【業界別・企業規模別】「採用活動のオンライン化」実態調査

リモートワークや在宅勤務が普及しつつあるなかで、オンラインでの採用活動も増えています。採用活動のオンライン化も増えつつあります。しかし、採用担当者のなかには採用活動のオンライン化が「どれくらいの企業で行われているのか」という疑問を持っている方もいるでしょう。この記事では、採用活動のオンライン化に取り組む採用担当者に向けて、企業の人事担当者約650名に実施した「採用のオンライン化に関するアンケート」の結果をもとに、今後の採用活動のあり方についてご説明します。

アンケート結果

採用のオンライン化に関するアンケートでは、約650名の採用担当者にご協力いただきました。採用のオンライン化への対応状況やそのメリット・デメリット、採用活動のオンライン化における課題やオンラインとオフラインにおける候補者への対応の差などについてアンケートを実施。それぞれの意見や課題に対する内容について、調査結果をご紹介します。


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採用活動のオンライン化を対応中・検討中が7割超

採用活動のオンライン化への対応に関するアンケートでは、53%の企業が「採用活動のオンライン化」に対応していると回答。「対応を検討中」を含めると71%の企業がオンライン化に向かっていることがわかりました。

また、オンライン化したプロセスに関しては、「一部の面接・面談」、「説明会等の採用イベント」と答えた企業が多い結果になりました。採用活動のオンライン化といっても面接から入社までさまざまなプロセスがあります。一方、「すべての面接・面談」のオンライン化に踏み切っている企業は29%という回答になっており、採用活動の一部分をオンライン化している企業が多いことがわかります。採用プロセスに関しては、業界や企業規模によっても差が出るところでしょう。

66%の企業がオンライン化のメリットを実感

続いて、採用活動のオンライン化のメリット・デメリットに関する回答ですが、66%の企業が「メリットの方が大きい」と回答しています。この質問では、前項の「採用活動のオンライン化に対応中」と回答した350名を対象としていますが、多くの企業がメリットを実感している結果になりました。

メリットが大きい理由について具体的な回答は下記の通りです。

  1. 遠方の候補者との接点が増えた(66%)
  2. 面接の工数削減・選考スピードの向上につながった(48%)
  3. 候補者と気軽に接点を持つことができた(43%)
  4. オンラインならではの採用コンテンツの設計・コミュニケーションができた(17%)
  5. 候補者の管理がしやすくなった(15%)
  6. 面接官のフィードバックが管理・共有しやすくなった(15%)

全体の6割以上が採用活動のオンライン化により、遠方の候補者との接点をもちやすくなった結果、候補者の幅を広げることができたと実感しています。

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オンライン化の課題について

7割近くの企業が「オンライン化のメリットが大きい」と答えていますが、オンラインならではの課題もあります。69%の企業が「職場の雰囲気を伝えることが難しい」と答えており、面接時に使用する会社説明会資料や採用ホームページなどにオフィスや従業員の働く様子の写真を追加するなどのコンテンツの拡充は必要になってくるでしょう。カメラ越しでは面接官の採用への熱意も伝えづらいため、自社の魅力づけに課題を感じている企業もいます。

一方では、面接官が感じる課題として、「候補者の印象を正確に把握しづらい」「選考評価の正しさに確信が持てない」なども回答として多く見られました。面接官の直感や雰囲気に頼る採用ではなく、オンライン採用独自の評価基準を定めることや面接官自身のオンラインへの慣れも必要かもしれません。

業界・企業規模によるオンライン対応実施差について

業界ごとの採用活動のオンライン化の状況を集計したところ、IT・インターネットやコンサルティング業界の9割近くの企業が採用活動のオンライン化に対応しているという回答になりました。自社でもインターネットサービスを提供している企業が多く、募集職種の観点からも比較的導入しやすい業界であり、対応が進んでいることが考えられます。その他の業界でも、採用オンライン化に対応中・対応検討中と答えた企業は50%以上となっているので、業界によって差はあるものの全体的にオンライン化が進んでいると言えるでしょう。

また、企業規模の観点では、従業員が1,000名を超える企業では8割以上がオンライン化に対応しているとの回答になりました。逆に、従業員数が少ない中小企業やスタートアップ企業でも、6割ほどがオンライン化に対応していると回答しています。企業側だけでなく、候補者側もオンライン選考が当たり前になっている可能性もあり、今後はどうやって自社の魅力を伝えるか、自社にマッチする人材をオンライン選考の中でどのように見極めていくか、がカギになっていくと考えられます。

事例のご紹介

ここで採用活動へのオンライン化に取り組んでいる企業の事例を2つご紹介します。

株式会社グッド・クルーの事例

株式会社グッド・クルーではすべての採用活動をオンラインで実施しています。

オンラインで採用活動を行う際の大切なポイントとして

  1. オンライン面接でも対面での面接でも自社に合うかどうかの判断基準は変わらないこと
  2. 面接官がオンラインのコミュニケーションに慣れること
  3. 面接以外のコミュニケーションの積み重ねを大切にすること

の3点を挙げています。

詳しくはこちらの記事をご確認ください。
採用時におけるオンラインのコミュニケーションで大切なこと

ベルフェイス株式会社の事例

ベルフェイス株式会社もすべての採用活動をオンラインで実施されているほか、早期に在宅勤務制度を導入し、採用時だけではなく入社後のコミュニケーションでもオンラインが増えています。

オンラインで採用活動を行う際の大切なポイントとして

  1. オンライン説明会とオンライン面接独自の評価基準を設ける
  2. 候補者への説明の仕方を工夫する
  3. 候補者に向けた選考前の情報提供を増やす

の3点を挙げています。

詳しくはこちらの記事をご確認ください。
オンライン採用で候補者に「会社の魅力」を伝える方法

これからオンラインでの採用活動へ取り組まれる方へ

まずは面接・面談の一部から、という企業も多いので取り組まれる際はそこからはじめるのが良いでしょう。オンライン面接のメリット・デメリットやはじめる際にどのようなツールの準備が必要かなどはこちらの記事でご紹介しています。

事例で分かる「はじめてのWeb面接」

まとめ

採用活動のオンライン化に対応・検討している企業は7割を超えており、規模の大きい企業ほど対応している割合も多いことが分かりました。オンライン選考にともない、会社の雰囲気や自社の魅力の伝え方に課題を感じている企業も多く、今後は候補者に向けた自社の魅力を伝えるコンテンツの充実なども求められるでしょう。また、オンライン選考に慣れた候補者も増えていることから、業界問わず新しい採用手法への対応が求められるでしょう。

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