リファーラル採用とは?メリット・デメリットと成果を出すためのポイントを紹介

リファーラル採用とは?メリット・デメリットと成果を出すためのポイントを紹介

労働力人口の減少にともない、有効求人倍率の上昇が続く近年、「人材獲得競争」はますます激化し、採用の手法が多様化しています。

そこで、優秀な人材を確保するため、企業みずからが主体的に動くことで、「転職潜在層」もターゲットに含めた採用活動が実現できる、ダイレクトリクルーティングを取り入れる企業が増えています。

なかでも注目されているのが、「リファーラル採用」です。本記事では、リファーラル採用のメリット・デメリットや、成果を出すためのポイントについて解説していきます。

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リファーラル採用とは?

リファーラル採用とは、紹介や推薦などを意味する英語の「referral(リファーラル)」に由来していて、自社の従業員が持つ個人的なネットワークを通じて人材を探し、採用する手法です。

海外では、すでに一般的な人材採用手法の1つとして定着していますが、日本では「縁故採用」と混同されがちです。しかし、この2つは大きく異なります。

リファーラル採用と縁故採用の違い

縁故採用というと、自社の従業員の友人・知人、取引先の関係者などのネットワークから自社に合いそうな人を紹介してもらい、選考を実施しないなど入社手続きを簡略化した採用を行うイメージです。

一方、リファーラル採用では、企業との適性や必要なスキルを確認するために、通常の選考プロセスを必ず実施します。結果によっては不採用となる場合もあり、この点では他の採用手法と共通しています。

人によって縁故採用・リファーラル採用の言葉の捉え方が異なることも考えられるため、選考があるのかないのかを確認すると間違いがないでしょう。

リファーラル採用の現状

超高齢化かつ少子化により、日本は労働力人口が減っていく一方です。

つまり、今後はさらに少ない労働力を各社で奪い合うことが増えていき、採用環境は厳しくなっていくと想像されます。

通常の公募のみに頼ると、なかなか採用に至らず、人手不足や採用費の増加といった課題に直面するおそれがあります。

自社でリファーラル採用を推奨しておくことで、採用費の抑制や人手不足の回避につながり、事業運営の安定性を高められる可能性があります。導入を検討する価値は十分にあるでしょう。

厚生労働省が発表している報告書でも、21社中14社がリファーラル採用を行うなど、リファーラル採用が浸透してきていることが見て取れます。

出典:厚生労働省 「企業等の採用手法に関する調査研究」報告書 3.1.4 企業が活用する採用手法について

リファーラル採用の重要性

リファーラル採用の現状でもお伝えしたように、労働力が減少していく日本の人材市場では人材を奪い合う状況が続くため、より採用競争が激化していく可能性が高いと考えられます。

そのため、リファーラル採用で自社に合う人材を見つける手段を持っておくことは非常に重要です。

すべてをリファーラル採用で賄えないとしても、その割合を高めるだけで、人手不足や採用費の上昇を食い止められる可能性が高いといえるでしょう。

また、リファーラル採用を導入することで、社内の人脈から転職市場には出てこない優秀な人材への採用が可能になるほか、内情を伝えられている点からミスマッチによる早期の離職が防ぎやすいなどのメリットがある点も見逃せません。

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リファーラル採用を導入するメリット

ここでは、リファーラル採用を導入することで得られる主なメリットを紹介します。

転職潜在層と接点が持てる

自社の従業員が人脈を活用し社外の友人や知人に声をかけるため、候補者からの応募を待つだけではなく転職意向のない人(転職潜在層)にも、いち早くアプローチが可能です。

転職市場に出ていない優秀な人材と接点を持つチャンスが生まれます。

人材要件にあう人材にピンポイントで接触できる

自社を知る従業員の目にかなった人のみが集まるため、広く一般的に求人を公開し募集を行った場合には避けて通れない「人材要件に満たない人」が含まれる可能性が低く、見込みのある候補者に対して、迅速かつ個別にアプローチできるため、効率的な採用活動につながります。

採用関連コストを削減できる

求人広告費や人材紹介会社への手数料、企業説明会の開催費など、採用コストの大部分を削減できます。

また、自社をよく知る人物のチェックを通った人材が紹介されるため、一般的な採用活動で行われる書類選考や一次面接などのプロセスが免除されるケースも多く、選考に必要な人件費などの間接的な採用コストも削減が見込めます。

活躍の可能性が高く、早期離職のリスクが低い

自社をよく知る人物が適性を見込んだ人材は、「採用してみたものの、期待どおりの活躍が見られなかった」といったミスマッチが起こりにくく、入社後の定着率や早期活躍の可能性が高いといえます。

また、紹介者を介して企業の様子や魅力を事前に把握できることから、候補者が入社後にギャップを感じることが少なく、知人が身近にいることで入社後のサポートを受けやすく、早期離職のリスクを減らすこともできます。

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紹介者への影響

リファーラル採用では自社の従業員が自身の友人・知人へ自社の魅力を伝えることになるため、紹介者である本人にとっても自然と会社の良い点を見つめ直す機会にもなります。

こうした意識の変化は、企業にとっても大きなメリットになるはずです。

紹介者は求職者にとって自社のどんな点が魅力になるのか、自分の友人・知人にどのような部分がフィットすると考えるのかなど、第三者的な観点で自社や自分のキャリアを見つめ直せます。

入社当初の気持ちを思い出すことや、他社と比較して自社の強みを再認識すること、自身が歩んできたキャリアなどを振り返ることによって、仕事へのモチベーションがアップする可能性も十分考えられるでしょう。

また、紹介した人が入社してきた場合、信頼している友人・知人とともに働けるため、これまで以上のモチベーションで取り組んでくれるなどの可能性も高まります。

リファーラル採用を導入するデメリット

母集団形成ができないことがある

時期によっては、従業員の知人に条件に合う人がいないこともあり、求人媒体や人材紹介会社を活用した場合と比べて、企業側のタイミングに応じた人材確保が難しいケースもあります。

社内工数や、従業員の理解が必要

従業員がリファーラル採用に取り組める環境を整えるには、最低でも以下のような5つのステップが求められます。

たとえば、「なぜ今リファーラル採用が必要なのか」「従業員はどのように行動すべきか」「紹介することで従業員にどのようなメリットがあるか」などを丁寧に伝える必要があります。

紹介をしてくれる従業員一人一人がこれらを正確に把握できないと、紹介された人材が自社の求める人物像に合わない場合、選考数ばかりが増え、採用効率が下がってしまうおそれがあります。

そのため、従業員への告知も丁寧に行い、無駄な工数を増やさないようにする工夫が必要です。

不採用になった場合のフォロー

紹介された人材が不採用になった場合、紹介者・応募者両名へのフォローが必要です。紹介者には紹介してくれたことへの感謝とあわせてなぜその応募者が不採用になったのかを伝えましょう。

応募者にも、応募への感謝とともに、不採用の理由をできるだけ具体的に伝えることが望ましいです。紹介者と応募者の人間関係が悪くならないようなフォローを心がけましょう。

求める人物像に合っていなかったのか、応募者の志向性が自社の方向性と異なったのかなどを伝えることは、次のリファーラルの成功率を高めることにもつながります。

また、選考の前に求める人物像にフィットしているかを改めて確認してもらう、志向性を確認する目的でカジュアル面談の機会を設ける、採否は出てしまうがキャリアを否定するものではなく、自社の現状とフィットしない場合は不採用になることもあると事前に伝えておくことも重要です。

不採用の場合のショックを和らげ、紹介者と応募者の関係性に悪影響が出ないよう、最大限の配慮をしましょう。

人材の同質化を招く場合がある

リファーラル採用によって入社した人材が、自身と似たタイプの知人を紹介するといった繰り返しにより、社内の人材の同質化が進み、思考の多様性が失われ、価値観の偏りが生じる可能性も否めません。

リファーラル採用を行ううえでは、多様性を意識した推進が必要です。

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このように、従来の「待ちの採用」では得られない多くの利点を持つリファーラル採用ですが、すべての課題を解決できる万能な手法ではありません。

上記のようなメリット・デメリット両方を押さえたうえで、導入することが大切です。

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リファーラル採用の具体的事例

株式会社荏原製作所

ポンプや冷却器などの産業機械を手がける荏原製作所では、2019年の9月からリファーラル採用を導入しました。ほぼ1年後の2020年10月時点でリファーラル採用の内定承諾者が17名と非常に高い成果を出しています。

ミスマッチの低減、定着率の向上を期待してリファーラル採用をスタートしましたが、ミスマッチを抑えつつ、17名の内定承諾につながったことから、今後も継続的に行っていけば採用費の低減、人材獲得の重要な手段になっていくことが予想されます。

リファラル採用を実施 | 荏原製作所

SCSKサービスウェア株式会社

BPOを主軸とした総合ITサービス企業であるSCSKサービスウェア株式会社は、プライム市場に上場しているSCSK株式会社のグループ企業です。

同社はリファーラル採用を実施したことで採用コストを2/3に削減でき、導入から間もないにもかかわらず2ヶ月で3名の採用に成功しました。

自社サイトもリニューアルし、サイトからリファーラル採用の応募ができるように改善、リファーラル採用でより多くの人材確保に取り組んでいます。

SCSKサービスウェア株式会社 | HRMOS(ハーモス)

freee株式会社

クラウド会計ソフト「freee会計」などを展開するfreee株式会社も、リファーラル採用に注力している企業の一つです。

QAというプロダクトの品質を保つ部署では、経験豊富な人を多数リファーラルで採用することに成功しています。

友人・知人の中で独立を考えていた人、転職を考えていた人などに声をかけ、カジュアル面談からスタートしてミッション・ビジョンに共感してもらい、課題を解決していく仲間として迎え入れるというよい流れで採用ができたことにより、強いチームへと成長しました。

このように求める人物像を深く理解している人がリファーラル採用の紹介者になると、高い成果を上げ、企業の競争力向上にもつながった好事例といえるでしょう。

QAドリームチームの野望──リファーラル採用で集まった品質保証のプロ集団 | 採用情報 | フリー株式会社

リファーラル採用に向いている企業

ES(従業員満足度)が高い企業

従業員満足度が高いということは、その従業員の周囲の友人・知人に対しても、自社の魅力が既に伝わっている可能性が高いと考えられます。

その従業員が仕事を探している友人・知人に「今募集があるから受けてみる?」と聞くだけで、リファーラルにつながる可能性が非常に高いです。

従業員満足度は高いものの、まだリファーラル採用を実施していないという企業であれば、すぐに取り組むことをおすすめします。

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採用に課題感を持っている企業

採用費の負担が大きい、ミスマッチが多く定着率が低いなど、現在採用に課題感を強く感じている企業こそ、リファーラル採用に取り組むべきです。

改めて自社で働き続けてくれている人に魅力をヒアリングし、その従業員の周囲の人材の中で求める人物に当てはまる人を紹介してもらうようにするなど、小規模から段階的に始めてみることをおすすめします。

リファーラル採用の芽を育て、自社の採用チャネルの一つとして、リファーラルの比率を徐々に高めていくことが望まれます。

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採用予算が少ない企業

大手のように莫大な採用費をかけられない、あるいは採用人数がそこまで多くないなど、採用予算に制約がある企業ほど、リファーラル採用との親和性が高いといえるでしょう。

採用費がなければ、公募だけでなくあらゆる手段を使って採用に取り組むべきですが、一度リファーラル採用が軌道に乗れば、採用活動における人事の負荷を段階的に軽減できるため、早期に取り組むことで、将来的な採用活動を支える基盤となる可能性があります。


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リファーラル採用の導入手順

リファーラル採用の導入手順としては、下記のようなステップがあります。

1.メンバーの選定

リファーラル採用については、社長や役員、人事部、各事業部から1名ずつメンバーを選出することで、各部門でのリファーラル採用の推進がスムーズになります。

推進がうまくいくよう、人数が多い部署では、プロジェクトメンバーを複数人配置するなど、柔軟に対応することが望まれます。

2.求める人物像、目標の設定

リファーラル採用は自社で採用できる人材を増やすことや、広告費を抑えた採用スキームの構築など自社で採用できるスキームをつくること、広告費のコストダウンなど、さまざまな目的があります。

企業によって目指すものが異なるため、まずは自社のリファーラル採用で何を目指すのかを定めましょう。そして、今回リファーラル採用で採用するポジションに応じて経験・スキル・素養面を含めた求める人物像を設定してください。

最終的に、リファーラル採用でどのような成果を目標達成とするのかを、あらかじめ明確にしておきましょう。

3.各部署長と進め方のすり合わせ

リファーラル採用を社内に浸透させるためには、成功事例を共有することが効果的です。

それぞれのプロジェクトメンバーが自分自身もしくは周囲の協力してくれそうな人の知人の中に求める人物像に近い人がいないかを確認し、紹介をしてもらえるように動きましょう。

プロジェクトメンバーやその周辺からでも成功例が出れば、自分の友人・知人をリファーラル採用の候補者として捉える人も増えてくるはずです。

第一弾だけでなく、第二弾、第三弾と続いていくように、各部署長にもリファーラル採用をどう進めていくか、第一弾、第二弾のメンバー候補を具体的に挙げながら、どの時期にこういったツールを基に声掛けをお願いするなど、具体的なアクションと時期まで決めておくと安心です。

4.声掛けマニュアル、キャンペーン、会社紹介資料などの準備

リファーラル採用を加速させるためにキャンペーンなどを設けるか否かの決定、声掛けのマニュアル作成、リファーラル採用専用の会社紹介作成なども進めることが重要です。

「いきなり友人・知人を紹介してと言われても、どういった人を求めているのかわからない」

「不合格になったら気まずい」などと悩み、声掛けができない方も出てきます。

そのため、声掛けをする場合の例が載ったマニュアルを渡す、興味を持ってくれそうな方に渡すリファーラル採用専用の会社紹介資料などを準備しておくことをおすすめします。

会社紹介資料には、リファーラル採用の流れを簡単に説明しておきましょう。

たとえば、「カジュアル面談から始まるため、現時点で志望度が高くなくても問題ない」ことや、「不合格となる可能性もあるが、それは相性や方向性の違いによるものであり、個人を否定するものではない」といった内容を盛り込むと安心です。

採用活動に慣れていない従業員でも声をかけやすくなるよう、こうした気遣いがあるとスムーズな運用につながります。

5.開始時期、Webサイト、イベントなどを決定

リファーラル採用を実際に始める時期や、専用のページやWebサイトを設けるかどうか、リファーラル採用向けのイベントを開催するかどうかなども決定しましょう。

採用時期は、繁忙期以外で候補者が動きやすい時期の少し前がおすすめです。

最初はリファーラルなので人づてに情報が集まってくるものの、今後継続し拡大していくつもりであれば、リファーラル用のページから応募をしてもらうなど記録が取れる形での採用活動をおすすめします。

また、リファーラル採用の人数目標が多い、あるいは浸透を早期に行いたい場合はリファーラル採用のイベントを行い、リファーラル採用に協力してほしい従業員に参加してもらうようにするといいでしょう。

社外の方に参加いただく会社見学のようなイベントであれば、紹介者側も候補者となる方も精神的な負担を少なくできますし、リファーラル採用の候補となる人材にたくさん接触できるようになります。

どういう形が自社に合っているのか検討してみることをおすすめします。

6.社内向けに実施する目的、メリットを周知

リファーラル採用を実施することで、さまざまなメリットが期待できます。

たとえば、ミスマッチの減少により離職率が低下し、安定した勤務体制が維持されやすくなります。

また、企業理念に共感する人材が集まりやすくなることで、現場の士気向上にもつながります。

このように、金銭的なインセンティブがなくても得られる効果は多く、企業にとって大きな価値がある施策といえるでしょう。

こうした「未来の自分を助けるような活動がリファーラル採用だ」という風に伝えれば、自分ごととして捉えてくれる従業員も増えるのではないでしょうか。

また、紹介者が改めて求職者としての視点で自社を見ることで、自社の魅力を改めて知る、初心を思い出せる、自分の仕事を振り返り、モチベーションが高まるなどのメリットもあります。

7.リファーラル採用スタート

上記6つのステップを完了したら、いよいよリファーラル採用をスタートできます。

社内告知以降できるだけ早く成功例を出せるように、告知の時期も考えながら進めるようにしましょう。

リファーラル採用で成果を出すポイント

リファーラル採用で成果を出すには、以下の5つのポイントを意識することが重要です。

1.経営層を巻き込む

リファーラル採用の重要性が、従業員にあまり浸透していないケースも考えられます。

そのため、経営層が「リファーラル採用を絶対に成功させる」という決意を持って取り組み、リファーラル採用の意義や必要性を社内に発信していくことが不可欠です。

通常業務で多忙な従業員に協力を求めるには、「会社として本気で取り組んでいる」と伝わるよう、経営層自らが積極的に関与することが求められます。

2.メンバーもしくは協力者からリファーラル採用の成功例を早く出す

リファーラル採用を推進するメンバーや協力者に働きかけ、できるだけ早い段階で成功事例をつくることが重要です。

協力したいという意欲はあっても、「どう動けばよいかわからない」と感じている従業員も多く存在します。

初期段階で成功事例が生まれれば、「自分もやってみよう」と思える心理的ハードルを下げる効果が期待できます。

3.リファーラル採用がメリットにつながることを理解してもらう

リファーラル採用によって報酬が得られる、あるいは将来的に自身の業務負担が軽減されるなど、個人にとっての具体的なメリットを伝えることが重要です。

加えて、市場環境の厳しさや人手不足の現状も共有することで、「待っているだけでは採用が難しい」という現実を理解してもらいましょう。

協力の必要性を明確にすることで、参加意欲の向上につながります。

4.リファーラル採用の合否にかかわらずよい関係性を保てることの周知

リファーラル採用では選考結果が「不採用」となることもあるため、紹介者が友人との関係悪化を懸念するケースもあります。

こうした不安を払拭するために、関係性を損なわずに実施できる運用フローを明示し、事前に社内周知しておくことが大切です。

<従業員側が意識すべきポイント>

  • 求める人物像の詳細を確認し、当てはまる友人・知人のみに声掛けをする
  • あらかじめ「リファーラル採用でも選考があり、合否が出る」と伝えておく

<企業側で準備すべき配慮>

  • カジュアル面談を設定し、相互理解の機会を設ける
  • 面談で方向性の一致を確認しても、最終的には現場との相性も重要であることを説明する
  • 不合格の場合は、今後の参考となるよう丁寧なフィードバックを提供する

これらを徹底することで、紹介者と候補者の関係性に配慮しつつ、信頼性のある採用活動が可能になります。

5.求める人物像の明確化とサポート資料の整備

募集ポジションごとに求める人物像を明文化し、「必須条件」と「歓迎条件」の区別を明確に伝えることが重要です。

併せて、以下のような支援ツールを用意すると、従業員がよりスムーズに動けるようになります。

  • 声かけの例をまとめたマニュアル
  • リファーラル採用用の簡易な会社紹介資料
  • カジュアル面談の流れや注意点をまとめたガイド

「どう伝えればよいか分からない」「不合格だったら気まずい」といった不安を払拭し、従業員が安心して行動に移せる環境を整えましょう。

タレントマネジメントシステムの活用

リファーラル採用を成功させるには、求める人物像と近しい能力値、素養を持っている従業員を見つけ、その人からの紹介を促すことが重要です。

そのためには、今いる従業員一人一人がどのようなスキル・経験・価値観を把握しておくことが欠かせません。ここで活用したいのが、タレントマネジメントシステムです。

全従業員のスキルや適性を一元管理できていれば、採用したい人物に近い特徴を持つ従業員に対してリファーラルの協力を依頼することが可能になります。

あわせて、「どのような人材が不足しているのか」「どんな人物像を求めているのか」といった情報も具体的に伝えやすくなるため、採用の成功率を高められるでしょう。

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まとめ

本記事では、近年注目を集めているリファーラル採用について、その重要性やメリット・デメリット、導入手順、成果を出すためのポイントまで、実践に役立つ情報を網羅的に紹介しました。

リファーラル採用を成功させるには、従業員の協力が不可欠です。しかし、適切な準備が整っていない場合、取り組みが形骸化し、十分な効果が得られないリスクもあります。

会社としてどれだけ本気で取り組んでいくのかの周知、従業員のタレント把握、求める人物像の設定、マニュアルの準備や成功事例を早期に作って発信することなど、成功させるためにはいくつかのポイントがあります。

リファーラル採用に取り組むのであれば、社内にリファーラル採用の仕組みが定着するよう、紹介した手順を参考に丁寧に進めてみてください。そうすれば、5年後10年後の未来がきっと変わってくるはずです。

リファーラル採用の成功の鍵はスキルの可視化

リファーラル採用の成功率を上げるには、現在活躍している従業員の共通点を発見し、自社の環境で活躍してくれる人材を見極めることが重要です。

しかし実際には、従業員のスキルやキャリアの情報が把握しきれておらず、適切な人材を見極めるのが難しい企業も少なくありません。

この課題を解決する有効な手段が、「タレントマネジメントシステム」の活用です。

従業員一人一人のスキル、経験、志向性などを可視化することで、求める人物像に合致する人材の発掘や、紹介依頼の精度向上が期待できます。

これにより、より効果的なリファーラル採用を実現し、採用の質とスピードの両面で成果を高めることが可能になります。

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