マトリクス組織とは?:種類、特徴、失敗、メリット・デメリットと注意点

こんにちは。「HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント」のHRMOS TREND編集部です。
こちらからお役立ち資料「タレントマネジメント成功への条件」無料でダウンロードできます!

マトリクス組織は、従業員が複数の所属先を持ち、複数の目標達成を可能にする特性を持っています。多くのメリットを生む一方で、管理の難しさや従業員のストレス増大などの問題もあるようです。この記事では、マトリクス組織の概要と特徴、メリットとデメリット、そして人事・採用という観点からの導入時の注意点について詳しく解説していきます。

マトリクス組織とは?歴史的経緯と概要

「マトリクス組織」とは、従業員が複数の所属先にアサインされる特性を持つ組織形態です。基本的には、従業員が「職能」に基づく業務と「特定の事業やプロジェクト」に関わる業務を同時に担当します。これにより、業務の柔軟性と目標達成の多様性が保たれるのです。この組織形態の歴史は古く、米国の航空宇宙局(NASA)のアポロ計画に端を発します。1960年代のアポロ計画は、その目標と規模から従来型のシンプルな組織で達成することは困難でした。そこで、NASAはプロジェクトの目的を達成するために必要な機能(エンジニアリング、製造、購買など)を横軸に、個々のプロジェクトを縦軸に配置したマトリクス組織を採用しました。これにより、各プロジェクトが必要なリソースを効率的に活用でき、複雑な課題に対する迅速な対応が可能となったのです。

アポロ計画の成功以降、マトリクス組織は多くの企業に採用されるようになりました。特に、企業が多様化し、複雑化するビジネス環境に対応するための一つの解として位置づけられてきました。従業員が複数の所属先を持つことにより、部門間の壁を越えた情報共有や協力が容易になるため、企業全体として迅速な対応と柔軟な意思決定が期待されたのです。ただし、マトリクス組織は必ずしも全ての企業に適した組織形態ではありません。その成功は、組織文化、リーダーシップ、従業員の能力など、多くの要素に依存します。具体的には、複数のマネージャーから指示を受けることへの従業員の適応性、異なる目標に対する取り組み方がポイントになります。さらに、部門間の協力を円滑に行うためのコミュニケーション能力なども求められるのです。

そのため、マトリクス組織を導入する際には、組織の状況と目標に合わせて適切な形態を選択し、適切な支援とトレーニングを提供することが重要となります。また、従業員が複数の業務を担当することで生じるストレスの管理や、複数のマネージャー間でのパワーバランスの維持なども重要な考慮すべき事項です。以上のように、マトリクス組織のメリットとデメリットを理解し、組織の状況と目標に合わせて適切に運用することで、その効果を最大限に引き出すことが可能となります。

プロジェクト型組織、機能型組織とマトリクス組織の特性の違い

組織にはさまざまな形態があります。例えば、プロジェクト型組織、機能型組織、そしてマトリクス組織などです。これらは企業が目標を達成するために、特定の状況や目標に対応するように考えられています。以下で、長所と短所を含めながらそれぞれの組織形態の特徴を考察してみましょう。

プロジェクト型組織

プロジェクト型組織は、特定のプロジェクトやタスクに焦点を当てた組織形態です。プロジェクトが終了すると、チームは解散し、そのメンバーは新たなプロジェクトに移動します。映画制作会社、例えばPixar社は、プロジェクト型組織の一例といえます。各映画は個別のプロジェクトとして扱われ、そのプロジェクトに関連する専門家のチームが組成されるのです。プロジェクト型組織の利点は、特定のタスクに対する集中力と柔軟性が高いことです。しかし、プロジェクトが終了するたびにチームが解散するため、長期的な組織の安定性や従業員のキャリアパスに課題が生じる可能性があります。

機能型組織

機能型組織は、企業内の特定の機能(例えば、人事、マーケティング、生産など)に基づいて部門を形成する組織形態です。例えば、Microsoft社は長年にわたり機能型組織を採用してきました。この形式は、特定の専門知識を持つ従業員を一つの部門に集めることで、効率性と品質を高めることが期待できます。しかしながら、機能型組織では部門間のコミュニケーションや協力が困難になることが指摘されています。

マトリクス組織

従業員が複数のマネージャーの下で働くという特性を持つ組織形態です。従業員はプロジェクトまたは製品に基づく役割(特定のプロジェクトチームや製品ラインなど)と、機能的な役割(マーケティング、人事、財務など)を兼ね備えています。つまり、上記のプロジェクト型組織と機能型組織を融合したものといえるでしょう。一部の大規模な多国籍企業の例を挙げると、Unilever社やPhilips社は、地域と製品ラインに基づくマトリクス組織を採用しています。この形式は、各地域と製品ラインのニーズを効果的に統合し、企業全体としての効率性を高めることを可能にするのです。ただし、マトリクス組織では、従業員が複数のマネージャーから指示を受けるため、役割の混乱やコミュニケーションの課題が生じる可能性があります。

以上のように、各組織形態は特定のビジネスニーズに対応するように設計されている点で異なる特性を持っているのです。プロジェクト型組織は高度な集中力と柔軟性を提供しますが、組織の安定性や従業員のキャリアパスに課題が生じる可能性があります。一方、機能型組織は特定の専門知識に焦点を当てて効率性と品質を追求しますが、部門間の協力が困難になる可能性があります。マトリクス組織は部門間のコミュニケーションと協力を強化しますが、役割の混乱を招く可能性には注意が必要です。したがって、企業はその目標、規模、業務の複雑性、そして組織文化に基づいて最適な組織形態を選択する必要があります。

マトリクス組織の3つの種類:バランス型、ストロング型、ウィーク型

マトリクス組織は多次元の構造を持ち、従業員は「機能的な役割」と「プロジェクトや製品ラインに基づく役割」の両方に従事します。マトリクス組織は通常、バランス型、ストロング型、ウィーク型の3つの種類に分けられます。これらのタイプは、機能的なマネージャーとプロジェクトマネージャーの間の権限の分布とバランスに基づいています。以下でその違いについて説明します。

バランス型マトリクス組織

このタイプのマトリクス組織では、機能的なマネージャーとプロジェクトマネージャーの間で権限と責任が均等に分散されています。結果として、両者が協力して決定を行い、資源を共有します。Ericcson社はバランス型マトリクス組織の一例です。同社は、製品開発と地域事業を一緒に管理することで、企業全体の戦略的な目標と地域のビジネスニーズを統合しました。しかし、このタイプの組織では、誰が最終的な決定権を持つのかが明確でない場合があり、これが混乱を引き起こす可能性があります。

ストロング型マトリクス組織

このタイプのマトリクス組織では、プロジェクトマネージャーが強い権限を持ち、決定権とリソース配分における優位性があります。これは、一般的にプロジェクト中心の業界、例えば建設業やコンサルティング業界で見られます。Hewlett-Packard (HP)社は、特定のプロジェクトの成功に重きを置き、プロジェクトマネージャーに多くの権限を与えることで、この組織形態を有効に利用してきました。ストロング型では、プロジェクトの成功が高く評価されますが、機能的な部門の優先事項が見落とされる可能性があります。

ウィーク型マトリクス組織

このタイプのマトリクス組織では、機能的なマネージャーが主要な決定権を持ち、プロジェクトマネージャーは主にコーディネーションと計画に関与します。多くの製造業者は、製品ラインの管理を重視するためにウィーク型マトリクス組織を採用しています。例えば、General Electric (GE)社は、各製品部門のリーダーが主要な決定を下す一方で、プロジェクトマネージャーは製品間の調整役として機能しています。このタイプの組織では、機能的な目標と組織全体の戦略的な方向性が強調されますが、プロジェクトのニーズが重視されない傾向に陥る可能性があります。

以上のように、マトリクス組織のタイプは、プロジェクトと機能の間で権限と責任がどのように分散されるかによって異なります。各組織はそのビジネスモデル、戦略的な目標、企業文化に基づいて最適な形を選択します。しかし、どのタイプを選択するにせよ、明確な役割と責任、効果的なコミュニケーション、従業員の理解が重要であることに変わりありません。

人事・採用に関するマトリクス組織のメリット

マトリクス組織はその柔軟性と効率性から多くの組織に採用されており、特に人事や採用の観点からみても様々なメリットを持っています。

人材の多様性と利用の効率性

マトリクス組織では、機能やプロジェクトに応じて、さまざまな背景や専門知識を持つ人材が共同作業を行います。この柔軟性は、人材の多様性を最大限に活用し、組織全体のリソースを効率的に利用することを可能にするのです。例えば、IBM社では、全世界の異なる部門からのチームが共同でプロジェクトに取り組むことで、効率的なリソース運用による高い成果を出しています。

学習機会の増加とキャリアアップ

マトリクス組織は、従業員が異なるプロジェクトや部門で働く機会を提供します。これは、新しいスキルの習得、異なる視点の理解、新たなネットワークの形成といった学習の機会を創出し、キャリアの発展を促進することでもあるのです。シーメンス社では、マトリクス組織の下でさまざまな部門とプロジェクトに関与することで、従業員が豊かな経験と深い知識を獲得していることが報告されています。

豊かな働きがいの提供

従業員が複数のマネージャーやチームと連携することで、さまざまな視点や意見を聞くことができ、その結果、新たなアイデアやソリューションを生み出すことが可能となります。これは創造性とイノベーションを促進し、従業員の満足度と働きがいを豊かなものにするのです。3M社は、社内の異なる部門からの視点を統合することで、マトリクス組織のメリットを常に革新的な製品の開発に活かしています。

優秀な人材の流動性

多様なプロジェクトやチームで働く機会があるマトリクス組織は、多様なスキルや経験を持つ人材を引きつける力があります。これらの人材は、自身のスキルを広範囲に活用し、キャリアを多角的に発展させることができると感じるためです。Google社は、異なるプロジェクトやチーム間で自由に移動できる文化を築いており、これにより多くの優秀な人材を引きつけています。

マトリクス組織がもたらすこれらのメリットは、人事と採用の観点から非常に価値があります。しかし、組織の複雑さや役割の混乱、複数の上司からの報告要求など、マトリクス組織には固有の課題もあります。したがって、適切な組織設計と、効果的なリーダーシップとコミュニケーションが不可欠です。
<関連記事>
リーダーシップスキルとは?リーダーに必要なスキルの種類とスキルを向上させる方法を紹介

人事・採用に関するマトリクス組織のデメリット

マトリクス組織は多くのメリットをもたらす一方で、一定のデメリットも存在します。以下の項目は、特に人事や採用の観点から考慮されるべき重要な要素となります。

役割の混乱と不明確になりがちな責任の所在

マトリクス組織は、従業員が複数の上司に報告する構造を持っています。これにより、責任や役割が不明確になり、混乱や矛盾が生じる可能性があるのです。例えば、Microsoft社はかつてマトリクス組織を採用していましたが、役割の混乱と責任の不明確さから従業員の生産性やモラルに影響を及ぼす問題が生じ、後に組織構造を改革しました。

多くの相手とのコミュニケーションの必要性

マトリクス組織では、多数のステークホルダー間での調整とコミュニケーションが必要となります。この複雑さが、特に大規模な組織や複数地域にまたがる組織では、情報伝達の遅れや誤解を引き起こす可能性を増大させるのです。放置しておくと、従業員の間での情報の非対称性や判断の遅れにつながります。

意思決定スピードの問題

マトリクス組織では、さまざまなチームや部門からの承認を必要とすることが多いため、意思決定が遅くなる可能性があります。これは、市場の変化に素早く対応する能力を低下させ、組織全体の競争力を損なう可能性があるのです。

リーダーシップの問題

マトリクス組織では、複数のリーダーが存在します。この状況では、リーダーシップのスタイルや方針の不一致から、組織内での摩擦を引き起こす可能性を生むことがあるのです。結果として、組織の一貫性や統一性が損なわれ、従業員の混乱やフラストレーションを引き起こすことになりかねません。

これらのデメリットは、組織の人事戦略や採用に大きな影響を与えます。例えば、役割の混乱や責任の不明確さは、従業員の満足度を低下させ、離職率にも影響を与える可能性があるでしょう。また、リーダーシップの問題やコミュニケーションの困難さは、組織の文化を損ない、新たな人材の獲得に影響を及ぼす場合があります。

これらの問題を克服するには、明確な役割分担と責任、効率的なコミュニケーションチャネル、強力なリーダーシップ、そして適切な意思決定プロセスが不可欠です。マトリクス組織が成功するためには、これらの要素が適切に整備され、維持されることが望まれます。
<関連記事>
リーダーシップスタイルとは?関係の深い理論や自分に合った種類を選択する際のポイントも解説

マトリクス組織が成功するための10のポイント

マトリクス組織は柔軟性と効率性を追求する組織形態であり、導入には戦略的な計画と組織全体の調整が必要です。以下に、マトリクス組織が成功するための10のポイントを挙げます。

  1. 目標の明確化:マトリクス組織を採用する目的を明確にし、組織全体に共有することが重要です。これにより組織が進もうとしている経営方針の理解と従業員のエンゲージメントの向上が期待できます。なお、エンゲージメントとは、従業員が自身の仕事にどれだけ積極的に取り組んでいるか、また、その組織にどれだけコミットしているかを指す指標です。高いエンゲージメントを持つ従業員は、仕事の達成に対して高い情熱を持ち、その組織の目標と価値に深くコミットしています。Amazon社はその明確な目標で知られており、””customer obsession””(顧客への執着)という目標を追求しています。
  2. 役割と責任の明確化:誰が何を行い、どのような権限を持つかを明確に定義することが不可欠です。これはマトリクス組織特有の指示系統の複雑さが生む混乱を防ぎ、業務の効率化に寄与します。
  3. 効果的なコミュニケーション:情報が組織全体で共有され、誤解や情報の非対称性がないように、明確で透明なコミュニケーションが必要です。
  4. リーダーシップの強化と協力:マトリクス組織では、複数のリーダーが存在します。リーダーが互いに協力し、従業員をサポートする能力が求められます。
  5. 柔軟な組織文化:マトリクス組織の成功は、柔軟性と調整能力を育む組織文化に大きく依存します。変化に対する柔軟性を高め、新たな状況や課題に対応できるようにすることが重要です。
  6. 明確な評価とフィードバックのシステム:評価やフィードバックは個々の業績や行動を認識し、改善するための重要な手段です。これは、従業員のエンゲージメントとパフォーマンスを向上させます。
  7. 継続的な学習と開発:マトリクス組織では、従業員が新たなスキルを学び、自身の職業的能力を拡大する機会が必要です。これは、組織の成功と従業員のキャリア発展に寄与します。
  8. チームワークの強化:チーム間の協力と協調性を促進することで、組織全体の生産性と効率性を向上させることが可能です。
  9. 早期の問題解決:問題が生じた場合は迅速に対処することが重要です。それには、問題を特定し、その原因を理解し、解決策を開発し、それを実行する能力が必要です。
  10. 絶え間ない改善とイノベーション:マトリクス組織はその性質上、変化と進化を求められます。組織と個々の従業員が自己改善と革新を続けることで、組織の成功と持続可能性を確保します。

これらのポイントは、マトリクス組織が成功するための道筋を示しています。それぞれの組織は、自身の目標、戦略、文化に基づいてこれらの要素を調整し、最適化する必要があります。このプロセスは、組織の成長と進化の一部であり、その成功を長期的に確保するための重要なステップです。
<関連記事>
従業員エンゲージメントとは?向上させる方法やヒントを、事例を交えて解説
エンゲージメント向上 施策とは?従業員満足度とはどう違う?取り組み方法や企業事例について解説

マトリクス組織で人事・採用を成功に導くための10のポイント

前節では、マトリクス組織をうまく機能させるための一般的な注意点を紹介しました。ここでは、人事・採用面にフォーカスして成功するための10のポイントを紹介しましょう。

  1. 人事戦略の明確化:マトリクス組織では、異なる機能とプロジェクトが交差するため、人事部門はこの複雑さを管理するための明確な戦略を持つ必要があります。これには、組織全体の戦略に対応する人材の確保、育成、配置が含まれます。
  2. スキルと経験のバランス:マトリクス組織の特徴的な横断的な構造は、多様なスキルセットと経験を必要とします。スキルセットとは、個々の従業員が持っている特定の能力や技術のことです。これは具体的な技術的スキル(例:プログラミングや語学能力)から、ソフトスキル(例:コミュニケーション能力や問題解決能力)まで広範にわたります。スキルセットは、個々の職務を遂行するため、またはチーム内での役割を果たすために必要です。従業員それぞれのスキルセットが組織的に活かせれば、異なるプロジェクトや機能間での知識とリソースの共有が活性化します。
  3. カルチャーフィット:カルチャーフィットとは、個々の従業員が特定の組織の文化、価値観、慣習にどれだけ適合しているかを指す概念です。組織文化はその行動の基準や決定の基礎を形成するため、新たに採用する人がその文化に適合しているかどうかは重要なポイントです。マトリクス組織では、個々のメンバーが異なるチームと連携する必要があるため、組織文化にフィットする人材の採用は特に重要となります。このような組織と従業員の文化的価値観の一致は、マトリクス組織内でのスムーズなコラボレーションと高いパフォーマンスを支えるコアバリューといえるでしょう。
  4. オンボーディング:オンボーディングは、新しく雇用された従業員が組織内での新たな役割を理解し、その組織の一部として機能できるようにする過程を指します。これは通常、オリエンテーション、トレーニング、そしてメンターシップなどを含む一連の活動を通じて行われます。新たなメンバーがマトリクス組織の複雑な構造を理解し、自身の役割と責任、そして他のチームや個々のメンバーとの関係を理解する環境が不可欠です。そのためには、人事・採用部門は効果的なオンボーディングプロセスをデザインしておく必要があります。
  5. 継続的な教育とトレーニング:マトリクス組織では、従業員が複数のプロジェクトや機能をまたいで働くことが多いため、継続的な教育とトレーニングは必須です。これにより、新たなスキルを学び、自身の職業的能力を拡大する機会を提供できます。
  6. パフォーマンス管理:マトリクス組織では、従業員が複数の上司から評価されることがあります。これを公正かつ効果的に行うためには、明確なパフォーマンス管理システムが必要です。
  7. ダイバーシティとインクルージョン:ダイバーシティ(多様性)とは、組織内の個々の従業員の間で見られるさまざまな背景、経験、視点を指します。これに対して、インクルージョン(包摂性)とは、それらの違いを認識し尊重し、全ての人がその能力を最大限に発揮できる環境を作り上げることを意味します。マトリクス組織は、ダイバーシティとインクルージョンにより活性化する組織形態です。多様な視点と経験を持つ人材の採用により、異なる機能とプロジェクト間でのクリエイティブな問題解決が可能になるでしょう。
  8. フィードバックとコミュニケーション:マトリクス組織では、明確なフィードバックとコミュニケーションが求められます。これにより、複数のマネージャーやチーム間での誤解を防ぎ、効率的な協働を促進します。
  9. 成長機会の提供:マトリクス組織では、従業員が異なるプロジェクトや機能を経験する機会が多くあります。このような環境では、職務の多様性を通じてキャリアの成長機会が提供されるため、従業員のエンゲージメントと満足度を高める効果が期待できます。
  10. 組織の健康と福利厚生:マトリクス組織では、従業員が複数の任務を担当することが多いため、適切なバランスを保つことが重要です。人事・採用チームにより策定される、組織の健康と福利厚生を支えるためのプログラムやポリシーは、従業員のストレスを軽減し、生産性を向上させます。

これらの要素は、マトリクス組織における人事・採用の成功に必要な要素であり、その実行は組織の目標達成と従業員の満足度向上に寄与します。
<関連記事>
人事戦略とは?経営における意味や取り組むメリット、戦略人事との違いなどを徹底解説!
ダイバーシティとは?意味・分類から促進のメリットやポイントまで徹底解説

まとめ

マトリクス組織の成功の鍵は?

マトリクス組織は柔軟な業務遂行と目標達成を可能にします。その一方で、マネージャー間の連携強化や従業員のストレスケア対策が成功の鍵となるのです。バランス型、ストロング型、ウィーク型といった種類があり、それぞれが異なる特徴とメリット・デメリットを持つため、組織の状況や目標に合わせて選択することが重要です。