傾聴とは? 意味と傾聴力を高める方法を分かりやすく解説

傾聴とは? 意味と傾聴力を高める方法を分かりやすく解説

相手を理解し信頼関係を築くには、相手の話を丁寧に聴くことが欠かせません。

さまざまなビジネスシーンにおいても、相手の話を聴くテクニックは必要不可欠なものとなっており、近年では心理学の分野で活用されてきた「傾聴」への注目が高まっています。

今回は、傾聴の意味や傾聴力を高める方法などについて分かりやすく解説します。

傾聴とは? 意味と目的

傾聴とは、相手の話に関心を持ち、共感をもって深く耳を傾けるコミュニケーション技術です。

傾聴では、相手の話を否定せず、肯定的に受け止める姿勢が求められます。傾聴は、相手の伝えたいことを受け止め、相手を積極的に理解するために実施するものです。

そのため、傾聴をする際には単に耳で話を聞くだけでなく、表情なども確認しながら言葉の真意を捉えなければなりません。

傾聴によって相手の理解を深めると、円滑なコミュニケーションが可能になり、信頼関係の構築にも役立ちます。

傾聴の3つの要素「耳・目・心」

傾聴は、耳と目、心の3つで聴くことが大切です。

まず、耳で相手の言葉を受け止める際には、言葉を捉えるだけでなく、話し声の大きさやトーンなどにも注意しながら耳を傾けることで、言葉に乗せられた相手の感情や本当に伝えたいことが読み取れるようになるでしょう。

感情は目にも表れます。

そのため、傾聴するときには相手の表情や視線の動きなどを目で確認し、相手をより理解しようとすることが求められます。

最後に、相手の話を理解し、相手との信頼関係を築くためには、ただ話を聞くだけでなく、相手の心に寄り添うことが最も重要になります。

心で聴くとは、相手の気持ちに思いをはせながら言葉に込められた意味を考えることです。

傾聴の際には、耳、目、心の3つを働かせ、感情の動きにも気を配ることで、相手をより深く理解することにつながります。

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傾聴の基本の考え「ロジャーズの3原則」

アメリカの臨床心理学者であり、クライエント中心療法の創始者として知られるカール・ロジャーズは、積極的傾聴(Active Listening)と呼ばれるカウンセリング技法を提唱しました。ロジャースは積極的傾聴を実践し、話し手の心を開くためには、聴き手は次の3つの原則を実践することが重要だと述べています。

1.共感的理解

共感的理解とは、相手の気持ちや考えに共感し、理解しようとする態度です。

傾聴時の前提として、話し手と聴き手は異なる人間であるという前提を理解することが重要です。

そのうえで、聴き手は相手の立場に立ち、話し手が感じていることや考えていることをそのまま受け入れます。

聴き手が自分の価値観で評価することなく、相手の気持ちに寄り添って話を聴くことで、話し手の気持ちを理解しやすくなり、聴き手の共感が伝わることで、話し手は「自分の考えを受け入れてもらえた」と感じやすくなります。

2.無条件の肯定的関心

傾聴をする際には、相手を否定することなく、ありのままの状態を受け入れ、話に耳を傾けることが大切です。

たとえ意見の違いがあっても、否定せずに受け止める姿勢が求められます。

相手の話を善悪や好き嫌い、聴き手の価値観で判断することはせず、相手の意見を肯定しながら、話に耳を傾けます。

聴き手に無条件に肯定してもらえることで、話し手は安心感を抱き、自ら積極的に話をできるようになるといわれています。

3.自己一致

自己一致とは、自分にも相手にも誠実に向き合う姿勢のことです。

例えば、相手の話に分かりにくい点があった場合、そのまま放置してしまうと相手の伝えたいことを完全に理解できなくなる恐れがあります。

相手を心から理解するためには、分からないことは「分からない」と伝える素直な行動が信頼感につながります。

分かったふりをして会話を進める状態は、互いに対して真摯な態度を取っているとはいえないでしょう。傾聴においては、この「自己一致」の原則を意識し、誠実さをもって対話することが求められます。

傾聴の具体的な実践方法

傾聴を行う際には、上記でご紹介したロジャーズの3原則に則り、会話の内容を無条件に肯定し、共感を示しつつ、真摯な態度で会話に臨むことが大切です。

では、傾聴をする際には具体的にどのような点に気を付ければよいのでしょうか。具体的な実践方法を4つご紹介します。

相手の気持ちを理解する

傾聴では、相手の気持ちを理解し、共感することが重要です。そのためには、相手を中心とした会話を進めなければなりません。

聴き手が話に関心を示さないようであれば、話し手は本当の気持ちを話しにくくなってしまいます。

相手の話に関心があることを示し、ときには相槌を打ったり、話の続きを促したりしながら、話し手が本当の気持ちを打ち明けやすい状態を作りましょう。

傾聴では、相手の話を聴く際は、言葉の背後にある感情や意図にも意識を向け、真意をくみ取ることが大切です。

大切なのは相手の気持ちを理解することであり、聴き手が自分の見解を述べることではありません。

効果的に傾聴を行うためには、相手の気持ちにしっかり寄り添い、聴き手としての姿勢を貫くことが求められます。

言葉以外のサインに注目する

傾聴をする際には、言葉だけでなく、言葉を発したときの表情や目線、声のトーン、話すスピードなど、言葉以外のサインにも注目しなければなりません。

例えば、口元は笑いながら話をしていた場合でも、声のトーンが低い場合や、目線が下を向いている場合などは、本当の気持ちを隠している可能性があります。

また、言葉では前向きな表現をしていても表情が暗い場合などは、本心ではまだネガティブな感情を消化できず、前向きに捉えられない状態にあると考えられます。

言葉以外の情報にも目を向けることで、より深く相手を理解できるようになります。

オープンクエスチョンを活用する

オープンクエスチョンの活用も傾聴には効果的です。オープンクエスチョンとは「はい」や「いいえ」ではなく、相手が自由に答えられる質問のことを指します。

具体的には5W1Hと呼ばれる「When(いつ)」「What(何を)」「Where(どこに)」「Who(誰が)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を使った質問がオープンクエスチョンに該当します。

例えば「そのときどのように感じましたか?」「なぜその場所に行ったのですか?」と質問をすると、相手が自由に自身の考えを表現できるため、本音を引き出しやすくなります。

相手に自由な回答を促すことは、相手を無条件に肯定することでもあり、聴き手が自分を受け入れてくれると感じれば、話し手は本音を伝えやすくなるでしょう。

相手の言葉を言い換える

傾聴の際には、相手をしっかり理解することも必要ですが、相手に対し、しっかり話を聞いているという姿勢をアピールすることも大切です。

相手の言葉を繰り返して確認したり、相手の言葉を別の表現方法で言い換えたりすると、自分の話を一生懸命理解しようとしていると感じるでしょう。

また、言い換えることによって相手の同意を得られれば「聴き手が自分の話に関心を持っている」「自分を理解しようとしてくれている」という気持ちになり、話し手は本当の気持ちを伝えやすくなるものです。

相手の言葉を言い換えるテクニックは、話し手との信頼関係を深めるうえで効果的な方法です。

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傾聴がもたらす効果

傾聴は、元々、心理療法の分野で用いられてきた会話のテクニックでしたが、近年ではビジネスシーンにおいても活用されています。

ここでは、ビジネスにおける傾聴の具体的な効果を紹介します。

信頼関係の構築

傾聴を通じて共感を示すことで、「自分を理解しようとしてくれている」と相手が感じ、信頼関係の構築につながります。

信頼関係が構築できれば、密な情報共有が可能になり、業務もスムーズに進められるようになるでしょう。

また、相手の立場で考えられるようになると、互いの状況などに配慮ができるため、組織内の連携強化にもつながります。

問題解決力の向上

相手の気持ちに共感しながら話を聴くと、相手の本当の気持ちを理解しやすくなります。

そのため、何か問題が起きたときにも、不満の根本原因や課題の所在を把握しやすくなります。

したがって、傾聴力を高めることは、問題解決力の向上も期待できます。

自己理解と他者理解の深化

傾聴によって相手の話にじっくり耳を傾けると、相手の考え方や価値観などを理解しやすくなります。

一方で、相手を深く理解する過程では、相手と自分の違いに明確に気が付くようになるでしょう。

つまり傾聴は、相手を知るだけでなく、自分自身を客観的に眺めることになり、自己理解を深めることにもつながるのです。

また、傾聴によって、多様な価値観に気づくことで、異なる視点を受け入れる柔軟性が育まれ、良好な人間関係の形成にもつながります。

ビジネスにおける「傾聴」の活用シーン

ビジネスシーンにおいて傾聴はさまざまな効果をもたらします。

では実際に、どのようなシーンにおいて傾聴を活用することができるのでしょうか。

傾聴の具体的な活用シーンを3つご紹介します。

上司と部下のコミュニケーション

傾聴は、上司と部下の信頼ある関係構築に効果を発揮します。

上司が部下の話に耳を傾けて共感を示すことで、部下は「理解されている」と感じやすくなります。

また、上司は部下の考えや価値観を理解しやすくなります。そのため、傾聴は上司と部下の信頼関係の構築に役立つといえます。

例えば、傾聴は上司と部下が1対1で行う定期的な対話の場である1on1ミーティングで生かせます。上司が傾聴力を身に付ければ部下の気持ちに寄り添い、部下の本音を引き出せるため、1on1ミーティングの質を高めることにもつながります。

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顧客ニーズの把握と満足度向上

傾聴は、顧客ニーズの把握にも効果を発揮します。

傾聴によって顧客の立場に立ち、話に耳を傾けると顧客の真意を理解しやすくなるでしょう。

顧客の真のニーズを把握できれば、適切な製品・サービスの提供につながり、満足度向上も期待できます。

また、クレームが入った場合でも、傾聴により顧客の言葉に真摯に向き合うと、相手の怒りを鎮められるだけでなく、誠実に対応することで、信頼関係の構築につながるケースもあります。

あわせて、クレームの内容を改善に生かすと、さらなる顧客満足度の向上にもつなげられるでしょう。

チームビルディングと組織力向上

チームビルディングとは、チーム内のメンバーがそれぞれの力を最大限に発揮することで、チーム目標の達成に向けた取り組みです。

チームをまとめるリーダーが傾聴力を身に付け、一人一人のメンバーの考えに耳を傾けると、チームの雰囲気が向上し、心理的安全性の高い環境が生まれます。

また、メンバーそれぞれも傾聴を実施できるようになれば、互いの立場を理解しやすくなり、組織力も向上します。

メンバーが意欲的に業務に取り組めるようになることで、組織としての目標達成にも好影響をもたらします。

傾聴力を高める方法

傾聴の効果を十分に引き出すには、傾聴力そのものを高めることが重要です。傾聴力を高めるためには次のようなトレーニング方法が有効です。

「聴く」時間を意識的に増やす

傾聴は相手の話を聴くことであり、傾聴力を高めるためには話すのではなく、相手の話を聴く時間を意識的に増やすことが大切です。

会話の割合を相手が7、自分が3となるように意識すると、十分に相手の話を聴けるようになるといわれています。

自分が話す割合を3に抑えることは難しいと感じるかもしれません。

しかし、相槌や言い換えを取り入れることで、相手の話により深く向き合う時間が自然と増えていきます。

ロールプレイングの実施

ロールプレイングの実施も傾聴力の向上に効果的なトレーニング法です。

ロールプレイングをする際には、聴き手と話し手だけでなく、会話の時間を計測するタイムキーパーの役割を担当する人も置くとよいでしょう。

「話し手の話す時間が会話の7割程度を占めていたか」を確認するとともに「話しやすい雰囲気だったか」「理解してもらえたと感じられたか」といった点も確認しましょう。

フィードバックを受ける

ロールプレイングの際に、聴き手が話し手やタイムキーパーなどからフィードバックを受けることも大切ですが、日常のコミュニケーションにおいても、相手からフィードバックを受けるとよいでしょう。

会話の相手から、話を聴く態度や話を促す姿勢などについての評価を求めると、自分では気が付かない課題を見つけることができ、改善すべき点が明確になります。

得られたフィードバックをもとに改善を続けることで、傾聴力の向上につながります。

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人事領域における傾聴の活用

傾聴はビジネスシーンにおいてさまざまな効果をもたらしますが、人事領域も例外ではありません。人事領域における傾聴の具体的な活用方法をご紹介します。

1on1ミーティングでの傾聴

1on1ミーティングでは、上司の傾聴力が部下との信頼関係構築に大きく関わります。

上司が一方的に話す場ではなく、部下が安心して相談できる機会とすることで、部下の自発的な成長を促すものです。

1on1ミーティングにおいて、上司が部下の気持ちに寄り添い、部下の話に真剣に耳を傾けると、部下も相談がしやすくなるとともに、部下からの信頼を得やすくなります。

また、傾聴によって部下の考えを深く理解できるようになるため、マネジメントにも生かせるようになるでしょう。

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評価面談での活用方法

人事評価の面談時には、まず本人の自己評価を丁寧に聴くことが重要です。

どのような点に改善が必要だと感じており、どのような点は十分に達成できたと考えているのか、相手の意見を否定することなく傾聴をします。

傾聴することで、自己評価と人事評価のギャップを把握することができるでしょう。ギャップが小さい点については、本人も理解しているため、多くの説明は不要です。

しかしながら、乖離が大きな部分については、丁寧に説明をしなければ納得を得られない可能性が高くなります。評価結果に納得がいかなければ、業務に対するモチベーションが低下する恐れがあるでしょう。

評価の内容をしっかり理解してもらうためには、傾聴によって相手を理解しようとする誠実な態度を示すとともに、聴き取った内容に合わせて適切な説明を行うことが大切です。

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メンタルヘルスケアへの応用

傾聴はメンタルヘルスケアにも役立ちます。真摯な態度で話に耳を傾けてもらえたと感じた場合、話し手は自分を受け入れてもらえたという安心感を抱くようになります。

また傾聴には、不安を吐露し、相手に話を聴いてもらうことで気持ちが軽くなる効果もあるといわれています。

したがって、メンタルヘルスが不調な傾向にある従業員がいる場合には、面談の機会を設け、共感をもって話を聴くことで、不調の原因となっている感情を緩和できる可能性があります。

また、メンタルヘルスケアを目的として傾聴を行う際にも、相手の意見を否定せず、相手を無条件に肯定することが大切です。

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まとめ

傾聴とは、関心と共感をもって相手の話に耳を傾けるコミュニケーション技術です。

相手をより深く理解するためには、耳だけでなく、目や心で相手の本心を探り、会話の本質を捉えることが重要になります。

また、傾聴によって相手を理解すると自分との違いも明確になるため、自分自身の理解を深めることも可能です。

傾聴力を高めると、組織内のコミュニケーションも良好になり、組織力の向上も期待できます。さらに、1on1ミーティングや評価面談に傾聴を活用することで、より効果的な人材育成が可能になるでしょう。

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1on1ミーティングは、部下とのコミュニケーションを深め、信頼関係を構築できる絶好の機会です。

傾聴力を高め、部下の気持ちや考えをしっかり理解できれば、一人一人に合った育成方法も見えてくるでしょう。また、継続的に傾聴を実践することで、部下の意欲や成果にも良い変化が見られることがあります。

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