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採用業務の負担が大きく、効率化の方法を模索している企業は多いでしょう。そのようなとき役に立つのがATSです。とはいえ、ATSの具体的な機能やメリットが分からず、導入をためらっている担当者もいるのではないでしょうか。そこで、当記事ではATSの概要や主な機能、導入のメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
ATSとは
採用業務を効率化するシステムとして注目を集めているのがATSです。ここでは、ATSとはどういうものか、企業がATSを導入する目的は何かについて解説します。
ATSの概要
ATSは「Applicant Tracking System」の略で、Applicantは応募者や候補者を、Trackingは追跡を意味する言葉です。日本語では「応募者追跡システム」と訳されます。ATSを導入すると、求人の応募受付から採用決定にいたるまでのあらゆる採用プロセスにかかわる情報を一元的に管理できるようになります。求人票の作成や面接日程の調整、応募者とのメッセージのやり取り、内定後のフォローなども可能です。
ATSを導入する目的
企業がATSを導入する目的は、煩雑な採用業務を効率化するためが多いです。一般的に、従業員を採用する際、企業はさまざまなステップを踏まなければなりません。たとえば、キャリア採用ではまず求人票を出し、転職希望者からの応募を受け付け、書類選考を行って通過者に連絡を取り、一次面接を実施し…など複数のステップがあります。また、多くの場合、複数の応募者全員が横並びで採用プロセスを進めていくことはありません。二次面接まで進んでいる人もいれば、書類選考中の人がいるといった状況もあるでしょう
募集職種が多岐にわたったり応募者がたくさんいるほど、情報管理やスケジュール調整が大変になります。そこで活躍するのがATSです。ATSを活用すれば、どの応募者がどの採用プロセスにいるのかが一目でわかり、個々の履歴書や職務経歴書、面接での面接官の評価といった情報もすぐに確認できます。従来の採用業務で発生していた情報の二重管理などのミスも起こりづらくなるでしょう。作業効率が大きく向上し、連絡の行き違いやデータの入力漏れといった人為ミスの防止にも役立ちます。
・入社手続きの効率化
・1on1 の質の向上
・従業員情報の一元管理
・組織課題の可視化
ATSの主な機能
ATSには、採用業務に役立つさまざまな機能が搭載されています。ここでは、どのような機能があるか、みていきましょう。ただし、システムによって搭載されている機能は異なります。導入にあたっては、どのような機能やサービスが使えるかを十分に確認することが必要です。
採用サイトの作成
ATSを使うと、採用に特化したサイトが作成可能です。すでに自社のオウンドメディア内に採用ページを持っている企業もあるでしょう。とはいえ、求人情報の作成に関して専門的な知識がない場合、必要な情報が不足して求職者にとって魅力的な内容になっていない可能性があります。優秀な人材に来てもらうためには、積極的に情報を発信し、数多くの求職者に応募してもらうことが欠かせません。ATSの機能を使えば、専門知識がない人でも応募者が知りたい情報を過不足なく盛り込んだ魅力的な求人サイトを作成できます。
求人媒体に合わせた求人票の作成と掲載
複数の媒体に求人情報を掲載している企業も多いでしょう。複数の媒体を利用する場合、それぞれに合ったフォーマットでの作成が求められます。ATSがあれば、必要な情報を入力するだけで連携している各種媒体に適合するフォーマットが作成でき、掲載まで可能です。さらに、求人広告を掲載した媒体は一元的に管理できます。また、1つの職種だけでなく複数の職種を一斉に募集することもあるでしょう。複数の職種で応募を受け付けている場合も、ATSで応募情報を一目で確認でき、管理がスムーズです。
求人媒体ごとに応募率や採用率を知ることもできます。良好な反応があった媒体を残してそれ以外の出稿を停止するなど、分析結果を活かして採用コストの最適化が可能です。
応募者の履歴書や職務経歴書の管理
採用業務のなかでも重要度が高く、手間もかかるのが応募者が提出した履歴書や職務経歴書の管理です。応募者が選考フローの次のステップに進むたびに取り出してチェックしたり、不要になれば破棄したりと適切に管理する必要があります。応募者の数が多い場合、管理するのも簡単ではありません。ATSを使うと、サイトからの応募があれば自動的に保存されます。アクセス権限のある採用担当者であれば誰でも必要なときに閲覧でき、手間がかかりません。複数の採用担当者がいても、情報の共有がスムーズにできます。
応募者の進捗状況を管理
応募者ごとに、採用プロセスのどの段階にいるのかを確認することも可能です。いつまでに面接結果の連絡をすべきかなどもすぐに確認でき、対応を忘れたり遅れたりすることがありません。ダブルブッキングなどのミスも起こらないでしょう。面接時の内容や評価なども入力でき、履歴書や職務経歴書の内容と合わせて確認できるため、選考を通過させるかどうかの判断もしやすくなります。
応募者へのメッセージやメールの通知
面接日程の調整などで応募者に連絡を取らなければならないこともあるでしょう。そのようなときは、ATSのメッセージ機能やメール機能を使ってスムーズにやり取りできます。どのようなメッセージを送ったか、どのような返信がきたかもすぐに確認できるため、連絡漏れなどのミスが起こりません。
応募者の絞り込み
ATSは、応募者を自動で選別して絞り込むことも可能です。たとえば、必要な資格を保有していない、求める職務経験がないといった応募条件を満たしていない応募者を自動的に選別するように設定できます。落ちた応募者に対し、お断りメールを自動送信する機能がついたATSもあります。
内定管理
内定が決定した応募者に対して、通知書を送付することも可能です。内定後の連絡やフォローもできます。
<関連サイト>業務改革はハーモスで!採用管理/人財活用/勤怠管理/経費精算/労務給与
ATSの種類
ATSは、クラウド型とオンプレミス型の2つに分類できます。かつてはオンプレミス型が主流でした。2010年以降は、手軽に導入できるクラウド型の利用が増えています。
クラウド型
クラウド型は、インターネット上にデータを保存し、ネットワークに接続されたパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末から利用できる形態です。ネットワークにつながっていればどの端末からでもサービスを利用でき、ハードウェアを購入したりソフトウェアをインストールしたりする必要がありません。導入が手軽な点、利便性が高い点が大きなメリットです。
オンプレミス型
オンプレミス型はソフトウェアを購入し、自社サーバーにインストールして運用する形態です。自社のサーバーに入れて活用するため、情報漏洩のリスクが少ない点がメリットです。とはいえ、サーバーの設置やソフトウェアの購入のため初期費用が必要で、コストがかかる点はデメリットといえます。
ATS導入の5つのメリット
ATSの導入にはさまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを5つ取り上げて、それぞれ詳しく解説します。
1.採用業務にかかる工数の大幅削減
ATSを活用すれば、大量の応募者がいても一元管理が可能になります。応募者それぞれの選考状況や履歴書・職務経歴書の内容、面接時の受け答えや評価がすぐに確認でき、やり取りしたメッセージの内容も併せて分かります。もし、それぞれの情報をバラバラのツールで管理している場合、一つ一つ探して確認しなければなりません。これでは、莫大な手間や時間がかかってしまうでしょう。ATSによってさまざまな情報を一元管理することで、採用業務に必要な工数の大幅削減が可能です。作業効率が大きくアップするでしょう。煩雑な事務作業に時間を取られることがなくなり、コア業務に集中できるようになる点も大きなメリットです。
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2.ミスの防止
応募者の情報や面接の評価、連絡などをバラバラのツールを使って行っている場合、人為的なミスが発生するリスクが高くなります。たとえば、応募者から来ていたメールに気づかず連絡しないままになってしまったり、応募者の情報を自社システムに入力していてタイプミスしたりといったケースです。ミスが原因で信用を失い、応募してきた有能な人材を他社へ逃してしまうことは十分にあり得ます。優秀な人材を確保することは、企業にとって非常に重要なことです。採用業務においては、小さなミスも犯さないよう十分に気を付けなければなりません。ATSを活用すれば応募者の情報をまとめて管理できるため、ミスの防止に役立ちます。
3.情報の社内共有が容易
応募者の情報は、ささいな内容でも採用担当者間で共有しておくことが欠かせません。とはいえ、情報をバラバラのツールで管理している場合は、スムーズに共有することは難しいでしょう。応募者から急ぎの問い合わせが来ても、担当者がいないために状況が分からず、適切な対応が取れないといったことも起こりえます。ATSを使えば、情報がすぐに共有できるため、採用活動を円滑に進められます。
4.採用活動のデータの蓄積が可能
ATSを使えば、採用活動に関するあらゆるデータを残すことができます。蓄積されたデータを分析すれば課題の発見に役立ち、今後の採用活動に活かすことが可能です。たとえば、採用媒体ごとの応募率や採用率が比較できれば、次回以降はどの媒体に注力すべきかが明確になるでしょう。自社に合った選考フローを確立でき、より効果的で効率的な採用活動ができるようになります。
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5.コンプライアンス対応の強化
ATSを導入することで、候補者の個人情報を適切に管理することができ、コンプライアンス強化にも役立ちます。例えば「ハーモス採用」では、多数の第三者認証を取得しているAmazon Web Servicesを利用してお客様データを管理しています。万が一パソコンを紛失したり破損したりした際も、クラウドサービスを利用することで、データのバックアップや暗号化、アクセス制御などが強化され、データの安全性が大幅に向上します。ハーモス採用の運営会社である株式会社ビズリーチはプライバシーマークも取得しており、個人情報取り扱いに関するコンプライアンス対応は安心できるでしょう。
ATS導入の3つのデメリット
ATSは多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは、主なデメリットを3つ挙げてそれぞれ解説します。
1.コストがかかる
無料で利用できるものもありますが、多くのATSでは初期費用や月額料金が必要です。いくらかかるかは、サービスによって異なります。初期費用に30万円、月額料金で約5万円かかるものもあれば、初期費用はかからず月額料金も1万円以下のものもあり、さまざまです。もちろん、利用できる機能にも違いがあります。自社に必要のない機能がたくさんついた高額なサービスを導入しても、無駄になってしまうでしょう。そのため、採用規模や自社が必要とする機能をよく検討し、費用感が適しているものを選ぶようにすることが大切です。無料お試し期間を設けているところもあるので、導入前に試すようにしましょう。
2.システムが自社のフローに合わないこともある
導入したシステムが従来の採用活動の方法とマッチせず、選考フローの再構築を迫られるケースもあります。その場合、システムの導入当初はかえって作業効率が落ちる可能性が高いです。導入を決定するまえに、サービスの内容についてしっかり検討する必要があります。
3.操作に慣れるまでには時間がかかることも
システムを導入しても、すぐに最大限のパフォーマンスを引き出して活用できるとは限りません。採用担当者がシステムの操作に慣れて効果的に活用できるようになるまでには、ある程度の時間がかかるでしょう。
ATSを選ぶ8つのポイント
ATSは多くの業者がさまざまなサービスを提供しています。操作性や使える機能が異なるため、自社に合ったタイプを選ぶことが大切です。ここでは、ATSを選ぶ際に押さえておきたいポイントを8つ挙げ、それぞれ解説します。
1.自社の採用ニーズをカバーするシステムか
ATSを選ぶ際にもっとも注意したいことの1つが、自社の採用ニーズに合致するシステムかどうかという点です。採用業務には、応募受付や応募者への連絡、日程調整業務などさまざまなステップがあります。特にどのステップを効率化したいかは、企業によって異なるでしょう。複数の求人媒体への掲載や面接日程の調整など、ATSによっては機能が搭載されていないこともあります。システム導入によってどのステップを強化すれば業務の効率化につながるかを慎重に見極め、それに適したシステムを選ぶことが大切です。
2.注力している採用形態に合っているか
会社によって、新卒採用がメインでキャリア採用をほとんど実施しないところもあれば、新卒採用はほとんどなくキャリア採用がメインのところもあります。また、正社員の数は抑えてアルバイト採用を重視しているところもあれば、リファラル採用がメインというところもあるでしょう。
ATSは、新卒採用とキャリア採用、アルバイト採用などを幅広くカバーしているものから、特定の雇用形態に特化したもの、リファラル採用や転職エージェントを利用した採用手法などに対応できるものまで種類が豊富です。
例えば、新卒採用向けATSでは、新卒採用で利用されることの多い「SPI3」「TG-WEB」などの適性検査と連携したものや、学生とのコミュニケーションを促進するためにLINE連携機能を設けている場合が多いです。
一方、キャリア採用向けATSでは、転職エージェントとのやり取りを効率化するために、求人票や推薦状況を共有できる管理機能を提供していたり、ダイレクトリクルーティングサービスや求人広告など複数ツールと連携しているのが特長です。また、応募者のスキルや経験を効率的に評価するための機能や、面接スケジュール調整の自動化機能なども備えていることが多いです。
キャリア採用がメインの企業で、新卒採用を得意とするATSを導入しても大きな効果は得られにくいです。ATSは、注力している採用形態に合った機能が充実しているものを選ぶことが大切です。
3.操作性が良いか
システムの操作性が良く、導入しやすいかどうかも押さえておくべきポイントです。高度な機能が多数搭載されたハイスペックなシステムであっても、操作が難しければ思ったように活用できないでしょう。操作に時間がかかってしまってサービス導入の大きな目的である作業効率の向上が果たせなければ、意味がありません。採用を担当する社員がスムーズに操作できるような、分かりやすいシステムを選びましょう。サービスの会社を訪れてデモンストレーションを見せてもらったりお試し期間を設けて実際に使ってみたりするといいでしょう。
4.採用規模に合った料金システムか
新卒からの応募が何百人、何千人と来る企業もあれば、中途採用メインで年間で数人程度を採用する企業もあるでしょう。ATSは、それぞれの会社の採用規模にあったシステムを選ぶ必要があります。ATSの月額料金の設定は提供業者によって異なり、1法人あたりいくらのタイプもあれば、応募者の人数に応じて変わるタイプもあります。採用人数が少ない場合、1法人あたりで料金が設定されているシステムを導入すると、結果的に割高となってしまうでしょう。採用にかかるコストは、ATSだけではありません。全体の採用コストがはねあがらないように、サービスの導入でどれだけのコストがかかり、どのような効果が見込めるかをしっかり検討してから選ぶことが大切です。
5.使用している求人媒体と連携可能か
会社でこれまで利用してきた求人媒体やサービスと連携できるかどうかも、注意すべきポイントです。利用してきた媒体と連携できなければ別の求人媒体に移行する必要があり、新たな契約が必要になるなど手間がかかります。
6.セキュリティ機能に問題はないか
情報セキュリティを適正に管理することは、企業にとって遵守すべき項目です。採用業務では応募者の個人情報を扱います。うっかりと漏洩するなどあってはいけません。導入するシステムを検討するにあたっては、情報セキュリティ機能についても確認しておきましょう。アクセス権限の付与が可能か、閲覧範囲を制限できるか、情報は暗号化されるかなど、何重にもセキュリティ対策がとられたシステムを選びましょう。
7.導入・運用時のサポートは手厚いか
ATSは多機能なため、初めて使うときはよく分からない機能もあるものです。うまく使いこなせるようになるためには、提供業者のサポートが欠かせません。導入や運用にあたって手厚いサポートがあるサービスを選ぶようにしましょう。なかには、システムの使用方法だけでなく、ATS運用によって得られたデータを分析して採用活動の戦略を立案してくれるところもあります。価格や機能だけでなく、サポート面の手厚さについても必ずチェックしておきましょう。
8.モバイル対応とアクセシビリティ
ATSを選ぶときは、採用担当者の使用場面を想像してモバイル対応が必要かどうかも確認しましょう。例えば、出張や外出が多い採用担当者が使うなら、モバイル対応ができて画面操作もしやすいものを選ぶ必要があるでしょう。一方、ATSを扱う場面がオフィスのみであれば、モバイル対応はさほど気にしなくても良いかもしれません。
また、応募者側のユーザビリティも考慮する必要があります。多くの求職者がスマートフォンを使って求人情報を閲覧し、応募する傾向にあるため、応募フォームのモバイル対応も重要です。
モバイルでのアクセシビリティを考慮すると、ただスマホで管理画面にアクセスできるだけでなく、入力のしやすさや情報の見やすさも導入前に確認できると良いでしょう。
ATS導入の流れ
ATSの導入から運用までの流れについて説明します。
ステップ1.自社の採用課題やニーズを明確化する
ATS導入にあたって最初にすべきことは、自社の採用業務上の課題を洗い出すことです。「面接日程の調整に時間がかかる」「応募者への連絡漏れがまれに発生する」など、どのような課題があるのかを明確にしておきましょう。なぜなら、課題解決に役立つシステムでなければ、導入しても作業の効率化は見込めないからです。ニーズにマッチしたものでなければ、導入したシステムが活用されない可能性があります。
ステップ2.ATSの情報を収集し検討する
採用課題やニーズが明確になったら、公式サイトやパンフレットなどでATSの情報を収集しましょう。
じっくりと比較検討し、課題解決に役立つ機能を備えたサービスを絞り込みましょう。たとえば、面接日程の調整に時間がかかっているのであれば、優れたスケジュール管理機能があるサービスを選ぶ必要があります。応募者に手厚いフォローをしたいのであれば、使いやすいメッセージ機能があるものを選ぶと良いでしょう。どのATSにも便利な機能が備わっていますが、「自社が必要としている機能が優れているサービスはどれか」との視点で絞り込むことが大切です。
ステップ3.候補を絞り込み提供業者に直接相談する
システムの候補が絞り込めたら、提供業者と直接相談する機会を設けましょう。
公式サイトやパンフレットなどを通してある程度の内容は理解できていても、実際の運用イメージまでは正確につかみにくいものです。実際に担当者に会って話を聞けば、イメージがつかみやすくなります。このとき、自社の採用活動における課題やニーズを正直に話し、その会社のサービスであればどのように解決できるかも説明を受けておきましょう。実際にシステムを動かしてもらって、利用方法を確認することも欠かせません。
とはいえ、システムについて深く知るためには、デモンストレーションだけでは不十分です。可能であればお試し期間を設けてもらい、実際に社内で採用担当者に利用してもらって操作性を確認してもらうことが望ましいでしょう。
ステップ4.採用業務にかかわる全メンバーで検討し契約
デモンストレーションやトライアルを体験したあとは、サービスの比較検討を行い、導入するATSを決定します。できるだけ採用業務にかかわるすべてのメンバーで話し合うことが大切です。導入したいATSが決まったら契約します。
ステップ5.社内で運用する体制を整え、導入
システムの導入や設定の大部分は業者が行うでしょう。ただし、システムは導入すれば終わりではありません。スムーズに運用できるように社内の体制を整え、運用後も定期的に効果を測定し、課題や改善点を探っていくことが必要です。こまめにPDCAを回すことで、導入したATSをより効果的に活用できるようになります。
ATSを効率的に活用するコツ
ATSを導入しても、すぐに活用できるようになるわけではありません。効果的に使いこなせるようになるために大切な2つのコツを紹介します。
サポートを積極的に活用する
サービスの導入や運用に当たって分からないことが出てきた場合は、積極的に提供業者のサポートを利用しましょう。ATSは、自社で築き上げてきた選考フローを一部変更して取り入れる必要があり、効果的に活用するためにどのように使えば良いかすぐには判断できないものです。サポートに相談して適切な使い方を指導してもらいながら、慣れていきましょう。
採用コンサルタントに相談する
どのサービスを選ぶべきか判断がつかなかったり、導入後にうまく活用できていないと感じたりしたときは、採用コンサルタントに相談するのも良いでしょう。採用コンサルタントは、採用業務に精通したコンサルタントです。自社の採用課題に合わせ、最適なATSの提案や活用の仕方についてアドバイスが得られるでしょう。ATSを活用した採用戦略の立案や採用プロセスの設計なども依頼できます。
トレーニングの実施
ATSの活用を進めるためには社内トレーニングも欠かせません。導入の際は、ATSの利用対象となる社員を選び、基本操作や活用のポイントなどを研修しましょう。操作マニュアルを渡すだけでなく、実用場面を想定して具体的な使い方を教育します。トラブルがあったときの問い合わせ先や、FAQの場所を伝え、ATS活用について取りまとめを行う担当者を決めるとトレーニングが効果的でしょう。
データ活用による採用プロセスの継続的改善
ATSを継続的に活用すると、各採用媒体からの流入数や応募者情報、選考の歩留まりに関するデータなどが蓄積されます。積み上げた採用データを分析し、自社の課題や強みを抽出することで、効果的な採用戦略を立てやすくなるでしょう。
各採用媒体の流入数は自動的に蓄積される一方で、採用担当者の手入力が必要なデータも多数存在します。1つずつのデータの積み上げが採用成功につながると信じて、面倒がらずにデータ入力を続けることが大切です。ATSを導入したら、可能な限り紙や表計算ソフトで管理をしていた情報もATSに集約して、一元管理の体制をつくっていきましょう。
人材獲得競争を勝ち抜くためのテクノロジー活用
激化する採用市場では、間違いなくテクノロジー活用が採用成功の鍵となるでしょう。特に中小企業は採用担当者のマンパワーが不足するケースも多く、採用業務と他の業務を兼任する人も見られます。採用担当者のリソース不足が続くなかで、採用支援ツールの数は増える一方となり、採用担当者の負担が非常に大きいことが課題です。
- 複数の採用媒体の中から、最も母集団形成に寄与しているツールを見極める
- 転職エージェントや候補者とのやり取りを効率化する
- 表計算ソフトでデータ管理をして、手作業で応募率や採用歩留まり率などを算出する
といった業務をテクノロジーで解決し、採用担当者がコア業務に集中できる体制を構築しなければ採用成功には近づきません。先々を見据えて、ATSの活用を早い段階でスタートしてみてください。
採用成功とは「入社」がゴールではありません。採用した人材が入社後に活躍し、企業成長に寄与してこそ採用成功と言えるでしょう。長期的なスパンで人材活躍を目指していくなら、ATSとあわせてタレントマネジメントシステムの活用も重要です。ぜひHRMOS採用とHRMOSタレントマネジメントの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ATSを活用している企業の事例
ATSを活用して採用業務の効率化を実現した企業事例をご紹介します。
株式会社東芝
株式会社東芝では、自社の採用力の低下や非効率的な業務体制、業務の属人化などに悩んでいました。この3つの課題を解決するためにハーモス採用を導入し、以下の成果を得られました。
【得られた成果】
- 複数の広告媒体に加えて、ダイレクトリクルーティングサービスのビズリーチ、オウンドメディアに加えてSNSの拡散機能などもハーモス採用で一元管理。攻めの採用に切り替えて、採用力を向上させた。
- 「Excel」管理による非効率的な作業をハーモス採用に移行。業務工数の3割以上を削減。
- ナレッジがすべてハーモス採用に蓄積されるようになり、属人化を防いだ。
<導入事例>〜採用から入社後の活躍までを見据えて〜 東芝が取り組んだ人事施策におけるデータ活用と採用業務の効率化
株式会社ウィルグループ
株式会社ウィルグループでは、メールや「Outlook」のカレンダー、「Excel」などに採用情報が散らばり、管理が煩雑になっていました。進捗管理のツールが統一されていないため、候補者対応に抜け漏れが発生し、多くの時間を費やしていた点が課題でした。
【得られた成果】
- 採用オペレーション業務の工数と情報の抜け漏れを削減。面接評価や選考の辞退理由もデータ化できて、先々の採用戦略にデータを活かせるように。
- 各事業部合わせて300名ほどの面接官がハーモス採用にアクセスできるため、複数名での情報共有がスムーズになった。
<導入事例>事業部間で採用状況の「見える化」を図り、採用効率を大幅に改善。タレントプール活用も本格的に進めていく
リコーリース株式会社
リコーリソース株式会社では、応募書類のメール添付や面接日程調整などの採用オペレーションにかかる工数に課題を感じていました。もともと使用していたATSでは機能が十分で、社内に複数のシステムが乱立していることも課題視していたそうです。
ハーモス採用の導入により、以下の成果を得ることができました。
【得られた成果】
- わかりやすいUI/UXが採用オペレーション業務を後押し。書類添付の煩わしさもなくなり、候補者との日程調整や面接評価入力もスピーディーに実施できるように。
- 複数のシステムや「Excel」管理していた情報をすべてハーモス採用に集約。ハーモス採用をハブとして活用することで、リファラル採用も活性化できた。
<導入事例>オペレーション業務削減で選考のリードタイムも短縮! HRMOS採用をハブに、人事と現場の協力体制を構築
株式会社kubell(旧社名:Chatwork株式会社)
株式会社kubell(旧社名:Chatwork株式会社)では、各部門ごとに採用活動を行っていたため、社内に複数のATSが乱立する状態となっていました。また、メンバークラスからマネージャーまで幅広い立場が採用活動に関わるため、個人情報の閲覧権限を細かく設定できるATSが必要だったそうです。
株式会社kubellは、ハーモス採用の導入で次のような成果を得られました。
【得られた成果】
- ハーモス採用で候補者の年収情報のような個人情報の閲覧権限を細かく設定。安全に情報共有をしながら採用活動ができる体制を構築。
- 各分野の採用情報がハーモス採用に集約され、伝え漏れ、情報共有漏れを防ぐことができた。
- リアルタイムで情報を一元管理できるようになり、候補者とのコミュニケーションをミスを削減して選考スピードを高めることができた。
<導入事例>コロナ禍前後で社員数が倍以上に! 急激な組織拡大に対応しながら、データドリブンに採用を進める体制を構築
ウェルスナビ株式会社
ウェルスナビ株式会社では、候補者情報を表計算ソフトで管理していたため、採用人数が増えるごとに作業量も多くなる点が課題でした。情報管理が煩雑であるほど選考スピードも落ちるため、年間30名規模の採用を進めるにあたりハーモス採用を導入いただきました。
【得られた成果】
- 書類のメール添付作業や表計算ソフトでの煩雑な管理をなくし、業務効率を大幅にアップ。
- ハーモス採用で求人ページを作成し、積極的な情報発信により直接応募者の採用も実現。
- 推薦理由や入社希望日など、人材紹介会社との情報連携がスムーズかつ正確に。
<導入事例>求人ページの作成で直接応募が増加! 自社の選考フローに合った運用で、スピード感のある採用を実現できた
まとめ
ATSは、採用業務に必要な多彩な機能が搭載されています。使いこなせれば、採用担当者の負担を軽減し、業務効率を大幅にアップできるでしょう。多くの業者からさまざまな機能を備えたATSが提供されているため、導入にあたっては自社に合うものを慎重に選ぶことが必要です。ATSを導入して、効率的で精度の高い採用活動を実現しましょう。
入社後の活躍を見据えて導入するならHRMOSシリーズがおすすめ
採用担当者の業務効率を削減し、企業の採用力を高めるためにはATSの活用が欠かせません。募集・採用タイミングから入社後まで、長期スパンで人材のデータを蓄積していく場合は、ATSとあわせてタレントマネジメントシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
同ブランドのシリーズで展開しているHRMOSタレントマネジメントとHRMOS採用を活用すれば、総合的な人材マネジメントを推進できるでしょう。詳しい資料は以下からダウンロードしてみてください。