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こんにちは。「HRMOS(ハーモス)採用」のHRMOS TREND編集部です。
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企業を継続的に発展させるには、優れた人材の確保が欠かせません。そのために採用活動が必要で、選考フローにおいては面接が重要な役割を果たします。面接評価シートを用意して臨めば、自社にふさわしい人材かどうか判定しやすくなるでしょう。本記事では、面接評価シートの作り方、必須項目、書き方、運用時のポイントや活用方法、必要な理由やメリットまで詳しく説明します。
面接評価シートとは
面接評価シートは、文字どおり面接で応募者を評価するためのシートです。あらかじめ設定された評価項目・評価基準・質問項目にしたがって評価する仕組みとなっており、面接チェックシートと呼んでいる企業もあります。いずれにせよ、項目に沿って質問を行いながら、点数を付けていくことが一般的です。面接評価シートが手元にあると、どのような内容を尋ねれば良いのか分かり、配点などについても迷わずに済みます。つまり、面接官を補助してスムーズな選考を促してくれるツールです。
面接評価シートのテンプレートは書籍やインターネットにも掲載されています。しかし、そのままの状態で、どの企業にとっても最適といえる万能なものは存在しません。なぜなら、企業ごとに求める人材は異なっており、重視するスキルや資格なども違っているからです。したがって、自社用のものを制作する必要があり、テンプレートを活用する場合でも自社用にアレンジすることが望ましいです。
面倒な仕組みは、評価基準を不明瞭にし従業員の納得感を低下させる可能性があります。
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面接評価シートが必要な理由
これまで面接評価シートを使わずに採用活動を行ってきた場合、いまさら導入する必要があるのか疑問に感じるかもしれません。その疑問を解消するために、どのような理由で必要とされているのか解説します。
1.ミスマッチが起こる可能性を減らせる
面接の具体的な目的として、自社と応募者のミスマッチを防止することが挙げられます。履歴書や職務経歴書だけを見て、自社に合っていると感じて採用しても、実際はそうではないケースが珍しくありません。この場合、入社後に期待どおりの役割を果たしてもらえず、早期に転職されてしまうリスクもあります。もし転職された場合、採用活動をした意味がなくなりますし、教育を施した後ならその費用なども無駄になるのです。人員不足によってプロジェクトが停止するような事態が起こると、収益の面でも被害が出てしまいます。
上記のようなリスクを回避する必要があり、面接官の責任はとても大きいです。直感だけを頼りにするのは間違いで、応募者について多角的に詳しくチェックしなければなりません。しかし、どうすればミスマッチを発見できるのか分かりにくいという実情があります。そして、その問題の解決に役立つのが面接評価シートというわけです。詳細は後述しますが、制作過程においてミスマッチを防ぐための工夫も盛り込めます。これまでの応募者に関するデータから、採用後に定着する可能性について推察が可能です。
2.客観的かつ公平な選考を行える
従業員の人事評価は客観的に実施する必要があり、この点は採用活動も同様と考えて差し支えありません。あらかじめ採用後に配属する部門やチームが決まっている場合、そのリーダーを面接に参加させるケースもあります。面接官となったリーダーは、応募者とフィーリングが合いそうか気にする場合もあるでしょう。一緒に仕事をする立場としてそう感じやすいですが、公平性を欠かさないためにも、やはり主観による評価を避けることが基本となっています。どのような立場の面接官にも客観的な評価を望むなら、そのための指針を事前に設けなければなりません。
面接評価シートはその指針としての役目も担ってくれます。質問の内容や回答に対する評価に、個人的な思想や感想が混入することを防げるのです。この混入を許していると、自社の求めるスキルや資格がないにもかかわらず、面接官が気に入ったという理由だけで採用されかねません。言い換えると、十分なスキルや資格を持って応募した人材が、不当に落とされるという不公平が生じるリスクもあります。一方、面接評価シートを利用すれば、採用する応募者の能力が一定以上であることを客観的に担保できます。公平な選考が可能となるうえに、想定していた実力どおりの人材を採用しやすいことが魅力です。
3.面接をスムーズに進行できる
企業の規模や方針にもよりますが、応募者が殺到した場合は面接を効率的に進めなければなりません。しかし、応募者1人あたりに割り当てられる時間が短いと、経験が浅い面接官は上手に進行できないこともあるでしょう。焦って的外れなことばかり質問してしまうケースや、何を尋ねれば良いのか迷って会話が途切れるようなケースもあります。面接評価シートには、面接を進行するシナリオとしての役割もあるため、このような事態を未然に防止することも可能です。
チェックしたい事柄が各項目にまとめられており、質問の抜けが起こらなくなります。書き方も決まっているので、情報の記録に手間取るような事態も生じません。同じ趣旨の内容を別の面接官がまた尋ねるなど、面接におけるさまざまな無駄を予防できます。このように面接評価シートは、面接を合理的に進めるためのサポート役としても重要です。採用活動の期間が短くて、選考のスケジュールがタイトなときに、特に大きな効果を発揮してくれます。
面接評価シートの作り方
ここでは面接評価シートの作り方について紹介します。フローは厳密に定められているわけではありませんが、以下に挙げる4つのステップで作られることが多いです。ステップごとに一般的な方法などを紹介するので把握しておきましょう。
ステップ1:採用したい人物像を検討
自社にマッチする人材を確保したいなら、どのような人物像を理想とするのか定義する必要があります。人物像が定まらない状態だと、評価の項目や基準などを考えられません。スキルや実績などはもちろん、年代や価値観といったパーソナルな要素まで細かく検討しましょう。これらが漠然としている状態だと、評価がぶれてしまうので気を付ける必要があります。すべての面接官が共通のイメージを強く持てるような人物像を設定することが大事です。よって、どのような人材が求められているのか調査することがポイントになります。
事業計画などを参照するだけでも、自社にとって貢献度が大きい人物像をある程度は予想できます。しかし、そのような資料だけでは分からない素養が求められているケースも少なくありません。したがって、関連性が高い人の意向をしっかり聞いておくことが大事です。大まかな方針を決定するためにも、経営層の希望を最初に確認したほうが良いでしょう。その後で、配属予定の部門でヒアリングするのが一般的です。上司となる従業員が決まっているなら、その意見も参考にすると詳細な人物像を考えやすくなります。経営層の意見は経営理念や社風を重視したものになりがちなので、具体的な職務に関して現場の意見を取り入れることも重要です。
ステップ2:評価の項目を設定
採用したい人物像を定めたら、それに合わせて評価の項目も検討します。この項目は多岐にわたるので一般的な例を後述しますが、パーソナリティやスキルなど多角的に設定することが基本です。思いつくままに列挙して、本当に必要かどうか取捨選択していきます。同時に項目の優先順位も決めておくと、この後のフローを実施しやすくなるでしょう。いずれにせよ、人物像をブレイクダウンして各項目に集約することがポイントです。ステップ1の調査結果をまとめた人物像のイメージから、具体的な言語に変換する作業といえます。調査結果と照らし合わせながら、イメージとのずれが生じないように慎重に進めなければなりません。
項目がたくさんあるなら、1次面接用と2次面接用に分けて項目を定めます。絶対に省けないという項目を1次面接用にして、加点や補助の要素と考えられる項目を2次面接用にすると、採用する候補者を絞りやすいです。また、複数人を採用する予定の場合、求めているタイプが1通りではないケースもあるでしょう。たとえば、経理部門と技術部門の人材を同時に募集する場合、部門によって理想的な人物像は違っているのが普通です。人物像が複数のタイプに及ぶなら、タイプごとに面接評価シートを用意しなければなりません。もちろん、それぞれに適した項目を設定することになります。
ステップ3:採用する基準を決定
評価の項目を決めたら、次は項目ごとに合格と判定する基準を定めます。ここで重要なのは、できるだけ定量的にチェックできる仕組みを作ることです。そうすることで、主観が入り込む余地を大幅に減らせます。代表的な方法は、1~5点というように程度に応じて点数化する方式です。具体的な表現とセットにすると、点数を付けやすくなります。向上心という項目なら、学習の習慣がない人が1点で、セミナーや研修によく参加する人は5点といった具合です。このように最低点と最高点を最初に定義しておくと、その間の点数に関しても表現をスムーズに考えられます。
各項目の総合点が何点以上なら採用するのか決めることも大事です。上位の人を採用するという方針もありますが、妥協したくない場合は合格のラインを定めなければなりません。また、総合点に関しては、単純な加算ではなく、項目の優先度に合わせて比重を考慮する必要があります。重視する項目の点数を倍にして、必須ではない項目の点数を半分にするなどの調整を行いましょう。また、どうしても点数化しにくい項目については、自由記述欄を設けることも一つの手です。主観が入りやすいので注意する必要はありますが、同点の応募者がいた場合などに選択の参考になります。
ステップ4:項目ごとに質問を準備
項目ごとの基準を定めたら、応募者がどれに該当するのか判断するための質問を用意します。フリートークの形で、どの基準に該当するのか探るという手もありますが、質問の仕方によって受け答えの内容が微妙に変わってしまいます。そうすると正確に点数を付けられない可能性があるため、やはり質問を具体的に定めておいたほうが得策です。項目ごとに2段階の質問を準備しておくと、応募者の詳しいデータを得やすくなります。起点と掘り下げという観点で、分かりやすい内容のものを用意するのが一般的です。
項目が向上心なら、起点に関しては「成長のために何をしていますか」と尋ねてみると良いでしょう。掘り下げの例としては、「それが必要と思った理由を教えてください」という質問が挙げられます。あくまでも一例に過ぎませんが、このように自然なコミュニケーションで進められるものが理想です。起点の質問に対する返答を想定し、複数の方向から掘り下げを可能にしておくケースもあります。たとえば、自分の成長に自信がある応募者に対しては、「成果をどのような場面で発揮したいですか」という質問も効果的です。
人材の能力を最大限に引き出し、自社の中で活躍し続ける状態をつくることが企業経営、特に人事戦略にとっての要となります。
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面接評価シートの必須項目
同じような規模や売上の企業でも、業界や業種などによって重視する評価の項目はさまざまです。ここでは、多くの企業で設定されている一般的な項目を挙げ、それぞれのポイントを紹介していきます。
1.スキル
従業員として雇用する以上、戦力として貢献してもらわなければ意味がありません。そのためには、職務を遂行できるだけの技能を有していることが条件になります。この点数が高ければ、即戦力として活躍してくれることを期待できるでしょう。点数が低い人を採用する場合、入社後に教育を施す必要があります。
2.主体性
上司の指示を待っているだけでは、個人としての生産性は低いままです。積極的に自分の判断で行動できる人材が多いと、集団としての生産性まで向上していきます。社風を理解して組織になじむ姿勢も必要であるなど、会社生活のあらゆる場面で主体性は不可欠です。また、この点数が高い人はリーダーの候補になることも期待できます。
3.マナー
企業で働くなら、社会人としてのマナーを身につけなければなりません。敬語の使い方やスーツの着こなし方などから、どれくらい習得できているのか判定します。営業職など、顧客と接触する職種において比重が高くなる項目です。ただし、従業員の間でも礼節は必要なので、内勤だけの職種においても軽視しないようにしましょう。
4.コミュニケーション能力
企業では一般的に仲間と連携しながら働きます。それをスムーズに行うには、コミュニケーション能力が欠かせません。いくら能力が秀でていても、会話が成立しない人物だと業務が滞りやすいです。そのようなリスクを回避するためにも、この項目の点数が低すぎる場合は採用を見送ったほうが良いケースもあります。
5.志望動機
志望動機に関してチェックするポイントは、自社に応募した必然性の有無です。どの企業にも当てはまるような理由で志望している人は、条件が良い企業を見つけたらすぐに転職するかもしれません。末永く貢献してもらいたいなら、企業研究によって自社の魅力を十分に理解している人の点数を高くしましょう。
6.自己PR
自己PRは内容も重要ですが、表現の仕方などに気を配って点数を付けることも大事です。企業で働いていると、チームの取り組みを紹介したり商品をプレゼンしたりするなど、アピールを求められる機会が多くあります。採用前に自己PRが上手だと分かれば、そのようなアピールをこなす素養もあると判断できるでしょう。
7.失敗の経験
面接官が自己PRを求めると、成功の実績を話す応募者が多いです。そのような人でも企業で働いていると失敗することはあるでしょう。重要なのは、損失を最低限に留めて早期に立て直すことです。その素養を探るために失敗の経験について尋ねることは少なくありません。どのように対処したのか確認し、リカバーの能力を点数化することがよくあります。
面接評価シート運用時のポイント
上記の手順に従うだけでも面接評価シートを用意できます。ただし、活用しやすくしたいなら、より詳しく作成のポイントを把握しなければなりません。以下に代表的なポイントを紹介するのでチェックしておきましょう。
1.過去のデータによるミスマッチの削減
自社に適した人材を見つけることが面接の目的です。別の見方をすると、自社に適さない応募者を見極めることも目的といえます。後者を達成するにあたり、過去のデータはとても参考になるでしょう。貢献度の低い従業員や早期に退職した従業員をピックアップし、それらの人物を面接したときの記録を確認します。そうすると共通している特徴が分かるケースも珍しくありません。たとえば、協調性が感じられないという記録が、共通して見られる場合もあります。これを参考にして、面接評価シートに協調性という項目を設定すると効果的です。その点数が低い応募者はあらかじめ候補から外しておくと、ミスマッチの発生を減らしやすくなります。
2.新卒採用と中途採用の比重を調整
新卒採用と中途採用では、企業の部門や職種が同じでも面接で重視する内容が違います。具体的には、新卒採用は中途採用と比べてポテンシャルを高く評価するのが一般的です。一方、中途採用に関しては、現時点の能力を基準にする企業が多く見受けられます。そのような差がある企業において、両者に同じ面接評価シートを使用するのは良くありません。少なくとも各項目の比重を見直して調整することが必要です。たとえば、新卒採用の比重については、スキルを下げて主体性や志望動機を上げておきます。中途採用で即戦力にこだわるなら、スキルの比重を著しく上げることも一つの手です。
3.面接の時間を考慮して項目を厳選
応募者について詳しく把握したいと考えるあまり、評価の項目を増やしすぎるケースがあります。そうなると、面接の時間内に質疑応答を終えることが難しくなりやすいです。応募者ごとに質問できる数が違ってしまうと、公平に比べられなくなるので注意しましょう。急いでいる状態だと、面接評価シートを埋めることが目的になりかねません。応募者とのコミュニケーションが疎かになってしまい、掘り下げを十分に行えないといったリスクも生じます。このような事態を避けたいなら、本当に必要な項目だけを厳選することが大切です。面接は応募者が面接官に質問できる場でもあるため、最後にその時間を残せるぐらいの数に絞ることが理想といえます。
4.面接を終えてからの利便性を向上
面接評価シートの出番は面接中だけではありません。終わってから記入された内容をチェックし、採用するかどうか検討します。上司になる予定の従業員など、面接官以外の人物がその作業に参加することも多いです。そのため、人事担当者にしか通用しない用語や方式を用いるのは良くありません。普段は採用活動に関与しない人でも理解できるように、文言やレイアウトを工夫する必要があります。また、印刷せずに面接中もタブレットなどで表示し、デジタルの資料として扱うケースが増えています。記録したデータを活用しやすくするため、検索やフィルタリングの仕組みを整えておくことも大切です。
面接評価シートが企業の成長を後押しできるメリット
企業は面接評価シートの利用によって、多くの恩恵を受けられます。ここまでに紹介した内容以外にもメリットがあるので、それらを活かす意識を持つことも重要です。企業の成長に関わる魅力的なメリットを以下に2つ挙げます。
1.ブランドイメージの形成を促進
企業が売上を伸ばすには、さまざまな面で他社と差別化することが大事です。そのためには、まず自社のブランドイメージを固めなければなりません。消費者や取引先の記憶に残りやすくなり、業界で一歩リードする結果にもつながるのです。この前提として、従業員のスタンスに一貫性を持たせることが欠かせません。企業はあくまでも人材の集合体であり、従業員に統一感がないと組織の個性が生まれにくいからです。面接評価シートで一貫性のある採用を行っていれば、おのずと共感し合える従業員が増えていきます。組織のまとまりが良くなり、社風や共通の精神が個性として定着していくでしょう。それがブランドイメージの形成を促すことにもなります。
2.従業員を教育する効率がアップ
面接評価シートは教育の効率を上げるアイテムとしても優秀です。採用の基準として比重が高い項目は、企業や部門で従業員に不可欠と考えられている要素に他なりません。面接評価シートの作成過程でその要素が明らかになると、既存の従業員をレベルアップさせる方針のテーマにすることも可能です。また、面接評価シートを面接で使うと、採用した応募者について詳細を把握できるため、的確な導入教育を提供しやすくなります。指導にかかるコストを節約できますし、戦力として活躍できるまでの期間も短縮しやすいです。
面接評価シートのデメリットを解消するための対策
面接評価シートがあると面接を手際よく実施できますが、一方で形式どおりの進行に陥りやすいというデメリットもあります。そうなっていると、その形式に慣れている応募者が著しく有利になりかねません。たとえば、同じ業界の企業が同じテンプレートを利用して作成した場合、面接評価シートの仕上がりが似ている状態になることもあるでしょう。そのような企業の面接を受けているうちに、起点や掘り下げの質問なども予想できるようになります。面接官にとっては、面接のテクニックで実力をごまかされるリスクや、初めて面接を受ける人より高く評価してしまうリスクもあるのです。
その対策として、できるだけオリジナリティがある面接評価シートを用意することが挙げられます。そうすると、面接の形式が他社のものと異なるため、すべての応募者を公平な条件で判定しやすいです。独自性を出そうとすると手間はかかりますが、自社にとって本当に必要な人材を採用したいなら、試してみる価値は十分にあります。
面接評価シートを作成してブラッシュアップしよう
面接評価シートをうまく利用すれば、公平な面接を効率的に実施しやすくなります。企業と応募者のミスマッチを防止できることも大きな魅力です。ただし、それらの恩恵を受けるには、適切な手順で作成しなければなりません。作り方のコツも把握してオリジナリティを高めることもポイントです。作った後も継続的にブラッシュアップして、自社にとって理想的な面接評価シートにしましょう。