社会保険適用拡大に伴う、「健康保険の二重加入」にご注意を

社会保険適用拡大に伴う、「健康保険の二重加入」にご注意を

目次

  1. 社会保険の二重加入パターン① 国民健康保険の被保険者が、新たに社会保険の被保険者となる場合
  2. 社会保険の二重加入パターン② 被扶養者だった方が、扶養を外れて勤務する場合
  3. 複数の勤務先で社会保険の被保険者要件を満たす場合はどうする?

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2022年10月より、短時間労働者への社会保険適用範囲がさらに拡大されています。これに伴い、新たに社会保険の適用対象となった従業員については、意図せぬ健康保険の二重加入に注意しなければなりません。

社会保険の二重加入パターン① 国民健康保険の被保険者が、新たに社会保険の被保険者となる場合

これまで国民健康保険の被保険者だった方が、このたびの社会保険適用拡大もしくは転職等により新たに勤務先で社会保険資格取得手続きを行った場合、手続きをしなければ健康保険の二重加入状態が生じます。この場合、勤務先で社会保険資格取得となった日(つまり国民健康保険の資格喪失日)から14日以内に、従業員が自ら市区町村の窓口で国民健康保険資格喪失手続きを行わなければなりません。この手続きを忘れて行わずにいると、勤務先で社会保険に加入した後も国民健康保険の保険料請求が続くことになってしまいます
一方、国民年金に関しては、勤務先で適正に社会保険加入手続きが行われれば、従業員本人が行う手続きはありません。年金事務所にて、国民年金第1号被保険者から第2号被保険者への切替手続きが行われます。

社会保険の二重加入パターン② 被扶養者だった方が、扶養を外れて勤務する場合

これまで家族の扶養に入っていた方でも、収入が増えたり、社会保険適用拡大で新たに社会保険の資格要件を満たすことになったりすると、ご自身で保険加入することになります。この場合、被保険者(扶養者)の勤務先で「健康保険被扶養者(異動)届」の手続きをして被扶養者の削除を行った上で、新たに保険加入することになります。この「健康保険被扶養者(異動)届」を忘れてしまった場合、二重加入が生じる恐れがありますので注意しましょう
これまで被扶養者だった方がご自身の勤務先で社会保険に入る場合、資格取得手続きの過程で発覚することが多いのですが、国民健康保険に加入する場合には判明するまでに時間がかかることがあるため注意が必要です。

複数の勤務先で社会保険の被保険者要件を満たす場合はどうする?

今回の社会保険適用拡大で特に注意すべきは、複数勤務者の社会保険加入の取扱いです。パート・アルバイト等が社会保険に加入するためには、原則、通常の労働者の4分の3以上の所定労働時間が必要とされています。2社以上で勤務してそのいずれにおいてもこの要件を満たすことは、現実的に考えてそう多く想定できません。
しかしながら、2022年10月以降は、適用拡大の対象企業においては「週所定労働時間20時間以上」で社会保険の被保険者となる可能性があり、今後は「複数の勤務先で社会保険に加入する」というパターンが増えてくることが予想されます

複数勤務者の社会保険加入時に必要となる「二以上事業所勤務届」

社会保険に関して、複数の勤務先で被保険者要件を満たす限り、そのどちらでも被保険者資格取得手続きが必要となります。ただし、併せて「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の手続きを行わなければなりません。
「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」とは、複数の勤務先で社会保険に加入することになったときに、どちらの勤務先で当該被保険者に関する事務を行うこととするのかを決定する手続きです。概要や様式・記入例については、以下よりご確認いただけます。

参考:日本年金機構「被保険者が複数の適用事業所に使用されることになったとき

会社として、複数勤務者への適切なアナウンスを

「二以上事業所勤務届」の手続きは原則、被保険者本人が行うことになっています。というのも、副業・兼業の事実は、基本的に被保険者本人の申告によって判明するものであり、会社が正しく把握することが困難だからです。しかしながら、従業員の働き方を正しく把握することや、適正な保険加入を促進することは、会社として必要な労務管理の一環ですから、該当者には適切なアナウンスと最大限の支援を行えるようにしておく必要があります。くれぐれも「他の勤務先で社会保険に入っているのだから、ウチでは手続できない」等と誤った対応をすることのないようご注意ください。

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。

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