働き方改革で注目されるフレックスタイム制、清算期間1ヵ月の場合に設けられる特例【労働基準法改正2019】

労働基準法
働き方改革で注目されるフレックスタイム制、清算期間1ヵ月の場合に設けられる特例【労働基準法改正2019】

目次

  1. 完全週休2日制の事業場でのフレックスタイム制に生じていた問題とは?
  2. 「清算期間における総労働時間」と「法定労働時間の総枠」の矛盾は、このように解消される
  3. フレックスタイム制導入の際には、「労使協定」の作成を

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働き方改革に伴うフレックスタイム制の変更について、清算期間の上限が「1ヵ月」から「3ヵ月」となることは比較的周知されています。
しかしながら、今回の労基法改正ではもう1点、清算期間1ヵ月以内のフレックスタイム制に関わる変更をおさえておく必要があります。

現状、清算期間1ヵ月以内のフレックスタイム制を適用していて、今後も変わらず清算期間の上限を変更しない事業場では確実にチェックしておきましょう。

完全週休2日制の事業場でのフレックスタイム制に生じていた問題とは?

清算期間を1ヵ月としたフレックスタイム制では、法定労働時間の総枠(※)を超過した労働時間分が時間外労働にカウントされます。

※清算期間における法定労働時間の総枠=1週間の法定労働時間(40時間)×清算期間の暦日数/7

こうした取り扱いを適用する場合、現状、完全週休2日制でフレックスタイム制を導入する事業場では、曜日の巡りによって、実際には時間外労働をしていなくても、清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えてしまう場合がありました。

例えば、上記のカレンダーでは、「土日祝日休み」「標準となる1日の労働時間8時間」を想定すると、

・清算期間における総労働時間 = 8時間×23日 =184時間
・法定労働時間の総枠 = 40時間÷7×31日 = 177.1時間

となり、およそ7時間分の時間外労働生じることになり、たとえ時間外労働をしていなくても割増賃金の支払い対象となります。

「清算期間における総労働時間」と「法定労働時間の総枠」の矛盾は、このように解消される

これまで、「清算期間における総労働時間」と「法定労働時間の総枠」との間に生じていた問題は、このたびの労働基準法改正によって、下記の様に解消されることになりました。

✓ 週の所定労働日数が5日(完全週休2日)の労働者が対象
✓ 労使が書面で協定(労使協定)することによって、「清算期間内の所定労働日数×8時間」を労働時間の限度とすることが可能

つまり「清算期間における総労働時間 = 8時間×23日 =184時間」がそのまま「法定労働時間の総枠」となり、曜日の巡りによる実態とは異なる時間外労働が生じなくなります。こうした特例の取扱いは、労使協定に盛り込むことで適用できます。

フレックスタイム制導入の際には、「労使協定」の作成を

フレックスタイム制を導入される際には、適切な手順での手続きを進めましょう。

■ 清算期間1ヵ月以内のフレックスタイム制導入
「就業規則」への明記と「労使協定」の締結が必要です(届出は不要)

■ 清算期間が1ヵ月を超えるフレックスタイム制導入
「就業規則」への明記、「労使協定」の締結に加え、「労使協定届(様式第3号の3)」を作成し、「労使協定届(様式第3号の3)」と「労使協定の写し」を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります

フレックスタイム制の清算期間は、同一事業場内で、対象者や部署ごとに清算期間を変えることが可能です。その場合には、労使協定に対象者と対象者毎の清算期間を明記し、取り扱いを明らかにしておく必要があります

出典:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

労働基準法改正に伴い、ますます活用の幅が広がったフレックスタイム制。しかしながら、制度自体が複雑なため、まずは十分にルールを理解することが大切です。

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関連:
労務ジャーナル『フレックスタイム制の清算期間が「3ヵ月間」に。清算ルールをチェック【労働基準法改正2019】

労務ジャーナル『【フレックスタイム制は働き方改革でどう変わる?】時間外労働時間の算定手順【労働基準法改正2019】

労務ジャーナル『フレックスタイム制を導入した場合の「時間外労働の上限規制」実務対応【労働基準法改正2019】

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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