正しく行えていますか?残業代の計算|1時間に満たない労働時間を切り捨てる独自ルールは違法です!

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正しく行えていますか?残業代の計算|1時間に満たない労働時間を切り捨てる独自ルールは違法です!

目次

  1. 「5分未満切り捨て」で16億~17億円の遡及支払|㈱すかいらーくホールディングス
  2. 賃金は「1分単位」での支払が原則です
  3. 労務管理・給与計算の「当たり前」を見直しましょう

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時間外労働の時間数については、実務上、15分や30分の単位で切り捨てている事例を見かけることがありますが、こうした取り扱いは違法です。労働時間は1分単位で把握し、たとえ数分でも切り捨てることなく賃金の支払い対象としなければなりません。

「5分未満切り捨て」で16億~17億円の遡及支払|㈱すかいらーくホールディングス

すでに報道等でご存知の方も多いと思いますが、大手外食チェーン㈱すかいらーくホールディングスでは、2009年よりシステム上、勤務時間を5分単位で計算する方式となっており、時間給で働く従業員の給与に未払いが生じていたとのこと。これに伴い、過去2年間に発生した未払賃金総額16億~17億円を従業員に支払うことを決めました。併せて、2022年7月以降、時間給で働く全従業員約9万人に対し新勤務時間管理方式を導入し、1分単位で労働時間を把握することとしました。

賃金は「1分単位」での支払が原則です

冒頭でも触れたとおり、企業においてはまだまだ1分単位での賃金支払に対応できていないケースは多いように思います。御社では、いかがでしょうか?慣習的に行ってきた勤怠管理・給与計算の誤りにより、意図せず、未払い賃金が発生していないでしょうか?

ただし、時間外・休日・深夜の労働時間数について、1ヵ月単位の四捨五入は認められる

労働時間の切り捨ては原則として認められておらず、使用者には適正な労働時間を把握する義務があります。ただし、割増賃金計算における端数処理について、通達によると以下の例外的取扱いが認められています。

✓ 1ヵ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること

 

つまり、時間外・休日・深夜の労働時間数について、その日ごとの四捨五入は認められていませんが、1ヵ月単位の四捨五入は行って良いことになっているのです。

あわせて確認しておきたい、給与計算時の端数処理に関わるルール

ここで少し脱線しますが、通達では給与計算時の端数処理の取扱いにも言及されています。実務上、判断に迷うことの多い部分ですので、通達で認められているルールを確認しておきましょう。

✓ 1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること
✓ 1ヵ月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること
✓ 1ヵ月の賃金額に100円未満の端数が生じた場合は50円未満の端数を切り捨て、50円以上の端数を100円に切り上げて支払うことが出来る
※ただし、就業規則に規定すること
✓ 1ヵ月の賃金額に1,000円未満の端数がある場合は、その端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことが出来る
※ただし、就業規則に規定すること

 

賃金については、100円未満の四捨五入や1,000円未満の翌月繰り越し等、特殊な取り扱いも認められています。実際に適用する機会はないかもしれませんが、理解されておくと良いでしょう。

参考:東京労働局「3.残業手当等の端数処理はどうしたらよいか

労務管理・給与計算の「当たり前」を見直しましょう

インターネットの普及により、今や、誰もが必要な情報を簡単に入手できるようになりました。こうした背景に、昨今の働き方改革の影響も相まって、労務管理の適正性や法令遵守に係る労働者側の意識や知識はひと昔前と比べて格段に向上しています。今回ご紹介した㈱すかいらーくホールディングスの例でも、店舗で働くアルバイトが労働組合を通して、是正を求め団体交渉していた事案とのこと。勤務先の労務管理について、法的に正しいのか誤りなのか、誤った取り扱いを受けている場合どのように動けば良いかを、労働者側は十分理解しているのです。
企業の労務管理の状況を見ていると、法の定めとは外れた独自ルールが導入されているケースは珍しくありません。長年実務に携わっているご担当者様にとっては何の疑問も生じないことでも、従業員の目にはおかしなことして映り、労使トラブルの火種となります。これまでの「当たり前」を見直し、是正していくことは決して簡単ではないかもしれませんが、いよいよ襟を正して労務管理の見直しに取り組まなければならないのではないでしょうか?

未払賃金に係る時効は、2020年4月より「3年」に延長

とりわけ未払賃金に係る時効については、2020年4月の民法改正に伴い、これまで2年だったものが原則「5年」、ただし当面の間の猶予措置として「3年」とされています。未払賃金は、放置しておくと莫大な額に膨れ上がります。もしも今、是正すべき点があるなら、早急に対応すべきです。

関連:労務ジャーナル「未払賃金に係る時効が「3年」に|2020年4月から変わる労働賃金関係の消滅時効をまとめて確認

未払賃金を生じさせないためには、適正な勤怠管理の徹底から

1分単位での残業代支払いに正しく対応するためには、労働時間を1分単位で客観的に把握できる仕組み作りが不可欠です。政府のガイドラインに則った適正な労働時間把握なら、無料の勤怠管理システム ハーモス勤怠の導入で万全に対応可能です!

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。

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