賃金の消滅時効期間延長から3年。改めて目を向けるべき、未払賃金対策

労働基準法 残業
賃金の消滅時効期間延長から3年。改めて目を向けるべき、未払賃金対策

目次

  1. 改正労働基準法施行により、変更となった労働・賃金関係の消滅時効
  2. 賃金請求の消滅時効が「2年」→「3年」へ!2023年度以降、実務上の影響は?

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2020年の改正民法施行に伴う労働基準法改正により、賃金の消滅時効期間が原則5年、当分の間は経過措置として3年に変更されました。すでに改正法施行から3年が経過し、2023年度以降は丸々3年分の未払賃金請求が生じる可能性があります。

改正労働基準法施行により、変更となった労働・賃金関係の消滅時効

労働基準法改正に伴い、2020年度より労働・賃金関係の消滅時効が以下の通り変更されています。すでに別記事で解説している内容ですが、まずは改めて概要を確認しておきましょう。

賃金請求権の消滅時効期間

2020年4月1日以降に支払期日が到来する全ての労働者の賃金請求権の消滅時効期間について、賃金支払期日から5年(2020年3月31日までは2年)に延長しつつ、当分の間はその期間は3年とされています。具体的には、以下の賃金について時効期間の延長が行われています。

なお、退職金請求権(5年)や未消化分の年次有給休暇に係る時効(2年)に変更はありません。

記録の保存期間

賃金請求の消滅時効延長に伴い、賃金台帳等の記録の保存期間も5年に変更されました。ここでいう「記録」とは、労働者名簿、賃金台帳、雇入れに関する書類(労働条件通知書や履歴書等)、解雇に関する書類(解雇決定関係書類や予告手当または退職手当の領収書等)、災害補償に関する書類(診断書、補償の支払、領収関係書類等)、賃金に関する書類(賃金決定関係書類や昇給減給関係書類等)、その他労働関係に関する重要な書類(出勤簿、タイムカードなどの記録、労働時間の記録に関する書類)が挙げられます。ただし、こちらも当分の間は3年に猶予されており、これらの保存期間は従来も3年とされていたため、当面変更はありません。

付加金の請求期間

併せて、未払残業代等の違反があった場合に請求できる付加金について、2020年4月1日以降に発生したものは、請求期間が5年(これまでは2年)に延長されました。ただし、こちらも当分の間は3年に猶予されています

出典:厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています

賃金請求の消滅時効が「2年」→「3年」へ!2023年度以降、実務上の影響は?

2023年度を迎え、改正労働基準法の施行から3年が経過。今年度からは、2020年4月1日以降に発生した未払賃金に関して、丸々3年の消滅時効が適用されることになります。つまり、残業代等の未払いが生じ、請求が行われた場合、時効完成前として扱える対象がこれまでと比べて1年分増えることになるわけです。また、2023年4月1日からは、中小企業でも月60時間超の時間外労働に係る割増賃金率が50%以上へと引き上げられました(これまでは25%以上)。会社としては、これまで以上に未払賃金対策に取り組み、リスク回避を図っていくべきと言えます。

こんなところに未払賃金発生リスク!労務管理を今すぐチェック

未払賃金発生の温床は、労務管理のいたる所に存在します。「意図せず適正な賃金支払ができていなかった」というケースも少なくありません。労働時間の考え方、労働時間制に関わる理解、給与計算の方法、残業申請ルール・・・等々、改めて見直されてみることをお勧めします。

✓ 労働者に適用する労働時間制が適切かどうか、誤った運用がされていないか
✓ 勤怠管理は適正にされているか
✓ 会社が把握しない労働時間が生じていないか、残業に際して「申請→承認」の仕組みが作られているか
✓ 給与計算の方法が正しいか、時間外・深夜・休日労働の賃金支払ができているか
✓ 固定残業代が適正に機能しているか、未払いが発生していないか

実務対応にお役立てください

労務ジャーナルでは、これまでにあらゆる労務関連記事をアップしておりますので、「労働時間」や「給与計算」等の気になるキーワードを検索して法に則った考え方をご確認いただけましたら幸いです。自社のみでの対応が困難な場合には、社会保険労務士までご相談いただくのが得策です。

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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