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エンジニアインタビュー記事/第1回
ここでは、物流問題の解決という志を共にする仲間に焦点を当てて紹介します。 今回は、システム開発のリーダーを務める上野山にインタビューをしました。「自動運転技術で日本の物流危機を解決したい」という思いを胸にT2の仲間になったエンジニアの情熱とは。 「ロボット研究から自動運転へ」:キャリアの軌跡 【質問】 上野山さんのご経歴を教えてください 【回答】 子どもの頃からプログラミングが好きで、大学ではロボットに人間の動きを学習してマネさせるという研究もしていました。新卒時に大手電機機器メーカーへ入社し、ビルマネジメントに関するIoTシステムの設計や、画像認識技術を応用した路側交通流センサーなどの新規開発に従事しました。 2016年に外資系AIベンチャーへ転職し、日本法人の立ち上げに参画。設立当初は国内従業員4名、エンジニアは私1人という状況でしたが、親会社の研究メンバーと技術やマーケットニーズについて直接議論を重ねながら、一歩一歩開発プロジェクトや事業を作り上げてきました。その後、日本法人のCTOに就任し、国内の技術開発チームを立ち上げて、技術者だけでも70名規模の組織まで導いていました。 その中でもとりわけ印象に残っている開発プロジェクトが、日系自動車メーカー様向けの自動運転に関する技術開発プロジェクトでした。当時はまだ全社的にも自動運転の経験が無いところからのスタートでしたが、元々有していた顔認識技術やスマートフォン向けソフトウェアで実現していた実装技術を再構築し、自動運転の「目」をお客様と一緒に開発実現することができました。自分たちが実装したコードで初めて自動車が自動走行した時の興奮は、今でも忘れることができません。 このときの自動運転の開発推進経験を世の中に役立てたいとの想いで、今年の2月にT2へ入社しました。 「転職の決め手」:T2の魅力 【質問】 T2のメンバーに加わろうと思った決め手は? 【回答】 前職で自動運転やその他のAIソリューションの技術開発に携わって、自動運転技術は世の中の「クルマ」の捉え方や制約を大きく変革できるポテンシャルを秘めていると感じていました。ご存知の通り、通勤やレジャーで自家用車を使うときに、より安全に、より楽に移動できるようになります。ただそこに限らず、ドライバー不足や高齢化によってバスやタクシーといった移動手段が減ってきている地域に対して、自動運転なら代わりの移動手段を提供できます。T2が取り組んでいる物流領域についても、ドライバー不足を解消できる可能性を秘めています。 一方で、完璧な自動運転技術の実現にはまだまだ課題が多く残っています。自動運転に関わり始めた頃は、車線を認識し、周辺の車両や人を認識すれば実現できるのでは、と安易に考えていました。しかし、それは楽観的な考えだとすぐに気づかされました。日本国内の道路や交差点の形状ひとつとっても、千差万別で全く同じものを探すのが難しいほどです。道路を走行すべき車両の種類も、クレーン車や自衛隊車両などの特殊な車両があり、多岐にわたります。環境条件も、時間帯や季節変動、災害に加えて、歩行者の動きもなかなか予測しきれません。このような多種多様な条件をすべてカバーしようとすると、検証期間も含めてどうしても時間がかかってしまいます。もっと早期に自動運転技術を世の中に役立てられないかと感じる一方で、開発を進めれば進めるほど、社会実装に向けた壁の厚さを感じていました。そのような中、出会ったのがT2でした。 T2の特徴の一つは、技術開発からサービス提供までを一貫して自社で担う会社ということです。技術開発と商品開発とユーザーが別れていると、どうしても万能な設計が求められることになり開発期間が長期化しやすくなります。一方、自社でサービス範囲を決め、まずは技術課題を限定できる高速道路に絞って自動運転を用いた事業提供を開始し、技術進歩に合わせてサービス範囲を広げていくというアプローチを取っているのがT2です。メガベンチャーの先輩方が歩まれてきた、まずは小さくても価値あるサービスの生み出し、大きく育てていくアプローチを自動運転の領域でもたどることで、いち早く、世の中の課題解決に役立つサービスを社会実装しようとしている企業だと感じました。 机上や実験場から早く出て、世の中に技術価値を還元したいと思っていた私には、この部分が非常に魅力に映り、T2のビジョン実現に加わろうと決めました。 「トラック自動運転の舞台裏」:上野山さんの日常業務 【質問】 上野山さんは入社されてから3か月目になりますが、主な業務について教えてください 【回答】 現在は、自動運転トラックを安全に運行するために車両の外部から見守るシステムについて、開発全般の統括業務を担当しています。具体的には、リモートでトラックの運行管理や状態監視を行うシステム、トラブル発生時に遠隔で対応するシステムの開発に携わっています。どのような状況下でもドライバーレスでトラックを安全に自動運転させるためには、トラック本体の自動運転機能だけでは不十分です。例えば、災害や異常気象で安全に運転できない状況に陥った場合、トラックは自律的に状況を判断して事前に安全に停車します。その後、周辺の状況を把握してトラックを回送したり周辺の車両や誘導員とコミュニケーションをとったりすることが必要になります。そのためには、トラックに搭載したシステムによる自律的な判断だけでなく、外部から自動運転を監視して必要時に遠隔で対応するシステムやオペレーションが求められます。 このようなシステムを実現するために、システムの要件定義や設計、開発メンバーの進捗管理はもちろん、社内の事業開発メンバーとも密に連携しながら、自動運転の許認可に関する行政機関との話し合いや、効果的な管理オペレーションの設計なども手がけています。高速道路における自動運転のリモート監視システムはまだ国内では実用例がありませんが、安全を担保するためにどのようなシステムが必要か、常に考えながらシステム開発をリードしています。 【質問】 上野山さんが、T2の業務でやりがいを感じている点はどのようなところでしょうか? 【回答】 T2のゴールは、トラック自動運転の技術開発ではなく、その社会実装です。そのため我々エンジニアは、認識や制御の精度を高めたりシステムの実装をおこなうだけではなく、社会の中で安心して使っていただけるもの、それによって社会課題を解決できるものとはどういったものか、機能や性能、使われ方までセットにして開発することが求められています。特に、我々が目指すドライバーレスのトラック自動運転を実用化するためには、安全性を担保する様々な側面での設計が重要となっています。自動運転の運行条件や運行ルート、運用オペレーションなども、社内外との議論を重ねながら、技術的な実現性および貨物輸送品質とあわせて考えていくことになります。これらの議論を通じて、法規制や実使用環境と整合したシステム開発要件が炙り出されてきます。何を作るべきかを自分たちで考えだし、実現していくことで、「トラック自動運転が変える物流の未来」を先駆者として実現できるという想いで取り組んでいます。 「夢をリアルに変えるシナジー効果」:T2の文化と挑戦 【質問】 T2に入社後、入社前とギャップを感じたことはありますか? 【回答】 大きな意味でのギャップはなかったです。前職で経験していた成長期のベンチャーそのものだと思います。 実現したいビジョンは社会的な価値が大きい一方で、一筋縄では達成できない難しいものです。反面、難しいけれど、技術を全力で伸ばしていけば技術的にも事業的にも手が届きそうな実現性を感じています。ハードルの高い夢を実現するために、前例や固定観念にとらわれず、メンバーひとりひとりが自分の能力を出しきれる環境です。 強いてギャップを上げるとすれば、集まっているメンバーの能力と情熱でしょうか。 T2は、様々な領域のプロフェッショナルが集まった会社です。AI技術開発企業であるPreferred Networksを由来とする技術力と日本有数の商社で多くの事業化ノウハウを持つ三井物産のジョイントベンチャー企業として立ち上がり、その後もAI技術のプロ、自動車のプロ、経営のプロ、事業開発のプロ、物流のプロ、渉外のプロと各分野のプロ人材が集まっています。メンタリティとしても、サービス実現に向けてなんとしても課題を乗り越えよう、そのためには自身の役割にとらわれず積極的にボールを拾っていこうという気概に溢れています。 自動運転の社会実装には、行政との折衝、技術的な課題、事業としての採算性など、クリアすべき課題は多岐にわたりますが、集まった様々なプロたちのシナジーによって着想(アイデア)、エンジニアリング(開発)、インキュベーション(育成)、スケーリング(事業化)の好循環が社内で生まれています。技術や事業という隔たりも少なく、ビジョン実現に向けて本当に一丸となって進められている点が、良い意味で印象的です。 「未来への一歩」:将来の仲間へのメッセージ 【質問】 T2への採用応募を考えている将来の仲間へ、メッセージがあれば 【回答】 ベンチャーはある種の「奇跡」を起こすことを求められるし、それを起こせるのがベンチャーだということを、前職のベンチャー経験の中で実感しました。T2は、起こすべき「奇跡」が目の前にあり、それを一緒に起こせそうなメンバーが揃っています。 ぜひ一緒に「奇跡」を起こしましょう! 続きを見る
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エンジニアインタビュー記事/第2回
ここでは、物流問題の解決という志を共にする仲間に焦点を当てて紹介します。今回は、安全に関わるシステム開発のリーダーを務める須永にインタビューをしました。「社会実装に向け、安全はもちろん安心まで保証できるシステムを開発したい」という思いを胸にT2の仲間になったエンジニアの情熱とは。 「誰かのために、自動運転への情熱」:キャリアの軌跡 【質問】 須永さんのご経歴を教えてください 【回答】 エンジニアとしてのキャリアは、半導体業界でスタートしました。1社目で大型計算機用半導体のセル設計からレイアウト設計まで一貫して担当し、2社目で車載用半導体の安全性設計を担当しました。自動運転業界で働こうと思ったきっかけは、2011年の東日本大震災で多数の建築物が流されてしまった光景を目の当たりにしたことです。「建築とは何か」を深く考えるようになり、通信制の講座で建築学を学んだあと、ある有名な建築家の先生が運営する私塾に入りました。その先生は、離島や集落などの町おこしに尽力されており、先生と共にフィールドワークで四国のある町を訪れました。そこでは、モビリティに容易にアクセスできない高齢者が交通弱者となっていました。この経験から、エンジニアとして自動運転の道に進むことを決意し、前職の自動運転研究を手掛けるベンチャーへ入社しました。 【質問】 前職では、どのようなプロジェクトを担当されていましたか 【回答】 前職では自動運転技術の実用化に向けた数々の実証実験プロジェクトに携わりました。例えば、無人運転タクシープロジェクトでは、技術的な課題だけでなく、法規制の面でも多くの壁がありましたが、それを乗り越えて実現できたことは非常に大きな経験となりました。また、ロボットデリバリープロジェクトでは、法改正の推進や他企業との協力を通じて、自動運転ロボットが公道を走行するための基盤を築き、自動運転技術が実際に社会で活用される道筋を作ることができました。限定したエリアにおいて自動運転を社会実装まで導く技術渉外などを経験し、エンジニアとしてのキャリアを高める一方で、社会にとって当たり前のサービスという意味での「社会実装」の道のりの険しさも強く感じました。自動運転技術開発が抱える技術的な困難を技術力で突破するだけでなく、実際に困りごとを抱えているステークホルダーと伴走しながらでないと、サービスとしては根付かない(スケールしない)と痛感したからです。そして、自動運転技術を用いて物流業界の課題を解決するというビジョンに具体的に絞り込み、そこに特化したサービスを開発しているT2に強く惹かれ、2023年9月にT2に入社しました。 「自動運転実装への足場固め」:須永さんの日常業務 【質問】 須永さんの主な業務について教えてください 【回答】 自動運転トラックの安全性確保とそのためのシステム開発です。具体的には、安全の責任者として、輸送業としてのシステム全体の設計から自動運転トラックの安全性の評価までを担当しています。T2はシステムを外販するのではなく、オペレーションまでセットで担う事業会社であるため、自動運転車両の遠隔監視システムの開発も行っています。システム開発以外では、安全に自動運転トラックを運行するためには法律を遵守することが重要ですが、自動運転に関する関連法規の整備はまだ途上で、法整備に向けた行政との折衝をしています。また、「安全」だけではなく「安心」してトラック自動運転の恩恵を社会が享受するためには、法律の規制以上に、どのようなシステムを実装すればいいか決める必要があり、その議論を進めているところです。 【質問】 自動運転走行させる車両が10トントラックという大型車両ですが、乗用車にはないチャレンジはありますか 【回答】 トラック特有の課題として、重量の変動や荷物のバランスという課題が挙げられます。乗用車と比べてトラックは、荷台に積む荷物の重量や左右の重量バランスが大きく変動します。これらは、ブレーキの効きやすさやカーブを曲がる際の車両バランスなどに影響します。積載する荷物は毎回変わるため、荷物を適切にモニタリングし、荷物に合わせた安全設計が求められます。また、安全だけではなく、安心して荷物を預けられると感じていただかなければなりません。通常走行時はもちろん、急ブレーキ時などでも荷物が壊れないようにするなど、荷物の管理も重要な課題です。 さらに、トラックの遠隔監視システムの導入も新たな挑戦です。遠隔監視が切れたときや通信が途絶したときの対応方法など、従来の自動運転車両にはない課題に直面しています。目指す頂上は険しいですが、日本の物流を支えるために、メンバー全員で協力しながら取り組んでいます。 「物流問題に挑む」:T2の文化と挑戦 【質問】 須永さんが感じる、T2の文化や社風について教えてください 【回答】 物流問題を解決したいという思いを持つ人々が多いと感じます。物流に課題を感じ、自分の力で問題を解決したいという志向を持つ人にとって、T2は向いていると思います。様々なバックグラウンドを持つエンジニアがいるため、組織力強化にも注力しています。例えば、自動運転業界以外から来たエンジニアを対象に、自動車やトラックに関する知識、自動運転技術に関する知識を習得するための勉強会や教育体制の構築が進んでいます。さらに、エンジニアだけでなく、事業部門やバックオフィスのメンバーも参加した勉強会も定期的に実施しています。自動運転トラックで荷物を運ぶという経験は誰もしたことがありません。機能横断で関係者が集まり自由に議論することで、それぞれの機能が新しい気づきを得るきっかけになっています。最近の議論では、輸送する荷物が固体ではなく液体だった場合に、自動運転制御に与える影響をテーマに議論しました。 また、月に1回のアクティブトークでは新入社員を中心に職場のメンバーが集まり、社内パーティーを実施しています。仕事の話だけではなくプライベートの話も含めてカジュアルにコミュニケーションできるため、チームに溶け込みやすい環境が整っていると思います。 「自分の限界に挑戦する場所」:T2の魅力 【質問】 T2のメンバーに加わろうと思った決め手は? 【回答】 先ほど申し上げたように、自動運転で社会に貢献したいと考えて前職のベンチャー企業へ、半導体メーカーから転職しました。自動運転の社会実装には「安全」が不可欠だと考えていますが、前職の職場では、自動運転において安全を重視する機運がなかなか高まらないことにギャップを感じていました。そんな中、前職の同僚がT2の採用試験を受けており、「他の企業と比べて、自動運転技術を活用し物流問題を解決するための事業化に本気で取り組んでいる」と同僚から聞いたことがT2を知るきっかけでした。 カジュアル面談や採用面談を通じて、安全性を重視しているT2の方向性がマッチしていると感じました。他に自動車メーカーの採用試験も受けていましたが、大企業では細分化された業務に狭く深く取り組む印象があり、その果てには組織のマネジメントが待っていると考えると、チャレンジ精神の溢れるベンチャーで、自分の限界に挑戦したいと考えました。ベンチャーであるT2では、大手自動車メーカーに比べるとエンジニアの数がひと桁、場合によってはふた桁少ないと思います。しかしながら、自動車業界の高い安全基準をクリアするため、自動車業界の標準プロセスを導入し、高い品質を確保するというユニークな挑戦をしています。そのため、1人の守備範囲が広く、マネジメントもエンジニアも両方経験できる環境です。社会人生活の折り返し地点で、幅広い裁量を持ち自分の限界に挑戦できていると感じます。 「ベンチャースピリットを楽しむ」:将来の仲間へのメッセージ 【質問】 T2への採用応募を考えている将来の仲間へ、メッセージがあれば 【回答】 「トラック自動運転により物流問題を解決したい」という強い思いの下に、即戦力の仲間が集まり、トラック自動運転の社会実装に向けて開発・事業化を進めています。まだ若い会社のためこれから決めていくことも多く、一旦決まったことも状況に応じて臨機応変に変えていく必要があります。そのようなベンチャーならではの機動力を楽しめる人には、向いている職場だと思います。我々と一緒に、日本の物流を変えていきましょう。 続きを見る
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エンジニアインタビュー記事/第3回
エンジニアインタビュー記事/第3回 物流問題の解決という志を共にする仲間に焦点を当てて紹介します。今回は、自動運転システム開発のリーダーを務める宮澤にインタビューしました。「日本の未来を変える技術を作り上げたい」という思いを胸にT2の仲間になったエンジニアの情熱とは。 乗用車からトラックへ、自動運転の未来を描く:エンジニアの挑戦 【質問】 宮澤さんのご経歴を教えてください 【回答】 私のキャリアは、大学時代にさかのぼります。当時、レスキューロボットの開発を行う研究室に所属し、災害現場で自律的に動作するロボットの開発に携わりました。特に、SLAM (自己位置推定と環境地図作成)を専門的に研究し、現在も続く「つくばチャレンジ*1」の2007年初回大会に出場しました。この経験が、自動運転技術への興味を掻き立てる原点となりました。 2009年、その熱意を胸に大手自動車メーカーに入社しました。最初の8年間は意外にも生産技術部門で、工場で組立てられた車両の1台1台を出荷検査する装置を担当しました。一見、自動運転とは遠い仕事に思えるかもしれませんが、この経験が後の自動運転開発に大きく生きることになります。具体的には、車に備えられた様々な機能の動作を確認するために、100を超えるECU(電子制御ユニット)と通信を行い、センサーやアクチュエータの作動チェックや故障の有無を確認する検査ソフトウエアの開発に携わりました。エンジンやブレーキといった基本機能だけでなく、エアコンから最新のADAS*2まで、車載されるすべての電子部品の出荷保証をする仕事です。この経験を通じて、クルマという複雑なシステムを俯瞰的に捉える力やスキルを習得しました。 2017年、社内公募制度で自動運転開発の募集があり、そこに自ら手を挙げる形で自動運転開発の世界に飛び込み、レベル3自動運転システム*3の開発に取り組みました。そこでは、複数のセンサー情報から、様々な気象条件の中で周囲の環境を認識する外界認識システムの開発を一貫して担当しました。 その後、2020年からは自動運転開発における外界認識領域や電気・電子システム(E&Eシステム)を含む全体システムのプロジェクトリーダーを務めました。 この開発で最も難しかったのは、個々の要素技術を統合し、全体として機能するシステムを作り上げることでした。最適化を追求した個々の機能を単に組み合わせただけでは、性能、安全性、コストなど様々な観点から見た最適解にはなりません。どの要素を重視し、どれを妥協するか、その決定とバランスに苦心しました。そんな中で出会ったのが「システムズエンジニアリング」という考え方です。これは、多様な要求や要素を体系的に整理し、全体の構造と関係性を設計する手法です。この手法に触れたとき、それまで断片的だった知識や経験が一つの体系として繋がり、大きな気づきを得ました。システムズエンジニアリングは、複雑なシステム開発における私の思考の枠組みを根本から変えてくれたのです。 振り返ってみると、私はキャリアを通してモビリティという複雑なシステムを開発と生産という二つの切り口でみてきたことで、「モノの全体像を複数の視点から立体的に把握する」という訓練を自然と積んでこれたのだと思います。そして今、T2で自動運転トラックの開発に携わることで、これまでの経験を社会課題の解決に直結させる新たな挑戦に踏み出しています。技術を通じて社会に貢献する。エンジニアとして、これ以上にワクワクする仕事はありません。 *1「つくばチャレンジ」: 様々な組織の研究者が移動ロボットを開発して実験を行い、その結果と経験を互いに共有することにより、技術レベルを向上させることを目指し、2007年から毎年実施している、移動ロボットが遊歩道等の市街地を自律走行する技術チャレンジ。 *2 ADAS: Advanced Driver-Assistance Systems、先進運転支援システム *3 レベル3自動運転: 特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。ただし、自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合は、運転操作を促す警報が発せられ、運転者が適切に応答しなければならない。 自動運転の屋台骨、システムアーキテクチャの構築:宮澤さんの日常業務 【質問】 T2での日常業務と、前職の自動運転開発との違いを教えてください。 【回答】 T2での私の役割は、トラックの自動運転システムのシステムアーキテクトです。一見すると前職と似ていると思われるかもしれませんが、実際には全く新しい挑戦の連続です。 最大の違いは、技術開発にとどまらず、ビジネスモデルや運用面まで含めて、ハードウエアと機能の総合的な要件定義と機能設計が求められる点です。例えば、高速道路上で無人のトラックが故障した場合、どう対処すべきでしょうか。本線上で単に停車するだけでは社会的に受け入れられない可能性が高いです。故障の種類にもよりますが、低速でも待避所まで移動すべきか、深刻な事故につながりやすいトンネル内での停車をどう避けるべきか、といった様々な運用シナリオを想定し、必要な機能を設計しなければなりません。 こうした設計には、技術的な冗長性の確保だけでなく、故障時の安全停止や、災害時の対応など、実際の運用を見据えた設計が必要になります。実使用環境や将来のシステム更新を予測しながらハードウエアと機能を構築していく――まさに自動運転の屋台骨をつくるワクワクする業務です。 また、T2では開発のスピード感が大きく異なります。ハードウエアや各ソフトウエアコンポーネントのリーダーがすぐそばにいるので、迅速な相談と意思決定が可能です。部門の壁や複雑な承認プロセスはありません。全員がスピード感を持って仕事に取り組んでいます。この環境に触発され、私も日々、新たな挑戦に向けて意欲を高めています。 多様性が紡ぐイノベーション:T2の魅力的な企業文化 【質問】 宮澤さんが感じるT2の社風や文化について教えてください 【回答】 T2の企業文化は、まさに「多様性が紡ぐイノベーション」という言葉で表現できます。ここでの日々は、大企業では経験できない刺激的な毎日です。 最も印象的なのは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが一つのチームとして協働している点です。エンジニアだけでなく、元トラックドライバーの方や元官僚の方など、様々な経験を持つ人材が集まっています。この多様性が、新しい視点や革新的なアイデアを生み出す源泉となっていると感じます。 例えば、先日のミーティングでは、自動運転トラックの走行方法について議論しました。トラック運転時の視線の向け方、ヘッドライトの使用法、走行経路の選択基準など、乗用車開発の経験しかない私には思いもよらない視点が提示されました。こういった異なる視点の融合が、T2の強みだと感じています。 機能分業が進む前職のような大企業では、部門間の壁が高くなりがちです。商品企画部門から開発部門へ商品企画が渡され、その指示を極力実現させたものを、次は製造部門でどのように品質を確保して製造するかというように一方向的に仕事が進む傾向があります。対照的に、T2では様々な専門家が集まり、未知の問題に対して双方向の議論を通じて解決策を見出していきます。お互いを尊重し合いながら自由闊達に議論できる雰囲気が、チームの一体感を生み出しています。 また、組織の規模が小さいことを生かした、フラットなコミュニケーション環境も魅力の一つです。驚くべきことに、森本社長とも日々フランクに会話ができるのです。「こんなアイデアがあるんですが、どう思いますか?」と直接相談できる環境は、アイデアの共有やフィードバックのサイクルを非常に速くしています。 T2は、エンジニアにとって「夢の職場」と言えるかもしれません。技術的な挑戦、自由な発想、社会への貢献。これらすべてが一つの場所で実現できる環境は、そうそうないのではないでしょうか。 技術で日本の未来を変える:T2を選んだ理由 【質問】 T2のメンバーに加わろうと思ったきっかけは 【回答】 T2への参加を決意したのは、「技術で日本の未来を変える」という強い思いからです。この決断には、私のキャリアと個人的な経験が大きく影響しています。 前職でレベル3自動運転の開発に携わる中で、ある疑問が常に頭をよぎっていました。「乗用車の自動運転は、本当に社会に大きなインパクトを与えられるのか?」確かに、運転から解放されることはユーザーにとって便利かもしれません。しかし、自動運転機能に多くの対価を支払えるお客さまは、ドライバーを雇えば済む話かもしれない。自分の開発した技術は、本当に社会を良くしているのか。この問いに対する答えが見つからず、もどかしさを感じていました。 そんな中で出会ったのがT2です。T2が掲げる「自動運転技術で日本の物流危機を解決する」というビジョンに、まさに雷に打たれたような衝撃を受けました。ここにこそ、技術が真に社会を変える可能性があると直感したのです。 また、個人的な理由として、子育てを通じて日本の未来について真剣に考えるようになったことも大きいです。2人の子供たちの父親として、彼らにどんな日本を残せるのか。その責任を強く感じるようになりました。前職のグローバル企業では、日本国内市場が縮小していく中で、どうしても海外市場に注力せざるを得ない状況がありました。もちろん、それも重要な仕事です。しかし、「日本をより良くする」という視点が薄れていくのを感じながら仕事をしていたというのも事実です。 自分のエンジニアとしての経験と知識を生かしながら、直接的に日本の未来に貢献できる。子供たちに「お父さんの仕事は日本の物流を変えているんだよ」と胸を張って言える。エンジニアとして成長しながら、同時に社会に大きなインパクトを与える。T2は、私の夢を実現できる唯一無二の場所だと確信しています。 未来を創る挑戦者へ:T2が求める人材像 【質問】 T2への採用応募を考えている将来の仲間へ、メッセージがあれば 【回答】 T2が求めているのは、単なるエンジニアではないと思います。私たちが探しているのは、技術を通じて社会に革命を起こす「挑戦者」です。私たちは、自動運転トラックによる幹線物流は、日本の物流を根本から変える可能性を秘めていると信じています。この大きな変革の波に乗り、自らの手で未来を形作りたい。そんな熱い思いを持った方々に、ぜひT2の仲間になってほしいと思います。 前例のない技術とサービスを開発しているからこそ、T2で最も重要なのは、「自ら考え、行動する力」です。私たちのビジョンは明確ですが、そこに至る道筋はまだ誰も見たことがない未知の領域です。そのため、自ら課題を見つけ、解決策を考え、迅速に行動に移せる人材が必要不可欠です。そのため逆に言えば、驚かれるかもしれませんが、必ずしも自動車業界出身者である必要はないと思います。私たちは、技術、ビジネス、社会システムを包括的に変革しようとしています。そのためには、様々な視点と経験が必要不可欠です。例えば、ITベンダーやSIerでの経験をお持ちの方は、クライアントの課題に寄り添い、技術的なソリューションを提供し続けるサイクルを回しています。これはまさに、T2が物流業界に対して行おうとしていることそのものではないでしょうか。 私たちと一緒に、日本の物流の未来を、そして日本の未来そのものを創っていきませんか。T2には、あなたの情熱を受け止め、大きく花開かせる環境があると信じています。 続きを見る
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エンジニアインタビュー記事/第4回
エンジニアインタビュー記事/第4回 物流問題の解決という志を共にする仲間に焦点を当てて紹介します。今回は、ハードウエア開発チームのリーダーを務める安藤にインタビューしました。二輪車開発の第一線で培った経験を活かし、自動運転トラックの開発に挑む彼の熱い思いとは。 二輪車の電装部品開発を通じ、世界を駆け抜けた20年:ベテランエンジニアの新たな挑戦 【質問】 安藤さんのご経歴を教えてください 【回答】 私のエンジニアとしてのキャリアは、新卒で入社した無線機メーカーから始まりました。そこで3年間、電気設計を担当し、基本的な無線の基板設計や回路設計を学びました。業務用の無線機などですが、自社で少量生産も含めて手がけていたので、現場で学んだ基板の製造ライン工程や回路設計の知識は、大量生産とは異なる視点で、製品の細部にまで気を配る姿勢が身につきました。 その後、輸送機器メーカーに転職し、約20年間にわたって二輪車の開発と電装部品の設計に携わりました。主にASEAN諸国やブラジル、インド向けの二輪車の電装部品開発を担当し、小型のスクーターから大型バイクまで、幅広い機種の開発に携わりました。新興国市場向けの二輪車は庶民の重要な足となっています。そのため、コスト、重量、体積の制約が非常に厳しい中で、各国の嗜好に合わせた設計を行う必要がありました。ここでの経験が、今の私のエンジニアとしての基盤になっていると言えます。 輸送機器メーカーを離れた後は、外資系CADメーカーで経験を積み、T2に入社してハードウエアチームのリーダーを務めています。 【質問】 輸送機器メーカーにおける二輪車開発において、どのような課題があり、どのように解決しましたか。 【回答】 例えば、インド市場では「大きいもの」が好まれる傾向がありました。しかし、予算の制約から小型バイクしか購入できないお客様が多い。そこで、ヘッドライトを実際以上に大きく見せるデザインを採用しました。具体的には、ヘッドライト周辺にアルミ樹脂を使用することで、コストを抑えつつ、視覚的に大きく見せる工夫をしたのです。 また、現地調査で興味深い発見がありました。モールの駐輪場で、多くの人が同じようなバイクの中から自分のものを探すのに苦労している姿を目にしたのです。そこで、キーのボタンを押すとヘッドライトが光り、音も鳴るアンサーバック機能を開発しました。高級モデルではキーレス化ができますが、量販モデルではコストがかかるキーレス化は難しいです。コストを抑えながら量販モデルにおける困りごとを解消する機能で、非常に好評でした。 【質問】 他に印象に残っているプロジェクトはありますか。 【回答】 いくつかありますが、特に印象深いのは1800ccの大型バイク開発プロジェクトです。このプロジェクトは、フラグシップモデルの17年ぶりのモデルチェンジという、非常に重要な位置づけでした。私は電装設計のプロジェクトリーダーとして携わり、多くの革新的な機能の実現に挑戦しました。 最も大きな挑戦の一つが、バイクとして世界初となるApple CarPlayの導入でした。CarPlayはもともと四輪車での使用を想定して開発されたシステムです。バイクへの導入には、想像以上の困難がありました。 まず、CarPlayは静かな車内での使用を前提としているため、風切り音やエンジン音の大きいバイクでの使用には多くの技術的障壁がありました。また、バイクには内蔵マイクがないため、ヘルメットに装着するブルートゥースヘッドセットを使用する必要がありました。しかし、当時のCarPlayはワイヤレスでのマイク使用を想定していなかったのです。まず、CarPlayは4輪車車内での使用を前提としているため、風切り音や屋外のバイクでの使用には多くの技術的障壁がありました。操作方法や視認性等2輪適用で検討必要な項目がありました。そのような状況でも前モデルでは機種専用有線インカムでしたが、お客様使い易さを最優先に考え、市販ブルートゥースヘッドセットが使えるようにしたいと考えました。 しかし、二人乗りに加え携帯電話との3系統からブルートゥース接続できるオーディオシステムは当時の4輪用ナビオーディオシステムには存在していなかったのです。 これらの課題を克服するため、我々は専門のメーカーと協力し、既存4輪用には存在しない3系統接続が可能なオーディオユニットを開発しました。そして、自社のテストコースで綿密なデータを収集。2輪走行時でも市販ヘッドセットで通話やCarplayの音楽再生、音声認識が可能であることを実証し、Apple社との交渉を重ねました。最終的に、バイクでのCarPlay使用が承認され、2輪世界初の機能として実現することができたのです。 もう一つ印象深いのは、大型バイクとしては初めてのアイドリングストップ機能の導入です。この機能は、環境対応という社会的要請に応えるものでしたが、同時に「走る楽しさ」を重視するユーザー層の期待にも応える必要がありました。 具体的には、排気音を魅力的に設計しつつ、燃費性能も向上させるという、相反する要求を満たす必要がありました。コスト面でも課題がありましたが、既存の4輪車用アイドリングストップコンポーネントを巧妙に流用することで、開発コストを抑えつつ、高性能、低燃費な機能を実現することができました。 さらに、車体の軽量化も大きな課題でした。425キロほどの車体重量を38kg減、そのうち、電装部品で15キロ削減するという高い目標が設定されました。この目標達成のため、当時としてはまだ珍しかったワイヤーハーネスのCAN化(Controller Area Network)を導入しました。これにより、信号線の多重化により配線数の削減、ハーネスの総重量を約半分にすることに成功しました。 これらのプロジェクトを通じて、技術的な革新だけでなく、異なる要求のバランスを取ることの重要性、そしてコスト面での創意工夫の必要性を学びました。 プロダクトアウトからビジネスアウトへ:T2が描く自動運転の未来 【質問】 輸送機器メーカーでの豊富な経験を経て、なぜT2への転職を決意されたのでしょうか? 【回答】 輸送機器メーカーでは、海外市場向けの小型機種から大型のハイエンドモデルまで、幅広い二輪車の開発を経験しました。その後、キャリアの幅を広げるため、外資系CADメーカーのサポートエンジニアとして転職しました。そこでの経験は非常に有意義でしたが、同時に新たな気づきもありました。クライアント企業のエンジニアの方々と接する中で、彼らの製品開発に対する情熱や想いを直接聞く機会が多くありました。そうした中で、自分自身も再び開発の最前線に立ちたいという思いが徐々に強くなっていきました。いわば、エンジニア魂に再び火がついたわけです。 【質問】 T2のどのような点に魅力を感じましたか? 【回答】 T2の最大の魅力は、技術開発の方向性にあると感じています。私が以前所属していたような大手メーカーでは、往々にしてプロダクトアウト的な開発、つまり性能や機能の向上に主眼を置いた開発が中心でした。 一方、T2は輸送サービス全体を見据えた開発を行っています。単に高性能な自動運転システムを作るのではなく、実際のユーザーニーズや使用環境に合わせて、最適な解決策を提供することを目指しています。私はこれを「ビジネスアウト的」な開発アプローチだと捉えています。 この違いは、エンジニアとして非常に刺激的です。技術的な挑戦はもちろんのこと、その技術がどのように社会に貢献できるのかを常に考えながら開発を進めることができるのです。 【質問】 現在、T2ではどのような業務を担当されていますか? 【回答】 現在、私はハードウエアチームのリーダーとして、自動運転トラックに関わる幅広い業務を統括しています。具体的には、車両の確保から保守まで、ソフトウエア以外のほぼすべての領域を担当しています。「なんでも屋さんですね」と部下に冗談を言われることもあります。 車両の選定と確保から始まり、自動運転システムを搭載するための改造設計、そして搭載後の性能評価まで、一連のプロセスを管理しています。例えば、自動運転トラックに搭載するコンテナの仕様検討も重要な業務の一つです。コンテナの設計は、積載効率だけでなく、自動運転システムのセンサー配置にも影響を与えるため、細心の注意を払って進めています。 また、タイヤの選定にも携わっています。自動運転車両は、人間のドライバーとは異なる走行パターンを持つため、従来とは異なる観点でのタイヤ選びが必要になります。耐久性、燃費効率、そして自動運転システムとの相性など、多角的な視点から最適なタイヤを選定しています。 さらに、自動運転車両特有の整備要件の定義も行っています。これは非常にチャレンジングな任務です。なぜなら、従来の整備工場とは全く異なる知識とスキルが必要になるからです。例えば、LiDARやカメラ、その他の自動運転独自のセンサー類のメンテナンスやキャリブレーションが必要になります。これらのセンサーは、自動運転システムの「目」となる重要な部品ですが、従来の整備士にはなじみのない技術です。 そのため、新しい整備工場の構想も進めています。単に点検するだけでなく、センサー類のアライメント調整や、自動運転制御システムの診断など、高度な技術を要する作業が必要になります。これらの新しい要件を定義し、整備体制を一から構築していくのも私たちの重要な役割です。 また、自動運転システムの性能を最大限に引き出すためには、車両全体のエンジニアリングの観点から最適化を図る必要があります。そのため、車両の構造設計から電装系統の配置まで、幅広い領域に関与しています。 このように、T2での私の業務は、従来の自動車開発とは大きく異なる新しい課題の連続です。時には、これまでの経験が通用しないこともあり、日々新しい知識を吸収し、創造的な解決策を見出す必要があります。 しかし、こうした挑戦こそがT2で働く醍醐味だと感じています。自動運転技術という最先端の分野で、社会に大きなインパクトを与える可能性のある仕事に携わることができる。そのやりがいは何物にも代えがたいものがあります。 また、これらの業務を通じて、自動運転技術が物流業界にもたらす変革の全体像を常に意識しながら仕事ができることも、大きな魅力です。技術開発だけでなく、その技術が実際にどのように社会に貢献できるのかを考えながら開発を進められることは、エンジニアとして非常に刺激的な経験となっています。 技術で日本を変える:T2が受け継ぐ戦後のベンチャースピリット 【質問】 T2の企業文化や風土について、どのような印象をお持ちですか? 【回答】 T2の企業文化は、まさにスタートアップならではの活気に満ちています。最も印象的なのは、意思決定の速さとそれに伴う個人の責任範囲の広さです。大企業では複数の承認プロセスを経て物事が決まっていくが一般的ですが、T2では驚くほど迅速に決定が下され、それに応じてプロジェクトが進んでいきます。 この文化は、個人に大きな裁量と責任を与えます。自分の専門分野だけでなく、時には未経験の領域でも責任を持って取り組むことが求められます。これは挑戦的である一方で、非常にやりがいのある環境だと感じています。 T2で働くやりがいは、まさにこの点にあります。自分の仕事が直接的に社会課題の解決につながっていることを実感できるのです。日本の物流危機は、単に一企業の問題ではなく、日本社会全体の課題です。この課題解決に向けて、最先端の自動運転技術を駆使してアプローチできることは、エンジニアとして非常に刺激的です。また、T2の企業文化の根底には、社会課題解決への強い使命感があります。2024年問題に象徴される日本の物流危機は、将来の問題ではなく、今まさに解決が必要な喫緊の課題です。この問題に立ち向かうため、全員が同じ方向を向いて、自発的に課題に取り組む姿勢が浸透しています。 【質問】 大企業での経験と比較して、T2ならではの特徴はありますか? 【回答】 大きな違いの一つは、機能間の連携の仕方です。大企業では往々にして、各部門が自身の機能を守ることに注力するあまり、全体最適を見失うことがあります。しかし、T2では常に全体の目標を見据えた前向きな議論が行われています。例えば、ハードウエアチームとソフトウエアチームの間で意見の相違が生じた場合でも、大きな目標に立ち返り、建設的な議論が行われます。部門間の壁は低く、迅速な問題解決を可能にしています。 また、T2には、私が以前所属していた会社の創業期を彷彿とさせるものがあります。私が以前勤めていた企業は、戦後の混乱期に創業しました。当時、日本は深刻な物資不足とインフレーションに苦しんでいましたが、その中で「持てる技術を活かして日本の復興に貢献しよう」という強い使命感のもと、事業を立ち上げたと聞いています。その時代の熱気と情熱が、今のT2にも感じられる気がします。創業者たちが抱いていた「技術で社会を変える」という志、そして従業員一人一人が「自分たちの仕事が日本の未来を作る」という誇りを持って働いていた姿勢がT2にはあります。 もちろん、時代背景は大きく異なります。戦後の復興期と現代の日本では、直面している課題の性質も規模も違います。しかし、社会の課題に真正面から向き合い、自らの技術と創意工夫でそれを解決しようとする姿勢は共通しています。T2は、現代の日本が抱える物流危機という課題に、最先端の自動運転技術で挑んでいます。 このような環境の中で働くことのやりがいは計り知れません。日々、自分の限界に挑戦する機会があります。既存の知識や経験だけでは太刀打ちできない問題に直面しますが、それらを一つ一つ克服していく過程で、自身の成長を実感できます。 さらに、T2のような新興企業では、自分のアイデアや提案が直接的に製品やサービスに反映される可能性が高いです。これは大企業ではなかなか経験できないことで、自分の仕事の影響力を直に感じられる点も大きなモチベーションになっています。 物流危機を解決する挑戦者へ:T2が求める人材像 【質問】 T2への採用応募を考えている方々へ、メッセージをお願いします。 【回答】 T2が求めているのは、単なる技術者ではなく、技術を通じて社会に変革をもたらす「挑戦者」だと感じます。日本の物流危機は、もはや将来の問題ではなく、今まさに解決が必要な喫緊の課題となっています。この課題に立ち向かうため、私たちは日々、全力で取り組んでいます。 そのような中で、「自ら考え、行動する力」が強く求められます。ここでの仕事は、間違いなく挑戦の連続で、決して楽ではありません。しかし、その分だけやりがいも大きいのです。「自分の仕事が社会を変えている」という実感を持ちながら、共に挑戦できる仲間を心待ちにしています。 続きを見る
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