経営チームでコミットする幹部採用【株式会社GameWith】

採用といえば「人事が主体で動くもの」と考える企業も少なくないなか、採用対象が幹部候補である場合、その影響力は多大なもの。会社の将来を握るカギともなり得る重要なポジションの採用にどのように向き合うべきか。今回は、経営陣の意識に変革を起こしたことにより、理想的な幹部候補の採用に成功し、2020年度のHR SUCCESS SUMMITアワード*を受賞されたGameWith様に、採用までの軌跡を伺いました。

*HR SUCCESS SUMMITアワード…即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、採用クラウド「HRMOS(ハーモス)採用」の利用企業の中から、企業成長のために人事・採用を変革させ、先進的な取り組みを行った企業を表彰するアワード。

企業紹介

株式会社 GameWith

事業概要:ゲーム情報等の提供を行うメディア事業

従業員数:242名(2019年8月末時点)

事業拡大のため、経営陣フルコミットで「新しい風」を採用

ー2019年度の採用活動について、教えてください。

当社では2018年以降を第二創業期と捉え、2019年度から現在までに5名の幹部候補を採用しました。創業以来、ゲームに詳しい人のための「ゲーム攻略」を事業の柱に据えて成長してきましたが、今後は新たにゲームを始めたい人が訪れる「ゲーム紹介」を中心に事業を拡大していきたいと考えています。その経営戦略の実現には人材の拡充が必須であり、特に幹部候補の採用が必要でした。

ーなぜ社内からではなく、外部から幹部候補を迎えることにしたのでしょうか?

社内人材の育成に力を入れるか、外部から迎えるかという議論は、経営陣のなかでもありました。第二創業期を迎えるにあたり、2018年に事業部長以上が週末に集まり、会社の将来について話し合う経営合宿を開催した時の話です。ゲーム攻略という既存事業の延長だけではなく、新しいターゲット層へのサービス展開を目指すのであれば、新しい発想を持ち込んでくれる、今の自分たちより優秀な人材の確保が必要です。そこで、理想とする姿をみんなで話し合い、経営陣を含む参加者全員がフルコミットし、これからのGameWithに必要な人材を自分たちで採用しようということになりました。

「採用は自分の仕事」経営陣に芽生えた当事者意識

ー実際に、採用活動はどのように始まったのでしょうか?

経営合宿を終え、さっそく「自分たちより優秀だ」と思う知り合いにアプローチする、いわゆる「リファラル採用」から始めました。しかし、優秀な人は当然ながら現在進行形で活躍しているので、転職への意欲がそもそも高くない場合が多く、経営陣といってもアプローチできる知り合いの数も限られており、外部セミナーなどに参加して新たな知り合いをつくることから始めなくてはなりませんでした。リファラル採用の大変さを痛感させられましたが、これにより、経営陣全員に「採用は自分の仕事」という当事者意識が芽生えました。

GameWithの人材ポリシーには「Take<Give」というものがあり、「Giveできる人」で組織をつくれば、自分が与えた分が自分に返ってくる好循環が生まれる、という考え方があります。自分たちで採用するとなれば「人」についても、このように深く内省して考えることになります。採用を通じて、GameWithが大切にしている考えをあらためて振り返れたことは、今後の組織運営にも生きてくると思います。

ーその後、採用の方法に変化はありましたか?

普段採用活動をあまりしていない人も含め、一通りの採用活動の流れを確認し、実際に幹部候補の採用業務の大変さと大切さを全員が理解したうえで、人事部が主導となってスカウト型のビズリーチを活用する採用スタイルにシフトしました。「経営目線でどういう人が必要なのか」という観点で「候補者のペルソナ」を経営陣で話し合い、ターゲットにずれがないようコミュニケーションを重ね、2019年度の1年間で19ポジション、計1,010通のスカウトを送りました。当初は面談や1次面接にも経営陣が必ず同席しようとしていましたが、それではさすがに他の業務に手が回らなくなってしまうため、人事部に事業や業務理解を深めてもらい、人事部からも仕事内容について語れるようにするなど、情報共有を密に行いました。

ただ、スカウトの時点で人物像まで理解するのは難しいので、面談のあとに1次面接、会食、Web面談など複数のプロセスを設けて接触機会を多くすることを心がけました。GameWithが大切にする人材ポリシーや、今後会社が目指すあり方など、説明する時間は経営陣であっても惜しまずに使ってきました。

他にも、候補者に対する理解を深めるため、リファレンスチェックを取り入れたり、クロージングの際に必要な家族の賛同や現職との調整、希望年収、転職への意欲醸成などは、人事が最終面接前に解消するといったことを通じて、最終的に幹部候補の採用はとても高い内定承諾率となりました。

新たな時代に合った、多様性を実現する会社へ。

ーコロナ禍で訪れた変化はありますか?

コロナ禍によって全ての面談、面接がオンライン化するなか、2020年4月からは候補者に対して「面接官の評価アンケート」を実施し、面接スキルの向上に取り組んでいます。これまで以上に面接官の対応力が採用に与える影響は大きいため、面接官に対する客観的な感想を集めることで、改善すべきことが見えてきます。また、人事部においても、担当者同士で「あの候補者に対して、この対応で合っていたのだろうか」など、都度チェックをしています。

ー最後に、今後の採用活動における展望をお聞かせください。

組織としては、今後在宅ワークへの完全移行を進め、地理的な制約のない採用も進めていきます。在宅ワーク前提であれば、地方はもちろん、海外の人材にも入社してもらえるため、採用ターゲットの幅が一気に広がることになります。他にも、副業としてGameWithに参加できるなど、雇用形態にとらわれずに世界中のゲーム好きが所属する組織にして、多様な「働き方」を実現できる会社にしていくことが、今の目標です。

※企業情報などはインタビュー時点のものです