【中途採用の母集団形成】効果的なステップと重要ポイント

こんにちは。「HRMOS(ハーモス)採用」のHRMOS TREND編集部です。
こちらからお役立ち資料「96%の企業が負担軽減を実感した『採用業務効率化』の秘訣」無料でダウンロードできます!

中途採用は、企業の成長に資する重要な役割を果たすでしょう。その採用活動の成功は、求職者の質の高い「母集団」をいかに効果的に形成するかにかかっています。母集団形成は、質の高い人材を集め、最終的な採用選考をスムーズに進めるための必要条件です。この記事では、中途採用の母集団形成の意義や具体的なステップ、そして、その成功のためのポイントなどを詳しく解説していきます。

中途採用の母集団形成の意義

母集団形成とは、「企業の募集情報に共感や興味を持つ可能性のある求職者をリストアップする活動」のことであり、中途採用活動を成功させるための大切なポイントです。また、採用の基盤となるフェーズでもあり、企業が長期的な人材確保の戦略を構築する上で欠かせない要素といえるでしょう。なお、母集団形成には、経験者やキャリアチェンジを考えたり、新しいステップを踏み出そうとしたりする人たちを対象として、企業の持つ魅力や独自性を伝達し、興味や関心を引き寄せる作業が含まれます。

企業が適切な人材を確保するためにも、母集団形成は欠かせません。なぜなら、人材を採用するには、まずは広範な層から求職者を引き込むことが必要だからです。そして、その中から最も企業のビジョンや価値観に合致する人材を選出するプロセスが求められます。さらに、この母集団を事前に構築しておくことで、具体的な採用活動や情報提供、そしてコミュニケーションをスムーズに進めることが可能です。これは、効率的な採用活動を展開するための基盤といえます。

その際に注意すべきは、ただ多くの求職者を集めるだけでは十分ではないということです。母集団として、その中の人材がどれほど企業のビジョンや体質に合致するかという「質的な側面」もきちんと評価することが重要です。企業の未来を担う人材の確保のために、母集団形成の戦略立案とその実践は欠かせない要素といえるでしょう。
<関連記事>
母集団形成とは?おすすめの11施策、解決すべき採用課題を解説

新規採用と中途採用の母集団の違い

企業が人材を採用する際、そのアプローチの方法や対象となる層はさまざまです。新規採用と中途採用では、その目的や対象となる母集団、そして形成の方法や期間が大きく異なります。企業が人材確保の戦略を考える際には、これらの違いをしっかりと把握し、それぞれの特性を生かす形で母集団形成を進めていくことが重要です。ここでは、新規採用と中途採用という、主要な採用方法に関して重要となる2つの母集団形成の違いを紹介します。

中途採用の母集団形成とは

中途採用の母集団形成は、おもに、企業の中で即座に業務を担当できる人材、もしくは新たな視点や専門的な技術をもたらしてくれる求職者を対象とします。これは、すでに一定の職歴や経験を持つ転職希望者や第二新卒者を中心に形成される母集団です。また、通常、中途採用は、企業のニーズや事業の状況に応じて行われます。そのため、その実施期間も数週間から数カ月という短期間で行われるのが一般的です。
<関連記事>
キャリア採用とは?意味や中途採用・新卒採用との違いを徹底解説!

新規採用の母集団形成とは

新卒採用の母集団形成は、まだ職業経験がない新卒の学生を中心に構築されます。この場合、即戦力としての能力よりも、その人材が持つ成長の可能性や、企業体質にフィットするかどうかといったポテンシャルが重要視されます。新卒採用は、一般的には特定の新卒採用スケジュールにもとづいて行われ、実施期間も半年から1年以上と長期にわたることが特徴です。

中途採用の母集団形成が必要とされる背景

企業の成長とその持続可能性のための人材確保は、一層重要視されてきています。中途採用の母集団形成は、多くの企業が直面するさまざまな課題に対応するために非常に大切です。多様化する求職者に対し、母集団形成を駆使した採用活動は、企業にとって必要不可欠な手法といえるでしょう。ここでは、この母集団形成が求められる背景を、以下に紹介する3つの観点から詳しく解説していきます。

採用市場の競争の増加

経済の変動や社会情勢の変化により、企業が直面する人材獲得の課題はますます複雑化しています。中途採用の重要性が増す中、その市場は多くの企業による熾烈な競争の場となっているのです。特に、わが国の労働者人口は急激に減少しており、これに加えて働き方改革や生活様式の多様化によって、人材のニーズと供給が大きく変わり始めています。企業間の採用競争が激化する中、人材確保は各企業の存続と競争力を左右しかねないものとなっているのです。

この厳しい採用市場では、求職者一人ひとりを対象としてアプローチするだけでは、十分な人材を確保することは難しいでしょう。こういった背景から、母集団形成の重要性が増しているのです。多くの企業では、まず、関心を持ってもらえる求職者の層としての「母集団」をしっかりと形成します。これにより質の高い人材との接点を増やし、効果的な採用活動を進めることが可能となるのです。このような動きは、企業の持続的な成長や事業拡大を目指す上での基盤として、中途採用の戦略においては欠かせない要素といえるでしょう。
<関連記事>
中小企業が立てるべき採用戦略とは?採用に苦戦しないポイントを紹介

候補者選定のスムーズさ

採用活動において、求職者との最適なマッチングは非常に重要な要素です。そのためには、適切な情報収集や比較検討が必須といえます。そして、これがスムーズに行えるかどうかが、企業の採用効率や成功率に大きく影響するでしょう。ここで重要となるのが「母集団形成」です。母集団形成を行うことで、求職者の情報を一元的に管理・整理できます。その結果、企業が求める条件やニーズに合致する人材を、迅速に特定することが可能です。このようにして形成されたデータベースは、比較や分析を行う際の大きな武器といえます。

さらに、このデータベースを活用することで、求職者をさまざまなカテゴリーや属性ごとに分けて考察できます。たとえば、特定のスキルセットを持つ人材や経験年数、前職の業種など、さまざまな角度から候補者をセグメント化することが可能です。これにより、特定の職種や業務に最も適した候補者に対して、的確なアピールや情報提供を行うことができます。

このような一元化されたデータの存在は、中途採用活動をスムーズに進める上で非常に有効です。母集団形成を行うことにより、企業は求職者との接点をより質の高いものとすることができ、その結果、採用の成功率を向上させることが期待できます。

より効率的な採用戦略の実行

新卒採用が一定のスケジュールに基づいて行われるのに対し、中途採用は、おもに通年で実施されます。そのため、求職者とのタイミングを合わせることや、適切なアピールポイントを見極めることが欠かせません。このような背景から、中途採用活動を効率的に行うための方法として「母集団形成」が注目されています。母集団を事前に形成しておくことで、求職者とのコンタクトポイントを増やすことが可能です。それによって、企業の求める人材とのマッチングも高まります。

また、母集団の存在は、採用活動の各ステップを計画的に進める上での大きなサポートとなります。たとえば、求職者のプロフィールや経歴、スキルセットなどの情報をもとに、最適なポジションや業務内容を提案できます。さらに、選考や面接のスケジューリングも円滑に進めることが可能となり、人材とのマッチングを確実に図ることができるのです。
<関連記事>
採用戦略とは?立て方、立案するメリット、具体的な手順を徹底解説

中途採用の母集団形成の効果的な方法

中途採用の母集団形成は、適切な人材を効果的に獲得するための重要なステップです。母集団をしっかりと形成することで、求職者とのコンタクトポイントを増やし、採用活動をスムーズに進めることができるでしょう。ここでは、効果的な母集団形成のための方法を紹介していきます。
<関連記事>
採用チャネルとは採用手法のこと!それぞれの特徴やメリット・デメリット・選び方を解説

採用情報サイトとその有効利用

転職を希望する多くの人材が、採用情報サイトを検索しています。これは、採用情報サイトは、新たなキャリアを模索する求職者の主要なツールとなっており、中途採用の際に転職活動の一助となる重要なプラットフォームであるのが理由でしょう。これらのサイトは、求職者が企業情報を収集し、自分の適性や希望に合った求人を見つけるために非常に有効です。一方で、企業側としても、こうしたサイトを求職者の広範な層に効果的にアプローチする手段として利用しています。特に、「エントリー」などを通じて、気になる求職者の興味を引き寄せ、直接コミュニケーションのチャンスを増やすことが可能です。

しかし、これらの採用情報サイトは数多くの企業が利用しているため、ほかの企業との競合状況が激しくなることもあります。そのため、他社と差別化する内容の充実や、魅力的な採用メッセージ、さらにはサイト内での目立ちやすさを追求する取り組みが必要です。また、一般の求職者にも広く閲覧されることから、自社の求める人材とのマッチング度合いが低い応募者からのエントリーも考えられます。このような場合、適切な選定や選考のプロセスを経て、自社が求める人材を見極めるステップが必要です。

ダイレクトリクルーティングとその効果

ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接的に求職者に接触し、関心を引き寄せるための採用戦略です。従来の募集型採用とは違い、企業から直接ターゲットとする求職者へのアクションをとる方法として広まっています。この方式を採用することで、事前にプロフィールや経歴が確認できるデータベースから、自社のニーズに合致する人材を特定し、具体的なオファーや情報を伝えることが可能です。このようなアプローチにより、返信をもらえる確率が高い候補者層を形成し、これを新たな母集団として捉えることが推奨されています。

ダイレクトリクルーティングは、採用活動において中途採用の母集団の質を向上させることが可能です。つまり、数の多さではなく、マッチングの精度を追求する採用活動を目指す企業にとっては、非常に有効な方法といえるでしょう。
<関連記事>
ダイレクトリクルーティングとは?従来の採用方法やスカウトとの違い・メリット・デメリットについて解説

人材紹介サービスの魅力

中途採用において企業が活用するツールとして、人材紹介サービスが注目されています。このサービスの大きな特徴は、企業が具体的に求めるスキルや経験を持った求職者を、専門のコンサルタントが選定して紹介してくれる点です。多くの場合、このサービスは成功報酬型の料金体系を採用しており、採用が成立しなければ費用はかかりません。この点は、中小企業にとっては経済的にも大きなメリットです。ただ、採用が成功した場合の料金は、求職者の年収に応じて設定されることが多いため、その点はしっかりと見極める必要があります。

また、採用した社員が早期に退職するリスクを考慮し、多くの人材紹介サービスでは返金保証が設けられています。この保証の範囲や内容はサービスによってさまざまなので、利用する際は十分に情報を確認し、自社のニーズに合わせて選ぶことが大切です。このように、人材紹介サービスは、母集団形成における「質」を第一に考える企業にとって、有益な選択肢の1つとなるでしょう。高いマッチング率を期待する企業は、このサービスの活用を検討してみる価値があります。

公式ホームページを活用した採用戦略の重要性

中途採用を行う際、多くの企業が公式ホームページを活用して人材の母集団形成を目指しています。公式ホームページに、必要な情報を整備することで、企業のアイデンティティやカルチャー、求める人材の条件を詳細に伝えることが可能です。また、独自のデザインや画像、動画を掲載することで、ほかの企業との差別化を図ることができます。しかし、実際の効果を上げるためには、サイトのアクセス数やターゲットとする求職者層の傾向をしっかりと把握することが大切です。

たとえば、若い世代向けの求人情報を強化している企業であれば、SNSやほかのプラットフォームでの情報発信と連携させることで、より多くの求職者にアクセスしてもらうことが可能でしょう。また、求職者が企業に興味をもった際には、ほぼ確実に公式ホームページを訪れるという行動パターンが見られます。この機会を逃さないためにも、採用情報の更新やサイトのユーザビリティーの向上を常に心掛けることが重要です。公式ホームページは中途採用の母集団形成における非常に効果的なツールであり、適切な活用方法を模索することで、高品質な人材の確保を実現することができるでしょう。

ソーシャルメディアを駆使した採用戦略

企業の採用活動において、ソーシャルメディアの力は無視できないものとなっています。特に、FacebookやX(前Twitter)、Instagram、YouTubeといったプラットフォームは、多くの求職者との接点を持つことができるため、中途採用をはじめとした人材募集の際に役立つでしょう。ソーシャルメディアの最大の特徴は、無料あるいは低予算での運用が可能であるとともに、広大なユーザー層と直接コミュニケーションを取ることができる点です。特に、若い世代の求職者は日常的にこれらのメディアを利用していると考えられます。そのため、企業としても適切な情報発信を行うことで、母集団の形成を効果的に進めることが可能です。

ただし、ソーシャルメディアを用いる際の注意点として、意図しない形での情報拡散や、いわゆる「炎上」のリスクを十分に考慮する必要があります。また、採用活動を目的としないユーザーからの反響も多いため、その対応にも工夫が必要です。日々の投稿や情報更新には一定の労力が必要となるため、その点も計画的に進めることが望ましでしょう。ソーシャルメディアを採用戦略に取り入れることで、多くの求職者にアプローチすることが可能ですが、その利用方法には工夫と注意が必要です。

社員を活用した人材募集戦略

企業が持つ最大のリソースの1つは、その社員たちです。一般に「リファラル採用」と呼ばれるのは、社員が自身の人脈を活用して求職者や人材を紹介するという方法です。この方法は、社員の知人や友人など、自社の体質や価値観を理解している可能性の高い人材を対象とすることから、中途採用においても非常に有効といえます。特に、新規採用の際には、その候補者が企業体質にフィットするかどうかの判断が難しいものです。そんななか、すでに企業体質をよく知る社員からの紹介による求職者は、その体質に合致する可能性が高いでしょう。この点は、特に中途採用でのマッチングの難しさを考えると、大きなメリットといえます。

また、社員に対して紹介インセンティブを提供することで、モチベーションを高めることも可能です。ただし、リファラル採用だけでは、求める人材の数が不足することもあり得ます。そのため、ほかの採用手法と組み合わせて戦略的に進めることが重要です。
<関連記事>
リファラル採用とは?メリット・デメリットと成果を出すためのポイントを紹介

求人イベントなどの活用

転職者を対象とした各種のイベントは、中途採用の魅力を高めるための絶好の機会といえるでしょう。特に、合同説明会や転職フェア、そして転職セミナーなどは、多くの求職者が集まります。このような場所での出展や参加は、自社のブランドや価値観を広く求職者に知ってもらう大切な手段です。これらのイベントでは、自社のスタンドやブースを設置し、直接求職者とのコミュニケーションを図ることができます。プレゼンテーションを行ったり、オリジナルのパンフレットを配布することで、自社の特色や魅力を伝えることが可能です。

また、ほかの企業を目的にしてイベントを訪れた求職者とも、新たな接触の機会を得ることができます。さらに、これらのイベントでは、競合する企業の取り組みやアピールポイントも間近で確認することができるため、自社の採用戦略の見直しや改善の参考にもなるでしょう。

公共の求人サービスの活用

求人活動を行う際に利用できるさまざまな手法の中でも、公共のサービスである「ハローワーク」は特に重要な役割を果たしています。母集団の形成を目指す企業にとって、ハローワークを通じての求人募集は有益な選択となるでしょう。ハローワークは、国の公的な機関として、求職者と企業をつなぐ役割を持っています。そのため、利用にかかる費用は無料で、幅広い層の人材へのアクセスが可能です。特に、中途採用を積極的に進める企業にとっては、中途採用等支援助成金やトライアル雇用助成金といった、さまざまな助成金制度を利用できる点も大きなメリットといえます。

しかし、一方で注意すべきポイントもいくつかあります。ハローワークの求人票には一定のフォーマットが存在し、それにもとづいた情報のみの掲載となるため、企業の独自性を十分に伝えるのが難しい場合があるのです。また、多くの求職者がハローワークを利用するため、企業の求めるスキルや経験を持たない応募者が増える可能性も考慮する必要があります。ハローワークを活用する際は、その特性を理解し、ほかの採用手法とのバランスを取ることが、質の高い人材を獲得するために重要です。

情報誌や雑誌の活用

デジタル化が進む中でも、求人情報の配信手段としての紙メディアの重要性は依然として高いものがあります。特に、コンビニエンスストアや書店で配布される求人情報誌や、新聞の折り込みチラシなどは、多くの人々の目に触れる機会が多いでしょう。そのため、母集団形成の面での効果は大きいといえます。デジタルメディアを利用した求人広告では、求職者が特定の条件で検索を行うため、偶然の出会いが少ないのが現状です。しかし、紙メディアを利用することで、特定の条件で検索を行わない人々にも情報が伝わりやすく、特に、中途採用を行いたい企業にとっては有益な手段といえるでしょう。

しかし、紙メディアの特性上、掲載情報量には限りがあります。そのため、求職者に伝えたい詳細な情報をすべて掲載するのは難しい場合があるのです。また、さまざまな背景を持った人材が紙媒体を手に取るため、自社の求めるスキルや資質を持たない求職者からの応募も想定されます。紙メディアを活用する際には、その特性を十分に理解し、ほかの採用手法とあわせて適切に利用することで、効果的な母集団形成を実現することができるでしょう

中途採用の母集団形成の手順

中途採用を成功させるためには、母集団を計画的に形成することが不可欠です。ここでは、効果的な母集団形成を行うための具体的な手順を順を追って紹介していきます。
<関連記事>
採用戦略のフレームワークとは?メリットや活用例を解説

手順1:採用の目的と期待値を設定

中途採用を効果的に進めるためには、最初の段階でその目的と期待値をしっかりと設定することが必要です。なぜなら、採用の背景や必要性を理解することで、求職者へのアプローチや母集団形成がスムーズに行えるからです。中途採用の狙いとして、急募の人材確保、部門別の人員不足の補完、特定の専門知識を有する人材の獲得など、さまざまな目的が考えられます。これらの目的をもとに、必要な人材の数や採用の期限を設定することで、中途採用の全体計画がより明瞭となるでしょう。この明確な方針が、後のステップにおいても方向性を持たせ、採用活動を円滑に進める基盤となるのです。

手順2:理想の候補者像の特定

中途採用の成功には、自社が求める理想の候補者の特質や能力を正確に把握することが重要です。そのためにも、手順1で設定した採用の目的にもとづいて、欲しい人材の特徴や資質を具体的に洗い出します。これにより、求職者との間に方向性を持った対応が可能です。たとえば、緊急に特定の役職の空きを埋めたい場合、その役職の業務内容や必要なスキルセットを明確にします。一方、長期的なビジョンに合わせたリーダーシップを持つ人材を探す場合なら、企業の価値観や体質に合致するかどうかが重要となるでしょう。これらの要件を明確にしておくことで、効果的な人材獲得が期待できます。
<関連記事>
人材要件とは何か?フレームワークの定義から設定までの具体例を解説

手順3:母集団の目的の設定

採用活動を行う際、最終的に欲しい人材の数だけを考えるのでは不十分です。事前に母集団をしっかりと形成することが、質の高い採用につながります。具体的には、採用の最終目標を設定した上で、その数をもとに必要な母集団の大きさを逆算する方法が効果的です。たとえば、期間内に特定の部署に複数名を採用したい場合、その数倍の求職者との接点を持つことを目指しましょう。これを踏まえて、十分な数の人材で母集団を形成することが、成功のカギといえます。

手順4:期間と進め方の決定

採用計画を成功させるには、明確なスケジューリングが重要です。中途採用を行う際には母集団の形成が前提ですが、この作業にも期間と具体的な進め方を定めましょう。具体的に何名の人材を求めているのかをもとに、必要な求職者の母集団をどのタイミングまでに形成するのかを決定するのです。たとえば、10名の採用を目指す場合、その3倍の30名の母集団を形成する必要があるかもしれません。それをもとに、活動の開始時期や中間チェックの時期などを具体的に設定します。計画的に進めることで、求める人材との出会いのチャンスを増やすことができるでしょう。

手順5:母集団形成の方法の選定

母集団形成には、さまざまな方法が考えられます。しかし、効果的な採用を行うためには、それぞれの方法の特性と自社の条件をマッチさせる必要があるのです。中途採用の際は、求める人材の特性や求職者の傾向を考慮しつつ、適切な方法を選択しましょう。たとえば、特定のスキルを持った人材を求める場合、専門性の高い求人サイトやダイレクトリクルーティングが効果的です。また、採用活動の予算や人員、期間などのリソースも考慮に入れて、計画的に母集団形成の方法を選定します。最終的には、予算や人材、時間などの要素を総合的に判断し、効果的な方法を選択することで、成功の確率を高めることが可能です。

手順6:取り組みの実施と見直し

母集団形成や中途採用の取り組みは、計画的に進めることが重要です。しかし、実際の採用活動は、求職者という「人」とのやり取りが中心となるため、予期せぬことも起こり得ます。そのため、スケジュールに沿って進める中で、途中経過を定期的に確認し、必要に応じて方針を調整することが大切です。たとえば、母集団の数が期待よりも少ない場合や、求める人材とのマッチングが難しい場合など、具体的な課題が浮き彫りになることもあるでしょう。そうした時に計画を見直し、より適切な方法へとシフトしていくことで、効果的な中途採用を実現できます。実施と見直しのサイクルを回すことで、採用の質を高めることができるでしょう。

中途採用の母集団形成のポイント

中途採用の成功には、適切な母集団形成が欠かせません。特に、中途採用の母集団形成には考慮すべきポイントがあります。ここでは、それらのポイントを詳しく紹介していきます。

会社にフィットする方法の選択

母集団形成には、多岐にわたる方法が存在します。その中でも、自社の特色やニーズにマッチするアプローチを採用することが必要です。中途採用を進める際には、求職者との繋がりや自社の条件、それに費用面をきちんと考慮しましょう。これにより、最適な形成手法を見極めることが可能です。また、目指す母集団の「質」や「数」に応じた適切な方法を選定することで、より効果的な中途採用が実現できるでしょう。

1つの方法にこだわらない

中途採用を成功させるための母集団形成では、一定の方法に固執せず、多角的なアプローチを採用することが効果的です。それぞれの手法には特徴や特有のターゲット層があり、これを組み合わせることで求職者の幅広い層をカバーできます。たとえば、「質を重視する方法」と「大量の求職者を獲得する方法」を組み合わせることで、より適切な人材を効率よく獲得できる可能性が高まるのです。さらに、ダイレクトリクルーティングなど、企業が主導権を持つことができる手法も併用することで、中途採用のプロセスをよりスムーズに進めることができるでしょう。

初期段階での絞り込みを過度にしない

中途採用の過程では、母集団形成の初期段階での過度な絞り込みを行うのは控えたほうがよいでしょう。なぜなら、絞り込みを急ぐあまり、後の段階で必要な多様な人材を見逃してしまう恐れがあるからです。母集団の段階での目的は、多様な求職者の層を確保することにあります。そして、その後の選考フェーズで、徐々に企業のニーズに合った候補者を選び出すのが理想的です。この方法を取ることで、求職者の中から最も適切な人材を見つけ出すことが容易となり、中途採用の成功確率を高めることができるでしょう。

短期的な意思決定を念頭に置く

中途採用の際の母集団形成は、短期的な視点での意思決定が必要です。新卒採用の場合は、多くの企業が似たようなタイムラインで進行することが一般的なため、そのような必要性はありません。しかし、中途採用の採用活動は一年を通して行われることが多いのです。そのため、母集団の形成に関して迅速な行動が求められます。なぜなら、過度に時間をかけてしまうと、ほかの企業に良質な求職者を採用されてしまうリスクが高まるからです。その結果、求めている人材を獲得する機会を失う可能性があります。スピード感を持って効率的な形成を目指すことが大切です。

候補者との関係の構築を重視

中途採用の際、母集団形成のプロセスはただ求職者を集めるだけではなく、彼らとの関係構築にも焦点を当てる必要があります。特に、求職者と接点をもてる機会は極めて重要です。接点をもてる機会には、求人サイト、自社HPの採用ページ、ダイレクトなリクルーティング手法、SNSの投稿内容などがあります。これらの機会が重要なのは、企業の魅力や価値観を伝える最初のステップとなるからです。ただし、そこには訴求力のある採用メッセージや、明瞭で魅力的な募集情報の提供が必要といえます。

これにより、求職者が企業に興味を持ち、母集団の一員として参加するきっかけを作ることが可能です。また、人材としての彼らの価値を理解し、真摯に接することで、より強固な関係を築くことができるでしょう。

まとめ

中途採用の母集団形成:成功への道と人材確保の重要性

今回は、中途採用における母集団形成の具体的なステップやポイントを紹介しました。母集団形成によって質の高い求職者を集めることで、人材確保の際の選考がスムーズになります。これにより、企業の成長に最適な人材を獲得することが可能です。採用活動における母集団形成は、求職者との関係構築のスタート地点ともいえます。今後の中途採用活動での成功のために、今回の知識を生かして賢明な採用戦略を展開していきましょう。