【取締役インタビュー】
取締役 兼 執行役員COO
平本 洋輔
東京都庁のすぐ近く、“日本で初めて高さ200mを超えた建物”として知られる新宿住友ビルディング。三角ビルとも呼ばれるこのビルに、セキュアの本社オフィスも入居している。
このビルの地下に、セキュアが開発・運営するレジレス無人決済店舗「SECURE AI STORE LAB(セキュア エーアイストアラボ)」がある。入退店や決済をAIなどの最新のテクノロジーを利用して、非接触で購買できるレジレス店舗だ。セキュアが持つ技術力が存分に発揮されたこのプロジェクトの狙いや、その裏にあるエンジニア達の活躍などについて、責任者である取締役 最高事業開発責任者の平本洋輔に語ってもらった。
平本さんがプロジェクトの責任者として実現した「AI STORE LAB」。2023年6月にはさらにバージョンアップし、リスタートを切りましたが、どんな特徴がありますか?
「商品を手に取ったが買わなかった」まで分かる
一番はカメラ画像からお客様の動きや決済などが分かるようになったことです。2020年7月よりAI STORE LABの実証実験を開始しましたが、第一弾の店舗設計では商品棚の重量差分等から購入した商品を判別していました。そのスキームだと設置する商品棚が特殊なものである必要があったり、商品を置く位置を変更することへのハードルが高いことなどが課題でした。
そこでバージョンアップするためにシリコンバレーのスタートアップ企業とタッグを組み、カメラ画像から判別するスキームを導入しました。これまでは商品購入時に顔認証で決済を行っていましたが、カメラで撮影した画像を用いて、どのお客様がどの商品を手に取ったかをシステムが判別できるようになったので、レジを通らなくてもいいということはもちろんのこと、顔認証決済などの“決済”という行為自体を行う必要がなくなりました。
お客様は事前に会員登録を行っていれば、欲しい商品を手に取り、そのまま退店するだけでお買い物が完了します。入店から退店までウォークスルーで、行列にも並ぶことなく快適にお買い物体験ができると思います。
店舗運営側の視点では、商品・お客様・曜日・時間帯など、希望する項目ごとに売上データを管理や分析できる機能があります。それに加えて、お客様の店舗での導線を、AIが画像データから解析。「××歳の男性客が、〇〇商品を手に取って、4秒間眺めていたが、棚に戻してしまい購入しなかった」といったデータが得られるので、より的確なマーケティング施策が打てます。「手に取るが買わない」というお客さんが多いのであれば、価格が高かったり購買意欲が高まらなかったりということかもしれませんよね。「では、明日からキャンペーン価格にしてみよう、セット販売の促進をしてみよう、サンプル品を陳列してみよう」といったことができるようになるわけです。
AI STORE LABが業界にもたらす影響はどういったものがありますか?
小売業界は慢性的な人手不足が問題となっていますが、そういった社会課題を解決する一助となればいいなと思います。また、新型コロナウィルスが蔓延したことで、非接触へのニーズが一気に高まりました。感染拡大措置が緩和された後もキャッシュレス決済やセルフレジなど、非接触にしたことでもたらされる利便性は人々の生活に根付いています。そういった生活様式の変化は、私たちにとって追い風だと感じています。
さらに言えば、ネット通販が発展する中で、リアル店舗はお客さんに「楽しくショッピングする体験」を与えられなければ、生き残っていけない状況にあります。「AI STORE LAB」は、お客さんの動きをデータ化して分析することで、どんな体験をしてもらうか、1人1人にあった接客体験を改善しながら設計できる。このシステムを導入してもらうことで、リアル店舗の未来像を描くことができれば、本当に嬉しいですね。
マスメディアに取り上げられた斬新なプロジェクト
セキュアにとって、このプロジェクトを手掛けた意味を教えてください。
一つには、セキュアの持つ「技術を総合する力」を示すモデルケースを作りたかった、ということがあります。セキュアは、画像認識技術などで他社に先行している部分もあり、有難いことに認知いただくケースが増えてきました。
セキュアの強みは「画像認識やAIといったコア技術の周辺領域」や「ハードとソフトの両面にまたがる領域」までをカバーし、お客様が抱える本質的な課題を解決する最適な組み合わせをご提案することです。その能力の展示場として、レジレス無人決済店舗は非常に有効だろうと考えたわけです。
二つ目は、スピード感を持ってサービス開発を行う為には自社で店舗を運営して当社が直接使ってみてお客様と一緒にサービスをブラッシュアップしていく方が早いと考えました。
実際、2020年7月に「AI STORE LAB」をオープンさせたときには、お客様から「レジレス無人決済店舗を作ったそうですね。凄いですね」と話題にしていただき、その目的は達成できたと思います。それに加えて、テレビや雑誌、Webメディアなどで盛んに取り上げていただいたことで、セキュアの社員達が自社を改めて誇らしく思うきっかけにもなりましたね。
では、プロジェクトに携わったエンジニアの方々も、大きなやりがいを感じながら取り組んでいたのでしょうね。
最終的には、これまでにない高いレベルのレジレス無人決済店舗を実現できたので、達成感を強く持ってくれました。これまではオフィスへの入退室の管理といった、ゲートだけのシステムが多く、店内でのお客さんの動きを複数の機器が連動し、ずっと追跡、分析していくようなシステムの経験はほとんどなかったのですが、それに挑戦して、実現できましたから。
「自分がどうしたいか」を言える人が新製品を生む
世の中にない、画期的なプロジェクトに携わり、実現できるエンジニアの条件を教えてください。
大きく4つあります。①主体性を持つ。②自主的に学ぶ。③学んだことをアウトプットする。④自分がどうしたいのかを明確にする。この4つです。
順番に解説をお願いします。まず①「主体性を持つ」から。
「主体性を持つ」というのが全てのベースで、それがないと②③④は成り立ちません。主体性とは、「自分は関係ない」と思わず、何事にも自分は関係があるのだと考えて行動するという意味です。例えば、セキュアのエンジニアはチームで仕事をすることが多いのですが、その時、割り振られた自分のタスクだけこなし、他のメンバーの業務については「自分は関係ない」という態度を取る人が「主体性のない人」です。与えられたタスクをこなすだけなら、オフショアであるとか、もっと低コストでやってくれるところがあります。エンジニアの社員に求めているのは、まだ誰も実現していないような新しいことにチャレンジすることです。それは、全てを自分ごととして考えるからこそ、生まれる姿勢なのです。
なるほど。では②「自主的に学ぶ」についても解説してください。
テクノロジーは日進月歩ですので、学ぶということを常にしていかないといけません。学ばないというのは、もう後退しているのと同じくらいまずいことだと思います。自主的に目的を持って学び続けることが、常に大事かなと思いますね。
その学んだことを③「アウトプットをしていく」というわけですね。
はい。学んでも、アウトプットしない人がいますよね。これだと、ただの頭でっかちになってしまいます。知識はあるけど、行動しないタイプがチームにいると、皆の成長を阻害しかねません。学んだことも実行していくと、自分の身にもなって、周囲にも好影響を与え、結果も変わってくると思っています。
エンジニアが独立したいなら応援します
確かに、そうですね。では④「自分がどうしたいのかを明確にする」について、解説をお願いします。
例えば開発している中で、「これどうしますか?」と聞いてくるエンジニアがいたとします。「自分がどうしたいのか」がないわけです。こういう時に、「これの選択肢として、AとBを考えてみましたが、僕はAがいいと思います。なぜなら、〇〇だからです。平本さんは、どう思いますか?」だったらベストだと思います。新しいプロダクトを開発する時も、「自分はこのプロダクトを世に送り出して、お客様にこう役に立ちたい、こういう世界観を作りたい」といった想いがないと、新しいものは生まれません。
?
これができると、“自分の名前”で生きられるエンジニアになれます。「セキュアの平本さんにお願いしたい」ではなくて、「平本さんに依頼したい。ええっと、今はセキュアにいるんでしたっけ?」となるはずです。そうなれば、コロナであろうが何だろうが、やっていけます。そんな生き方がエンジニアとして理想です。
しかし、もし優秀なエンジニアに独立されてしまったら、セキュアにとって打撃になるのではありませんか。
もちろん、打撃にはなります。ただ、“自分の名前”で生きられるエンジニアになれば、独立しても構わないと思っています。独立してフリーランスのエンジニアになって、その上でセキュアが手掛けているプロジェクトが面白そうだと思ったら、業務委託の形態でそのプロジェクトに携わることだって可能です。
独立を希望するメンバーがいるなら、応援します。
最後に求職者へのメッセージをお願いします。
セキュアには、チャレンジできる環境がたくさんあります。「チャレンジしたい」「成長したい」「こういうことをやってみたい」という人達にジョインして欲しいです。特に、新しいプロダクトの開発につながるようなアイデアを持っている方なら、大歓迎ですね。ぜひ、それをセキュアで実現しましょう。意欲のあるエンジニアの方々からのご応募、お待ちしています。
職種 / 募集ポジション | 取締役インタビュー |
---|---|
雇用形態 | 正社員 |
給与 |
|
勤務地 | |
会社名 | 株式会社セキュア |
---|---|
事業内容など | 事業内容 クラウド型入退室管理システム、監視カメラシステム、画像解析ソリューション、およびAI無人店舗ソリューションなどのサービスを展開しています。これらの製品を通じて、画像認識技術やAIを活用した新しい価値の創出を目指しており、業界内でも高い市場シェアと信頼を誇ります。 当社はAI技術と監視カメラを活用し、物理セキュリティや無人店舗などの先進的なセキュリティソリューションを提供している会社です。 これまでの歩み 株式会社セキュアは、安全と安心、便利さを社会に提供するという理念のもと設立されました。設立以来、クラウドを利用した入退室管理システムや画像解析を組み合わせた監視カメラシステムなど、先進的なソリューションを展開し、社会の安全基準を革新してきました。 カルチャー ■MISSION Make place Secure Upgrade place Smart (安心な空間を提供し、その空間をスマートにしていく。) ■VISION AI×セキュリティで新しい価値を創る ■今後の事業展開 今後は、AI技術を活用した製品の充実を図る予定です。例えば、完全無人店舗向けのAIソリューションをリリースし、レジなしでの買い物を実現する技術を提供するなど、新しいスマート空間の構築を目指します。また、さらなる海外展開も予定しており、グローバルに「安全安心と便利」を届けることを目指しています。 こうした事業と取り組みにより、当社は、セキュリティとスマート化を通じて社会に新しい価値を提供し続けることを目指しています。 |
プロダクト | 具体的な事業内容 1.入退室管理システム SECURE AC(Access Control)は、顔認証等の生体認証をAI技術で⾝近で便利なものとして提供し、従業員の方がスムーズに気持ちよく働ける入退管理システムを提供します。さらにセキュリティのレベルに応じて顔認証、指紋認証、カード認証など様々な認証タイプの提供、クラウド化することで機器の運⽤負担を軽減する等、利便性とセキュリティレベルの最適なバランスをご提案します。 2.監視カメラシステム SECURE VS(Video Surveillance)は、1,000種類に及ぶ豊富なカメラとシステムをお客様のニーズに応じて最適な形でご提供します。 導⼊コストも抑えられつつ使い勝⼿も良いクラウドカメラから、金融機関など⼤規模導⼊のエンタープライズ仕様までご提供します。また運用においてはAI画像解析と合わせた特定人物検知、録画データから特定⼈物を検知するなど従来には無かった機能も合わせたソリューションをご提供します。 3.画像解析ソリューション 世界最高水準のDeep Learning顔認証技術、画像解技術により特徴を分析し映像から顔を検出、属性の分析を行い結果をリアルタイムに通知するソリューションサービスです。また、働き方対策として、テレワーク向けAI顔認証システムサービスを提供しています。 マーケティング・ソリューションとしては、ステレオビジョン技術により、3D にて人物を認識すことで高いパフォーマンス精度を提供します。SECURE Analyticsは商業施設内の顧客の行動分析を行うことで大事な顧客へのサービスの向上対策の指標を提供します。 4.AI無人店舗ソリューション AIが監視カメラ映像から商品を認識し、レジなしで決済可能な無人店舗の実証実験を実施中。 |
office | 本社 〒163-0220 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル20F Security System Lab 〒163-0220 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル20F SECURE AI STORE Lab 〒163-0220 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビルB1F 本社ショールーム 〒163-0220 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル20F 大阪営業所 〒540-0025 大阪府大阪市中央区徳井町2-4-14 宇野ビルディング2F 福岡営業所 〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-11-16 第2大西ビル 4F 福島オフィス 〒963-8001 福島県郡山市大町2-12-13 宝栄郡山ビル603 大宮オフィス 〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-266-3 シンワKIビル5F 横浜オフィス 〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-6-1 みなとみらいセンタービル19F 名古屋オフィス 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-5-11 名古屋伊藤忠ビル 4F 広島オフィス 〒732-0828 広島県広島市南区京橋町1-7 アスティ広島京橋ビルディング 札幌オフィス 〒060-0051 北海道札幌市中央区南1条東2丁目11-1 ノーザンヒルズ大通東9F |
設立 | 2002年10月 |
代表者 | 代表取締役 谷口辰成 |
資本金 | 544,743,900円(2024年6月30日現在) |
事業内容 | セキュリティソリューション事業 |
上場取引所 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード: 4264) |
事業許可等 | 【一般建設業】 国土交通大臣許可(般-1)第27739号 建設業の種類 電気工事業 国土交通大臣許可(般-1)第27739号 建設業の種類 電気通信工事業 |
所属団体 | 一般社団法人 日本コンピュータシステム販売店協会 一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 |
海外子会社 | SECURE KOREA, Inc. 住所 #609, 28 Hwangsaeul-ro 200beon-gil, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea (13595) 設立 2020年3月 代表者 Wonseok Jang 資本金 1億ウォン 事業内容 AI(人工知能)、クラウドシステム、IoT機器に関する研究・開発・販売事業 |
国内子会社 | 株式会社ジェイ・ティー・エヌ 住所 神奈川県横浜市中区初音町1-7-1 設立 2001年10月1日 代表者 田中 賢 資本金 1,300万円 事業内容 電気工事、電気通信工事 |
沿革 | 2002年10月 台東区東上野に資本金500万円にて有限会社セキュアを設立 2004年 2月 株式会社セキュアへ組織変更 資本金を1500万円 2005年10月 新宿区西新宿へ本社移転 2010年10月 セキュア第2創業スタート アクセスコントロール、CCTVの本格販売開始 2011年 4月 大阪営業所を大阪市中央区北浜に開設 2012年 5月 福岡営業所を福岡市博多区に開設 2013年10月 福島オフィスを福島県郡山市に開設 2014年 8月 新宿区西新宿 新宿住友ビルへ本社移転 2016年 5月 クラウド型監視カメラサービス 「SECURE VSaaS」リリース 2018年10月 AIによる混雑度見える化クラウドサービス 「混雑カウント」リリース 2019年10月 「Security System Lab」を開設 2020年 3月 韓国城南市に新会社SECURE KOREA, Inc設立 2020年 7月 無人型店舗「SECURE SECURE AI STORE LAB」オープン 2020年 9月 クラウド型入退室管理サービス「SECURE AI Office Base」リリース 2021年12月 東京証券取引所へ新規上場(証券コード:4264) 2022年 2月 名古屋オフィスを愛知県名古屋市に開設 2023年 1月 横浜オフィスを神奈川県横浜市に、大宮オフィスを埼玉県さいたま市に開設 2023年 4月 広島オフィスを広島県広島市に開設 2023年 7月 AIによるレジレス・無人決済店舗 「SECURE AI STORE LAB 2.0」をグランドオープン 2024年 1月 株式会社ジェイ・ティー・エヌの全株式の取得に伴い、子会社化 2024年 7月 札幌オフィスを北海道札幌市に開設 |