戦略人事とは?定義から事例、フレームワークまで徹底解説

戦略人事とは?定義から事例、フレームワークまで徹底解説

変化の激しいVUCA時代において、経営戦略と人事戦略を連動させる「戦略人事」に注目が集まっています。

本記事では「戦略人事」の定義や注目を集める背景、戦略人事の機能、戦略人事の実践ステップや活用できるフレームワーク、戦略人事を導入している企業の事例について解説します。

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戦略人事とは

はじめに、戦略人事の定義や目的、人事戦略との違いについて解説します。

戦略人事の定義と目的

戦略人事とは、経営戦略や事業戦略と連動した人事戦略を策定・実行し、経営目標の達成を目指す取り組みを指します。

学術的には「戦略的人的資源管理(Strategic Human Resource Management)」と呼ばれ、SHRMと略します。

経営戦略とは、経営目標を達成するための方針を意味する言葉です。経営資源である人・もの・金・情報をどのように配分し、どう活用していくかを定めます。

一方、人事戦略(人材戦略)とは、経営目標の達成に向けて自社の人的資本に投資して、その力を最大化させるための方針です。

これらの経営戦略と人事戦略を関連付けて行われる取り組みを戦略人事と呼びます。

戦略人事と人事戦略の違い

「戦略人事」と「人事戦略」は近しい概念ですが、「対象」と「視点」に明確な違いがあります。

「人事戦略」は採用や育成、評価、報酬などの仕組みをどのように設計し、どのような人材を育てていくかを定める「人事部の計画」のことです。

例えば、「新規事業のために専門人材を半期で10名採用する」「世代交代のため、中堅社員に特別研修を実施する」など、人材に対する具体的な施策や方針を指します。

一方で、「戦略人事」は、経営戦略や事業戦略と密接に連携し、従業員の力を引き出して企業の競争力を高めていく取り組みです。

経営目標から逆算して、人的資本をどのように社内で配置し、動かしていくかを経営レベルで定めます。

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なぜ今戦略人事が注目されているのか

戦略人事が注目される背景として、グローバル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、少子高齢化による労働力人口の減少など、めまぐるしい事業環境の変化があります。

企業は、変化に対応できるスキルや経験、知識を持った人材を獲得しなければ、継続的な事業成長が危ぶまれる現状です。

また、人材をコストではなく「資本」として捉え、企業価値向上に寄与する「人的資本経営」の影響も、戦略人事が注目される要因の1つです。

企業競争力の源泉として「人的資本」が重視されるようになった今、戦略人事の重要性は一層高まっているといえるでしょう。

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戦略人事に必要な4つの機能

戦略人事を提唱したデイビッド・ウルリッチは、戦略人事を実現するために、4つの機能が重要だと述べています。ここでは4つの機能について解説します。

HRBP

HRBP(Human Resource Business Partner)とは、人事面から経営者や事業部門の責任者のパートナーとなり協業し、人事の立場から事業成長を支援する役割を持ちます。

担当する事業の事業方針やビジョンを理解した上で、経営陣や事業部門に人事知識を生かしたアドバイスやサポートを行い、人材戦略の実現を目指します。

従来の人事部は、採用オペレーションや給与計算など、人事の実務を実行する役割を担っていました。しかし、HRBPは経営者や事業責任者と同じ目線で事業に関わり、どのように事業を成長させるかについて考え、日々の課題解決を推進していく戦略的なパートナーとなります。

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CoE

CoEとはセンターオブエクセレンス(Center of Excellence)の略称で、組織の中核となる部署や研究拠点を指します。企業が持つ人材や技術、データ、ノウハウを1か所に集約し、HRBPの相談役となりながら戦略人事を支えます。

CoEは人事領域における専門的な企画立案や戦略設計の役割を担います。具体的には採用計画の立案や評価制度の構築、研修プログラムの策定などがあります。

またCoEが人事におけるKPI(Key Performance Indicator)を把握し、経営層などのステークホルダーに随時フィードバックすることで、経営戦略と人事戦略の連動性を担保することもできます。

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OD&TD

ODとは、Organization Developmentの略称で、日本語で組織開発を意味します。一方、TDはTalent Developmentの略称で、人材開発を指します。両者とも、経営戦略や事業戦略を実行に移すための組織作りや人材育成を指す役割を持つ立場です。

ODは、企業理念やMVV、経営方針などを従業員に浸透させ、経営戦略や事業戦略を実現できる組織作りをミッションとしています。

TDは、経営戦略や事業戦略の実現に向けて従業員を育成し、業務で成果を出せるようにサポートを行います。

組織開発と人材開発はどちらか一方だけでは成果は生まれず、両輪で回すことで初めて経営目標の達成に近付きます。

Ops

Ops(オペレーションズ)とは、CoEが策定した施策を実行する部門のことです。具体的には採用活動や給与計算、労務管理などのオペレーション業務が該当します。

これらの人事業務は、専門性に加え、正確性や効率性が求められ、外部に委託されるケースも増えています。

例えば、採用業務を外部委託するRPO(Recruitment Process Outsourcing)や、給与計算のBPOサービスを導入する企業が増加しています。

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戦略人事を実践するためのステップ

戦略人事を実践するためのステップを紹介します。

経営戦略との連動

戦略人事の第一歩は、経営戦略と人事戦略をしっかり結びつけることです。まず自社のビジョンやミッション、パーパス(存在意義)を正しく理解し、経営が何を目指しているのかを把握しましょう。

経営戦略を理解した上で、「人材のどんな力を強化すれば戦略を実現できるか」を明確にします。

例えば、事業拡大を目指す企業であれば採用や配置に重点を置き、イノベーションを重視する企業であれば育成や評価制度を見直すといった考え方です。

このように、経営目標を人の観点に落とし込むことが、戦略人事のスタートラインとなります。

現状分析と課題抽出

経営戦略を実現するために自社の現状を分析し、課題を抽出します。現状分析や課題の抽出の際は、フレームワークを活用することも有効です。

例えば、人的資本経営の伊藤レポートで提唱された、As-IsとTo-Beに分けた現状分析方法があります。

As-Is:現状の人材分析(スキル、経験、能力など)

To-Be:経営戦略実現に必要な人材要件(質・量)

As-IsとTo-BeからGap分析を行い、取り組むべき課題を明確にしましょう。

中長期的な人員計画の策定

中長期的な人員計画の策定も、戦略人事の実践には欠かせません。人員計画とは、企業目標を達成するために、どの人材を何名雇用してどこに配置するかを定めるものです。

要員計画の中核として各部署の育成計画や組織開発の計画といった人員計画を詳細に定めることで、人材の活用方針を明確にします。

策定にあたっては経営戦略や企業によって策定している中期経営計画を確認し、経営戦略や中期経営計画のゴールから逆算し、人事施策を具体化していきます。

経営戦略に基づいた採用計画と人材要件の策定

現状分析を行って抽出した課題に対して、経営戦略と連動した採用計画や人材要件の策定を行います。

採用計画の策定においては、経営戦略を実現するために必要な人材要件を明確にして、経験、スキルなど求める人物像を定めていきます。

採用計画と人材要件を策定する際は、人数、採用期限、採用手法、コストといった細かな項目もあわせて検討します。

KPIの設定と目標策定

次に人事における目標とKPIを設定します。経営戦略が目指す目標・ゴールを実現するために、現在の課題と照らし合わせて目標を設定しましょう。

KPIは目標から分解・具体化し、従業員の人数、スキル取得状況、従業員エンゲージメントなどの項目を設け、進捗状況をモニタリングできるようにします。

またKPIをモニタリングできるよう、必要なデータを収集・分析できる体制を整えておくことも重要です。

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アクションプランの作成と実行

KPIの設定と目標の策定ができたら、次にアクションプランの作成と実行に移ります。設定したKPIに基づいたアクションプランを作成・実行しましょう。

アクションプランの策定では、誰がいつまでに何をするかを明確にし、実行・管理することが重要です。

アクションプランが多岐にわたる場合は優先順位をつけ、期限を設けて計画的に実行します。

検証と改善

実行したアクションプランの検証と改善も重要なステップです。KPIの進捗状況に応じて、アクションプランの改善を行います。

また経営環境の変化や経営戦略の見直しに応じた改善も必要です。

外部環境に目を配り、経営戦略と人材戦略が連動しているかを定期的に検証し、必要に応じて改善を図ります。

戦略人事に活用できるフレームワーク

戦略人事を実現するにはさまざまなフレームワークを活用することが有効です。ここでは戦略人事に活用できる6つのフレームワークを紹介します。

SWOT分析の活用法

SWOT分析とは自社を取り巻く環境を、内部と外部の4象限に分類して分析する手法です。

内部環境Strength(強み)Weakness(弱み)
外部環境Opportunity(機会)Threat(脅威)

これらの4つの観点で自社の状況を整理することで、客観的に自社における人材や保有スキル、専門知識の過不足を把握することができます。

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PEST分析で外部環境を把握

PEST分析とは政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Social)、技術(Technology)の4つの外部環境要因を評価する方法です。PEST分析で外部環境を把握することで、戦略人事の精度を高めることが可能です。

例えば、政治的要因では労働法改正や社会保険制度の変更、経済的要因では景気動向や人件費上昇が影響します。社会的要因では多様な働き方やジェンダー平等の意識が広がり、技術的要因ではAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展によって求められるスキルが変化します。

PEST分析を用いれば外部環境を把握し、人事戦略に反映できるでしょう。

7Sフレームワークによる内部環境分析

7Sフレームワークとは米国の大手コンサルティングファーム「マッキンゼー・アンド・カンパニー」が提唱したフレームワークです。

7Sフレームワークの構成要素は組織の構造的要素(ハード面)と文化・人的要素(ソフト面)の合計7つに分類されます。

組織の構造的要素(ハード面)

  • 戦略(Strategy)
  • 組織構造(Structure)
  • システム(Systems)

文化・人的要素(ソフト面)

  • 共通の価値観(Shared Values)
  • スキル(Skill)
  • 人材(Staff)
  • 組織風土(Style)

7Sフレームワークでは組織のあらゆる側面を体系的に評価できるため、自社の内部環境を把握することに役立ちます。

例えば、スキルと人材の側面から組織が求める人物像を明確にし、従業員の成長を支援する研修を計画することができます。

ロジックツリーで課題を構造化

ロジックツリーは掲げた目標の達成に向けて必要な要素を分解し、ツリー状に展開することで真の問題や課題を把握する手法です。

ロジックツリーを用いると全体像を把握でき、根本課題の特定が容易になります。

例えば、ロジックツリーを用いて離職率の高さという課題を掘り下げていくと、「教育体制」「職場環境」「待遇・福利厚生」などの要因に分解できます。

さらに「教育体制」は「OJTの質」「研修機会」「研修内容」「自己啓発の機会提供」などに分解でき、体系的な課題把握と具体的な改善策の立案が可能になります。

ケプナー・トリゴー法による論理的分析

ケプナー・トリゴー(Kepner-Tregoe)法とは問題解決や意思決定を行うとき、論理的に分析し、最適な解決策を導く手法です。

ケプナー・トリゴー法は感覚的な判断に頼らず、データや論理に基づいて分析を行うことが特徴で、人事戦略において問題の原因特定や、施策の優先順位を明確にできます。

例えば、営業で高業績を上げる人材の特徴をケプナー・トリゴー法で分析・特定することで、効果的な育成・研修プログラムの立案に役立つでしょう。

PPM分析による経営資源の最適化

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析とは、自社の事業や製品を「花形(Star)」「金のなる木(Cash Cow)」「問題児(Question Mark)」「負け犬(Dog)」の4つに分類し、資源配分を最適化する手法です。

経営資源の1つである人材の配置や採用・育成を最適化させる際に役立ちます。

例えば、「負け犬」事業に属する人材をリスキリングし、成長領域へ配置転換するほか、「花形」や「金のなる木」で求められるスキルや知識の研修を行います。人材タイプごとに適切なアプローチをすることで、人材の有効活用につながるでしょう。

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リスキリングとは?DX人材育成の企業における重要性と導入方法

「大変」「時間がかかる」評価業務の負担を軽減

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戦略人事の施策例

戦略人事における具体的な施策例を紹介します。これから戦略人事に取り組む際の参考にしてください。

ダイレクトリクルーティングの活用

ダイレクトリクルーティングとは、自社が求める人材からの応募を待つのではなく、候補者に対して企業側から直接アプローチをかけ、採用につなげる手法です。

経営戦略や事業戦略を実現するために最適な人材を見つけ出し、採用に結びつけることから経営戦略と連動した人材獲得手段として、戦略人事において重要な位置づけとなります。

ダイレクトリクルーティングは人材データベースサービスやビジネスSNSを通じたスカウトに加え、従業員の紹介によるリファーラル採用、退職者のネットワークであるアルムナイ採用など、さまざまな手法があります。

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人材ポートフォリオの作成

人材ポートフォリオとは、企業の経営戦略や事業戦略を実現するために必要な人材の質と量を最適化する手法のことです。

人材ポートフォリオを作成することで、現状の人材バランスと将来的に求められる人材像を可視化し、最適な人材戦略を策定できます。

人材ポートフォリオは経営戦略や事業戦略に基づいて将来必要となる人物要件を定義することから、戦略人事の施策の1つといえます。

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タレントマネジメントの導入

戦略人事を推進する上で、タレントマネジメントは中核的な役割を果たします。

タレントマネジメントとは、従業員一人一人のスキル・経験・知識・価値観などを可視化し、経営戦略や事業戦略の実現に向けて、最適に配置・育成していく人材マネジメント手法です。

タレントマネジメントを導入することで、人材情報をデータとして一元管理できるようになります。その結果、採用・育成・評価・配置といった各施策をバラバラに運用するのではなく、戦略に基づいて一貫した人材運用ができるようになります。

タレントマネジメントは、経営戦略を人の力で実現するための基盤として、経営戦略を「人」で実現するための、戦略人事における土台となる仕組みです。

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戦略人事実践のための3つのポイント

戦略人事を組織に根付かせ、成果につなげるために押さえておきたい3つの重要なポイントをご紹介します。

経営戦略との整合性を意識する

1つ目のポイントは経営戦略と戦略人事の整合性を意識することです。

戦略人事を計画・推進するうえでは、まず経営戦略の方向性や優先事項を正確に理解し、それに基づいた人事施策を設計する必要があります。

また戦略人事で計画した内容を推進・実行してもらう従業員には、戦略人事が経営目標の実現とどう結びつくのかを、丁寧に伝えることが欠かせません。

従業員エンゲージメントへの配慮

戦略人事を推進する際、従業員のエンゲージメントへの配慮が欠かせません。

どれほど優れた施策でも、現場が納得し、自ら取り組もうとする意識がなければ、施策は形だけに終わってしまう恐れがあります。

新しい制度や仕組みを導入する際には、まず従業員の現状や課題を把握し、受け入れやすい導入方法を検討しましょう。

また、現場の管理職や従業員の協力が必要な施策では、その目的や背景を丁寧に説明し、「なぜ今この施策に取り組むのか」を明確に伝え、共感を引き出すことが鍵となります。

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人事領域での目標と成果を定める

戦略人事を実効性のあるものとするためには、経営目標と連動した人事部門の目標と評価指標(KPI・OKR)を具体的に定めることが不可欠です。

人事施策の成果を数値で可視化し、経営にどのように貢献できているかを確認できる仕組みを整えましょう。

OKR(Objectives and Key Results)は、人事部門として「何を目指すのか(Objective)」と「どの状態を成果とするのか(Key Results)」を定めるための指標です。

一方、KPI(Key Performance Indicator)は、そのOKRを達成するために必要な中間指標として、日々の取り組み状況を測定するために用いられます。

OKRで「目指す成果」を示し、KPIで「進捗を測る指標」を設定することで、人事施策を戦略的に運用できます。データに基づいたKPIの進捗管理を通じて、PDCAを回し、戦略人事を継続的に進化させていくことが求められます。

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戦略人事の企業事例

戦略人事をどのように導入するべきか悩まれる方も多いでしょう。ここでは戦略人事を導入している企業の事例を紹介します。

浦和レッドダイヤモンズ株式会社

プロサッカークラブを運営する浦和レッドダイヤモンズ株式会社では、これまで表計算ソフトで管理していた人事データのシステム化・一元管理を目的に、HRMOSタレントマネジメントを導入しました。

導入により組織全体を見える化でき、従業員一人一人の経歴や異動履歴、保有スキルなどが可視化されたことで最適なジョブローテーションが実現することを期待しています。

また面談記録の管理や人事評価システムも一元管理することで、システムの利用頻度を高めています。

日清食品株式会社

日清食品グループでは、中長期戦略にて「戦略を支える人材/組織基盤の変革」を重要なテーマとし、イノベーティブな組織作りを目標に掲げています。

具体的な取り組みとして、階層別研修や自己啓発/資格取得支援制度、選抜型研修、デジタルリテラシー研修などさまざまな研修制度を導入し、人材開発に取り組んでいます。

また2024年度から管理職を対象とした日清流Job型を導入し、従来のマネジメントコースに加えてプロフェッショナルコースを導入するなど、多様なキャリアコースを設けて人材の適材適所の実現を図っています。

株式会社日立製作所

日立製作所では2011年から人財マネジメント変革が始動し、経営戦略に連動した人財戦略に取り組んでいます。

人財戦略において複数の施策を掲げるとともに、2024年度の中期経営計画からは経営目標と連動したKPIを設定しました。

多様な経営リーダーの選抜・育成やデジタル人財の確保・育成、ジョブ型人財マネジメントへの転換など具体的な施策を掲げ、戦略人事に取り組んでいます。

戦略人事を学ぶためにおすすめの本

戦略人事は領域が広く専門性も高いため、どのように学び始めるべきか悩む方も少なくありません。ここでは戦略人事を学ぶためにおすすめの本を3冊紹介します。

図解でわかる!戦略的人事制度のつくりかた

戦略×組織人事のコンサルティングファームが実践するフレームワークを学ぶことができる1冊です。

独自に開発された「人事フレーム」をベースにした5+1ステップのフレームワークを通じて、実践的な制度構築の手順を学べます。

図解を用いて解説されており、ポイントが整理できるので言葉だけではイメージが湧きにくい内容でも分かりやすく見える化されているのがポイントです。

戦略人事のどこから手を付けるべきか悩む方から既に制度を運用している方まで幅広く活用できる1冊です。

MBAの人材戦略

本書は戦略人事を提唱したデイビッド・ウルリッチの著書です。

戦略人事を実現するために必要な要素を、「戦略の実現」「効率的経営」「従業員の貢献促進」「組織変革の推進」の4つの視点から解説しています。

1997年に刊行されたため、本書内の事例はやや古く感じるかもしれませんが、戦略人事を体系的に学ぶことができます。

戦略人事のビジョン

本書の冒頭で人事の役割という根源的なテーマに触れ、従来の「過去に基づく継続性のマネジメント」から「現在と未来を見据えた戦略的マネジメント」への転換について解説しています。

長年、人事部門を歩んできた著者が、人事本来の役割、人のやる気の引き出し方、組織開発の手法、リーダーの育成法などをまとめた1冊です。

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まとめ

変化の激しい事業環境の中で、経営戦略や事業戦略と連動した「戦略人事」の重要性が高まっています。

戦略人事を実現するためには、必要な機能やフレームワーク、具体的な施策を把握し、自社の経営・事業戦略に即した人事計画を立案することが求められます。

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