2023年4月より現物給与(食事)の価額改正!「まかない」は現物給与の可能性があります

2023年4月より現物給与(食事)の価額改正!「まかない」は現物給与の可能性があります

目次

  1. 「食事支給」「食事補助」で社会保険料が上がるかも!
  2. 現物給与としての「まかない」を、社会保険の実務上、適正に処理しよう
  3. 現物給与(食事)の算入漏れにご注意を

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「現物給与の価額改正」といっても、一般的には多くの現場で「社宅がある様な大企業の問題」「ウチには関係ない」と思われがちです。ところが、この「現物給与」は、小規模の事業場においても、意外と身近な話題である可能性があります。特に、従業員に「まかない」を無料、もしくはごく安価な自己負担で提供している飲食店等においては注意が必要です。

「食事支給」「食事補助」で社会保険料が上がるかも!

従業員の社会保険料は、報酬額に対応する標準報酬月額を元に決定されます。企業においては、まず被保険者資格取得時に従業員の見込み給与額を届け出る他、毎年7月の算定基礎届の時期にその年の4月、5月、6月に支払った給与の額を申告されていますね。この時に申告する「給与」には、通貨で支払った額だけでなく、現物で支払ったものも含めなければなりません。これを「現物給与」といって、それぞれの現物ごとに所定の方法で通貨に換算します

2023年4月から、現物給与(食事)の価格が改正されます

報酬や賞与の全部または一部が通貨以外のもので支払われる場合(現物給与)の価額は、厚生労働大臣により定められています。よって、現物給与の支給を受ける場合、決められた価格を給与に加算する必要があるのです。
具体的に、「食事で支払われる報酬(いわゆる「まかない」)」に関しては1ヶ月、1日、朝食、昼食、夕食の各価格が、「1人1ヶ月当たりの住宅の利益の額(社宅や寮)」に関しては畳一畳(または1.65㎡)あたりの価格が、都道府県ごとに決まっています。その他、通勤定期券や自社製品等については時価での通貨換算となります
このたび、2023年4月1日より適用となる価格表は、以下よりご確認いただけます。食事の現物給与価格が改正となりますので、ご注意ください。

参考:日本年金機構「令和5年4月1日より現物給与価額(食事)が改正されます

「まかない」を現物給与として通貨換算していますか?

現状、従業員にまかないを提供している現場においては、現物給与として通貨換算し、社会保険料算定の基礎に含めているでしょうか?適切に処理できていない場合、社会保険料の決定に誤りが生じている可能性があります。

現物給与としての「まかない」を、社会保険の実務上、適正に処理しよう

ここからは、社会保険の実務上、現物給与としてのまかないを正しく通貨換算する方法を具体的な事例で見ていきましょう。まかないの現物支給価格は、従業員の負担額により、以下の①~③のパターンで計算します。

① 従業員の自己負担額がない

従業員が自己負担額なしでまかないを支給してもらっている場合は、現物給与の価格表の額がそのまま給与とみなされます。

例えば、東京都の事業場で、まかないとして昼食が出ている場合、1食あたり「270円」の現物給与が支給されていることになります。

一方で、従業員がまかない代を負担している場合、負担額が現物給与価格の2/3未満か以上かで、通貨換算の方法が異なります。

② 従業員の自己負担額が現物給与価額の2/3未満

自己負担額が現物給与価額の2/3未満の場合、表にある価格から負担額を引いた価額が現物給与価額となります。
具体的な例で考えてみましょう。
①の例と同じく、東京都の事業場で昼食のみまかないが提供されている場合、
・昼食1食あたりの現物給与価格(東京都):270円
・昼食1食あたりの従業員負担額:100円
現物給与価格の2/3の価格は「180円」なので、自己負担額は現物給与価額の2/3未満であることから、「270円-100円(現物給与価格-負担額)=170円」となります。

③ 従業員の自己負担額が現物給与価額の2/3以上

自己負担額が現物給与価額の2/3以上の場合、現物による食事の供与はないものとして取り扱います(つまり、現物給与価額0円のため、給与への算入なし)。
②の例で、仮に従業員自己負担額が200円だったなら、現物給与価格の2/3の価格である「180円」以上となるため、現物給与価格の70円については給与に算入しません。

現物給与(食事)の算入漏れにご注意を

食事に関わる現物給与価格は、実務上、算入から漏れがちなため注意が必要です。このページでは、分かりやすいように「昼食1食あたり」を例に具体的な現物給与価格の計算をしているため、現物給与価格がそこまで大きな金額になることはイメージしにくいかもしれません。ところが、食事の回数が増えたり、1ヶ月当たりの額で算出する必要があったりする場合、現物給与価格が大きくなるため標準報酬月額に影響を及ぼすこともあります。
現場においては、算定基礎届の他、資格取得届、月額変更届、賞与支払届の際に現物給与の通貨換算が必要となること、及び物価変動等により年度ごとに価格が見直されることにご留意いただきながら、適切に処理できるようにしましょう。

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HM人事労務コンサルティング 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。

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