CoE/センターオブエクセレンスとは?意味、導入メリット、人事的役割を解説

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時代の変化とともに企業にもさまざまな変革が求められる中、それを効率的かつ効果的に行うための施策にも注目が集まっています。その一つが「CoE(センターオブエクセレンス)」です。企業にもデジタル化の波が押し寄せていますが、CoEはそうした変化に対応するための施策・組織でもあります。本記事では、CoEの意味や基礎知識から、導入のメリットやデメリット、人事的役割や導入するポイントまで解説します。

CoE/センターオブエクセレンスとは?

「CoE(センターオブエクセレンス)」は「Center of Excellence」の頭文字をとった略語です。点在する人材や技術、知識やノウハウ、ツールなどを1カ所へと集約すること、あるいは集約された組織や拠点を指します。ビジネスにおいては、主に企業内の優秀な人材や情報などの集約のために設置された組織を意味するケースが多いでしょう。人事におけるCoEでは、例えば、評価制度の構築や研修プログラムの開発などが行われます。

また、人事システムの設計やD&I(ダイバーシティ・アンド・インクルージョン)、つまり多様性の受容や包括にも活用されます。具体的な定義や決められた形態はありません。技術の発展に伴い「DCoE(デジタルセンターオブエクセレンス)」や「CCoE(クラウドセンターオブエクセレンス)」などに細分化し設置する企業もあります。

CoEの発祥

CoEの発祥は、1940〜1950年代のアメリカ、スタンフォード大学とされています。同大学にとって優秀な人材の確保は重要な課題でした。スタンフォード大学は他の、特に東海岸の大学や研究所へ人材の流出が起こっていることに危機感を覚え、アメリカ全土から優秀な教授や設備などを集めます。そうして設置された研究所がCoEです。結果的に、大学だけではなくその周辺にさまざまな、特に革新的な産業や企業が誕生し発展していきます。こうした取り組みがその他の機関・分野にも広がり、現在ではビジネスにおいても重要な役割を果たすに至っています。

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企業経営にCoEが必要とされる背景

意義を見出せなければ、CoEの設置に積極的になる企業は出てきません。まずは、CoEが重要視される背景への認識が不可欠です。ここでは、CoE設置が必要とされる背景や理由を解説します。

1.複雑性や不確実性

個人の価値観や生き方が多様化するにつれて、社会の複雑性が増しています。企業は、そうした複雑性に対応しなければいけません。従来の企業の在り方は、正しいとされていた理念やシステムを踏襲し、それに社員や業務を当てはめていくものでした。

しかし、多様化や複雑化が起こることで、旧来型のビジネスモデルやマネジメントシステムでは社会や消費者に受け入れられない状況を生み出しています。特に、従来の企業の在り方に多くみられたのが、縦割り型の構造です。企業内に存在している各部署や組織はそれぞれが独立した構造となり、情報共有などが積極的に行われてきませんでした。この構造は、非常に閉鎖的な組織を生み出しかねません。一部の組織が多様化を進めようとしても、他が呼応しなければ企業全体として社会の変化に対応することは困難でしょう。

そうした縦割り構造の解消の一つの施策となるのがCoEです。各部署や組織、分野の人材や情報を一点に集約させることで、企業全体として課題の解決や目標の達成へと取り組むのがCoE設置の最大の目的です。現状の複雑性だけではなく未来の不確実性に対応するためにも、CoEの存在は欠かせません。未来の正確な予測は不可能ですが、どのような未来になっても対応可能な体制や組織の構築は企業が生き残るには不可欠です。CoEにより、社内の情報共有が迅速に行われ、結果的に早い決断や実行へとつながれば、縦割り構造のままの企業よりも全体として素早い対応が可能でしょう。CoEの設置で横断的な企業へと生まれ変わることは、複雑性や不確実性が増す社会においては非常に重要な役割を担います。

2.DX化

複雑性や不確実性を生み出している要素の一つに、社会のデジタル化があります。DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉も、徐々に浸透してきました。いわゆるデジタル改革であり、企業だけはなく個人や、それらで構成されている社会全体をデジタル技術により快適かつ便利にしようという考え方です。特に企業におけるDX化の重要性が増しています。デジタル技術の導入の遅れは、そのまま時代に取り残されることを意味するためです。積極的に取り入れなければ情報の整理や活用も遅れ、業務の遂行に、より時間的かつ経済的コストがかかってしまいます。

企業がDX化を促進するのであれば、同時にCoEの設置も欠かせません。DX化は、情報の共有や分析の迅速化や効率化にも貢献します。それが一部の部署や組織のみでしか行われなければ、企業全体の利益へと反映しづらいでしょう。CoEの設置により、DX化の効果やメリットをすべての部署や組織が享受し、最終的には企業全体の利益へとつながります。また、デジタル技術の導入のみで満足することなく、DX化の形骸化を防ぎ、DX化の効果を最大限引き出すのにもCoEの組織は役立ちます。CoEが優秀な人材や重要な情報、高度な技術やツールを集約する組織であるのは、まさにそのためです。

CoEの役割

CoEには、主に5つの役割があります。企業により各役割のウエイトは変化するものの、いずれも認識したうえでの設置が重要です。また、すべての役割は人事や採用の戦略化や効率化にも欠かせません。ここでは、その5つの役割にくわえて、さらに人事領域にフォーカスした役割とあわせて6つをそれぞれ掘り下げ解説します。

1.知識や情報の収集と整理

同じ企業内でも部署や組織により、有している知識や技術、情報には差があります。もちろん、特定の部署にしか必要性が生じない知識もあるでしょう。一方で、本来は必要であるにもかかわらず、その必要性が一部の部署にしか認識されていないケースも少なくありません。まずは、社内の知識や情報を1カ所に集め整理する必要があります。そのための組織がCoEです。また、一部の社員のみが有している知識や技術の集約も、CoEの役割の一つです。知識とは、業務に関わるものから理念や価値観といったものにも及びます。ノウハウも含め、広く活用できるかどうかにかかわらず収集・整理が重要です。

2.企画や戦略の立案

集めた知識や情報を元にした企画や戦略の立案もCoEの役割の一つです。企画や戦略は細分化できますが、CoEが担うのは企業全体に関わるものが中心です。例えば「組織機構の変革」や「事業所の統廃合」などがあるでしょう。「海外への展開」や「新商品の展開」に関する企画・戦略などもあります。これら企画や戦略の立案および実行は、一部の部署のみでは困難です。プロジェクトのためだけに、その場限りで複数の部署の協働を働きかけても、多くの場合はうまくまとまりません。あらかじめCoEを設置し知識や情報を共有することで、必要なときに迅速かつ効果的に連携がとれる効果が生まれます。また、企画や戦略の内容も意義の大きなものにしやすくなります。

3.効果測定とフィードバック

CoEにより実施された企画や戦略の効果測定も行います。戦略などは実施・実行のみでは意味がありません。必ず効果に関する情報も集め、整理・分析します。必要に応じて調査を行い、可能な限り正確かつ公正な情報収集と効果測定への心がけも重要です。また、得られた効果や情報を企業内の各部署や組織へとフィードバックします。フィードバックに関しても、単に情報提供するのみでは意味が半減してしまうでしょう。それを業務へとどう活かすとよいのか、あるいは課題解決方法などとともに提供する必要があります。その活かし方や方法の策定もCoEの重要な役割です。くわえて、モチベーション向上のための施策など、内面にフォーカスしたフィードバックも行います。

4.業務プロセスの整備や構築

業務プロセスの見直しや新たな整備・構築もCoEの重要な役割です。不要な業務があれば取り除き、効率化を促進します。マニュアル化が必要であれば構築し、また、業務の見える化により安全性の確保や問題の発生の防止にも役立てます。部署や組織ごとに詳細な業務は異なるでしょう。しかし、標準化が可能な一部業務や全体のフローなどは存在しているケースが大半です。業務やフローの標準化も効率化を高め、コストの削減にも寄与します。企画や戦略だけではなく、この業務プロセスの整備や構築に関する効果測定やフィードバックも実施します。

5.イノベーションの促進

縦割りの構造は、一部の部署や組織内など非常に狭い世界のみでの効率化を重視します。これは、特定の技術を磨くなど専門性の獲得や深化に関してはメリットをもたらします。しかし、企業全体でみればイノベーションを阻害する可能性が高まるでしょう。視野が狭くなり、新たな知識や情報、技術の獲得に支障をきたすためです。CoEは、このような状況を打破し、幅広い知識や情報の横断的な活用によりイノベーションを促進する役割を担います。集約した人材や知識、情報を掛け合わせることで、単体では難しかった価値観やアイデアが生まれやすくなります。

6.人事領域での役割

人事領域においては、評価制度や報酬制度、研修プログラムなどの構築も重要な役割となります。部署ごとに、成果重視の評価を実施するのか、それとも過程にもフォーカスするのかなどに違いがあれば、さらに部署同士の関係性が希薄なものとなりかねません。社員のモチベーション低下の恐れも生じるでしょう。横断的な取り組みにより、企業全体で従来よりも公正・公平な評価制度の構築が可能です。また、研修プログラムやトレーニングにも活かせます。真に必要な能力の開発のためのプログラムやシステムが構築しやすくなるでしょう。

CoEのメリット

CoEの持つ役割からは、さまざまなメリットが生まれます。ここでは、CoE設置がもたらすメリットを細分化し解説します。

メリット1:連携の強化

CoEの設置による横断的な組織の構築は、企業内の連携強化を促進します。これまで一部の部署のみで保有・活用していた知識や技術、システムを他の部署でも活用することで、コストの一元化が可能です。情報やノウハウなども同様です。また、新たなプロジェクトや商品開発なども企業全体で取り組みやすくなり、価値観や方向性の違いによる連携の乱れを防げます。すでに連携済みの分野において、無駄な連携がないとも限らないでしょう。連携強化のためには、こうした不要な連携の排除も欠かせません。CoE設置により、連携の在り方や現状についての精査や改善が可能です。

メリット2:属人化の防止

幅広い部署や社員での知識や技術、情報の共有は属人化を防止します。部署や社員の抱える知識や技術は、企業の財産ともいえるものです。しかし、それを特定の人たちのみしか把握・保有できなければ、宝の持ち腐れともなりかねません。CoEの設置は、価値のある知識や技術を可能な限り多くの人たちで共有し、真の意味で企業の財産とできるメリットがあります。閉鎖的な環境の打破にもつながり、属人化による問題を避けやすくなるでしょう。

メリット3:課題発見とトラブルの防止

当然のものとされていたことが、社会情勢や働く人たちの価値観の変化により当然でなくなることは珍しくありません。そのようなとき、CoEが設置されている企業では、素早く課題の発見や特定へと取りかかれます。課題は、しばしば自身では把握しづらいものです。CoEが俯瞰的に各部署や社員を見渡すことで、客観的な視点から課題や問題の発見・特定ができます。課題の発見は、トラブル防止にも役立つでしょう。未発見の、あるいは放置された課題が大きなトラブルを引き起こすケースは多々あります。CoEは発見した課題をもとに、あらゆる知識やツールを用いトラブルの防止に努めなければいけません。結果的に、企業に大きなダメージを与えかねないトラブルの回避や軽減効果が得られます。

メリット4:課題解決力の向上

トラブルへ発展する可能性は低いものの、解決できなければ生産性や効率性の低下、あるいは離職率や休職率の上昇をもたらす課題を抱える企業も少なくありません。人事においては「社員のモチベーションや成長意欲が上がらない」「適切な人材が採用できない」「評価に不満を訴える社員がいる」などの課題が当てはまるでしょう。こうした課題の解決力向上の効果も、CoEの設置にはあります。ある部署にはある課題が、別の部署にはないケースもあるでしょう。CoEはそのようなケースや外部の情報も取り入れたうえで、即座に課題解決の施策を構築し、必要な部署あるいは全社的に実施します。これまでよりも短期間での、かつ複雑な課題解決が可能となり、さらには、部署や社員ごとの課題解決力の向上をもたらすメリットも得られます。

メリット5:コミュニケーションの促進

これまで関わりをあまり持たなかった部署や社員同士がCoEにより連携することで、新たなコミュニケーションが生まれやすくなります。単にCoEの組織内だけではなく、必要だと判断されれば横断的な研修や会議なども実施されるでしょう。その中で他部署との交流が生まれれば、社員同士などよりミクロでの情報交換も促されます。よい点は吸収・採用し、悪い部分は取り除くなどしながら、組織全体の活性化が図れるメリットもCoEにはあります。

メリット6:協働意識の強化

コミュニケーションの促進や深化による協働意識の高まりにも期待できます。肥大化した企業では、しばしば部署や組織間での対立構造が生まれていました。企画部の提案や決定に技術者が不満を訴えるなどが代表例です。また、営業職へ他部署から適切な情報提供がされないがために顧客対応に支障をきたすケースもあります。CoEの設置によりそのような問題や弊害を取り除きやすくなります。企業全体で同じ目標や方向性へと向かう意識の醸成に役立つため、徐々に協働意識も高まっていくでしょう。

メリット7:社内の優秀な人材の確保・育成

CoEは、もともと優秀な人材の流出を防ぐ目的で作られました。そのメリットは企業内においても享受可能です。まず、CoEの設置により優秀な人材に焦点を当て集約させられます。そして、集められた知識や情報をもとに、企業が求める人材の育成へと役立てられます。特定の部署に優秀な人材が集中している場合、それがもたらされている理由の解明も可能です。優秀な人材が発掘・育成され、かつ評価されれば、それをきっかけに幅広い社員に対する正当な評価にもつながります。結果的に、優秀な人材ほど流出を防げる効果が生まれるでしょう。

メリット8:適切な人材配置

属している社員の能力を最大限活かし企業の業績向上へとつなげるためには、適切な人材配置が欠かせません。CoEにより、より適材適所の精度が高められます。一部の管理職の偏見や好みによる業務の割り振り、あるいは昇格・降格等を防げるためです。主観を可能な限り取り除くことで、能力やポテンシャル、性格にまでフォーカスした人材配置が可能となります。個々の能力を引き出すことにもつながり、企業全体に大きなメリットをもたらすでしょう。

メリット9:社内文化の醸成

企業ごとに理念や文化が作り上げられているものですが、それをすべての部署や社員が一様に把握・認識しているとは限りません。多様性が求められる中で、必ずしも同じ理念や文化に忠実である必要はないでしょう。しかし、部署や社員ごとの認識に大きな乖離が生じると、しばしば組織として機能しない局面も生じます。CoEが中心となり行われる人材の採用や異動、仕組みの構築や戦略の実施により、各部署や社員が同じ方向性や目標を目指すために必須の社内文化が醸成されやすくなります。部署ごとに文化が異なる企業にとって、このメリットは企業の一体感の構築にも寄与するでしょう。

メリット10:新たな人事戦略導入の促進

企業全体の業績向上のためには、適切かつ効果的な人事戦略の導入が求められます。人材配置にも共通しますが、人事戦略は横断的に行われなければいけません。CoEの設置により新たな、かつ横断的な人事戦略の導入を促す効果が期待できます。例えば、管理職などの育成を目的として部署や職種を一定期間ごとに異動させるジョブローテーションがあります。人事戦略の一つですが、これは横断的に行わなければ効果が得られないでしょう。部署間の交流や相互理解があってこそ成り立つ施策であるためです。このような人事戦略を取り入れやすくなる点も、CoEを設置する大きなメリットです。

CoEのデメリット

CoEの設置により、まったくデメリットが生じないわけではありません。ただ、事前の認識と対策により回避は可能でしょう。ここでは、CoEの設置がもたらしかねないデメリットを解説します。

デメリット1:CoEメンバーへの負担の偏り

CoEは企業内の優秀な人材が集まることにより組織されます。一般的にはCoEに関連した役職への専念ではなく、通常の業務にくわえてCoEの役職が与えられます。これまでの業務とCoEの業務が重なることで、メンバーの負担の増大は避けられません。CoEの活動が通常業務に悪影響を与えてしまってはあまり意味がないでしょう。各部署から人材が集められた結果、そのような事態となれば、むしろ部署間同士の軋轢を生じさせかねないため注意が必要です。

デメリット2:本来の役割の喪失

CoEの役割は説明したように、企業内を横断的な組織へと作り変え、そこからもたらされるさまざまなメリットや効果を享受する点にあります。しかし、各部署や社員のCoEに対する認識が乏しい場合、CoEが問い合わせ先や相談先といった役割にとどまりかねません。本来とは異なる役割を背負わされてしまうと、さらにCoEのメンバーへの負担増へとつながってしまうでしょう。にもかかわらず本来の効果が得られないため、コストや優秀な人材などCoE設置に費やしたリソースが無駄となってしまいます。

CoEを設置するためのポイント

CoE設置は、ポイントを押さえながらでなければ形骸化しかねません。ここでは、CoEをより効果を発揮する組織とするためのポイントを解説します。

ポイント1:社員への理解の浸透

CoE設置により生じかねないデメリットは、社員の理解不足に原因があるケースが多々あります。設置に際し、CoEとは何か、なぜ企業に必要なのか、役割や効果、メンバーの負担などに対する理解を深めなければいけません。

ポイント2:理想の人材像を定義

企業における理想の人材像の明確な定義も、CoEには不可欠です。CoEの組織を構成するメンバーの理想像にくわえ、各部署に属する社員や各役職の理想像も定義します。理想像を定めなければ、人材の抜擢や適切な配置もできません。横断的な構造とする以上、各部署をリードする役職は重要な役割を担います。CoEの役割はCoEの組織のみでは完結しないと理解しましょう。

ポイント3:定期的な交流の場の設置

CoEが形骸化しないためには、メンバーの定期的な交流が必須です。ただ集まるだけでは不十分でしょう。コミュニケーションを図る前に課題やテーマを決定しておくと、より深い話し合いの場となります。そのために、各メンバーによる課題やテーマに沿った情報の収集・整理も不可欠です。他のメンバーに頼ることがないよう、自ら積極的に情報の提供を行う意識と、それが可能なメンバーでの構成が求められます。交流の場では、それぞれの部署や業務の情報にくわえ、外部から得た情報も含め可能な限り多くの提供が重要です。それらを集約・共有しなければ、CoE設置の意味が薄れかねません。

ポイント4:チェック機能の構築や見直し

CoEの設置に伴い、チェック機能を構築しましょう。CoEからの意見や情報を、各部署が単に受け取るだけでは物足りません。社員に浸透させるためにもチェック機能を構築し、個々人が担当の業務や意識へと活かせる工夫が求められます。チェック機能は、客観的な判断の指標にもなります。チェック機能は必要に応じた見直しも不可欠です。社員によっては、しばしば疑問を抱いたり不明点が生じたりすることもあります。それらも必ず部署内で共有し、CoEへの集約も徹底します。ひいては、それが他の部署の機能の改善や効率化にもつながるでしょう。

ポイント5:多様な人材の採用

企業全体としてもCoE組織としても、多様な人材で構成される必要があります。社会の多様化への対応がしやすくなり、また、集約される知識や情報も多様性を帯び、より柔軟で発想豊かな組織へと移行できるでしょう。そのためには、採用の時点から多彩な人材に目を向ける必要があります。多くの企業が重要性は理解していても、実際には重点をおいて推し進めるのが難しいポイントです。だからこそ、CoEの効果を最大化するためにも、早めに多様な人材の採用に着手し、重要な役割を与える必要性が生じます。

CoEにより横断的な組織を構築し、DX化や多様化へ対応できる企業を目指そう

企業内の優秀な人材や情報、知識や技術を集約させた組織が「CoE(センターオブエクセレンス)」です。社会が多様化し未来への不確実性が増すとともにDX化への流れもあり、CoEの重要性は増しています。CoEの設置は部署間の連携強化や、適切な人材配置の効果をもたらすでしょう。新たな人事戦略の導入や、その効果の享受、また、企業のリソースの最大化にも不可欠な取り組みとなります。

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