングの技術で取得できる情報や精度も向上していることに加えて、価格も低下傾向です。
そのため衛星データは今後幅広い分野での活用が期待されており、サグリでは、この衛星データを農業分野で有効活用するための取り組みを進め、知見を蓄積しております。
衛星データから農地の状態をAIで判定するためには、精度の高い教師データが必要になります。現在、岐阜大学応用生物科学部元准教授であるCRO田中をはじめ農学・栽培学に精通しているメンバーが所属しており、解析力向上に取り組んでいます。
アプリケーション開発
衛星データの活用は、ユーザーが利用・活用しやすいアプリケーションがあってこそであると考えています。
サグリでは、エンジニアも農業の現場や自治体さんへ足を運ぶことがあり、ユーザーの視点を大切にしながら、ユーザーからの改善の要望の本質はどこにあるか、何を優先すべきかを社内でよく検討し、アジャイルでの機能の改善・追加を週単位など速いサイクルで重ねています。
サグリの提供するプロダクト
①アクタバ
農地利用状況調査 現在既に30以上の自治体に展開され、さらなる拡販と顧客の声をもとにしたプロダクトの進化に取り組んでおります。
アクタバは競合サービスがなく、既に利用いただいているお客様からも高い評価をいただいている実績もあることからも、ご案内した自治体様からはご興味を持っていただきやすく、今後もお取引先の拡大を見込んでおります。
「農地利用状況調査」は「農地法」で自治体に対し、農地が適正に利用されているか、毎年の調査が義務付けられています。 農地の少ない自治体も含め、すべての自治体が行っており、自治体ごとに紙の地図を作成し、目視でパトロールと地図への記入。さらにその結果をもとに市町村の台帳と国の台帳へシステム入力を行っております。
「作業の手間」に時間がとられている現状と、「目視」のため基準のばらつきが大きいという課題を「アクタバ」の利用で解決し、自治体が農地の活性化に向けて新たな施策を生み出すことができる状態へサポートしています。
②デタバ
作付け調査アプリケーションです。
アクタバは耕作放棄地を衛星画像から推定・検知するサービスですが、同じようにデタバは、その区画で作付けされている作物を推定することができます。
地方自治体は農家の方に対し作付けしている作物に応じた補助金があることや、統計データを作成していることもあり、自治体内の農地が申請通りに使われているか調査をする義務を担っています。
デタバでは、衛星データで広範囲を確認し、目視での調査は必要な場所のみに絞ることができ、紙の地図や台帳を使わず、Web上で記録できるため、時間と労力を大幅に削減することが可能となります。
③サグリ(営農向けアプリケーション)
衛星データで解析した農地の土壌状態を可視化し、農家の肥料の削減と地球温暖化対策につながるアプリケーションです。農林水産省の支援を得て取り組んでおります。 農業で肥料を使う際、どこに、どれだけ、どの肥料をまけばいいか、ということは感覚値でしかわからず、余分な肥料を利用しており、余分な肥料を使っていることでコストも上がり、地球温暖化の原因の一つにもなっています。 一方、土壌の検査をするには、土壌を採取して検査機関に送るなど、手間も大きい作業です。 Sagriでは衛星データを解析し、画像から土壌の状態や成分などを分析可能に。 農家さんが衛星データ解析を気軽に利用し、区画ごとに土壌の状態を把握し、最適な肥料の選択や量の調整がすぐにわかるアプリケーションを開発。 データの連携や提供機能を持つ「農業データ連携基盤」WAGRIとも現在共同開発を進めております。
サグリの目指す未来
培った技術でさらなるアプリケーションを展開
サグリでは、コア技術である「AIポリゴン」の技術や、官公庁と現在進めている「国土」を管理し、その土地・区画と、あらゆる情報を紐づける基盤を開発する中で培った知見を活用し、新たなアプリケーションを開発していきたいと考えております。
例えば現在も自社プロダクトとして展開している「アクタバ」「デタバ」「Sagri」など衛星画像の解析による、耕作放棄地判定、作物判定、土壌診断などはもちろん、営農指導サービスに活用するアプリケーションやスマート農機などデバイスと連携するアプリケーション、国の政策におけるデータ活用などあらゆるシーンでeMAFFのデータ基盤をもとにしたサービスの提供を実現できると考えております。
冒頭のスマート農業で紹介した農機の自動運転・ドローンでの肥料散布などのソリューションにおいても、農地毎にデータを蓄積し、デバイスへ提供することで最適化を図ることは非常に重要です。
例えば、農機が自動走行したルートの蓄積や、区画ごとの生育状況のデータを踏まえた収穫時期の計画や肥料の種類・量の判断など、あらゆるシーンで「区画ごとの農地のデータ」や「これまでの履歴データ」は活用可能。
サグリはスマート農業に携わるあらゆるプレイヤーと連携し、インフラとしてデータ基盤を提供していきたいと考えています。
カーボンクレジットの創出・販売で、農家さんの収益改善に寄与
営農アプリ「Sagri」では、衛星データによる土壌解析により、化学肥料の使用料削減が可能に。化学肥料の削減は、二酸化炭素排出量を減らし、カーボンクレジットの創出につながります。
日本と新興国では、お米の値段の違いもあり、日本ではカーボンクレジットによる農家さんの利益創出は2%ほどと大きなインパクトではありませんが、新興国では約15%、農家さんの利益がUPし、収益改善につながります。
サグリでは、このカーボンクレジット創出、集約し、1件数千万円~数億円で取引されるカーボンクレジットを大手企業などへ販売する仕組みを整えるところまでを手がけ、新興国の農家さんの収益改善に寄与していきたいと考えております。
仕事内容
サグリのカーボンクレジット創出・販売を目指すプロジェクトにおいて、研究開発(R&D)に従事していただきます。
土壌炭素貯蓄量やGHG排出量を推定するプロセスベースモデルの開発やベイズ統計を駆使したモデルの不確実性評価等に取り組んでいただきたいと考えております。また、衛星データと機械学習を駆使したデジタル土壌マッピング技術の開発や土壌スペクトル解析手法の確立など他にも複数の開発項目に従事する可能性もあります。また、上記のR&D業務に加えて、海外事業部とも連携し、現地実証試験の設計や評価業務にも取り組んでいただきたいと考えております。
サグリは衛星データから土壌解析を行い、農家の方が土壌に合わせて最適な肥料を利用できるようにすることで、温室効果ガスの排出を抑制し、カーボンクレジットを創出・販売することをめざし、国内外で取り組みを進めています。カーボンクレジットの創出には、取り組みを通じて、温室効果ガスが削減できたことを認証機関を通じて証明する必要があります。サグリR&D室では、最終的には衛星データや営農アプリへの農家のインプットデータ等を用いて、カーボンクレジット創出に必要な証明できる方法論の確立を目指します。
【配属先】
■R&D室
CRO田中(岐阜大学元准教授、現在はデンマーク・オーフス大学に在籍)ーメンバー2名
【研究職としてのキャリアについて】
サグリは民間企業ですが、業務と並行して研究活動に取り組んでいただくことも可能な環境です。
論文の執筆や学会、学術会への参加など、これまでのキャリアを継続して積んでいただけます。
また、応募者の業績や適性に応じて、大学・研究機関に在籍したままサグリの業務を行う待遇を検討いたします(業務委託や共同研究などのような契約形態)。将来的に大学・研究機関でキャリアを築きたい方も歓迎いたします。
【営農向けアプリケーション「Sagri」】
衛星データで解析した農地の土壌状態を可視化し、農家の肥料の削減と地球温暖化対策につながるアプリケーションです。農林水産省の支援を得て開発に取り組んでおります。
農業で肥料を使う際、どこに、どれだけ、どの肥料をまけばいいか、ということは感覚値でしかわからず、余分な肥料を利用してしまうことでコストも上がり、作物に吸収されず土壌内に余った肥料成分は地球温暖化の原因の一つにもなっています。
一方、土壌の検査をするには、土壌を採取して検査機関に送るなど、手間も大きい作業です。
営農向けアプリケーション「Sagri」では、衛星画像から土壌の成分などを分析するAIモデルを開発しており、アプリケーション上の地図で、圃場の状態を確認することが可能です。
農家さんが衛星データ解析を気軽に利用し、区画ごとに土壌の状態を把握し、最適な肥料の選択や量の調整がすぐにわかるアプリケーションも実装しております。
化学肥料の削減は、二酸化炭素排出量を減らし、カーボンクレジットの創出につながります。
日本と新興国では、お米の値段の違いもあり、日本ではカーボンクレジットによる農家さんの利益創出は2%ほどと大きなインパクトではありませんが、新興国では約15%、農家さんの利益がUPし、収益改善につながるため、新興国の農家さんの収益UPにもつなげていくことを目指しています。
必須スキル
■数理モデリング、統計解析、機械学習を利用した研究で業績のある方
■英語力(海外事業部とのコミュニケーション、学術論文のレビューや執筆も業務内容になります。TOEFLやIELTSのスコアを有することが望ましいですが、ない場合は英語での面接を実施する可能性もあります)
■博士号を有していることが望ましい
求める人物像
■社会課題を解決するようなプロダクトを未来志向で開発していくことにチャレンジしたいとお考えの方
■専門分野だけに限らず、業務の幅を広げ、新たな技術をキャッチアップしていく向上心をお持ちの方
■大学・研究機関との連携や共同研究を積極的に行う意欲がある方
職種 / 募集ポジション | 研究開発/研究員 |
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雇用形態 | 正社員 |
契約期間 | 有給休暇:入社半年後10日付与 |
給与 |
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勤務地 | 「新宿三丁目駅」直結 各線「新宿駅」徒歩7分 なお、東京本社への勤務が望ましいが、リモート勤務は要相談。 【変更の範囲】 雇入れ直後:東京本社 変更の範囲:会社(出向先の会社を含む)の定める場所(海外を含む) |
勤務時間 | 勤務時間:9:00〜18:00 残業時間:20時間程度 |
休日 | 休日:土日祝 |
福利厚生 | 交通費支給(規定に応じて支給) |
加入保険 | 社会保険完備 |
受動喫煙対策 | 屋内全面禁煙 |
配属先の変更の範囲 | 雇入れ直後:求人に準ずる 変更の範囲:すべての業務への配置転換あり(在籍出向を含む) |
会社名 | サグリ株式会社 |
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設立年月 | 2018年6月 |
代表者 | 坪井 俊輔 |
従業員数 | 29名(2023年12月末時点) |
資本金 | 189百万円(準備金含む) |
本社所在地 | 〒669-3602 兵庫県丹波市氷上町常楽725-1 |