企業成長のために人事・採用を変革し、デジタル活用などの先進的な取り組みを行った企業を表彰するHR SUCCESS SUMMIT AWARD 2021。2021年5月26日に開催したHR SUCCESS SUMMIT 2021の中で授賞式が行われ、各社の取り組みをご紹介いただきました。
受賞企業は全6社。前編では、ビズリーチやビズリーチ・キャンパスのサービスを利用した企業である、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、株式会社ビットキー、LINE株式会社の3社のプレゼンテーションについてレポートします。
1. 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
エヌ・ティ・ティ・データでは、ビズリーチ・キャンパスを活用し、新卒採用における相互理解の機会を広げるチャレンジに成功しました。採用活動時に限らず、入社後のコミュニケーション強化にもつなげることで、定着・活躍につなげられたことが、受賞のポイントです。
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升田 真奈美 氏
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
人事本部採用担当課長
採用担当課長。初期配属よりコンサルティング部隊にて活動、製造業/流通業を中心としたAnalytics領域(顧客企業におけるデータ活用)をコンサルフェーズ、開発、定着・運用フェーズまで国内外幅広く担当。現在は人事本部で新卒採用の責任者として現場の競争力強化に採用の立場から注力している。
私たちは、広報、選考、フォローといった採用プロセスのなかで、特に広報とフォローにおいてビズリーチ・キャンパスを活用しています。それまでの課題および施策の狙いとしては、大きく2つありました。
まず、学生との平等な接触機会を増やすことです。従来型のOB/OG訪問では、地方に住む学生が首都圏の企業にOB/OG訪問をしようとした場合、物理的な距離が障壁となり、社員と直接接点を持つ機会が限られていました。また、自らの大学のOB/OGとしかコンタクトがとれないなど、幅広い社員の話を聞くことが難しかったと言えます。
ビズリーチ・キャンパスは、サービス上で社員を探すことができ、オンラインでのOB/OG訪問も可能にしてくれるので、より多くの機会を創出し、学生との接点を増やすことができました。具体的な成果としては、社員訪問数は前年と比較して200%と大幅に増えており、さらに、国内外73大学の学生と接点を持つことができています。
また、広報にとどまらず、内定後のフォローでもビズリーチ・キャンパスを活用しました。通常は、OB/OG訪問は選考前や内定前に行われることがほとんどです。ですが、弊社では内定後も社員訪問を行ってもらうことで、入社後のキャリア観の醸成や配属へ向けた情報収集などに大きな成果を出すことができたと感じています。
これらを行ううえで大事だったことは、OB/OG訪問を幅広い社員に担ってもらうことです。採用活動を人事担当のみに閉じないことで、学生にとっては「人財が財産である」当社の様々な社員に会うことができると共に、社内では社員全員が採用活動に主体的に携わる文化の醸成に寄与したと考えています。
2.株式会社ビットキー
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、従来通りの採用活動が難しくなるなか、新たな採用活動手法を確立したのがビットキーです。ビズリーチを活用しながらオンライン・オフラインのハイブリッド型で採用活動を加速させ、さらに社内外含めた体制も刷新させたことが、受賞の理由となりました。
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原田 大知 氏
株式会社 ビットキー
創業人事
ITコンサルタント・人材会社の立ち上げを経て、2018年8月に株式会社ビットキーに創業メンバーとしてジョイン。全職種の採用・組織の立ち上げを行う。創業からの2年半で社員数は200名を越え、さらなる成長に向け、日々取り組んでいる。
ビットキーがコロナ禍における採用活動で重視したのは、感染拡大に対してリスクを軽減しつつも採用活動を止めないことです。多くの影響が想定されるなか、感染リスクの回避と候補者体験の担保を重視した優先順位づけを行い、施策を実施してきました。
最優先で取り組んだのは採用活動のデジタル化。最終的にはオンラインとオフラインを融合させたハイブリッド型を採用しました。もう1点は社内外含めた採用体制の再構築。困難な状況下においても採用活動のスピードと質を落とさないように、新たな体制や仕組みを構築しました。
はじめに採用活動のデジタル化について。新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、オフラインでの採用イベントや対面での面談が困難になったことを受け、従来のオフラインを重視した採用活動から、ハイブリッド型の採用活動へシフトしました。具体的には、1次面談は原則web実施。それ以降のフェーズは双方の意向確認と感染対策を徹底した上で、来社とwebを使い分けるハイブリッド運用としました。
また、これまで紙で実施していた入社関連の契約書締結業務についても、電子契約システムの導入により全件電子化しました。
さらに、オペレーションの大きな負荷となっていたWeb面談の調整業務については、半自動化を行いました。日程調整ツールを導入、Google Apps Scriptを利用した自作のwebアプリと連携させる事で、候補者の面談予約をトリガーに、Googleカレンダー登録、面談URL発行、必要情報を記載した案内メールの送付までが自動で実行されます。
続いて、採用体制の再構築についてです。コロナ禍において、流入数の減少と見極め精度の低下が想定された為、対策を実施しました。
まずはリファレンスチェックの導入。システムを導入し、第三者視点も取り入れた採用・オファー判断を行う形式にシフトしました。それ以外には、流入強化を主目的にした採用チームから現場部門への権限委譲とエージェント各社とのリレーション強化に取り組みました。
結果として、コロナ禍でも採用の質を落とすことなく年間約100名の採用に成功。採用部門に依存しない体制にシフトしたことで、全社的な採用力の強化にもつなげることができました。
3 LINE株式会社
LINEは中途採用において、これまでの大量採用から、専門職の少数精鋭採用へと採用方針をシフト。ビズリーチなどを活用したダイレクト採用をうまく使った点などが受賞のポイントとなりました。
的射場 智之 氏
LINE株式会社
People Partner室・室長
新卒で国内生命保険会社に入社、2006年にヤフーに移り、採用・人事企画を中心に幅広く人事業務を担当。2012年からは、新人事制度改革やHRBPを立ち上げ複数部門のHRBP責任者、PMI担当などを経て、HRBP部門全体を統括。2019年5月にLINE入社。HRBP部門を統括するとともに、広告部門のHRBPを担当。同年10月より採用・人材開発部門も管掌。
LINEは、2019年7月を境に採用の方針を大きく変えました。2019年以前は、大量採用を行っていたのですが、それ以降、第2創業期として、強いチームをつくるための採用を行うことに。2019年7月以降を「厳選採用期」とし、専門職かつ少数精鋭チームを目指した採用を行うことにしました。
専門職を少数採用するにあたり、2019年以前はほとんど活用しなかったダイレクト・ソーシングの手法を取り入れました。採用方針の切り替え直後は「とにかくがむしゃら」「とにかく声がけ」だったと振り返りながらも、徐々にノウハウが蓄積し、ダイレクト・ソーシングでの採用が行えるようになってきています。
2019年には人材紹介会社経由とリファラル経由による採用が全採用経路の8割以上を占めており、ダイレクト・ソーシングはほとんど行われていませんでした。
一方2020年になると、上半期で全体の10%が、下半期で全体の25%がダイレクト・ソーシングでの採用と大幅な伸びをみせています。
以上、ビズリーチやビズリーチ・キャンパスを利用することで採用活動における先進的な取り組みを可能にした企業を3社、ご紹介しました。後編では、ビズリーチに加え、HRMOSシリーズの活用など、新たな試みを行った企業3社をご紹介します。
※所属・肩書等はイベント当時のものです。