【2023年】採用担当におすすめの本12選!戦略人事を目指せる良書を紹介


少子高齢化により人材の獲得競争が激化する中、優秀な人材を確保し、会社の成長に活かすには、採用戦略がキーになります。

採用には綿密に計画が練られた戦略が求められるというのが採用戦略の考え方ですが、会社に貢献できるような提案を行うには勉強が必要です。こちらでは、採用戦略の基礎を形作る本や、実践に役立つ本など、勉強におすすめの書籍をジャンルごとにご紹介します。

変化の時代に求められる人事の役割を学べる本

採用戦略を実施したいと思っても、経営陣や人事担当者が保守的で、新しい考え方を取り入れる意識が薄いと、有効な手段を打つのは難しいでしょう。採用戦略を考える以前に、事業を取り巻く昨今の状況を加味した人事の役割を学ぶ必要があるかもしれません。変化する時代に求められる人事の在り方や役割について学べる本として、以下のものが挙げられます。

人事こそ最強の経営戦略(かんき出版)

人事・人材戦略コンサルティングのスペシャリストである南和気氏の著書で、日本企業の強みを生かした人事のグローバル化を提唱しているのが特徴です。冒頭の部分では、国内でビジネスを展開する企業であっても、人事にグローバルな視点を取り入れるべき理由として、労働者の高齢化による人材不足や多様化を挙げています。

本文では、グローバル人事の本質や期待できる変化について記載した後、「人」に着目する人事に必要な点や、事業の成長につなげる人材配置の方法が取り上げられています。経営戦略における人事の重要性を理解できる本で、採用戦略を練るうえで参考にしたい考え方が含まれています。

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事業を創る人事:グローバル先進企業になるための人づくり(日経BPマーケティング)

人事の在り方を根本から覆すような革新的な内容が書かれている本ですが、まず、人事は給与や採用、福利厚生などを重視する役割から卒業し、事業ラインを支援するパートナーになる必要があると説いています。

変化の時代を生き延びる唯一の道は、新しい組織や人材基盤を創造することで、人事がわかる経営者と、経営がわかる人事部の必要性とその特徴が書かれています。こちらの本では、人重視の姿勢で経営戦略を練り、成功してきた企業の実例を挙げているので、説得力があります。実力主義の貫徹や人材の多様化がいかに大事かも記載されています。これらがウィークポイントで、採用戦略を見直したいと考える企業の人事担当者は参考になるに違いありません。

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戦略人事のビジョン制度で縛るな、ストーリーで語れ(光文社)

本の冒頭では、「人事は何のためにあるのか」と根源的なことについて触れ、人事は組織の力を最大限に高めるために存在するとし、自ら旗振り役を務める重要性が示されています。また、成長し続ける強い会社になるかどうかは人事がポイントであると述べ、人事の新たな役割を認識できる内容となっています。

「人事」と聞くと、採用や出世のカギを握る怖い存在というイメージを持つ方も多いですが、それは日本企業が過去を踏襲した「継続性のマネジメント」に縛られているからで、人事がその先頭に立っているからだと、この本は記載しています。これからは、自社の現在の立ち位置や情報開示を意識したマネジメントが必要だとも書かれており、採用戦略の方向性を考えさせられます。

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組織開発について学べる本

採用戦略は、組織開発の一つの方法といえます。そのため、組織開発の意義や目的について学ぶことも人事・採用担当者に求められます。会社組織はそれぞれカラーがあり、正解はありませんが、成長してきた企業例を参考にできます。こちらで取り上げる本を活用するとよいでしょう。

DREAM WORKPLACE(ドリーム・ワークプレイス)――だれもが「最高の自分」になれる組織をつくる(英治出版)

ルイ・ヴィトン、ユニリーバ、ハイネケンなど、世界から優秀な人材を引き付け、価値を生み出し続ける企業の実例がふんだんに盛り込まれた本です。序章では「なぜここで働かなければならないのか?」と組織に対する挑戦状ともいえる疑問が投げかけられており、選ばれる職場づくりのノウハウが展開されています。

例えば、会社で従業員がありのままでいられるよう、違いを認めて伸ばすことの重要性が書かれています。また、社員の強みと利益を理解し、それらを強化することで、従業員一人一人のために特別な価値を創造する必要性も説いています。日常の仕事にやりがいをもたらし、透明性や公平性を高める工夫など、人重視の組織づくりのエッセンスは、採用戦略に活かせるに違いありません。

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自然経営ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織(内外出版社)

変化の激しい時代に対応しやすいと注目される、自律型会社組織であるティール組織について記載した本になります。こちらの本の著者の一人は、高校卒業後にミュージシャンを目指して渡米し、帰国後にCDデビューなどを果たした後、起業・倒産・事業売却などを経験した武井浩三氏です。

自分が経営した会社で、給与・経費・財務諸表をすべて公開したり、代表は選挙で決めるなど、ティール組織の前身ともいえる取り組みを進めた方でもあります。単に理想論を書いているのではなく、実践の過程や結果が盛り込まれているので、学ぶべき点は多いでしょう。

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ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える(東洋経済新報社)

大手IT企業・Googleの人事トップが、自社の採用・育成・評価について公開している本です。Googleは、あらゆる企業の人の扱い方に影響を与えたといわれる人事のシステムを持っていますが、従業員が6,000人から10倍の60,000人に増えていく過程で人事の制度設計を担ってきたのが、この本の著者であるラズロ・ボック氏です。

目次を見ると「最高の人材を探す方法」など、採用戦略に直接結びつく内容も書かれていますし、「学習する組織を築こう」「ナッジ/選択の背中を押す」など、会社組織の改革に資する記載もあります。本を読み進めていくと、巨大企業だからできることだけでなく、中小やスタートアップ企業でも取り入れられる考え方が多く含まれており、採用戦略の在り方にも影響を与えるかもしれません。

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経営や事業を学べる本

採用戦略は経営や事業の方向性とリンクします。そのため、人事担当者であっても、経営や事業についての基本知識を身につけておく必要があるでしょう。その点で役立つ本として、次のものが挙げられます。

ビジネスモデル for Teams 組織のためのビジネスモデル設計書(翔泳社)

世界的なベストセラーとなった「ビジネスモデル・ジェネレーション」の続編という位置づけの本になります。前作で取り上げられた「ビジネスモデルキャンパス」つまり、ビジネスで重要な9つの要素を視覚的に分類したものを組織やチームに適用し、最大限に活用する手法を説いているのが、この本の特徴です。

着目しているのは「個の力」です。組織やビジネスモデルを重視するあまり、個人を考慮しない体制にイノベーションの実現は難しいといえるでしょう。個人の意識を変えることでチームの変革を目指すのが、この本が推奨する主要な考え方で、それが働きやすさにつながるとしています。自社組織の活性化を目指す人事・採用担当者にとって学びの多い本となるに違いありません。

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リデザイン・ワーク新しい働き方(東洋経済新報社)

経営を取り巻くトレンドとして「ウェルビーイング」が挙げられます。ウェルビーイングは健康で幸福な状態、満足いく状態を表す言葉で、もともと医療や看護などの社会福祉の分野で使われていましたが、ビジネスの世界でも職場環境や働き方の指標になっています。経営に働き手の視点がより加わったものが、ウェルビーイング経営といえるでしょう。

こちらの本では、ウェルビーイング経営と充実した働き方の実現を、理解・構造・検証・創造の4つのステップを踏んで達成した詳細事例を取り上げています。この本は2022年4月に発売されて以降、日本のメディアにたびたび登場しており、新型コロナ以降の新しい働き方を念頭に置いた採用戦略にも影響を与えることでしょう。

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人材開発について学べる本

企業が成長し続けるためには、多様な人材の活用が必要といわれます。単に、自社の社風に合った人材を獲得するというのではなく、心理や科学、数学的な視点を持つことが成功のカギを握ります。採用戦略を人材開発の一つの手法としてとらえ、より効果が上がる方法を見つけ出すべく、以下の本から学ぶことをおすすめします。

幸せのメカニズム 実践・幸福学入門(講談社)

人材開発を考えるにあたり、念頭に置きたいのが、人が幸せを感じる要素です。こちらの本の著者であるロボットや脳科学を研究した前野隆司氏は、感覚に頼るのではなく、科学的な側面で幸せの概念を考えるよう促しています。その理由として、人は、必ずしも幸福に直結しないものに価値を見出したり、過大評価する傾向にある、つまり、自分を誤導するケースがあることを挙げています。

また、幸せは、幸せ自体を目指すというよりも、幸せに関係する対象を追求した結果でついてくるもの、とも説明しています。幸福に至る過程や仕組み、メカニズムの理解を深めると、採用戦略を含む人材開発に生かすことができるでしょう。ヒントになる情報がわかりやすくまとめられていて、学者の著書のイメージに反し、読みやすい本です。

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心理学的経営―個をあるがままに生かす(PHP研究所)

30年にわたる実務と研究をもとに、組織における人間の感情や個性を追求した本です。こちらの本では、人がいろいろな欲望を抱えていて、感情に左右されながら、時として非合理的な考え方をする傾向があると述べています。そののち、人の現実をありのままに受け入れ、感情が行動に重大な影響を及ぼす要因ととらえる「心理学的経営」の必要性を説いています。

心理学的経営は、これまでの人材のとらえ方とは一線を画するものです。制度や規則で労働者を管理し、それ相応の給料を支払うことが満足度を上げる要素ではないとし、仕事の過程や成長など、報酬や対価以外のものが達成感や充足感につながると明言しています。これまでの人事制度に一石を投じる内容となっており、人との向き合い方を再考する手助けともなります。

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採用のノウハウが学べる本

採用戦略に成功している会社の事例から学びたい経営者や人事担当者は少なくないことでしょう。採用戦略を提案したり、実施するうえで役立つ本として、次のものが挙げられます。

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則(ダイヤモンド社)

大手や誰もが知る有名企業・地方の会社・ベンチャーなどの、採用の成功事例から学べる本です。獲得したい人材が思わず振り向くような求人コピー、ブログやSNSを人材獲得に活用する方法、エージェントとの付き合い方、効果的な面接の進め方、候補者の本音を引き出す質問集など、採用戦略ですぐにでも使える内容が多く含まれています。成功例だけでなく、失敗例から学べるのも、この本の特徴といえるでしょう。例えば、内定辞退を引き起こす失敗事例から学べる点がピックアップされています。加えて、採用担当者に求められる資質についても取り上げられているので、自身の襟を正すのにも役立ちます。

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人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則(ソシム)

人事や採用に成功した企業は、取り組みが先進的と評価されることがありますが、実は、心理学や組織論をベースにした行動科学に基づいたものが多く、それらが人事や採用のセオリーとなっているというのが、この本の著者の意見です。

人手不足で新規採用が思うようにいかないケースが続出するであろう今後は、従業員をないがしろにした辞令や年功序列に重きを置きすぎる評価制度は通用しなくなると述べ、人事の在り方や採用の考え方を大きく転換するよう促しています。リクルートやライフネット生命、オープンハウスなどで人事・採用責任者を担ってきた著者だからこそ提案できる、人を動かし組織を伸ばす人材マネジメントの極意といえる記載が多数含まれ、採用戦略を練る人事担当者にとって見逃せない内容の本です。

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採用戦略を本で学ぶ利点

効果的な採用戦略を練るためには、採用についての知識やテクニックだけでなく、経営や組織、人材開発など、多方面にわたる情報を取り入れておく必要があります。また、時代の変化に応じた人事の在り方も理解することが大事です。幅広い知識を得るのに、分野ごとにまとめられた本で学ぶのは効果的です。重要な部分にしおりをつけ、何度も読み返すと、自社での活用方法を見つけ出せるでしょう。

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