改正雇用保険法が可決・成立!企業実務への影響は?

改正雇用保険法が可決・成立!企業実務への影響は?

目次

  1. 2024年度より、段階的に施行される改正雇用保険法
  2. 法改正項目について理解を深めましょう

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改正雇用保険法が、2024年5月10日に可決・成立しました。今回の改正は、労使に大きな影響を与える「雇用保険の適用拡大」を盛り込んだものであり、その行方が注目されていましたね。施行日は一部を除いて2025年4月1日ですが、2024年度内にも適用となる項目があります。今後、雇用保険関連でどのようなことが変わっていくのか、概要を確認しておきましょう。

2024年度より、段階的に施行される改正雇用保険法

今回の雇用保険法改正は、多様な働き方を効果的に支える「雇用のセーフティネット構築」、及び「人への投資」の強化等を目的とするものです。項目ごとに、改正点を見ていきましょう。

雇用保険法改正① 教育訓練やリ・スキリング支援の充実

  1. 教育訓練給付金の給付率の上限を受講費用の70%から80%に引き上げる(2024年10月1日施行)
    ・専門実践教育訓練給付金(医療・社会福祉・保健衛生関係の専門資格やデジタル関連技術の習得講座等、中長期的キャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練講座を対象とする)
    ⇒ 教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合、現行の追加給付に加えて、更に受講費用の10%(合計80%)を追加で支給する。
    ・特定一般教育訓練給付金(大型自動車等の運転免許関係や医療・社会福祉・保健衛生関係の講座等、速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練講座を対象とする)
    ⇒ 資格取得し、就職等した場合、受講費用の10%(合計50%)を追加で支給する
  2. 離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除する
    併せて、通達の改正により、原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮する。ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制限期間を3ヶ月とする(2025年4月1日施行)
  3. 雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に、基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金を創設する(2025年10月1日施行)

雇用保険法改正② 育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保

男性育休の大幅な取得増等に対応できるよう、育児休業給付を支える財政基盤を強化するため、2022年雇用保険法改正法の附則の規定を踏まえ、

  • 2024年度から、国庫負担割合を現行の1/80から本則の1/8に引き上げる(公布日より施行)
  • 当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、本則料率を2025年から0.5%に引き上げる改正を行うとともに、当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、保険財政の状況に応じて弾力的に調整する仕組みを導入する(2025年4月1日施行)
    ⇒ 現在、労働者が賃金の0.6%、企業が0.95%を負担する雇用保険料のうち、育休給付の保険料率として労使それぞれから0.2%、計0.4%を充てています。育休給付の保険料率が0.5%となった場合、増加する0.1%分は労使で0.05%ずつ折半となるため、雇用保険料率は労働者が0.65%(現行の0.6%+増加分0.05%)、企業が1%(現行の0.95%+増加分0.05%)となります。

参考:厚生労働省「雇用保険料率について

雇用保険法改正③ 雇用保険の適用拡大

雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する(2028年10月1日施行)
⇒ 被保険者期間の算定や失業認定基準、法定の賃金日額の下限額及び最低賃金日額に関しては、週所定労働時間20時間を基準に設定されている基準を現行の1/2に改正して、週所定労働時間10時間の基準とします。

雇用保険法改正④ その他雇用保険制度の見直し

  1. 2024年度末までとされている雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付の暫定措置を2026年度末までとする(2025年4月1日施行)
  2. 2024年度末までとされている教育訓練支援給付金の給付率を基本手当の60%とした上で、2026年度末までとする(2025年4月1日施行)
  3. 就業手当を廃止するとともに、就業促進定着手当の上限を引き下げる(2025年4月1日施行)
    ⇒就業促進定着手当の上限に関しては、以下の通りの変更となります
    現行:基本手当支給残日数の40%相当額
    (再就職手当として支給残日数の70%が支給された場合は、30%相当額)
    改正後:基本手当支給残日数の20%
  4. 介護休業給付等の国庫負担引下げの暫定措置を2026年度末まで継続する(2025年4月1日施行)

出典:厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要

法改正項目について理解を深めましょう

今号では、2024年度内より段階的に施行される改正雇用保険法の概要を解説しました。企業の雇用保険関連事務に直接的に影響しない項目も少なくありませんが、事業主様や人事・労務ご担当者様であれば、すべての改正項目について理解を深めておく必要があります。最大の関心事となる「雇用保険適用拡大」に関しては、2028年10月の施行が予定されています。少し先になりますが、社会保険の適用拡大とは異なり企業規模を問わず対応することになりますので、しっかりおさえておきましょう。

関連記事:『【速報】2028年より予定される雇用保険適用拡大!「週所定労働時間10時間以上」で雇用保険加入へ

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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