タレントマネジメントのデメリット・メリットとは?

タレントマネジメントのデメリット・メリットとは?

日本では高齢化による人材不足が深刻な問題となっており、対策の一つとしてタレントマネジメントが注目されています。

しかし、日本でタレントマネジメントが開発・導入され始めてから日が浅く、メリット及びデメリットや対処法などを詳しくご存じない方も多いでしょう。本記事では、タレントマネジメントの概要を簡単に説明し、導入時のメリット、デメリットと対処法、活用のポイントについて解説します。

タレントマネジメントとは?

タレントマネジメントとは、従業員の保有スキルや能力、経験といったタレント(才能)を適切に管理し、引き出すことで、組織目標の達成や企業成長につなげる人材マネジメント手法です。従業員一人一人の人事データをタレントマネジメントシステムで一元管理しながら、情報を蓄積・分析して、さまざまな人事業務の実行を後押しします。

タレントマネジメントの目的や活用事例は、次の記事でご紹介しています。

<関連記事>【事例付き】タレントマネジメントとは?目的、システム導入や比較・活用方法


評価業務や人事情報管理の課題を「HRMOS」で解決

・年間150時間の工数削減
・成果につながる1on1の実現
・データをもとに適材適所を

HRMOSでどんな事ができて、いくら掛かるの?→HRMOSサービス資料DL(無料)

タレントマネジメントのデメリット

タレントマネジメントの導入によってさまざまなメリットが期待できますが、もちろんデメリットもあります。特に、昔からの慣習を踏襲している企業やデータ分析に詳しくない企業、従業員からの理解を得にくい企業にとってはリスクが大きいと考えられがちです。以下に、タレントマネジメントを導入した場合に起こりうるデメリットについて紹介していきます。

データ収集と管理の負担増大

タレントマネジメントに取り組む際、従業員一人一人のデータ収集と管理工数をネックに感じる方は少なくありません。タレントマネジメントで収集する人事データは幅広く、その多くは従業員の協力が不可欠です。

例えば、入社時に回収する従業員の氏名、住所、連絡先といった個人情報をはじめ、過去の業務経験や保有スキル、個人目標、評価やサーベイへの回答など、さまざまな場面で従業員から情報を集めなくてはなりません。

表計算ソフトや紙で人事データを管理すると、情報の更新漏れや登録ミスなどのヒューマンエラーが起こりやすく、セキュリティリスクも懸念事項となります。

また、人事データを集めるだけでなく、目的にあわせて分析・活用していくデータリテラシーも求められます。社内にデータ管理や分析が得意な従業員がいない場合、タレントマネジメントの導入負担はデメリットになるでしょう。

従業員の理解と協力を得ることの難しさ

タレントマネジメントの目的やメリットを従業員に理解してもらうことや、情報入力、質問への回答などの協力を得ることが難しいと感じる企業もあります。

従業員から最新の情報を聞き出し、かつ継続的に正しいデータ収集をしなければ、タレントマネジメントの導入効果は得られないため、従業員への協力依頼がデメリットになる企業もあるでしょう。

業務が忙しい従業員にとっては「入力の手間が増えた」「人事からの質問に答えるのが面倒」などと煩わしく思う方もいます。今までタレントマネジメントとは無縁だった企業や、年功序列の人材配置などが定着している企業は、念入りに従業員への周知徹底を行わなくてはなりません。

導入目的が不明瞭になりやすい

タレントマネジメントは、明確な実施目的に沿ってデータの運用を行うことが不可欠です。しかし、導入前の目的設定が曖昧になりがちで、従業員への説明も不十分になる場合があります。

また、きちんと目的や目標設定を行った場合でも、運用途中に目的が形骸化してしまうケースも少なくありません。タレントマネジメントで収集したデータをモニタリングしたり、試行錯誤を繰り返したりする過程で、何度も目的を再確認しながら進める意識が重要です。

システム導入に伴うコストと運用の複雑さ

タレントマネジメントシステムの導入費用や運用コストをデメリットと感じる企業もあります。

一般的に、タレントマネジメントシステムを導入する場合、初期費用と月額費用が発生します。利用人数やプランによりますが、初期費用が数十万円から数百万円の見積りになるケースもあるため、費用対効果について慎重な判断が必要です。

また、タレントマネジメントで集めるデータ項目の多さや運用の複雑さをデメリットと捉える方もいるでしょう。タレントマネジメントシステムの機能も多く、難しくて使いこなせないと悩む方も少なくありません。システム導入の有無を問わず、タレントマネジメントに取り組む際の人的コスト、運用コストと煩雑さは事前に対策が必要です。

データの活用不足と分析スキルの不足

タレントマネジメントで効果を感じるためには、データの活用スキルが不可欠です。目的にあわせて必要なデータを整理・加工して分析を行うには、専門的な知見が求められます。

タレントマネジメントで収集した人事データは、人材配置や採用、離職防止策の検討など、さまざまな人事施策の課題抽出や意思決定のために実施します。データを扱うスキルに加えて、人事や経営知識も必要になるため、社内で対応できる人材がいない場合、タレントマネジメントの導入ができず困るケースもあるでしょう。

タレントマネジメント導入のデメリットを解消する方法

タレントマネジメントは、データ収集の手間や従業員の協力体制構築などがデメリットとなり得ますが、事前に対策をすることで、タレントマネジメントの導入がスムーズになります。タレントマネジメントのデメリット解消法について解説します。

綿密な要件定義と目標設定

どのような人事施策にもいえることですが、タレントマネジメントを導入する前に、目標や目的、優先的に取り組む課題、タレントマネジメントシステムの導入有無や必要な機能、実施体制について、綿密な要件定義を行いましょう。

事前準備をおろそかにすると、導入途中で目的がずれてしまったり、従業員の協力を十分に得られなかったりする可能性が高いです。

目的が採用強化なのか、それとも従業員のリテンションかによっても、選ぶべきタレントマネジメントシステムの種類や機能、関わる従業員が変わります。

なお、要件定義を行う際は、タレントマネジメントシステムの提供会社や組織人事コンサルタントなど、外部の専門家に相談するのも有効でしょう。ぜひ、次のフォームからHRMOSタレントマネジメントにご相談ください。

HRMOSタレントマネジメントに相談してみる

タレントマネジメントシステムを活用する

従業員情報を表計算ソフトや紙で収集することも可能ですが、データ収集や管理の手間を考えると、タレントマネジメントシステムの導入がおすすめです。

また、社内にデータ分析スキルを保有する従業員がいない場合も、タレントマネジメントシステムがあれば分析、活用がスムーズになります。

例えば、HRMOSタレントマネジメントのダッシュボード機能を使えば、人的資本や退職者分析などのグラフが自動で作成され、課題ごとの分析結果をスピーディーに表示できます。

サポート体制の確認

タレントマネジメントシステムを導入する場合は、機能の充実度や使い勝手に加えて、サポート体制の手厚さも確認することが重要です。

タレントマネジメントは長期の取り組みとなり、扱うデータも膨大となります。複数のデータを掛け合わせて、企業の経営目標やタレントマネジメントの導入目的に沿った運用が求められるため、システムの基本的な使い方や運用中の課題解決など、幅広くサポートしてもらえるシステムを選ぶと良いでしょう。

例えば、HRMOSタレントマネジメントでは、導入支援プログラム専任のサポート担当が伴走し、システムの操作方法や運用設計の支援を行っています。

定期的な目標設定と振り返りも実施するため、タレントマネジメントシステムを最大限ご活用いただけます。

自社に適した人材の採用と、その能力を引き出せてますか?

人材の能力を最大限に引き出し、自社の中で活躍し続ける状態をつくることが企業経営、特に人事戦略にとっての要となります。

「HRMOS」による一元化・業務効率化・可視化・活用で課題を解決します。

・目標、評価管理機能
・組織診断サーベイ機能
・サポート体制
・料金プラン

HRMOSの資料ダウンロードはこちら

タレントマネジメントのメリット

タレントマネジメントを導入することで、さまざまなメリットが期待できます。以下に、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

適材適所の人材配置による組織パフォーマンスの向上

タレントマネジメントで人材と組織の見える化ができれば、適材適所の人材配置が可能になり、組織パフォーマンス向上につながります。

従来は、入退社手続きを紙で行ったり、目標設定や評価を表計算ソフトで実施したりする企業が多く、人材にまつわる情報が社内に点在していました。

タレントマネジメントシステムで従業員情報を一か所に集めて管理し、常に最新情報を蓄積して見える化していけば、従業員ごとのスキルや強みにあわせた最適配置が実現します。

<関連記事>適材適所な人員配置を実現するには?-4つのポイントとフォローアップ-

潜在能力の発掘と戦略的な人材育成

タレントマネジメントの導入は、社内人材の潜在能力の発掘や人材育成にも効果的です。

今在籍している従業員の保有スキルを日々更新しながら蓄積することで、最新スキルをもとに人材育成計画を立てられます。人事の感覚に頼らず、客観的な数値でスキルを見える化すれば、従業員の潜在的な能力を発掘するきっかけにもなるでしょう。

また、HRMOSタレントマネジメントの最新サービス「社内版ビズリーチ」を活用すれば、より効率的な人材発掘が可能です。

タレントマネジメントに蓄積した人事データや目標設定・評価データをもとに、AIが社内レジュメや企業内ポジションの作成を後押しします。

社内版ビズリーチの詳細は、次の記事でご確認いただけます。

<関連サイト>「社内版ビズリーチ」とは?

客観的な評価と公平な人事施策の実現

評価者の主観や年功序列による偏った人事評価から、タレントマネジメントの客観的事実に基づく評価に切り替えることで、従業員の納得度を高められる点もメリットです。

従来の人材マネジメント手法では、終身雇用の長期就労を前提とした年功序列の人事評価が主流でした。しかし、転職や副業など多様な働き方が求められている昨今では、人事評価の在り方を考え直す必要があるでしょう。

また、スキルや資質を持ち合わせた人材が在籍しているにもかかわらず、配置先との相性が悪かったり、人事評価が適切でなかったりして、可能性に蓋をしている場合もあります。タレントマネジメントの客観的データをもとに人事施策を検討し、従業員一人一人のパフォーマンスを最大化していくこともメリットの一つといえます。

<関連記事>

パナソニック社が実践する 採用成功と従業員エンゲージメントを高める人事戦略とは-前編-

パナソニック社が実践する 採用成功と従業員エンゲージメントを高める人事戦略とは-後編-

従業員のキャリア開発支援とモチベーション向上

タレントマネジメントを導入すると、従業員それぞれに今後習得させたいスキルや不足している能力などを可視化できるのもメリットです。最新の保有スキルや能力、実務経験だけでなく、従業員ごとのキャリアへの希望を反映しながら、キャリア開発支援が可能です。

また、タレントマネジメントに取り組むことで、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上も期待できます。人事担当者の主観やバイアスを防ぎながら根拠に基づいた人材配置、人事評価、業務のアサインができるため、従業員一人一人の強みが引き出され、活躍の機会も増えるでしょう。

自身の貢献が実感できるようになれば、従業員のモチベーション向上につながると考えられます。

<関連記事>タレントマネジメントでのスキルマップの作り方は?目的、メリット、注意点も解説

採用戦略の最適化と人材流出の防止

タレントマネジメントの導入で人材を見える化できれば、各組織で活躍する従業員の条件も整理して可視化できます。その結果、企業に不足する人材要件も見える化でき、採用要件の整理や採用ターゲットの設定に寄与するため、ミスマッチ防止も期待できます。

また、タレントマネジメントでサーベイ結果を一元管理することで、従業員一人一人のコンディションや組織ごとの課題を抽出できます。

HRMOSタレントマネジメントを活用すれば、ダッシュボード機能で個人と組織のコンディションをモニタリングできるため、課題にあわせて1on1ミーティングや改善案の計画を立てやすく、離職防止につながります。

タレントマネジメントシステムの活用

タレントマネジメントの効果を最大限に発揮するためには、本記事でご紹介したデメリットを確認し、一つずつ対策に取り組んでいくことが大切です。ただし、アナログな対処法を選ぶよりも、タレントマネジメントシステムの力に頼ったほうが効率的といえるでしょう。

タレントマネジメントシステムを活用するメリットの例は、次の通りです。

  • データ活用ができる専門的な人材がいなくても運用可能
  • 分析機能やダッシュボード機能で効率的に取り組める
  • バラバラに散らばった人事マスタを一か所に集約できる
  • タレントマネジメントシステムの提供会社のサポートや相談を受けられる

HRMOSタレントマネジメントではデモ案内と2週間の無料トライアルの利用が可能です。実際の管理画面で確認しながら活用方法をイメージしてみてください。

HRMOSトレンド無料デモ・トライアルを試してみる

タレントマネジメントシステムの主な機能

タレントマネジメントシステムの基本機能としては、従業員のスキルやプロフィールを検索する機能、目標管理機能、人材配置・組織シミュレーション機能などが一般的です。

<タレントマネジメントシステムの基本機能例>

  • 従業員データベース、検索
  • スキル管理
  • 目標管理、人事評価(360度フィードバックや1on1ミーティングなど)
  • サーベイ、アンケート
  • 人材配置、組織シミュレーション
  • サクセッションプラン作成
  • 人材育成、研修
  • 離職防止、定着支援 

より詳しい機能説明は、以下の記事で解説しています。

<関連記事>タレントマネジメントシステムの基本機能とは?活用ポイントを簡単に解説

タレントマネジメント導入事例も参考に

本記事でご紹介したタレントマネジメントのメリット及びデメリットを理解するために、タレントマネジメントの導入事例を確認することもおすすめです。

他社がタレントマネジメント導入時にどのような課題を感じたのか、それに対してどのような対策法を検討したのかなど、次の記事で具体的にご紹介しています。

タレントマネジメントの成功事例3選!導入効果を詳しく紹介

タレントマネジメントの失敗事例11選!失敗理由と成功のポイントを紹介

タレントマネジメントは中長期的な戦略として

企業の状態や課題によって、タレントマネジメントの導入目的や目指す目標は異なります。また、企業を取り巻く社会情勢の変化が激しい昨今では、柔軟に目標や目的を再定義しながら、中長期的にタレントマネジメントに取り組む必要があるでしょう。

社会情勢だけでなく、組織で働く人材も常に変化することに鑑みれば、継続的に客観的な人事データを蓄積することが重要です。従業員の協力をあおぎながら、愚直に取り組み続けることが成功の鍵です。

タレントマネジメントの導入にはさまざまなメリットがある一方で、データで全てを判断するのは危険です。手段と目的をはき違えず、AIや人事データを使いこなす姿勢が求められると言えるでしょう。

まとめ

タレントマネジメントの導入時は、データ収集・分析の工数や導入コストの負担、目標設定の難しさなどがデメリットとなり得ます。しかし、タレントマネジメントシステムを活用しながら取り組めば、データ収集や分析がスムーズになり、効果を最大化しやすいでしょう。

タレントマネジメントのよさと注意点を確認したうえで、タレントマネジメントの導入検討を進めてみてはいかがでしょうか。

分析機能やダッシュボード機能で人事データ活用をスムーズに

HRMOSタレントマネジメントは、社内に散らばった従業員情報や人事データを一か所にまとめて可視化し、人事データ活用をスムーズにできるシステムです。従業員一人一人の情報収集や更新の手間を軽減できる仕組みや、集めた人事データをスピーディーに分析できるダッシュボード機能などが充実しています。

詳しい機能や導入事例は以下の資料でご確認ください。

HRMOSタレントマネジメントの資料をダウンロードする

資料

ハーモスタレントマネジメントを
もっと詳しく知りたい方へ

資料請求はこちら