人事戦略の一つとしてタレントマネジメントが注目されていますが、自社の課題を整理できなかったり、経営層や従業員の協力を得られなかったりするなど、課題を抱えている企業は少なくありません。本記事では、タレントマネジメントの導入前後で対峙しやすい課題と対策、失敗しないためのポイントについて解説します。
これからタレントマネジメントに取り組みたい企業の担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは経営資源である「ヒト」を活用し、業績アップや経営目標の達成などに向け、成果を出しやすくするために企業全体で取り組む人材マネジメント手法のことです。
従業員が持つスキルや経験値、また能力・才能・資質などを意味する「タレント」の情報を収集し、一元管理して活用します。
集めたデータをもとに人材マネジメントの戦略を立てて、採用や人材開発、人材配置を行うことで、客観的な根拠に裏付けされた施策実施が可能になります。そのデータを効率的に集めて分析、可視化するためには、タレントマネジメントシステムの導入が有効です。
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タレントマネジメントの目的
タレントマネジメントの主な目的には事業拡大や売上・利益の向上などが挙げられます。人事戦略の視点から、企業の経営目標を達成することを目的とするのが一般的です。
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タレントマネジメント導入前の課題と対策
タレントマネジメントに関心を持ち、導入を検討する企業も多いでしょう。
とはいえ、タレントマネジメントはただ導入すればよいというわけではありません。効果を最大限に引き出すためには、事前にクリアしておきたい課題がいくつかあります。
ここでは、タレントマネジメント導入前の課題とその解決方法について解説します。
1.自社の人事課題が不明瞭
何となく人事課題を感じていながらも、課題を洗い出せず、要点整理ができていない企業は多いです。
人事課題といっても、採用活動や人材育成、適材適所の人材配置など、課題と感じているテーマはさまざまで、各課題の緊急度や重要度は企業によって異なります。
タレントマネジメントを導入すればすべての課題を一度で解決できるわけではないため、どの課題に優先的に取り組むのか、いつまでにどのような状態を目指すのかなどを、事前に整理することが重要でしょう。
2.人材戦略の方向性・ゴールが定まっていない
人事戦略を取り巻く環境は常に変化しており、考え方や方向性がなかなか定まらない企業も少なくありません。
企業としての方向性が定まっていないと、タレントマネジメントを導入しても効果を実感しにくくなるおそれがあります。
タレントマネジメントを導入する前に、人事と経営層の間で経営戦略に基づく人事戦略をすり合わせ、方向性を固めておきましょう。そこで浮かび上がった課題を解決する方法として、タレントマネジメントを活用すると効果的です。
3.運用の人的負担が大きい
タレントマネジメントを導入・運用する際に発生する人的負担も課題の一つです。
タレントマネジメントでは社員の情報収集や蓄積、分析や可視化などの作業が継続的に必要になるため、特に人事担当者に大きな負担がかかりがちです。従業員から集めたデータを効率的に管理、分析ができるタレントマネジメントシステムを活用して、負担のかかりづらい体制を構築する必要があるでしょう。
4.経営層の知識や認識が足りない
タレントマネジメントは経営戦略と強く関連性のある取り組みであるため、経営層にもタレントマネジメントの知識や理解が求められます。
しかし、タレントマネジメントはまだ日本に広く浸透していない手法であり、導入している企業の事例も多いとはいえません。そのため、経営層の理解をなかなか得られず、導入がスムーズに進まないことがあります。
そこで、経営層にタレントマネジメントの重要性を理解してもらうために、タレントマネジメントの活用をテーマにしたセミナーに参加してみたり、タレントマネジメントを活用した企業の事例を共有したりする必要があるでしょう。
導入前に知識共有の場を設け、人事戦略におけるタレントマネジメントの重要性を理解してもらえるような対策を講じましょう。
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5.従業員の理解と協力を得る
経営層の協力を得てタレントマネジメントを導入したにもかかわらず、従業員への周知が不十分で失敗する事例もあります。
タレントマネジメントは、従業員のスキルや目標設定、参加したプロジェクトの内容など、幅広い情報を入力する必要があります。また、情報入力は1回きりではなく、継続的に求められるものであるため、従業員の理解と協力が不可欠です。
従業員の中には、わずらわしいタスクが増えたと不平不満を言う方もいるかもしれません。だからこそ、事前にタレントマネジメントの導入目的を伝え、社内研修やマニュアル整備を行いながら、根気強く周知を続けましょう。
6.適切なシステムを選べない
タレントマネジメントに取り組む際、自社の目的と課題にあったシステムを選べないことも課題の一つです。
タレントマネジメントシステムには、さまざまな課題に対応した多目的タイプと、評価管理や人材配置など特定の機能が秀でているシステムに大別されます。
機能の豊富さや使いやすさはもちろんのこと、自社が優先的に取り組みたい課題に対応しているかどうかを確認して、適切なシステムを選ぶようにしましょう。
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7.管理したい情報を整理できていない
タレントマネジメントを導入したものの、手当たり次第に情報を集めてしまい、うまく活用できないケースもあるでしょう。
本来は、入社書類や社会保険手続きの書類、表計算ソフトで管理している人事情報などの項目をすべて洗い出して、一度整理しなくてはなりません。
複数の人事マスタを抱えている企業の場合、情報を整理するのに時間がかかり、人材データの分析と活用までたどり着かない可能性もあります。
社内にデータが散在している企業は、タレントマネジメントシステムを用いてデータベースを一元管理するとよいでしょう。
タレントマネジメント導入後の課題と対策
タレントマネジメントを導入した後、運用中に出てくる課題を理解しておくことで、失敗を防ぎやすくなるでしょう。ここでは、導入後のよくある課題と、それぞれの対策をご紹介します。
1.データの質と更新頻度の維持
タレントマネジメントの効果を継続的に得るためには、常に従業員情報を最新の情報に更新していかなくてはなりません。
情報を最新の状態にアップデートすることで、活用すべき人材を見逃さずに済みます。
ただし、情報更新をする際に、人事から何度も従業員に書類提出を促したり、複数の表計算ソフトなどに何度も入力を求めたりするのは効率的ではありません。
可能な限り、タレントマネジメントシステムを導入して、従業員それぞれがいつでも情報更新できる仕組みを整えておきましょう。
2.適切に分析ができない
表計算ソフトを用いて従業員情報を管理し、タレントマネジメントを実施するケースもありますが、集めた情報を分析しきれず、効果的に活用できない企業もあります。
集めた情報が複数のタブに分かれていくと、大量のデータ処理が難しくなると考えられます。そのため、タレントマネジメントシステムを活用して個人レポートや人的資本経営レポートなど、現場で活用しやすい形でデータ分析を行うとよいでしょう。
3.人材配置、育成に生かせていない
タレントマネジメントを導入したものの、人材配置や育成計画に生かしきれない場合もあります。分析したデータを、どのように配置計画に落とし込むのかが分からず、データ活用につながらないためです。
タレントマネジメントシステムを活用すれば、集計したデータをもとに配置シミュレーションができるので、シミュレーション結果を社内共有しながら具体的な議論が可能になります。
人材育成や個人目標、評価や1on1の機能と連動させれば、よりデータの活用がスムーズになるでしょう。
4.継続的なPDCAと改善ができない
タレントマネジメントは長期的な視点で取り組む施策のため、導入後すぐに中断してしまうと、十分な効果を実感しにくいです。
最低でも数年単位の期間で取り組み、PDCAサイクルを回し続けることが大切になります。
PDCAサイクルにタレントマネジメントを当てはめてみると、Pは「採用・育成計画の作成」、Dは「採用・人材配置」、Cは「人事評価・レビュー」、Aは「異動・能力開発」となります。
実施した施策が成功したか、その場合の原因は何か、現状把握と分析を繰り返しながら取り組みましょう。
また、改善したい課題にあわせて、管理項目や評価方法を見直すことも重要です。運用途中で収集する従業員データの項目を見直す際は、HRMOSタレントマネジメントのような、管理項目・評価方法のカスタマイズ性の高いシステムを活用しましょう。
人材の能力を最大限に引き出し、自社の中で活躍し続ける状態をつくることが企業経営、特に人事戦略にとっての要となります。
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まとめ
タレントマネジメントに取り組む際は、どのような人事課題を解決したいのか、自社の目標を明確にしてから収集する項目を決めなくてはなりません。
従業員データを集めた後も、目的にあわせてデータを加工・分析し、アクションプランに落とし込む必要があるでしょう。
多くの企業は、タレントマネジメントのデータ収集の効率化や、中長期的な運用体制の構築に課題を感じています。課題に打ち勝ち、効果を高めるために、ぜひHRMOSタレントマネジメントを活用していきましょう。
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