企業の経営戦略から各人材にまで大きな影響を与える人材戦略とは?重要性と具体的な立案ステップなども解説

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企業経営は、多くの戦略や計画が密接に関わり合いながら行われています。社会情勢や時代の変化に伴い、戦略や計画の変更を余儀なくされる企業も少なくありません。そうした戦略の一つに「人材戦略」があります。文字通り人材に関する戦略ですが、適切な立案と実行には、具体的な意味や重要である理由などの把握が不可欠です。本記事では、人材戦略の概要や構成要素、立案のステップや効果的に行うためのポイントなどを解説します。

人材戦略の意味と他の戦略との違い

最初に、人材戦略の概要を押さえておきましょう。また、似たような言葉のため混同されがちな戦略人事との違いについても説明します。

人材戦略とは

人材戦略は、企業が経営における計画や目標を遂行・達成するための人事および人材に関する戦略です。企業は、経営目標の達成のためにさまざまな戦略を用います。そのなかで、資源の一つである「ヒト」に着目した戦略が人材戦略です。人材戦略には、いくつかの構成要素があり、それぞれにおいてさらに計画や戦略が細分化されます。個人に着目して練られる人材戦略もあれば、部署やチームなど組織に着目した人材戦略を用いる企業も少なくありません。また、環境や制度の構築および整備も人材戦略の一環です。このように、人材に関連したさまざまな計画やプロセスなどをまとめて人材戦略と表現しています。

戦略人事との違い

人材戦略と混同されがちな用語に、戦略人事というものがあります。戦略人事とは、事業ごとの人事に関する働きかけを指すケースが多い傾向です。経営目標の達成を目的とした、より大きな視点かつ長期的なプロセスを持つ人材戦略とは意味合いが少々異なります。ただ、具体的な解釈や用途は企業ごとに違いがある点には注意が必要です。一般的な解釈は、説明した通りですが実際の使われ方に関しては、そのときどきの文脈などで解釈する必要があります。
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人材戦略が重要である理由

企業が正常な運営を実現し成長を目指すには、ヒト・モノ・カネ・情報の4つの資源が欠かせません。そのなかで、最も重要な資源とされているのがヒト、つまり人材です。人材は、その他のモノやカネ、情報といった資源を生み出すものでもあり、人材戦略はそのために欠かせない手法ともいえます。これが、人材戦略が企業にとって非常に重要である理由です。

また、人材を資本として捉える経営戦略となる「人的資本経営」が注目度を増してきている点も重要でしょう。人材を道具として捉えるのではなく重要な資源とし、その価値を最大化するための経営戦略が人的資本経営の考え方です。この経営戦略の遂行には、まさに人材戦略が欠かせません。経営の土台であり、根幹をなすものとなる点が、人材戦略が重要視されている理由といえます。

人材戦略に影響を与える社会的変化とは

人材戦略を積極的に練り、実行する必要性はどの企業にもあります。しかし、時代の変化によりその必要性は増し、人材戦略の内容にも変化を与えていることを認識できているでしょうか。ここでは、人材戦略に大きな影響を与える社会的変化に着目し解説していきます。

労働人口の減少

日本では、労働人口の減少が大きな社会問題となりつつあります。人口そのものの減少と少子化の影響によるものですが、人材の確保が不可欠な企業にとっても人材戦略に大きな影響を与える要因となるでしょう。労働人口の減少といった観点において戦略的には、いくつかの方向性が見出されます。人数に着目し、必要なだけの人材を採用市場において獲得するほか、能力に着目し、最低限の人材で同じような成果や業績を上げようとする戦略も一案です。また、採用対象の拡大も検討の価値のある戦略の一つです。

どのような人材戦略を採用するかは、企業の属する産業や実際に行っている業務などにより異なります。ただ、労働人口が今後も減少していくのであれば、その変化に伴い人材戦略を見直したり加速化させたりしなければいけません。コロナウイルスのパンデミックにより出生率が大幅に減ったように、さらに少子化を加速化させる要因が出てくる可能性もあります。そのため、将来を見据えたうえでの人材戦略の立案と実行が求められるでしょう。

人材の獲得競争激化と流動化

労働人口の減少は、人材の獲得競争の激化も生み出しています。また、転職に対する抵抗感を抱く労働者の減少により雇用の流動化も進んでおり、これも人材戦略に影響を与える社会的変化の一つとなっているでしょう。人材の獲得競争で勝ち抜くには、単に給与を上げたりポジションを用意したりするだけでは足りません。他社との差別化や、労働者が真に求めるニーズのキャッチも不可欠です。

また、雇用の流動化は採用だけではなく人材の定着率にも影響を与えます。人材の流出は、多くの企業にとってリスクです。こうした社会的変化への対応には、人材戦略が必要であり、時代やニーズにマッチした戦略を立案しなければいけません。入念な情報の収集と分析も欠かせず、これらの点からも人材戦略が重要かつ複雑なものであることが理解できるのではないでしょうか。

業務の専門化の促進

さまざまな業界で、業務の専門化が進められています。これは、インターネットを含むIT技術の進化や普及により、それらに特化した能力が求められるようになったためでしょう。例えば、社内のDX化が挙げられます。デジタル技術やデータなどを用いて構築されるDX化は、経営層が思い立っただけで推進できるようなものではありません。しかし、DX化が遅れれば時代に取り残され淘汰されるリスクが高まります。

DX化には、専門の知識と技術を持った人材が不可欠です。システムの構築や運用を外注化でまかなえる分野であれば問題ありませんが、内製化が必要な分野もあります。そのような分野に対しては、適切な戦略のもとに人材の確保や配置が行えなければ業務の専門化は進められません。人材戦略が成功すればさまざまな社会的変化に対応でき、別の変化が訪れれば前例を参考に新たな人材戦略の立案も可能です。業務の専門化は、企業にとって大きな財産であり武器となりえます。人材戦略は、それらを積み上げるためにも不可欠な存在です。
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人材戦略の目的

人材戦略は、いくつかの目的を果たすために立案・実行されます。最終的には、経営目標を達成するためのものですが、その過程における目的の達成も非常に重要です。ここでは、メリットにもつながる人材戦略の目的を紹介します。

優秀な人材の獲得

人材戦略の目的は、まず採用活動により人材を獲得することにあります。特に、優秀な人材の獲得は多くの企業が目指すところです。すでに、多くの実績を残し即戦力として活躍できる人材はもちろん、経験は少ないものの若くてポテンシャルを秘めている人材の獲得も目指さなければいけません。人材戦略は、必要な人材を必要な人数獲得するためにも不可欠です。業務の専門化を推し進めている企業においては、プロフェッショナルの獲得や育成も重要な目的となるでしょう。戦略的に採用活動を行わなければ、競合他社に人材を奪われてしまいかねません。また、企業が求めていた人材像とは異なる人の採用の回避も人材戦略の目的の一つです。

人材の定着

採用が適切に行われても、人材が定着しなければ意味がありません。人材の定着も重要な目的の一つとして、人材戦略を練る必要があります。離職の原因が、給与やポジションなどの待遇にあるとは限りません。もちろん、それらに不満があり離職する人もいますが離職者が多い企業は他に大きな原因が隠れている可能性もあります。例えば、ミスマッチや人間関係などが原因で離職するといった具合です。ミスマッチや人間関係、やりがいやモチベーションが湧かないなどに起因する離職は、人材戦略により防止ができます。原因を追求し、それを排除するための人材戦略が立案・実行できれば、人材の定着率も向上するため、結果的にコスト削減の効果ももたらすでしょう。

適材適所の人員配置

人材を適切な部署や業務に配置することも、人材戦略の重要な目的の一つです。従業員の能力を最大限引き出すには、そのための環境や業務を用意しなければいけません。タレントマネジメントは、従業員の情報を一元管理し組織全体で横断的に育成や配置転換、人材開発を行う手法ですが、これも人材戦略の一つとなりえます。適材適所の人員配置により、ポテンシャルが発揮される従業員も出てくるでしょう。また、やりがいが見出せればモチベーションが上がり、離職率の低下も実現可能です。人員配置は、人材の定着にも密接に関係しているため、部署やチームの垣根を超えて人材戦略として取り入れ経営目標の達成を目指す必要があります。
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その他の戦略との連動

企業には、経営戦略があります。さらに、営業戦略や組織戦略、事業戦略などさまざまな戦略を構築している企業も多いでしょう。それらの戦略と人材戦略は、連動していなければいけません。なぜなら、いずれの戦略も人が動かし人の能力や働きによって実現されるからです。各戦略の実行のための適切な人材を採用・配置するのが、人材戦略の役割であり目的となります。そのため、各戦略との整合性が取れていなければいけません。人材戦略のみで考えるのではなく、必ず他の戦略についても考慮しながら組み立てていきましょう。

組織のグローバル化

日本国内の消費者のみを相手にしていれば十分な業績が上げられる時代は終わりつつあります。従来と比べて外国企業も日本国内に参入しているため、競合他社が増えている産業も少なくありません。そもそも、人口自体の減少に伴い消費者が減っている点も無視はできないでしょう。グローバル化は、遅かれ早かれ必須といえます。その際には、やはり専門的な業務を担える人材が必要です。グローバル化の流れにしっかりと乗り、そのなかでも生き残るには専門の知識や技術を持つ人材確保のための戦略が欠かせません。

世界進出を視野に入れていない企業も、同様の戦略の構築と遂行が求められます。消費者の感覚の、ひいては日本社会全体のグローバル化により、人材戦略を用いた組織のグローバル化は避けられないでしょう。

人材戦略を構成する要素

人材戦略は、「採用」「育成」「配置」「定着」「代謝」の主に5つの要素で構成されています。

採用

人材戦略において、最も重要な要素とされているのが「採用」です。採用が実現されなければ、その他の要素も機能はしません。一般的に、優秀とみなされる学歴や経歴を有していても企業にマッチするとも限らない点には注意が必要です。採用において重要なのは、企業が求める人材像と一致する、あるいは極めて近い人材の獲得といえます。企業の知名度を上げたり求人を多く出したりしただけでは、そのような人材の獲得にはつながらないでしょう。まさに、戦略的に採用活動を行う必要があり、そのためのプロセスを丁寧に進めていかなければいけません。求める人材やタイミングによっては、一般的な方法による採用活動が不要なケースもあります。採用方法も多様化しているため、さまざまな可能性とアプローチ手法を模索しながらの人材戦略の立案と遂行が重要です。
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育成

獲得した人材を、企業が求める人材へと育て上げるための「育成」も人材戦略の一部です。人材は、育成次第で企業への貢献度が大きく変わります。適切な育成が行われなければ、ポテンシャルも開花されることはないでしょう。育成に関して大きな効果が発揮される人材戦略の構築により、高い潜在能力があるものの他社が採用を見送った人材の確保なども可能です。潜在能力の見極めに関しては、採用分野の戦略となりますが、育成分野は激化する人材獲得競争を勝ち抜くための重要な要素にもなりえます。

人材戦略において、育成の充実は欠かせません。多くの従業員に共通する全体的な研修や指導も重要であるものの、個別の育成も不可欠です。各従業員の特徴に見合った育成が戦略的に行えれば、より経営目標の達成に必要な人材へと育てられるでしょう。
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配置

人材戦略の目的の一つに適材適所の人材配置がありますが、この「配置」は組織の効率化や生産性の向上、活性化などに大きく関わる重要な要素です。人材戦略が不十分な企業では、しばしば欠員を埋めるための配置転換が行われます。これでは、従業員の持つ能力は十分に発揮されない可能性が高いでしょう。また、一部の人事担当者や管理職の思い込みによる配置も避けなければいけません。人材戦略は、客観的なデータや指標などによって行われる必要があります。配置に関しても同様です。双方向のコミュニケーションを重ねながら、従業員の要望も可能な限り考慮しつつ、適切な配置を目指しましょう。
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定着

「定着」も、人材戦略の目的、かつ構成要素の一つです。離職の多くは、従業員の意思によるものですが、その意思は企業の不十分な人材戦略がもたらしているケースも少なくありません。従業員にすべてを委ねようとするのではなく、人材戦略に問題がないかといった視点を持つ必要があります。配置と同様に、双方向のコミュニケーションが従業員の定着には不可欠です。アンケートやサーベイなども活用し、より多くの意見を吸い上げる方法も効果が期待できます。そのうえで、必要であればさらなる配置転換を試みましょう。

また、人事制度も定着率に影響を与えているケースも少なくありません。定着率が低いようであれば、人事制度の見直しや新たな評価制度の導入も検討する価値があります。
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代謝

日本には、解雇規制があるため、客観的に合理的な理由がなければ、むやみに従業員は解雇できません。しかし、人材の入れ替えは組織の新陳代謝を図るうえで必要だとする考え方もあります。採用や定着とは異なる要素とはなりますが、新しい風を取り込んだりイノベーションの創出が不可欠であったりする場合は、人材戦略の一つの要素となりえるでしょう。もちろん、強引に辞めさせるような手法は避けなければいけません。早期退職を促したり転職先を確保したりするなど、可能な範囲で代謝が行われれば企業にとってはメリットがもたらされる可能性があります。

人材戦略の立て方

人材戦略の具体的内容は、企業により異なるため、決まった立案方法はありません。しかし、人材戦略を立てる際に必要な過程や無視できない要素はあります。それらを踏まえたうえで、人材戦略の基本的な立て方を確認していきましょう。

1.経営戦略の把握と理解経

経営戦略の遂行には、人材戦略が不可欠です。経営戦略を推し進めるのは、人材そのものであり、人材の確保にはそれに特化した戦略が欠かせません。経営戦略と人材の間にミスマッチが生じると、戦略の実行が不可能になったり遅れたりするだけではなく、採用や育成にかけたコストそのものが無駄になる可能性があります。そうした事態の回避のためにも、経営戦略の理解から始めなければいけません。経営戦略は、細分化が可能なケースが多々あります。短期的、あるいは部署や事業ごとの戦略や目標の把握と理解も重要です。

2.現状の可視化と課題の明確化

経営戦略をもとに、現状を可視化します。市場状況や経営状態の把握も不可欠です。可能な限り言語化や数値化する必要もあるでしょう。客観的な指標やデータがあれば、それらを参考に現状を可視化し把握していきます。多くの場合、課題や問題点の発見が可能です。解決の必要性も含めて、それぞれの課題について明確化しておきましょう。

3.優先順位の設定

洗い出された課題に、優先順位を定めます。ただし、すべての課題を一挙に解決するのは困難です。また、解決にかかる時間やコストも課題によって異なります。そのため、重要性だけではなく「早期解決が可能かどうか」「課題解決のために必要なリソース」などを考慮したうえで優先順位を設定しなければいけません。

4.必要な人材像の定義

課題の解決に必要な人材像を定義します。可能な限り具体的な人材像をイメージするのがポイントです。能力や経験、技術や資格だけではなく性格なども含めてイメージしておきましょう。また、必要な人数も明確にしておきます。必要な人材像が定義されていなければ、「採用によりまかなう必要があるのか」「育成や配置により解決可能なのか」が明確になりません。今後のステップにも大きな影響を与えるため、人材像の定義づけは丁寧に行う必要があります。
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5.予算や目標の設定

課題と必要な人材像、期間などから具体的な目標を設定します。求める成果を短期的・中長期的と期間ごとに設定し、それぞれの目標を定めましょう。最終的には、経営目標の達成につながるものとなっていなければいけません。あわせて、その目標達成のための予算の考慮も不可欠です。企業の用意できるリソースは限られています。不測の事態などにも備え可能な限りリソースは抑えておく必要もあるでしょう。また、無理な目標設定も避ける必要があります。予期せぬことや目標の達成が困難な状況に対応するために、複数のシナリオを用意しておくのもポイントです。

6.実現のためのプロセスの設計と実行

目標達成のためのプロセスを設計し、人材戦略を立案しましょう。期間ごとに人材戦略を練る必要もあります。経営目標は、短期間で達成できないケースが少なくありません。目標設定に合わせて短期的・中長期的な視点でプロセスを導き出すことで、より具体的な戦略の立案が可能です。また、採用や育成、配置などの各要素に分解してそれぞれで詳細な戦略を練るのもポイントとなります。要素ごとの戦略を組み合わせた際に食い違いが生じないように調整しながら設計しましょう。人材戦略が構築できたら、実行へと移ります。進捗状況によっては必要なステップまで戻り、再度練り直す柔軟性や対応力も最適な人材戦略の構築と実行には必要です。

人材戦略を効果的に行うためのポイント

人材戦略を効果的に行うには、いくつかの施策やシステムなどを取り入れる必要があります。また、意識改革も重要です。ここでは、人材戦略の効果を最大限享受するためのポイントを紹介します。

人材データを管理し活用する

人材戦略は、感覚的な情報を頼りに行うことはできません。誰が見ても同様の理解が可能な客観的な指標や、データをもとに行う必要があります。そのためには、人材データの管理と活用が不可欠です。さまざまな情報を定量化することも、ポイントとなります。必要に応じて、人材管理システムも導入しましょう。データの管理を横断的に行い、すべての部署で共有できる環境が整えられれば、全社的な人材戦略の取り組みが可能となります。属人的な判断や戦略も避けられ、大きな経営目標の達成のために最適な人材戦略が構築できるでしょう。人材データは採用や育成などすべての要素で活用可能です。タレントマネジメントにも不可欠であり、システムの導入は人材戦略の効率化も期待できます。
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戦略内容や方針を共有する

人材に関するデータや情報だけではなく、人材戦略の具体的内容や方針なども社内全体で共有しましょう。同じ方向を向いて取り組まなければ、食い違いが生じかねません。同じ部署内ではもちろん、それぞれの部署で認識に違いがあると経営戦略の遂行にも支障をきたします。そのため、人材管理システムによる情報共有が重要です。閲覧だけではなくコミュニケーションも図れる環境が整っていれば、より精度の高い人材戦略を組織全体で遂行できます。また、問題発生時や唐突な欠員の際にも全社を挙げての対応が可能です。あらゆるコミュニケーションや対応がスムーズに行われ、組織の強化や活性化にもつながるでしょう。

多様性を重視する

時代の流れや社会情勢の変化により、人材戦略には多様性の受容が不可欠なものとなっています。いわゆる、ダイバーシティ&インクルージョンを取り入れなければいけません。性別や年齢だけでなはなく、国籍や人種、宗教や障害の有無などにも関係なく経営目標達成のために必要な人材の確保が求められます。ダイバーシティ&インクルージョンを取り入れれば、より人材戦略の遂行もしやすくなる効果が期待できるでしょう。また、人材戦略そのものも立案しやすくなります。なぜなら、採用の幅が広がり課題の解決に最適な特徴や専門性を持った人材の確保につながるからです。

また、リモートワークやフレックスタイム制など従業員の要望を取り入れた柔軟な働き方の実現により、採用や定着の面でさらに大きな効果が得られます。そのための制度の導入や評価方法の見直しなども、多様性の受容の一環として人材戦略に取り入れてみましょう。
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立案と改善を繰り返す

どの戦略にも共通するポイントですが、人材戦略も立案と改善の繰り返しが重要となります。これは、最初に組み立てた戦略が成功するとは限らず、途中で新たな課題に直面する可能性もあるためです。人材戦略には、採用だけではなく育成や配置、定着なども含まれるため、中長期的な視点が欠かせません。そのなかで、何度も戦略の見直しを迫られるでしょう。徐々によいものに仕上げることで、経営目標の達成へと近づけます。人材戦略の実行後に評価を行い、より効果的で企業の成長へとつながる人材戦略を目指して積極的に修正や再構築を行いましょう。

まとめ

効果的な人材戦略により経営目標の達成と組織の強化を実現しよう

経営目標のために人事の分野で、さまざまな施策を行う手法が人材戦略です。社会的な変化への対応には、人材戦略が欠かせません。適切な人材戦略は、優秀な人材の獲得や定着、適材適所の人材配置などを実現します。また、人事に関するさまざまな施策を行うため、中長期的な視点での戦略立案も重要です。全社的に取り組み、多様性も受容しながら、立案と改善を繰り返し経営目標の達成や組織の強化を目指しましょう。

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