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組織において、ダイバーシティとよばれる多様性と包括性がますます重要となっています。その中心に位置するのが、「インクルーシブ・リーダーシップ」の概念です。この概念は、従来のリーダーシップの考え方を超え、多様な人材を尊重し活用することを目指します。本記事では、インクルーシブ・リーダーシップの本質やリーダーの種類、リーダーシップを持つ人材をどのように育成していくかについて詳しく解説しています。
インクルーシブ・リーダーシップの定義と重要性
ここでは、インクルーシブ・リーダーシップの定義と、重要な4つの要素を解説していきます。
インクルーシブ・リーダーシップの定義
インクルーシブ・リーダーシップとは、組織内の多様性(ダイバーシティ)を受け入れ、違いを尊重しつつ、チームや組織のメンバー全員の力を最大限に活用して共通の目標に向かうリーダーシップスタイルのことです。インクルーシブ・リーダーは、異なる文化的背景や経験、思考の人たちを包括し、各々が安心して自分の意見やアイディアを表現できる環境を作り出します。
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インクルーシブ・リーダーシップで重要な4つの要素
インクルーシブ・リーダーシップで重要とされるのは、以下の4つの考え方です。
多様性(ダイバーシティ)の活用
グローバルなビジネス環境では、多様な考えやアイディアが革新にとって非常に重要といえます。インクルーシブ・リーダーシップにより期待されるのが、多様性を活用し新しいアイディアや解決策が生まれやすい環境の構築です。
組織の結束強化
インクルーシブ・リーダーシップは、チームや組織のメンバー全員の声を尊重し、価値あるものとして取り入れるのを基本としています。その結果、組織の結束感やモチベーションを高めることが可能です。
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人材の確保と育成
優れた才能は、さまざまな場所に存在しています。インクルーシブ・リーダーシップを取り入れることで多様な文化的背景を持つ人材を引き寄せ、長期的に組織に留まらせることが可能です。
組織の持続的成長
インクルーシブ・リーダーシップによって、多様性を受け入れてうまく活用することが可能です。結果として、組織は持続的な成長やイノベーションを達成する可能性が高まります。
このように、インクルーシブ・リーダーシップの特徴は、様性を受け入れることの価値の理解とわかるでしょう。また、多様性を受け入れることを活用して組織全体の成果を引き上げるリーダーシップスタイルとして、インクルーシブ・リーダーシップは非常に重要な位置を占めています。
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インクルーシブ・リーダーシップが注目される社会的背景
インクルーシブ・リーダーが企業や組織で注目されるようになった背景には、「人材の多様化」と「VUCAの時代」という2つのキーワードがあります。ここでは、2つのキーワードを中心にインクルーシブ・リーダーが注目されるようになった社会的背景を解説していきます。
人材の多様化
グローバル化が進展し、世界各地からの人材が企業や組織に参画するようになってきています。異なる文化背景や価値観、経験を持つ人々が同じ場所で働くことが当たり前の時代となるのです。そのため、多様な人材を適切に活用し、最大限の成果を出すためのリーダーシップが求められるのは当然といえるでしょう。また、最大限の成果を実現するためにはインクルーシブな思考を持つリーダーが不可欠です。
VUCAの時代
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉です。現代社会の不透明で予測困難な状況を表すキーワードとして多く用いられています。このような環境下では、1つの答えや方向性を持って指示するだけの伝統的なリーダーシップだけでは対応しきれません。多様な意見や視点を取り入れ、変化する状況に柔軟に適応する能力が求められるようになってきているのです。
移り変わりの激しい社会的状況下では、変動する状況に柔軟に対応しつつ多様な人材を効果的に活用するリーダーシップが求められています。この要請に応える形で、インクルーシブ・リーダーの役割が注目されているのです。
伝統的なリーダーシップとの違い
ここでは、伝統的なリーダーシップとインクルーシブ・リーダーシップの違いを理解するための主要なポイントを解説していきます。
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意思決定のプロセスの違い
伝統的なリーダーシップでは、リーダーが中心となり主に上から下への指示型で意思決定が行われるのが一般的です。チームや組織のメンバーの意見は二の次とされることが多いとされています。一方、インクルーシブ・リーダーシップはリーダーがチームや組織のメンバー全員の意見やフィードバックを取り入れて意思決定を行うのが特徴です。多様な視点を尊重し、共同での決定が重視されます。
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コミュニケーションのスタイルの違い
伝統的なリーダーシップでのコミュニケーションは、リーダーからメンバーへの情報伝達を中心に行われます。そのため、コミュニケーションは一方通行になりがちです。しかし、インクルーシブ・リーダーシップでは双方向のコミュニケーションが重視されます。リーダーも、部下の意見や考え方を尊重しているのが特徴です。
人材の価値観の違い
伝統的なリーダーシップでは、特定の価値観や能力が重視されます。リーダーが求める基準に合わない人材の場合、評価されることはほとんどありません。一方、インクルーシブ・リーダーシップでは、多様な文化的背景やスキルを持つ人材の価値が重要視されます。また、その人材が組織の利益のために有効に活用されるのが特徴です。
変化との対応の違い
伝統的なリーダーシップの場合、安定した運営を重視する傾向があるために「変化はリスク」としてとらえられます。しかし、インクルーシブ・リーダーシップの場合、「変化はチャンス」と同義です。組織内の多様性を活用して変化に柔軟に対応することにより、新しいアプローチや解決策を模索し見つけ出していきます。
伝統的なリーダーシップは、「リーダー中心」のアプローチに重点を置いていましたが、インクルーシブ・リーダーシップは「メンバーとの共創」を中心に置いているのが特徴です。インクルーシブ・リーダーシップは、組織の多様性を強みとしてとらえ、それを最大限に活用することを目指しています。
インクルーシブ・リーダーの特徴
インクルーシブ・リーダーは、多様なビジネス環境に適応し、チームや組織のメンバー全員を引き上げることができるリーダーシップスタイルを実行できる人物のことです。ここでは、その人物の持つ特徴を解説します。
多様性(ダイバーシティ)の尊重
インクルーシブ・リーダーは、異なる文化的背景や経験を持つメンバーの意見や考え方を尊重することが求められます。その多様性を組織の強みとしてとらえ、活用していくのが特徴です。
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オープンマインドによる対応
インクルーシブ・リーダーは、新しいアイディアや異なる視点にオープンに対応可能することが求められます。変化や新しい情報を受け入れる柔軟性を持っています。
双方向のコミュニケーションを重視
インクルーシブ・リーダーは、上下関係のコミュニケーションだけではなくチームや組織のメンバー全員との双方向のコミュニケーションを重視しているのが特徴です。フィードバックを受け入れ、対話を奨励することにより、組織内の信頼を深めること目指しています。
共感する能力
インクルーシブ・リーダーは、チームや組織のメンバーの感情や立場を理解し、共感する能力を求められます。これにより、メンバーのニーズや懸念を察知し、必要に応じて適切な対応をとることが可能です。
エンパワーメント
インクルーシブ・リーダーは、チームや組織のメンバーに適切な権限や責任を与えていきます。これは、メンバーが自信をつけ自主性を高めるために重要です。同時に、モチベーションやエンゲージメントが高まります。
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自己認識
インクルーシブ・リーダーは、自身の価値観やよくない点を理解し、それがどのように自身の判断や行動に影響しているかを自覚しています。この自己認識により、偏りのない意思決定が可能です。
学習意欲
インクルーシブ・リーダーは、常に学び続ける姿勢を持ち、自身のスキルや知識を更新し続けています。また、組織内での学びを奨励し知識の共有や新しいアイディアの導入を促進するのもインクルーシブ・リーダーの特徴です。
このように、インクルーシブ・リーダーは多様性を尊重し、チームや組織のメンバー全員の能力や知識を最大限に活用することを目指していることがわかります。リーダーシップスタイルは、複雑で変動の激しいビジネス環境において組織の成功に不可欠です。
リーダーの種類とそれぞれの特性
ここでは、リーダーの種類と特性として、「支配型リーダー」「奉仕型リーダー」「インクルーシブ・リーダー」を比較して解説していきます。
支配型リーダー(Authoritative/Commanding Leader)
支配型リーダーの特性は、主に「指示中心」「一方通行のコミュニケーション」「リーダーに集中する決定権」「明確な役割分担」などです。支配型では、リーダーが中心となり明確な指示や命令によってチームや組織をけん引します。コミュニケーションは、リーダーから部下への情報伝達が中心です。そして、意思決定はリーダーが中心となって行うため、部下の意見はあまり重視されません。また、チームや組織のメンバーには、明確な役割や仕事が与えられています。このような特性から、支配型リーダーが適している状況は、緊急時の際に迅速な決断や行動が求められるシチュエーションなどです。
奉仕型リーダー(Servant Leader)
奉仕型リーダーの特性は、主に「メンバーの成長と福祉の優先」「双方向のコミュニケーション」「エンパワーメント」「共感とリスニングの能力」などです。奉仕型リーダーは、チームや組織のメンバーの成長や福祉をサポートすることを最優先としています。コミュニケーションで重視しているのは、メンバーの意見やフィードバックを積極的に取り入れた双方向型です。そして、メンバーの自主性や独立性を奨励し、成長をサポートしています。
また、メンバーの感情やニーズを尊重し、耳を傾ける能力が高いことも奉仕型リーダーの特性です。このような特性を持つ奉仕型リーダーが適している状況は、長期的なメンバーの育成や組織の成長を目指し、チームの結束を重視する状況といえます。
インクルーシブ・リーダー(Inclusive Leader)
インクルーシブ・リーダーの持つ主な特性は、「多様性(ダイバーシティ)の尊重」「双方向のコミュニケーション」「自己認識の高さ」「共同での意思決定」などです。インクルーシブ・リーダーは、異なる文化的背景や経験を持つメンバーの意見や考え方を尊重し、メンバー全員との対話を奨励し、情報共有を促進します。また、自身の価値観やよくない点を理解し、それが判断や行動に影響しないようにすることも大切です。多様な視点を取り入れ、チームや組織全体での意思決定を重視することも、インクルーシブ・リーダーの特性といえます。このような特性が適している状況は、グローバルな業務や多様な人材を持つ組織、それにイノベーションを追求する状況などでしょう。
これらのリーダーシップスタイルは、一概に「これが最良」とはいえません。なぜなら、チームや組織の体質や目的、状況などさまざまな要因に応じて最適なスタイルが異なるからです。重要なのは、状況や要求に合わせて柔軟にスタイルを適用できるリーダーであることといえます。
インクルーシブな人材を育成する方法
インクルーシブな人材を育成することは、多様な意見や価値観を持つメンバーがともに働く組織において不可欠です。ここでは、その育成方法をわかりやすく解説していきます。
多様性(ダイバーシティ)とインクルージョンの教育
多様性とインクルージョンの教育に重要なのは、定期的なトレーニングやワークショップを実施し、多様性の重要性や偏った考え方の危険性について教育することです。ケーススタディやシミュレーションを通じて、実際の業務場面でのインクルーシブな対応の方法を学んでいきます。
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メンタリングとコーチング
経験豊富なメンターやコーチから、インクルーシブな考え方や行動の具体的な方法を学ぶことも重要といえます。なぜなら、今までにメンターやコーチが実践してきたインクルーシブな行動や経験は具体的なモデルとして参考になるからです。具体的には、メンタリングやコーチングを通じて実際の業務場面での課題や困難を共有し、ともに解決策を考えていくことが有効とされています。
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多様なチームの経験
異なる文化的背景や、専門分野を持つメンバーとのチームプロジェクトに参加することで多様性を実際に体感することが可能です。また、チーム内でのコミュニケーションや協力を通じてインクルーシブな考え方や行動の重要性を実感していきます。
フィードバックの促進
定期的なフィードバックを実施し、自身の行動に対するメンバーの意見や感想を受け取ることが大切です。これにより、フィードバックをもとにして自身の考え方の偏りや認識の誤りを修正し、インクルーシブな考え方や行動を強化していくことができます。
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自己学習と自己認識の促進
書籍やオンラインコースなどの教材を利用して、インクルーシブな考え方や行動の方法を学ぶことが可能です。自己反省の時間を持ち、自身の行動や態度、価値観について考えることで自己認識を深めることができます。
組織全体の体質づくり
組織のトップがみずから多様性とインクルージョンの重要性を強調し、それを組織体質として定着させることが重要といえます。なぜなら、インクルージョンを実践することにより、組織の柔軟性と適応能力を高めることができるからです。具体的には、人事評価や昇進の基準に、インクルーシブな考え方や行動の具体的な指標を取り入れていくのが有効とされています。
インクルーシブな人材を育成するためには、教育や実践の場の提供はもちろん、組織全体の体質や価値観の変革が不可欠です。定期的な取り組みや評価を通じて、組織全体でインクルーシブな考え方や行動を奨励し、浸透させることが求められます。
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経験豊富なメンターやコーチがもたらすインクルーシブ・リーダーシップの効果
組織のなかで、リーダーシップをとるには単に指示を出す能力だけではなく多様なメンバーを含むチームや組織のなかでの共感や理解、それらを活かす能力が求められます。このスキルを磨くためには、経験豊富なメンターやコーチの役割が非常に重要です。ここでは、メンターやコーチがもたらすインクルーシブ・リーダーシップの効果を詳しく解説していきます。
模範となる行動の実演
経験豊富なメンターやコーチは、自身が過去の経験から学んできたインクルーシブ・リーダーシップの具体的な行動を示してくれます。経験豊富なメンターやコーチの行動や言動は、新しいリーダーやチームメンバーにとって格好の学びの材料です。特に、多様な背景を持つメンバーとの相互作用のなかでのコミュニケーションや問題解決のアプローチは、非常に参考となります。
具体的なフィードバックの提供
経験豊富なメンターやコーチは、リーダーの行動や判断に対して具体的で実践的なフィードバックを提供します。これにより、リーダーは自分の行動や考え方偏りを認識し、よりインクルーシブなアプローチをとるための改善点を見つけることができます。
共感と理解の深化
経験豊富なメンターやコーチとの対話や共同作業を通じて、リーダーは多様な背景を持つ人々の視点や感情を理解し、共感する能力を磨くことができます。これは、組織内での関係構築やコミュニケーションの効果を高めるために非常に重要です。
新しい視点の紹介
経験豊富なメンターやコーチは、異なる業界や文化、世代などの経験を持つことが多いため、リーダーに新しい視点や考え方を与えてくれます。これにより、リーダーは固定観念から抜け出し、多様な状況や課題に対して柔軟に対応する能力を磨くことが可能です。
経験豊富なメンターやコーチとの関わりは、リーダーがインクルーシブ・リーダーシップのスキルや考え方を獲得・磨くための効果的な手段となることがわかります。経験豊富なメンターやコーチの知識や経験は、リーダーが組織のなかで多様なメンバーと有意義に連携し、ともに価値を生み出すための強力なサポートとなるでしょう。
インクルーシブ・リーダーシップのメリットとデメリット
インクルーシブ・リーダーシップは、多様性を尊重し、組織内の全員の声を大切にするリーダーシップスタイルです。ここでは、そのインクルーシブ・リーダーシップのメリットとデメリットを、わかりやすく解説していきます。
インクルーシブ・リーダーシップのメリット
インクルーシブ・リーダーシップの主なメリットは、以下の5つです。
高いイノベーション
従来の方法や考え方に固執することなく新しいアイディアや解決策を求めることができるため、新しいアイディアやソリューションが生まれやすくなる点はメリットです。インクルーシブ・リーダーシップは、多様な意見や視点を取り入れることができるため、結果的に1つの問題に対して多用な解決策が考えられるようになります。
チームの結束力向上
チームや組織のすべてのメンバーが受け入れられ、意見や考え方が尊重されていると感じることでチームの結束力やモラルが高まる点もメリットです。受け入れと尊重は、相互の信頼を築く基盤となります。そのうえ、メンバーは感じたことや懸念に思ったことを共有しやすくなるため、誤解や対立の減少も期待できるでしょう。
リクルートメントと人材の引き留め
インクルーシブなチームや組織は、新たな人材の採用や優秀な人材の引き留めにとってもメリットといえます。これは、インクルーシブなチームや組織は所属感や尊重、成長の機会を提供するため、新たに優秀な人材を引きつけることが理由です。チームや組織のメンバーにおいては、エンゲージメントを高める結果になります。
顧客との良好な関係
インクルーシブ・リーダーシップにより、多様な顧客層への対応が可能です。これは、さまざまな視点から市場を解析し多用な顧客のニーズや期待をより深く理解できるようになるのが理由といえます。そのため、市場のニーズをとらえやすく顧客満足度が向上しやすいといえるでしょう。
リスクの低減
インクルーシブ・リーダーシップは、さまざまな視点を持つメンバーからのフィードバックを受け取ることが基本です。これにより、意思決定の際の偏りや盲点を低減できることもメリットといえます。
インクルーシブ・リーダーシップのデメリット
インクルーシブ・リーダーシップの主なデメリットは、以下の5つです。
意思決定の遅延
インクルーシブ・リーダーシップでは、さまざまな意見を取り入れることが必要です。そのため、意思決定に時間がかかる場合があります。
コンセンサス(意見の一致)を形成する難しさ
インクルーシブ・リーダーシップでは、さまざまな意見や価値観を尊重することが必要です。このことが、全員の合意を得ることを難しくすることもあります。
短期的な業績の圧迫
インクルーシブな意思決定や活動の実施には、通常のリーダーの場合よりも時間とリソース(人材や資金や物資)が必要です。そのため、短期的な業績に影響が出る場合があります。
対立の発生
インクルーシブ・リーダーシップでは、多様な意見や価値観の違いからチームや組織内部での対立が発生するリスクがあります。
高いリーダーシップの要求
インクルーシブ・リーダーシップでは、異なる背景や考え方を持つメンバーをまとめ上げることが必要です。これは、高いコミュニケーション能力や理解力をリーダーに要求します。
このように、インクルーシブ・リーダーシップには多様性を活かすことでもたらされる多くのメリットのあることがわかります。しかし、その運用には高いリーダーシップ能力が必要です。それが不可能な場合は、インクルーシブ・リーダーシップによるデメリットが目立つことにもなりかねません。チームや組織の体質や目的、リーダーのスキルに合わせてインクルーシブ・リーダーシップの適切な適用が求められています。
まとめ
未来を導くインクルーシブ・リーダーシップの実践へ
インクルーシブ・リーダーシップは、組織運営のキーワードとしてますます重要になってくるでしょう。従来のリーダーシップの枠を超えて、多様性を受け入れ、それを最大限に活用することが求められます。また、インクルーシブな考え方を持つ人材を育成することで組織の持続的な成長とイノベーションを促進することが可能です。組織を未来へ導くのは、インクルーシブ・リーダーシップの導入とその実践にあるといえるでしょう。