目次
組織の成長には採用活動が欠かせません。そのためには適切な採用計画を立案する必要があります。
採用計画とは、企業が必要とする人材像や求めるスキル、入社後の役割などを具体的に設定し、その目標に向けて効率的に進めていくための指針です。
この記事では、採用計画の定義、立案手順と多様な採用チャネルについて解説します。加えて、新卒採用計画書と中途採用計画書それぞれの書き方とポイントもご紹介します。
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採用計画とは?
採用計画とは、企業が成長と目標達成を続けるために欠かせない人材を確保するための戦略的な取り組みです。経営方針や事業計画に基づき、採用の目的とゴールを設定し、それを達成するための採用計画を策定します。
採用計画は、組織全体の成長戦略と深く結びついています。無計画に採用活動を行うと、必要な人材を採用できないだけでなく、時間と費用を無駄にする可能性があるため、経営と連動した採用計画を立てることは非常に重要です。
一般的に採用活動は、「母集団形成」「応募受付」「書類選考」「面接選考」「内定対応」といったフェーズに分けられ、それぞれのフェーズでどのような活動を行い、何を達成するべきかを採用計画に反映することが重要です。
採用計画は、企業が成長し続けるために必要な人材を確保し、より効果的で効率的な採用活動を実施するための重要なプロセスといえるでしょう。
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採用計画立案の6つのステップ
採用計画は企業がビジネス戦略を達成するために不可欠なプロセスです。しかし、ただ計画を作るだけではなく、その立案には効果的なステップが必要となります。
採用計画を効果的に立てるための6つのステップを具体的な事例とともに詳細に説明します。
1.求める人材の要件を明らかにする
まず、経営方針や事業計画を整理し、今後どの領域で人材が必要になるか明らかにしましょう。例えば、「ITソリューション事業の顧客満足度を高める」ことを経営方針として掲げた場合、カスタマーサクセスなど顧客接点の多いプロフェッショナルな人材が必要となります。
このように経営方針から逆算して、「どの部署でどのような役割を担う人材が必要か」について議論し、採用要件を定義します。
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2.採用人数を明確にする
業務量から必要な採用人数を算出します。例えば、ITソリューションの需要増により、新たに10名の営業スタッフが必要となるとしましょう。
既存スタッフが5名いる場合、採用すべき人数は5名です。次に、財務面での検証を行います。
5名の採用によって人件費がかかるわけですが、それに見合った会社の予想利益を確保できるかどうかを検証するのです。
予算オーバーの場合、再度業務内容や分担を見直すか、採用人数を調整することになります。
3.採用する人材の雇用形態を明確にする
業務に対する役割分担を最適化します。例えば、顧客対応に関わる業務であれば、顧客との折衝業務は正社員、内部の顧客管理業務はパートタイム労働者や派遣社員など、与える役割や採用難度を踏まえて雇用形態を検討します。
業務内容や役割に応じて、雇用形態を決めて、詳細の労働条件を整理していきましょう。
4.採用手法を明確にする
次に、採用手法を決定します。主要な採用手法としては、例えば求人広告の掲載、人材紹介会社の利用、ダイレクトリクルーティングサービス、SNSの活用、採用イベントの出展などが挙げられます。
募集職種や募集要項、採用エリア、雇用形態にあわせて、適切な採用手法を組み合わせることが重要です。
昨今では、AIを活用したマッチング機能を用いたサービスも多数登場しており、採用広報に注力して、自社メディアを活用するケースも増えています。
可能な限り、複数の採用手法を組み合わせて、候補者との接点を増やすことが求められます。
5.採用スケジュールを明確にする
採用手法を決めた後、採用活動のタスクをスケジュールに落とし込みます。
全体の流れとして「採用計画策定→求人開始→募集→選考→採用決定→入社準備→入社」のフローが一般的です。
このとき、各フェーズごとの対応期限を明確にしておくことが、管理上のポイントです。
フェーズごとの対応を確実に実行するための期間を設定することで、全体で必要な期間が確定します。各ステップにかける時間を見積もり、スケジュールを作成しましょう。
6.採用計画書の内容を共有して運用開始する
ここまでのステップで採用計画を立案したら、いよいよ運用を開始します。
採用計画書の内容は、採用担当者間で共有できるよう、ドキュメントにまとめたり採用管理システムを用いたりすることが望ましいでしょう。
また、採用計画は一度立てて終わりではなく、採用活動の進捗によって定期的に見直しが必要です。
運用途中で振り返りがしやすいよう、定例ミーティングの実施日を先に決め、日々の採用業務の記録を取り続けることが重要です。
多様化する採用チャネル12選
企業が採用活動を行う際のチャネルは多様化しています。以下で、主要なチャネルの例を紹介しましょう。
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1.転職サイト
転職サイトは、求職者と企業をつなぐプラットフォームとして広く利用されています。
例えば、「ビズリーチ」、「リクナビNEXT」、「マイナビ転職」、「doda」などの転職サイトは総合求人媒体とも呼ばれ、エリア・業種・職種を問わず掲載課金型で求人募集を行うことができます。
他にも、「営業職の転職サイト」「地方エリアに特化した転職サイト」など、専門的な転職サイトも多数存在するため、アプローチしたい人材や予算にあわせて複数のサイトを使い分けすることが有効です。
2.人材紹介(有料職業紹介)
人材紹介(有料職業紹介)とは、人材紹介会社が求職者と求人企業を仲介してマッチングした場合、紹介手数料を支払う事業モデルを指します。
厚生労働省の認可を受けた事業者のみが行える免許制で、企業に代わって求職者を集客し、自社求人の紹介を促してくれるものです。
人材を集客するリソースが不足している企業や、掲載課金型の転職サイトを利用しても母集団が少なく、一定数の集客が難しい場合、あるいは募集数が多くスピード感のある採用活動を行いたい企業などに向いています。
3.転職フェア
転職フェアは、企業が求職者に直接アプローチできるイベント型の採用手法です。
大手人材会社が実施する転職フェアでは、1回の開催で1万人以上が来場するものや、年間を通して100回以上実施されるイベントもあります。
そのため、転職サイトや人材会社を利用しても効果を実感できない企業や、求職者とのタッチポイントを少しでも増やしたい企業の利用に向いているでしょう。
転職フェアの中には、地域で運営している小規模なイベントや、「UIターン」「専門学校卒業生向け」などテーマ別で行われるものもあります。いずれも、求職者は企業ブースを回り、自己PRを行ったり、企業の説明を聞いたりすることができます。
転職フェアの当日に簡易的な一次面接を実施する場合もあり、スピード感のある採用が可能です。
4.求人検索エンジン
「Indeed」や「求人ボックス」などの「求人検索エンジン」は、インターネット上のさまざまな求人情報を自動で収集(クローリング)して掲載する仕組みを持つ採用チャネルです。
求人媒体のように特定サイト内だけで完結するのではなく、企業の採用サイトや求人メディアに掲載されたさまざま情報を集めてくるため、求職者は一度の検索で多くの求人にアクセスできるのが特徴です。
Indeedは世界最大級の求人検索エンジンであり、日本でも多くの企業が利用しています。無料で求人を掲載できるほか、クリック課金型の広告を活用することで、より多くの求職者にアプローチできます。
求人検索エンジンは、求職者が自ら条件を指定して検索する「能動的な求人探索」に強く、採用コストを抑えながら幅広い層にリーチできる手法として注目されています。
5.人材派遣(労働者派遣)
人材派遣(労働者派遣)は、派遣元事業主が雇用する派遣社員を受け入れ、自社の指揮命令のもとで働いてもらう手法です。
人材会社と同様に、厚生労働省の許可を受けた事業主のみが労働者派遣業を行うことができます。
労働者派遣は、一時的な需要供給のため使われることも多いですが、派遣で数ヶ月間働いたのち、派遣先企業の正規雇用に切り替える「紹介予定派遣」という仕組みもあります。
派遣を選ぶ求職者は、転勤が多かったり、育児・介護等と両立するため柔軟な働き方を希望したりする傾向がある一方で、専門スキルを持ち、即戦力となるケースも少なくありません。
単なる一時的な欠員補充ではなく、正社員では採用が難しい募集ポジションにおいて、派遣を利用するのも有効でしょう。
6.ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が運営する公共の雇用サービス機関で、全国の企業が無料で求人を掲載できる採用チャネルです。
求人票を提出すれば、「ハローワークインターネットサービス」を通じて全国の求職者が閲覧可能となり、地方や中小企業でも幅広く応募を募ることができます。
ハローワークは、採用コストを抑えたい企業や、地元人材・シニア層・再就職希望者などをターゲットとする場合に有効です。
特に雇用保険の失業手当の受給者や就職支援プログラムを利用している求職者が多く利用するため、安定志向・地元志向の人材にリーチしやすい傾向があります。
また、ハローワーク経由の採用は、一定の要件を満たすことで各種助成金(トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金など)の対象となる場合があります。採用コスト削減だけでなく、雇用政策と連動した採用施策を検討する企業にとっても、有効なチャネルといえるでしょう。
7.オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアリクルーティングとは、自社の採用サイトやコーポレートサイトなど、自社が保有・運用するオウンドメディアを活用して人材採用を行う手法です。
外部の求人媒体に加えて、自社発信を強化することで、中長期的に応募者と関係構築をしていきます。
オウンドメディアは、転職サイトのように掲載期間が限定されておらず、自由に情報を発信できます。
単なる求人情報の紹介にとどまらず、社員インタビューや人事制度紹介、企業理念などを発信することで、求職者に自社のカルチャーや価値観を深く理解してもらえる点が特徴です。
そのため、カルチャーマッチを重視する企業や、企業ブランディングを強化したい企業に向いている手法といえるでしょう。
8.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら人材プラットフォームなどで求職者を探し、一人一人に直接声をかけていく採用手法です。
ダイレクトリクルーティングのプラットフォームも多数登場しており、プラットフォームを利用する場合は「3ヵ月間で400通」「半年間で10000通」などとスカウトが付与され、期限内にダイレクトスカウトの配信を行います。
有料のプラットフォームではなく、「LinkedIn」や「X(旧Twitter)」といったSNSを活用して、ダイレクトリクルーティングを行う企業も見られます。
ただし、SNSを活用する場合は、ユーザーが転職意欲が高いとは限らない点に注意が必要です。
掲載課金型や人材紹介など、「待つスタイル」の採用活動から、能動的な採用活動に切り替えたい企業に向いている手法といえるでしょう。
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9.ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとは、「X(旧Twitter)」やInstagram、LinkedInなどのSNSを活用して行う採用手法を指します。
求人情報の発信だけでなく、従業員や経営者による日常的な発信を通じて、企業文化や働く雰囲気を伝えることができるのが特徴です。
従来の求人媒体のように応募を待つのではなく、SNSを通じて潜在的な候補者と継続的に接点を持ち、「ファン化」から応募につなげることを目的としています。
特に若年層やデジタル業界の人材に対しては、企業の人となりや価値観を伝える上で効果的です。
一方で、SNS運用には継続的な発信力と炎上リスクへの配慮が求められるため、社内ルールを整え、取り組むことが重要です。
10.リファーラル採用
リファーラル採用とは、在籍する従業員や取引先、関係者などからの紹介によって人材を採用する手法です。
従業員が自らのネットワークを通じて、自社に合いそうな人材を推薦する仕組みで、近年は多くの企業が制度として導入を進めています。
リファーラル採用では、従業員が信頼できる人を紹介するため、スキルやカルチャーフィットの面でミスマッチが少なく、定着率が高い傾向があります。また、採用広告や人材紹介にかかるコストを抑えられる点も大きなメリットです。
一方で、従業員の紹介を促すための報奨制度や周知施策が欠かせず、「紹介したくなる職場づくり」そのものが成功の鍵となります。
リファーラル採用は、採用チャネルであると同時に、従業員エンゲージメントを高める施策としても注目されています。
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11.ヘッドハンティング
ヘッドハンティングは、企業が求める条件に合致する人材を、転職意向の有無にかかわらず直接スカウトする採用手法です。
専門のヘッドハンター(エグゼクティブサーチコンサルタント)が候補者を特定し、企業との間を仲介します。
主に経営層、マネジメント層、専門スキルを要する即戦力ポジションなど、通常の求人では出会いにくい人材の採用に活用されます。
候補者の経歴や実績をもとにアプローチするため、採用の精度が高く、スピード感を持って採用できるのが特徴です。
一方で、候補者との信頼構築に時間を要するため、費用は比較的高額です。重要ポジションの採用や新規事業立ち上げ時など、確実に実績人材を迎えたい場合に適しています。
12.ミートアップ
ミートアップとは、採用に限らず、特定のテーマや職種、業界に関心を持つ人々が集まる交流イベントを指します。
採用担当者が自社の技術や事業テーマに関連するミートアップを主催・協賛・参加することで、候補者と自然な形で接点を持つことができます。
従来の面接や求人サイトでは伝わりにくい企業の雰囲気や価値観を、リアルな対話を通じて伝えられる点が魅力です。また、参加者側も「情報交換」や「スキルアップ」を目的に参加していることが多く、潜在的な転職層との関係構築に有効です。
近年では、オンライン開催のミートアップや技術コミュニティ、業界イベントと連動した採用施策も増えています。ミートアップをきっかけにSNSでつながり、継続的に関係を育てることも、ダイレクトリクルーティングの一環として効果的です。
採用計画書の書き方
具体的な採用計画書の書き方を、新卒採用と中途採用に分けてご紹介します。
新卒採用計画の例・テンプレート
新卒の採用計画書の見本をご紹介します。
| 項目 | 内容 |
| 経営目標および事業部方針 | 会社全体で掲げる目標と、そこから具体化した各事業部の重点施策を明記する。 |
| 採用目的、背景の整理 | 採用の狙いを明確にする。(例)将来の幹部候補育成、組織の若返り、職場の多様性推進など。 |
| 採用体制 | 採用責任者、面接官、会社説明会の担当者、リクルーター、内定者フォロー担当など役割分担を明確にする。 |
| 採用要件 | 新卒採用で求める人材像やスキル、採用人数・期間を具体的に設定。 <採用職種・人数・期間>各職種の採用人数・採用スケジュールを記載。 <求める人物像>主体性・チームワーク・課題解決力・挑戦意欲など。 <必要スキル・経験>学部・専攻・語学力・PCスキルなど。 <雇用条件>雇用形態・勤務地・初任給・勤務形態など。 |
| 評価基準、面接ポリシー | 面接や選考における評価基準を定め、担当者ごとのばらつきをなくす。(例)スキル30%/人物面40%/カルチャーフィット30%。 |
| 採用予算と採用手法 | 採用手法を選定し、各予算を明記する。(例)ナビサイト掲載費、インターン運営費、採用イベント費、動画制作費、交通費補助など。 |
| 採用フロー | 説明会〜内定までのプロセスを明確にする。(例)説明会、エントリー、ESおよび書類選考、面接(1次/最終)、内定、内定承諾、内定式、内定者懇親会、入社 |
| 採用スケジュール | 年間スケジュールを記載。(例)・6〜8月:サマーインターン実施・10月:会社説明会開始・12〜2月:早期選考期間・3月:内定通知・4月:入社式 |
| 入社後フォロー・定着支援 | 内定〜入社後までのフォロー体制を明記。(例)内定者研修、入社前面談、配属前研修、メンター制度など。 |
新卒採用計画の特徴
新卒採用計画は、年間単位でスケジュールを立てることや、継続的な候補者との接点づくりの施策を反映させることがポイントとなります。
昨今の新卒採用は、早期化および長期化する傾向にあります。おおよそ大学3年生の春頃から第一陣の学生が動き始め、サマーインターンシップに向けて活動が続きます。
その後、秋から冬にかけて会社説明会などの参加者が増え、大学3年生の3月頃にピークを迎えて、大学4年生の夏頃にはほとんどの選考が終了する流れです。
企業によっては、新卒採用の活動時期はまちまちですが、年間単位で計画的に採用施策を講じていくため、中だるみしないような工夫も必要です。
また、内定者の約6割が内定辞退するというデータも見られ、内定者フォローの重要性も増しています。採用計画の段階で、内定後のフォロー施策を入念に検討することが重要でしょう。
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新卒採用のメリット・デメリットは何?中途採用のメリット・デメリットも合わせて検証
中途採用計画の例・テンプレート
中途の採用計画書の見本をご紹介します。
| 項目 | 内容 |
| 経営目標および事業部方針 | 会社全体で掲げる目標と、そこから具体化した各事業部の重点施策を明記する。 |
| 採用目的、背景の整理 | 中途採用を行う目的を明確にする。(例)即戦力人材の確保、欠員補充、マネジメント層の採用など。 |
| 採用体制 | 採用責任者、面接官、人材紹介会社対応者、求人媒体の運用担当者など役割分担を明確にする。 |
| 採用要件 | 職種別に求める人材像やスキル、採用人数・期間を具体的に設定。 <採用職種・人数・期間>採用目標納期や人数を定める。 <求める人物像>即戦力として成果を出せる自走力、社会人の基礎スキル保有者など。 <必要スキル・経験>前職の業務経験、保有スキル、保有資格など。 <雇用条件>想定年収、雇用形態・勤務地・給与レンジ・勤務形態など。 |
| 評価基準、面接ポリシー | 面接や選考における評価基準を定め、担当者ごとのばらつきをなくす。 |
| 採用予算と採用手法 | 採用手法を選定し、各予算を明記する。(例)人材紹介手数料(○%)、求人広告費、ダイレクトリクルーティング利用料、リファーラル採用報奨金など。 |
| 採用フロー | 説明会〜内定までのプロセスを明確にする。(例)カジュアル面談、書類選考、面接(1次/最終)、内定、内定承諾、内定者フォロー、入社 |
| 採用スケジュール | 採用目標納期期限にあわせて、四半期または月ごとに作成。(例)・1月:媒体選定、求人広告の利用申し込み・2月:求人広告掲載開始、一次面接開始・3月:最終面接実施、追加施策の検討・4月:内定通知・5月:入社 |
| 入社後フォロー・定着支援 | 内定〜入社後までのフォロー体制を明記。(例)入社後のウェルカムランチ、OJTの計画、3か月後のフォロー面談、人事面談など。 |
中途採用計画の特徴
中途採用計画を立てる際は、職種ごとの募集要項を設定することが非常に重要です。募集要項で定めた応募条件や求める人物像が曖昧だと、適切な採用手法を選定できず、結果として採用活動が長引く可能性が高まります。
また、自社が定めた募集要項で求人を掲載した際、どの程度応募が集まるかを予測するためには、競合他社の給与水準や勤務条件、働き方(リモートワークの可否・副業可否など)のデータを調査し、自社の強みや差別化要素を明確にすることも求められます。
さらに、新卒採用のように決まったスケジュールがないため、時期による影響は比較的少ない点も特徴です。
近年は、求人広告や人材紹介会社の利用に加えて、ダイレクトリクルーティングやSNSなどを自社運用するケースも増えていることから、採用担当者のリソース確保やRPOの人件費も考慮した計画を立てるとよいでしょう。
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効果的な採用計画のための10のポイント
自社にあった採用計画を立て、採用成功に導くためのポイントを10個ご紹介します。
1.事業戦略と連動させる
採用計画は事業戦略と密接に連携する必要があります。
各事業部が好き勝手に採用をしてしまうと、社内の異動先やキャリアパスが不明瞭となり、中長期的な人材活躍が難しくなるでしょう。
経営方針や事業の目標から逆算して、必要な人材像を洗い出しましょう。
2.採用目標と採用活動中のKPIを明確にする
採用目標は、単に「年間○名採用」という目標人数だけでなく、プロセスごとのKPI(Key Performance Indicator)を含めて設計することが重要です。
例えば、「1年間で新卒10名・中途15名を採用する」というゴールを設定したら、その実現に必要な応募数・書類通過率・面接通過率・内定承諾率などを逆算していきます。
各フェーズの数値目標を定め、定期的にモニタリングし、応募経路別や職種別の改善点を分析することで、採用の成果を高めることができます。
採用人数という採用目標だけにとらわれず、日々の小さな目標数値をコツコツと達成していくことが、再現性のある採用活動につながります。
3.求める人材像を定める
求める人材像を具体的に定義することで、必要なスキルや経験を持つ人材を効果的に探すことができます。例えば、リーダーシップやコミュニケーション力を持つ人材を求める場合、それを明確にすることが重要です。
4.採用チャネルを選定する
採用手法が多様化する今、単一チャネルに頼らず複数を組み合わせることが重要です。
候補者は求人サイト・SNS・口コミなど複数の情報源で企業を比較しています。そのため、チャネルごとに「どの層に」「どんな目的で」使うのかを明確にしましょう。
また、今すぐ転職したい顕在層だけでなく、将来を見据えた潜在層にもアプローチできるように採用チャネルを選びましょう。
短期的には求人媒体や紹介、長期的にはSNSやオウンドメディアなどを活用し、バランスよく設計することが効果的です。
5.選考フローを設計する
採用活動を円滑に進めるために、選考フローも戦略的に設計することが重要です。応募から内定までの流れを整理し、各ステップの目的や判断基準を明確にしておくことで、採用のばらつきを防ぐことができます。
例えば、一般職では書類選考と面接のシンプルな構成でも十分ですが、専門職や管理職ではスキルチェックや適性検査、先輩社員との面談を追加するなど、目的に合わせた柔軟な設計が求められます。
また、面接回数や日程調整に時間がかかると、候補者のモチベーションが下がるおそれがあります。選考スピードを意識し、担当者間の情報共有や評価の仕組みを整えることで、スムーズで公平な選考体制を実現しましょう。
6.求人情報を工夫する
求人情報は、求職者に労働条件を伝えるだけでなく、企業の魅力や与える役割、入社後のキャリアパスなどを見せて引き付けるためのツールです。
求人票を作成する際は、仕事内容を具体的に描くとともに、求める人物像を明確に示すことが大切です。
抽象的な表現を避け、実際の業務シーンやチームの雰囲気が伝わる内容にすると、応募者が働くイメージを持ちやすくなります。また、待遇や制度面だけでなく、仕事のやりがいや成長の機会を伝えることで、共感度の高い人材を集めていきましょう。
7.採用結果を評価・振り返る
採用結果の評価と振り返りは、次回の採用活動をより効果的にするための重要なプロセスです。入社1年後の定着率や活躍度、採用活動にかかったコストなどを分析し、どのチャネルの応募率が高かったのか、選考フローに過不足はないかなどを検証します。
また、各面接官の感じた課題をヒアリングしつつ、面接評価の基準や求人内容が実態に合っているかも確認します。
採用の振り返りで改善点を洗い出すことで、採用の精度と再現性を高めることができます。
8.競合他社との差別化を図る
競合他社との差別化は、優秀な人材を獲得するために欠かせません。福利厚生や柔軟な働き方、キャリア支援など、自社ならではの魅力を打ち出すことで応募動機を強めることができます。
ただし、給与や待遇など定量的な要素ばかりで差別化を図るのは危険です。給与は簡単に変えられるものではなく、高収入求人としてPRするには限度があるためです。
差別化を図る際は、従業員の日ごろの様子や社風、経営理念など、定性的な要素のなかで強みを打ち出していくとよいでしょう。
9.中長期的な視点を持つ
採用は単発で実施するものではなく、中長期的な計画を立てて推進する胆力が求められます。採用チャネルや働き方が多様化し、採用競争は日々激化しています。
そのため、従来のように「求人媒体に掲載すれば応募がくる」という時代ではなくなっています。採用広報や人材育成、社員定着の取り組みまでを含め、継続的に採用力を高めていく必要があります。
短期的な成果にとらわれず、数年先の事業成長や組織構成を見据えて、人材戦略を計画的に進めていくことが重要です。
10.採用活動の効率化を図る
採用活動の効率化は、限られたリソースを最大限に活用するために必要です。複数の求人媒体や応募経路、求職者を管理する採用管理システム(ATS)をはじめ、面接スケジュール調整のツールやAIマッチング機能を搭載したツールの導入を検討し、採用活動の自動化や業務効率化を図っていきましょう。
これらの10個のポイントを踏まえた採用計画は、企業の競争力を高めるための資源、つまり人材を確保するための確固たる指針となります。それぞれの要素が組み合わさった採用計画が、効果的な採用活動とその後の組織発展につながるのです。
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効果的な採用計画は適切なステップで進めましょう
企業が成長するためには、優れた人材の採用が不可欠です。そのためには、戦略的に採用計画を立案し、それを適切に実行することが求められます。採用の目的を明確にし、求める人材像を定義しましょう。
さらに、適切な採用チャネルを選定し、新卒採用と中途採用の違いを理解することが重要です。適切なステップと理解を持って採用計画を進めれば、良質な人材の採用につながる道筋が見えてくることでしょう。
HRMOSタレントマネジメントでデータドリブンな採用計画を
タレントマネジメントを活用すれば、自社で活躍している社員のスキルや行動特性、評価データなどを可視化し、「どんな人材が成果を出しているか」を客観的に整理できます。
このデータをもとに採用要件を設計することで、勘や経験に頼らない、根拠に基づいた人材要件の定義が可能になります。
また、採用管理システムのハーモス採用と連携すれば、選考中の候補者データをタレントマネジメント側に引き継ぐこともできます。
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