ハイポテンシャル人材とは?将来のリーダーの選抜と採用

ハイポテンシャル人材とは

近年、グローバル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に伴い、これまでにないほど社会環境は目まぐるしいスピードで変化しています。

そのような状況下において、これまでのように「業務経験を積ませる中でトップに立つ資質を持つ優秀な人材を選定する」手法では、グローバル社会を牽引するリーダーの育成が難しくなってきました。

従来の人材育成方法が見直されている今、注目を集めているのが「ハイポテンシャル人材」です。現在、各企業ではハイポテンシャル人材の採用や育成に積極的に取り組んでいます。

ハイポテンシャル人材とはどのような人材を指すのでしょうか。本記事では、ハイポテンシャル人材の選抜や採用、育成方法などについて解説していきます。

ハイポテンシャル人材とは

「ハイポテンシャル人材」とは、将来リーダーシップを発揮し、企業の中で重要なポジションに就いて活躍できると期待される人材を指す言葉です。

簡単に言えば、将来、幹部として経営に携わることができるようなポテンシャルを秘めた人材を指します。

これまでの日本においては、採用した社員の成長に合わせ、個人のスキルや経験を見極めながらリーダー候補を育成してきました。しかしながら、経済のグローバル化に伴い、企業も国内だけでなく、海外まで目を広げた事業展開が求められるようになっています。

また、DXの推進に伴い、社会は目まぐるしい変化を遂げています。そのため、従来通りの人材育成方法では、変化しやすい社会に適応できる人材の育成が難しくなっているのです。

そのような中で近年、企業の注目を集めているのがハイポテンシャル人材です。高いポテンシャルを持つ人材を早いタイミングで見極め、育成していくという概念が今、多くの企業で重要視されるようになっています。

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ハイポテンシャル人材はどのような特徴を持っているか

大きな注目を集めるハイポテンシャル人材ですが、将来、企業で活躍する人材は共通する特徴を持つことが分かっています。

高い向上心と学習意欲

ハイポテンシャル人材は、積極的に新しい知識やスキルを身に付けようとする強い向上心を持っています。何事にも興味を持ち、専門分野の知識を深めるだけでなく、より幅広い分野についても学ぶなど、学習やスキルアップに貪欲に取り組む傾向が見られます。

また、高い向上心の裏側には、自己分析能力も隠れています。

自身を冷静に見つめ、分析をすることで自分の現在地を知り、不足している知識やスキル、経験を埋めようとするからこそ、貪欲な学習意欲につながるのでしょう。

ポジティブな思考と課題解決能力

ポジティブ思考も、ハイポテンシャル人材に共通している特徴です。

ポジティブ思考とは、単純に陽気な性格というわけではありません。例えば、業務において注意を受けた場合でも、上司に失敗を指摘されたとマイナスに考えるのではなく「成長のきっかけになった」と前向きに捉える考え方を、ビジネスにおいてのポジティブ思考といいます。

また、ポジティブ思考の人は、たとえ担当するプロジェクトの進行途中で壁にぶつかっても、そこでやる気を喪失するのではなく、どのような手法で課題を解決できるか前向きに考えることができます。

諦めずにトライし続けるため、トラブルに見舞われた場合でも何らかの回避策を見出し、最終的に目的を達成できるように調整する力を身に付けられます。

柔軟な発想力と行動力

企業の成長のためには、既存事業だけに固執するのではなく、新しい事業の開拓も必要になります。

しかし、従来の型にはまった思考では、新たなイノベーションやビジネスモデルの創出につながる可能性は低くなります。

ハイポテンシャル人材は、物事を多面的な角度から捉え、柔軟で新しい発想を生み出す力を持っています。また、新たなアイディアを創出するだけでなく、考えを実現する計画を立て、さらには実行に移す行動力を兼ね備えている点もハイポテンシャル人材の特徴といえます。

強いリーダーシップ

将来、企業を牽引する立場になると期待されるハイポテンシャル人材は、人を引きつける力ともいえる高いリーダーシップを保有しています。

どんなに良いビジョンを掲げても、周囲の賛同や協力を得られなければ、目標を達成することはできません。しかし、ハイポテンシャル人材の持つポジティブな考えと強いリーダーシップは、チームの士気を高め、共通の目標に向かって突き進むパワーを生み出すことができます。強いリーダーシップは、企業のトップに欠かせない資質です。

周囲の信頼を得る高い人間性

チームを牽引するためには、人から慕われる人間性も必要です。

常に自己研鑽に努め、より自分を高めようとする前向きな姿勢は、周囲からも信頼を持たれやすく、周りからもサポートを受けやすくなります。

周りを強力に牽引する力の裏には、日頃から熱心に業務に取り組む前向きな姿が周囲に与える印象も関係しているといえるでしょう。

また、高いパフォーマンスを維持するためには、精神面の安定も必要です。自身の感情を安定的にコントロールできる能力も、ハイポテンシャル人材に見られる特徴です。

高い成果志向

高い成果志向を持つ傾向にある点もハイポテンシャル人材の特徴です。

仕事で結果を出すことを重視するため、努力を惜しまず、的確な目標を設定し、具体的な行動につなげます。

また、たとえ途中で失敗した場合でもポジティブ思考によって、挫折することなく新たな切り口からの挑戦を続け、確実に成果をもぎ取ろうとします。ハイポテンシャル人材の成果にこだわる姿勢は、組織にも良い影響を与え、組織の成長も牽引していくでしょう。

ハイポテンシャル人材がもたらす組織への効果

ハイポテンシャル人材は、組織にもよい影響を与えます。では、ハイポテンシャル人材が組織にもたらす効果にはどのようなものがあるのでしょうか。

長期的な組織成長を叶える

未来の企業を担う能力を持つハイポテンシャル人材は、長期的な視野に立ち、かつ多角的に物事を考える能力を持ち合わせています。

そのため、将来、経営幹部となって組織を牽引するようになるまでの期間においても、十分にリーダーとしての能力を発揮できる可能性があります。また、早いタイミングで適切なトレーニングを実施したり、経験の場を与えたりすることで、ハイポテンシャル人材は自身の能力をより効果的に発揮できるようになるでしょう。

ハイポテンシャル人材は、成長の過程においてもリーダーシップを発揮できるため、継続的に組織を成長させることができると期待されています。

イノベーションを促進する組織文化への変革

ハイポテンシャル人材は、あらゆる分野に関心を示し、積極的に学ぼうとする姿勢があるため、多方面の情報を得る機会が多くなり、状況の変化も鋭い感覚で捉えることができます。

好奇心の高さも重要で、さまざまな分野から知識を得て革新的なビジネスモデルやイノベーションを創出する柔軟な発想力も兼ね備えています。

ハイポテンシャル人材自身がイノベーションの創出に積極的であるため、必然的に組織全体を、新たな挑戦に意欲的な風土へと変革させる可能性もあるでしょう。

周囲の人材に与える好影響と競争力の向上

ハイポテンシャル人材の積極的に学ぶ姿勢、何事も前向きに捉えるポジティブな思考法、柔軟で自由な発想力、失敗を恐れない行動力は、周囲の人材にも絶大な影響を与えます。さらに、ハイポテンシャル人材が行動の結果として成果を出せば、より大きな刺激を周囲に与えるでしょう。

結果が伴うハイポテンシャル人材の行動は、組織の中の競争力を向上させ、結果として組織全体の業務効率の向上、生産性の向上につながると期待できます。周囲の人材にとっても、結果を伴うハイポテンシャル人材の行動は、キャリア形成にあたってのロールモデルにもなります。

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ハイポテンシャル人材の選抜と採用方法

組織にも大きな影響を与えるハイポテンシャル人材を早期に見出し、育成することが、企業にとっては重要な課題となっています。

では、ハイポテンシャル人材の採用と選抜は、どのように行えばよいのでしょうか。

明確な選抜基準の設定

ハイポテンシャル人材は、経験・スキルを身に付けた優秀な人材を指すのではなく、将来において企業を率いる統率力や、新たなビジネスを創出する発想力などを秘めた人材のことです。

したがって、ハイポテンシャル人材は、早いタイミングから秘めた能力を最大限に発揮できるようトレーニングなどを行い、育成する必要があります。

ハイポテンシャル人材を育成するにあたっては、まず、ハイポテンシャル人材を選抜しなければなりません。そのための第一段階として、社内におけるハイポテンシャル人材の選抜基準を明確に設定し、育成すべき人物像を明確にすることが重要です。

評価は多角的な視点から

人材によっては、特定の分野において突出した能力を保有している場合もあります。しかし、将来的に経営に携わる人物という観点から見ると、1つの能力だけが抜きんでていても、組織を束ねることはできない可能性が高まります。

例えば、向上心が強く熱心に業務に取り組む人であっても、リーダーシップに欠けている場合や上昇志向を持っていない場合は、幹部候補には向いていないでしょう。

そのため、ハイポテンシャル人材の選抜基準を設定する際には、リーダーシップや学習意欲など、1つの側面からのみ人材を評価するのではなく、多角的な視野から評価する必要があります。

データドリブンによる客観的評価の活用

データドリブンは、蓄積されたさまざまなデータを分析し、その結果をもとに客観的な意思決定を行うアプローチ法です。

人材を評価する際には、評価者の主観や先入観が評価に介入するケースが少なくありません。しかし、データドリブンを用いると公平な評価が可能になるとともに、結果だけでなく、行動についての分析も可能になります。

そのため、現在の幹部候補者の属性や行動データを分析すれば、ハイポテンシャル人材に見られる傾向を把握できます。人材の選定基準を作成する際に、データ分析の結果も活用すれば、より自社のトップに適した人材を発掘しやすくなるでしょう。

新たな人材の採用も検討を

社内の人材からハイポテンシャル人材を選抜する方法もありますが、社内に適切な人物が見当たらない場合などは、社外から新たな人材を採用することも検討した方がよいでしょう。

中途採用の場合、前職での経験や実績を重視し、即戦力として活躍できる人物を採用する傾向にあります。しかし、ハイポテンシャル人材を採用する場合に重視すべき点は、経験や実績ではありません。

前述のデータ分析の結果なども踏まえ、ハイポテンシャル人材の選定基準に合わせ、未成熟であっても高いポテンシャルを保有する人物を採用することが重要です。

タレントマネジメントシステムの活用

ハイポテンシャル人材の選定にあたっては、社内から人選する場合も社外から採用する場合も、選定基準を明確にしなければなりません。ハイポテンシャル人材の選定基準を作成する際には、タレントマネジメントの活用が有効です。

タレントマネジメントシステムは、従業員の属性やスキル、パフォーマンスなどを可視化でき、客観的なデータ分析に基づく人材評価を可能にするシステムです。

HRMOSタレントマネジメントでは、これまでの評価や年収、前職でのキャリアなども一元管理できるため、ハイポテンシャル人材の選定基準作りに生かせるだけでなく、ハイポテンシャル人材として育成すべき社内の人材の発掘もしやすくなります。

<関連記事>【事例付き】タレントマネジメントとは?目的、システム導入や比較・活用方法

ハイポテンシャル人材の選定での注意点

ハイポテンシャル人材の選定にあたっては、いくつか注意しなければならない点があります。

1つは、知識や経験のない若い人材の場合、自身の能力以上に自信を持っている場合があるという点です。正しい自己評価ができず、思い込みや先入観などによって自身を過大評価してしまうことを、ダニングクルーガー効果といいます。

ハイポテンシャル人材の選定にあたっては、自己評価だけを鵜呑みにしてしまうと、人選を見誤るリスクがあります。

また、ダニングクルーガー効果とは反対に、能力の高い人が自身の成功を偶然の結果と判断するなど、自分を過小評価してしまうケースもあります。

ハイポテンシャル人材の選定にあたっては、自己評価や上司の主観的な評価だけを参考にすることは非常に危険です。データ分析の結果などの客観的な指標も取り入れ、幅広い側面から適性に評価することを忘れないようにしましょう。

<関連記事>ダニングクルーガー効果とは?馬鹿の山や絶望の谷、職場への弊害などを解説

ハイポテンシャル人材の育成戦略

ハイポテンシャル人材は、高いポテンシャルを保有している人材ですが、ポテンシャルを最大限に発揮させるためには適切な育成戦略が必要です。

カスタマイズされた研修プログラムの設計

人材育成においては、階層別研修や職位別研修などを実施するケースがあります。

しかし、ハイポテンシャル人材の場合は、全体の研修ではなく、キャリア形成のためにカスタマイズされた専用の研修プログラムを設計すべきです。

人選時には、ハイポテンシャル人材として選定した理由と、会社としての期待を伝えるとともに、具体的なキャリアパスや目標を設定し、身に付けるべきスキルの開発を含めた研修プログラムを提示します。また、定期的にフィードバックを行い、スキルの向上を促すとともに、本人のモチベーションと自己評価を高め、エンゲージメントを向上させることも重要です。

<関連記事>従業員エンゲージメントとは?向上させる方法やヒントを、事例を交えて解説

実践的な学習体験の導入

企業経営においては、予期せぬ事態に対峙するケースも少なくなく、重大な決断が求められる際にどのように舵取りをするかで、企業の将来が左右される可能性もあります。

想定されるトラブルやリスクに対する対処法を、机上理論として学んだだけでは、実践の場で適切な対応ができない恐れもあるでしょう。そのため、ハイポテンシャル人材も実際の組織に加え、組織内で発生する課題に取り組むことで、問題に直面した場合の解決法を実体験として育む経験を積むことが大切です。

また、組織の中で業務に取り組むことで、チーム内で必要となるコミュニケーションスキルも磨かれ、さらにはリーダーシップの向上も期待できるでしょう。

クロスファンクショナルな経験の促進

組織の未来を担うと期待されるハイポテンシャル人材だからこそ、1つの部署における専門的なスキルの習得だけでなく、さまざまな組織の状況を知る機会を持つことも重要です。

将来的に上に立ち、部下や従業員を統率するためには、会社の一部だけではなく、全体を把握しなければなりません。

そのため、社内のさまざまな部門から選出されたメンバーとコミュニケーションを重ねる機会や、複数の部門において実務に携わる経験を積極的に創出するとよいでしょう。組織を横断することで、企業や事業全体の知識や事業運営、企業経営に関する面識を身に付けられます。

メンタリングとコーチングの活用

ハイポテンシャル人材を育成するにあたっては、さまざまな育成手法が考えられますが、メンタリングやコーチングの活用も必要となるでしょう。

ハイポテンシャル人材は、ほかの人材と異なり、将来に大きな期待を寄せられます。そのため、ほかの従業員は抱えることのない悩みや不安、同僚には相談しにくい精神的ストレスを感じるケースが少なくありません。

メンタリングによって、近しいポジションにある先輩社員がハイポテンシャル人材として悩みを聞き、抱える課題に寄り添えば、モチベーションの低下も防ぎやすくなります。また、ハイポテンシャル人材に気付きや刺激を与え、答えを引き出すサポートを行うコーチングも、課題解決力の向上につながるでしょう。

<関連記事>メンタリングプログラムとは?

ハイポテンシャル人材のマネジメント手法

ハイポテンシャル人材は企業の将来を背負う能力を持つ人材です。そのポテンシャルを昇華させ、能力を開花させるためには、マネジメントにも気を配らなければなりません。

自律性を高める挑戦機会の提供

リーダーシップを養うためには、指示を待つのではなく、自ら考え、自ら計画して実践する力を身に付けなければなりません。したがってハイポテンシャル人材をマネジメントする際には、目標は設定するものの、指示を与えるのではなく、自分の力で目標を達成できるよう導くことが重要です。

しかしながら、自身の力で困難を乗り越える場合、新たな挑戦が必要になるケースも少なくありません。挑戦には失敗するリスクもありますが、挑戦することで課題解決能力も向上させることができ、挑戦が成功すればさらなる課題にも挑戦する意欲を育てられます。

挑戦する意欲を維持させるためには、挑戦を許容する、新しい取り組みに寛容な体制作りも重要になるでしょう。

継続的なフィードバックと評価

フィードバックや振り返りがなければ、誤った方向に進んでいた場合に軌道修正ができません。フィードバックによって不足している部分、改善すべき部分、達成できている部分を伝え、成長を促すことで、ハイポテンシャル人材はよりモチベーションを高め、次なるステージを目指せるようになります。

また、客観的かつ適切な評価も自分の成長段階を把握できる指標になり、モチベーション維持には欠かせないものです。

フィードバックと評価の繰り返しのサイクルが、現在地点と調整すべき箇所、次の目標点をクリアにし、継続的な成長を促します。

ネットワーキング機会の提供

業務に邁進していると、交流する人は取引先や社内に限定されるため、次第に考え方が偏ってしまう恐れがあります。異業種との交流会など他の分野で活躍する人たちと出会える場に参加すれば、普段はなかなか出会うことのない人材と交流できるようになり、自分にはない視点や発想に触れることができます。

新たな出会いや日常生活では得られない情報に刺激を受けると、自身の考え方もブラッシュアップでき、新たなビジネスモデルやイノベーションの創出につながる可能性もあります。また、ネットワーキングで得た人脈は、個人が成長するうえでも、ビジネスを進めるうえでも大きな財産になるでしょう。

ハイポテンシャル人材プログラムの事例

ハイポテンシャル人材の育成プログラムを実施している企業もあります。ここでは2社の事例をご紹介します。

日産自動車株式会社の事例

日産自動車では、人材活用のグローバル化に伴い、日本人後継者が不足するという問題に直面しました。そこで同社は、日本のよさに加え海外のマネジメントスキルとビジネススキルの両方を備える、日本人ビジネスリーダーの育成に着手しました。

具体的には、新卒採用を強化し、入社後3年目からビジネスリーダー候補となるハイポテンシャル人材を発掘します。

入社5〜7年後にハイポテンシャル人材の選抜・育成をし、40代でビジネスリーダーのポストに着任できる人材の育成を目指すというものです。

全ての段階においてコンピテンシーに基づく人材の発掘、アセスメント、トップマネジメントも巻き込んだ育成計画の策定、効果確認を行うフォロースルーのサイクルを重ね、将来を担う人材の育成に取り組んでいます。

株式会社サイバーエージェントの事例

サイバーエージェントでは、創業から事業領域を着実に拡大しています。

数年ごとに事業領域に合わせて必要なスキルを特定し、組織が一丸となって継続的なリスキリングを実現してきました。また、社外人材も適宜活用しながら、事業の成長に必要な人材ポートフォリオを作成し、年齢や役職、部門を超え、議論ができるさまざまな取り組みを実施しています。

経営チームには次世代抜擢枠を設定し、成長事業分野の社長ポジションに新卒・若手社員を積極的に登用しています。

また、全社員のエンゲージメント状況を毎月把握し、蓄積したデータの分析を部署の施策に活用しているほか、本人の希望による社内異動を促進し、エンゲージメントの維持・向上に取り組んでいます。

ハイポテンシャル人材育成の課題と対策

ハイポテンシャル人材を育成するうえで抱えやすい課題と、問題の解消につながる対策をご紹介します。

公平性と多様性の確保

人選をする際には、評価者が先入観や固定観念にとらわれ、都合のよい情報ばかりを集めてしまうリスクがあります。ハイポテンシャル人材を育成するうえでは、公平な評価を行ったうえで人選をしなければならず、そのためにはデータ分析などによる客観的な評価が必要になります。

また、公平な人選をする際には、評価者の考えに近い人材を選ぶのではなく、多様な考えを取り入れることが重要です。そのためには、部門責任者だけがハイポテンシャル人材の選定基準の策定や人選に関わるのではなく、人事担当者や経営トップも巻き込み、全社的に取り組む必要があります。

モチベーション維持と期待の管理

ハイポテンシャル人材の候補として選出されることは、会社の期待の表れであり、本人のモチベーションアップにつながります。

しかし、期待値が高すぎるとプレッシャーにつながり、エンゲージメントの低下を招く恐れもあるため、本人の不安に寄り添うサポート体制も整えなければなりません。

また、適正な評価が行われない場合も、モチベーションは低下します。高いモチベーションを維持し続けながら、リーダーに必要な資質を身に付けてもらうためには、達成すべき目標を明確に設定したうえで、実行後のフィードバックや評価も適正に行うPDCAのサイクルを確立することが重要です。

組織全体とのバランス

ハイポテンシャル人材が未来の幹部候補として選ばれた人材であることから、ほかの従業員との間で嫉妬などのネガティブな感情を招き、軋轢を生むケースがあります。

特に、十分な実績と経験を持つ、社歴の長い人材がライバル心を抱くと、チームワークが乱れ、業務に支障をきたす恐れがあります。また、そのような状況下ではハイポテンシャル人材も十分な能力を発揮しにくく、企業全体にも悪い影響を与えます。

そのため、ハイポテンシャル人材ではない人材もしっかりと公平な評価を行ったうえで、一致団結して同じ目標を目指せる組織文化を作るマネジメントが求められます。

ハイポテンシャル人材とコンピテンシー

高いパフォーマンスを発揮する人物には、共通の行動特性(コンピテンシー)が見られます。したがって、優れた成果を残す人材のコンピテンシーを分析すれば、高いポテンシャルを秘めた人材の発掘や採用に利用できる選定基準を設定しやすくなります。

しかしながら、コンピテンシーを分析する際には、行動そのものに注目するわけではない点に注意が必要です。コンピテンシー分析では、行動のベースとなる思考法や価値観、性格、経験などに着目します。

また、コンピテンシー分析は一度実施して終わりにするのではなく、採用や選定をした人材の成長状況度合いを確認しながら、定期的な見直しが必要です。

<関連記事>コンピテンシーとは?面接評価や目標管理への使い方をわかりやすく解説

まとめ

近年、多くの企業がハイポテンシャル人材の採用と育成に力を入れています。ハイポテンシャル人材を見極めるためには、タレントマネジメントシステムやコンピテンシー分析などを活用し、ハイポテンシャル人材の選定基準を明確に設定することが肝要になります。

また、ハイポテンシャル人材は、大きなポテンシャルを秘めているものの、未完成の人材です。高いポテンシャルを持つ人材の能力を大きく開花させられるよう、適切な人材育成計画を立てるとともに、マネジメント体制も確立していくことが重要です。

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