HRM (人的資源管理)とは? 主な機能やシステム導入のメリットをわかりやすく解説

HRMとは?

事業活動を進め、企業が成長をしていくうえではさまざまな経営資源が必要ですが、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つが経営の基本となる4大資源と呼ばれています。

この経営資源の中でも企業活動を支える「人材」が揃っていなければ、モノやカネ、情報も生かすことはできず、「ヒト」は特に重要な要素と考えられています。つまり、従業員はもちろん、従業員のスキルや能力を適切にマネジメントすることが企業の成長を大きく左右するのです。

少子高齢化による人手不足が深刻化する中、従業員を単なる労働力ではなく、組織に欠かせない重要な資源として捉え、従業員とともに組織の成長を目指す手法である「HRM」が注目を集めています。

今回は、HRMの概要やHRMシステムの導入によって得られる主なメリットなどについて、わかりやすく解説します。

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HRM(人的資源管理)とは

HRMとは「Human Resource Management」の略で、日本語では「人的資源管理」と訳されます。

HRMは、従業員一人ひとりの能力を経営資源の一つとして捉え、戦略的に活用するマネジメント手法であり、単に人材を採用し、管理する、従来の人材管理の手法とは異なります。

人材を適切に管理し、その価値を最大限に引き出すことで経営戦略と連動した組織目標を達成することがHRMの目的です。したがって、HRMは、目標達成のためにどのようなスキルや能力が必要となるのか、自社の人材に対するニーズを明確に定義することから始まります。

つまり、定義に基づいた基準による人材の採用、適切な教育、適性やスキルに応じた人材配置、公平な評価によって組織の目標達成を目指し、組織の競争優位性を高める手法がHRMです。

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HRMの主要な役割・機能

HRMは、人的資源である従業員が持つ知識やスキル、経験、これらによって生み出される経済的価値を適切に管理する仕組みです。したがって、HRMの実践においては、以下の3つの施策の実施が重要な意味を持ちます。

採用活動・人材配置

HRMにおいて、採用活動は組織の目標達成に必要となる人材の確保につながる重要なプロセスです。

組織に必要な人材を採用するためには、まずは経営戦略や経営方針から自社の成長に必要なスキルや能力を見極めなければなりません。採用基準を明確にすることで、ブレることなく、戦略的に採用活動を進めることができます。

また、従業員が持つ経験やスキル、能力を活用し、組織を成長させるためには、適材適所の人材配置を実行する必要があります。

スキルや経験はもちろん、従業員が業務に対する高いモチベーションを維持できるよう適性や本人の意志にも配慮した配置を検討することが大切です。

<関連記事>採用計画の立て方とは?新卒・中途採用計画書の書き方やテンプレート例を解説

人材育成・能力開発

組織の目標を達成するうえでは、従業員の育成や能力開発も欠かせません。

新規採用した従業員や既存の従業員のスキルや能力を高め、さらに組織にとって高い価値を提供できる人材に育成するためには、体系的な人材教育制度を確立することが大切です。

また、従業員が持つ潜在的な能力を高めるための能力開発研修などの制度化も必要になるでしょう。

ただし、企業のニーズのみに着目し、従業員のニーズとは乖離した研修制度を整備した場合、従業員の反感を招き、かえってエンゲージメントやモチベーションを低下させる恐れがあります。

研修制度を整備する際には、組織の目標達成だけを見据えるのではなく、従業員個人の成長にもつながるような内容も組み入れることが重要です。

<関連記事>人材育成のポイントとは?考え方や課題の解決策をわかりやすく解説

人事評価・報酬管理

HRMの目的は経営目標の達成です。目標達成のためには組織の活性化も必要不可欠であり、従業員のモチベーションを高める施策の実施も検討する必要があるでしょう。

後述しますが、HRMの代表的なモデルの中にも「報酬」をHRMの重要な要素としているものが複数あります。

業務の成果や成果を生み出すに至ったプロセスを適切に評価する人事評価システムや報酬に反映させる支給体制の整備もHRMの重要な施策です。

業務成果が適切に評価され、報酬に反映される環境や公平な報酬制度は、従業員のモチベーション向上に効果を発揮します。

<関連記事>人事評価制度とは?意味・導入の目的・注意点など徹底解説!

戦略的HRMで企業成長を実現する方法

企業の競争優位性を生み出すHRMを戦略的に実行し、企業の成長を実現するために重要なポイントを3つ紹介します。

経営戦略とHRMの連携

HRMは、単に人材を管理するだけの制度ではありません。HRMは、従業員と企業の双方の成長を目指す人事戦略であり、人事部門には経営のパートナーとして経営戦略の実行を後押しする役割が求められます。

HRMの目的は、組織の目標達成であり、企業の成長を実現するうえでは目標達成に必要なスキルや経験を保有する人材の採用が不可欠です。

さらに、従業員が保有する潜在能力を増強させる能力開発や人材教育も必要になります。

経営戦略と人事戦略の連携がなければ、HRMによって組織の成長を実現させることはできません。

経営戦略の深い理解、経営戦略と連携したHRM戦略の策定と実行こそが、組織の目標達成につながる重要なポイントとなります。

人的資本経営との関係性

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで企業の価値向上を目指す、政府も推進する経営手法です。

HRMでは人材を「資源」として捉え、人材が持つスキルや能力を組織の成長のために適切に管理し、活用するという考えをベースとしています。

しかし、HRMにおける人材教育や能力開発の実行は、従業員を資源としてではなく、投資の対象である資本として捉えていると考えることもできます。

教育や能力開発などの投資によって従業員の価値を最大化し、企業の価値向上につなげるという点においては人的資本経営の実現とHRMは密接に関係していると考えることができるでしょう。

<関連記事>人的資本経営とは? 開示項目・事例とともにわかりやすく解説

タレントマネジメントの実践

タレントマネジメントとは、従業員が持つ能力を的確に把握し、スキルや能力を最大限に発揮できる人材育成や人材配置を実現する手法です。

従業員のキャリアや評価の履歴、保有スキル、成果など、あらゆる情報を一元管理するタレントマネジメントシステムは、人材の採用から、適材適所の人材配置、人材育成、評価までを統合し、人事情報のハブとして機能します。

従業員のエンゲージメントも可視化するタレントマネジメントシステムは、適材適所の人材配置や後継者の育成などといった意思決定を強力にサポートし、戦略的HRMの実現に向けた中核的役割を果たします。

タレントマネジメントの実践もHRMを成功させるうえで欠かせない要素です。

<関連記事>【事例付き】タレントマネジメントとは?目的、システム導入や比較・活用方法取り組みであることを紹介する


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HRMの主なモデル・理論

HRMにはさまざまなモデルや理論があります。ここでは、HRMの中でも利用頻度が高い4つの理論やモデルについて紹介します。

AMO理論

AMO理論とは「Abilities(能力)」「Motivation(モチベーション)」「Opportunity(機会)」の3つの重要要素を向上させることで組織の持続的な競争力を高めるとする理論です。

例えば、必要な教育を受け、スキルを高めた従業員が能力を存分に発揮できる環境に配置されれば、意欲的に業務に取り組むでしょう。

業務の意欲が高まれば、必然的に業務成果も高まります。さらに、業務の成果が評価に反映されれば、ますますモチベーションはアップし、より高い成果を期待できるようになるでしょう。

AMO理論は、このように従業員のスキルや知識を向上させる教育の実施、能力を発揮できる職場環境への配置、成果を適切に評価する仕組みの整備が、従業員のやる気を高め、組織の生産性を高めるという考え方に基づきます。

AMO理論は高い業績を誇る企業が採用しているHRMの総称である「高業績HRM」の一つです。

PIRKモデル

PIRKモデルもAMO理論と同じく、高業績HRMに該当するモデルです。

PIRKモデルでは、「Power(権限の委譲)」「Information(情報共有)」「Reward(公平な報酬)」「Knowledge(従業員に帰属する知識)」の4つの要素に注目しています。

一定の裁量権を与えられ、組織内での情報共有が円滑に進められている環境では、従業員は会社からの信頼を実感でき、エンゲージメントが高まります。

また、納得できる報酬体系を構築することで公平感が高まり、やる気もアップするでしょう。

さらに、知識が蓄積され、自身の成長を実感した従業員はコミットメントが高まり、組織全体のパフォーマンス向上につながるという考え方に基づきます。

PIRKモデルは、公平性やコミットメントを重視する点が特徴です。

<関連記事>ワークエンゲージメントとは?高める方法、測定方法を解説

ハーバードモデル

ハーバードモデルは、1980年代にアメリカのハーバード大学で行われた研究がベースとなっているHRMモデルです。

ハーバードモデルでは、HRMは経営戦略や労働市場、従業員の特性などの「状況的要因」と株主や経営者、従業員などの「ステークホルダーの利害」の2つから大きな影響を受けるとしています。

また、HRMを「従業員への影響」「人的資源のフロー」「報酬システム」「職務システム」の4つの領域に区分しています。

この4つの領域を、状況的要因、ステークホルダーの利害と連動させることで、従業員個人と組織の目標を一致させ、双方の成長を目指すモデルがハーバードモデルです。

ミシガンモデル

ミシガンモデルは、ハーバードモデルと同時期にアメリカのミシガン大学で実施された研究をベースに提唱されたHRMモデルです。

ミシガンモデルでは「採用と選抜」「人材評価」「人材開発」「報酬」の4つの施策と経営戦略に一貫性を持たせることがHRMには重要であるという考え方が基になっています。

つまり、経営戦略に則った人事戦略を立案し、実務レベルまで落とし込むことで、組織全体のパフォーマンスが向上し、経営目標の実現を叶えるという考え方です。

HRMは戦略的マネジメントの一部であるという視点から、経営戦略と人事施策の整合性を重視する点がミシガンモデルの特徴です。

HRMシステム(ソリューション)とは

HRMシステム(ソリューション)とは、HRMを実現するために必要となる機能を備えたシステムのことです。HRMシステムの概要や導入メリットを紹介します。

HRMシステムでできること

HRMシステムに備えられている主な機能は以下のとおりです。

  • 採用管理:人材の募集状況や人材紹介会社への依頼状況、応募者情報などを一元管理します。
  • 勤怠管理:日々の勤怠情報や休日出勤、時間外勤務、有給休暇の取得状況など、従業員の勤怠を管理します。
  • 給与計算:基本給に勤怠情報をもとにした時間外手当、通勤手当などを加算し、所得税や住民税、社会保険料などを控除して給与計算を行います。
  • 評価管理:業務成果や目標達成度などから、適切な基準で従業員を評価し、評価情報を管理します。
  • 労務管理:入退社の手続き、労働安全衛生、福利厚生手続きなどを行います。

HRMシステム導入のメリット

HRMシステムの主な導入メリットは、以下の3点です。

業務効率化とコスト削減

HRMシステムには、採用や勤怠管理、給与計算、労務管理、評価管理、入退社時の手続きなど、人事に関連するほぼすべての管理機能が搭載されています。

人事業務では個人情報を含む多数のデータを取り扱うため、データの管理や修正などには時間がかかります。

HRMシステムを導入すれば、データの一元管理が可能です。一つのデータの変更を行えば、関連領域にも自動的に情報が反映されるため、無駄な作業を排除し、業務効率を高められます。

また、業務効率が向上すれば、時間外労働の発生も低下するため、人件費の削減効果も期待できます。

データに基づいた意思決定

従業員の評価を行う際にも、HRMシステムは役立ちます。

評価者の主観に左右されない、業務の成果や目標達成度合いなどの客観的なデータによる適正かつ公平な人事評価を実現できます。

これにより、従業員の納得感と評価の透明性が高まり、成長意欲を刺激する効果も期待できるでしょう。

また、従業員のスキルや能力、キャリア志向などを反映させたデータドリブンな人材配置は、組織全体の生産性を高めるとともに従業員のエンゲージメントも向上させます。

そのほか、高いパフォーマンスを発揮する従業員のデータを分析し、コンピテンシーを可視化できれば、組織が求める人物像が明確となり、精度の高い採用活動や研修制度の確立を可能にします。

<関連記事>データドリブンとは? 経営やマーケティング、人事への生かし方を徹底解説

従業員エクスペリエンスの向上

HRMシステムは、従業員エクスペリエンスの向上にも役立ちます。

入社から在職中、退社までのそれぞれのフェーズにおいて、必要な教育を提供することでスキルを向上させることができる点、納得できる評価と報酬を受けられる体験は、従業員エクスペリエンスを向上させるものです。

従業員エクスペリエンスとは、企業で働くうえで得られるさまざまな体験のことです。

従業員エクスペリエンスの向上は業務や組織への満足度を高め、生産性の向上や離職率の低下など、さまざまな効果を招くと期待されています。

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HRM導入の流れ・進め方

HRMの導入は、企業にさまざまなメリットをもたらします。では、HRMを導入する際には、具体的にどのようなステップが必要になるのでしょうか。HRM導入の流れを解説します。

現状分析と目標設定

初めに、現状の人材管理の状況を分析し、組織が抱える課題を明確にします。

現状の問題点を把握しないままHRMを導入すると、導入後に十分な効果を得られないばかりか、効果測定が行えないために、改善を図ることも難しくなります。

自社の状況を詳しく分析すると、人材管理の問題点が明確になります。例えば、従業員の成長に課題がある場合、採用時の基準が的確でない可能性もあれば、育成制度が適切でない可能性もあります。

また、適性やスキルに合った人材配置が行えていないために、潜在能力を十分に引き出せていないケースもあるでしょう。

HRM導入時には自社の現状を分析したうえで、導入によって何を改善したいのかを明確にし、具体的な目標を設定することが重要です。

HRMシステムの選定

現状を分析し、目標が明確に定まったら、自社に適した機能を保有するHRMシステムを選定します。

HRMシステムと一口にいっても、システムによって搭載されている機能や使いやすさは変わってきます。

従業員の情報を一元管理できるシステムであることは必須条件となります。

しかし、適材適所の人材配置を実現するためにはマッチング機能、自社に必要な人材育成計画の立案を重視する際にはコンピテンシーを把握できる人材データ分析機能などが重要になるでしょう。

コスト面も比較しながら、複数のHRMシステムを比較し、自社に合ったシステムを選定することをおすすめします。

<関連記事>コンピテンシーとは?面接評価や目標管理への使い方をわかりやすく解説

導入計画の策定とデータの整備

導入するシステムが決定したら、いよいよ導入計画を策定します。

導入に必要なプロセスを洗い出し、各業務の担当者を決定したら、導入のスケジュールを立てていきます。

導入時には、本格運用を開始する前にテスト運用期間を設定し、運用ルールなどを見直し、より精度の高い運用体制を整備しましょう。

また、HRMシステムの稼働にあたっては、従業員に関するデータの登録が必要です。システムに登録するデータを収集するとともに、データ化されていない情報の入力、データの精査といった作業も行います。

運用開始と社内浸透

テスト運用によって明確になった課題を修正し、運用ルールも策定したら、社内全体で本格運用を開始します。

運用開始にあたっては、HRMシステムの導入に対する理解を深めるため、導入目的や導入後の目標、活用メリットをわかりやすく説明することが重要です。

そのうえでHRMシステムの運用ルールを周知徹底することが、HRMの導入効果を最大化させるポイントとなります。

また、利用者がスムーズにシステムの操作や活用ができるよう、ガイドブックの作成や定期的な研修の実施、運用状況のチェックなども必要になるでしょう。

効果測定と継続的改善

HRMシステムを導入した後は、導入前と導入後の状況を比較し、運用効果を測定しましょう。

人材データの分析は、組織の課題を明確にし、データドリブンな戦略人事を可能にします。ただし、想定していたような効果を得られない場合は、運用ルールの見直しが必要です。

また、実際に運用をする中で見えてきた課題を改善するとともに現場からのフィードバックを反映させ、常にPDCAを回しながら、よりよい効果を目指すことが重要です。

見直しと改善を継続していくことが、HRMシステム導入効果の最大化につながるとともに、組織の目標達成を実現します。

HRMの最新トレンド

人的資本経営の推進や科学技術の発展などにより、HRMのトレンドも変化しています。昨今、注目を集めているのは、AIやビッグデータの活用、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への対応などです。

AIとビッグデータの活用

科学技術の目覚ましい発展に伴い、人事分野においてもAIやビッグデータの解析が積極的に活用されています。

例えば、採用活動において、AIに履歴書やエントリーシートなどの応募書類を読み取らせ、分析させることで、採用の効率化や評価の平準化を図ることが可能です。

組織の目標達成に必要なスキルや経験、人物特性などをあらかじめAIに設定すれば、AIが一定の基準に沿った評価を行うこともできます。AIによる書類の分析は、採用担当者による判断のばらつきを抑え、公平かつ効率のよい採用活動を実現します。

また、ビッグデータの解析は、より客観的で公平な評価、より多角的な視野からの評価も可能にします。評価の公平性の向上は、従業員の納得感を高め、業務に対するモチベーションのアップにつながります。

<関連記事>次なる100年へ向けた、岡三証券グループの人事戦略

ピープルアナリティクスの進化

ピープルアナリティクスとは、従業員の属性や勤怠、評価といったさまざまな情報を収集・分析し、人事施策の実効や意思決定などに生かす手法です。

技術の発展により、ピープルアナリティクスにも進化が見られます。

従業員のスキルや成果に関するデータだけでなく、昨今では、メールやパソコンなどの使用状況、勤怠情報、従業員サーベイの結果に加え、面談時の表情や声色なども含めた幅広い情報を分析できるように進化しています。

より精度の高いピープルアナリティクスの利用により、HRMの質を高め、より戦略的に人事施策を進める企業も増加中です。

<関連記事>ピープルアナリティクスとは?人事効果や活用事例を紹介

ダイバーシティ&インクルージョンの浸透

年齢や国籍、性別、価値観など、個々の従業員の違いを受け入れ、尊重するダイバーシティ&インクルージョンの取り組みが浸透しています。

ダイバーシティ&インクルージョンの浸透は、多様な人材が活躍できる職場環境、個々の能力を最大限に発揮できる体制の整備につながります。

多様性を尊重し、各人が持つ価値を存分に発揮できる企業風土の醸成は、従業員のエンゲージメントを高め、定着率も向上させます。

少子高齢化による人手不足が深刻化する中、HRMの導入の一環としてダイバーシティ&インクルージョンに取り組み、多様な人材の獲得やイノベーションの創出を目指す動きが活発化しています。

<関連記事>企業のダイバーシティ&インクルージョン 事例とともに意味から取り組みの具体例や推進のポイントまで解説

多様な働き方の実現

働き方改革の推進によるダブルワークや時短勤務の浸透、コロナ禍を契機としたリモートワーク・ハイブリッドワークの急速な広がりに伴い、多様な働き方を認めることもHRM施策として重要なポイントとなっています。

日本における労働力の不足は年々深刻化しており、従来のように、フルタイムで勤務できる人材の雇用だけでは、事業の成長を維持することが難しくなっています。

多様化したライフスタイルに合わせ、働く人の希望に合わせた働き方を認めることは、優秀な人材を確保するうえでも重要な施策です。さらに、同一労働同一賃金を実現する公平な評価制度の実現は人材の定着率も向上させるでしょう。

企業が成長していくうえでは、リモートワークやフレックスタイムの導入、時短勤務の容認、副業の容認など働き方のダイバーシティを容認することも欠かせない施策の一つとなっています。

ウェルビーイングの重視

ウェルビーイングとは、身体的、精神的に健康であり、社会的にも満たされ、幸せや生きがいを感じられる状態を指します。

ウェルビーイングは、WHO(世界保健機関)の憲章に含まれる言葉であり、2015年の国連総会で選択されたSDGsの宣言文の中に取り入れられたことで注目を集めました。

ウェルビーイングの実現は、組織にも従業員にもよい影響を与えます。心身ともに健康な状態と幸福度の高い状況は高いパフォーマンスを生み出すため、従業員のウェルビーイングが高まれば、組織全体の生産性向上が期待できます。

また、ウェルビーイングの重視により、働きやすい環境を整備すれば従業員の満足度が高まり、人材の定着率向上と離職率低下につながるでしょう。

<関連記事>ウェルビーイングとは? 経営への生かし方やデジタル活用について簡単に解説

HRMと関連する用語

最後にHRMと比較されるケースも多い、2つの人事関連用語についてご説明します。

人的資本管理(HCM)との違い

HCMとは「Human Capital Management」を略した言葉で、日本語では「人的資本管理」と呼ばれるマネジメント手法です。

HRMもHCMも、従業員を活用し、組織の成長につなげるという目的は共通しています。

しかし、HRMでは従業員や従業員が持つ経験やスキル、能力を「資源」と捉えるのに対し、HCMではそれを「資本」として捉える点に違いが見られます。

また、HRMの場合、経営戦略の実現を軸に採用や育成、配置、評価などを行いますが、HCMでは従業員を資本として捉え、それぞれの人材が持つ能力や特性を最大限に発揮できるようマネジメントを行うという点にも違いが見られます。

人事労務管理(PM)との違い

PMとは「Personnel Management」の略です。日本語では人事労務管理と表現されます。

PMでは従業員を労働力やコストとして捉え、労働者を集団として管理・統制します。具体的には、勤怠管理や給与計算などの労務業務がPMの中心となります。

勤怠の管理や報酬の計算など、PM業務もHRMの一部に含まれます。しかしながら、HRMでは、労務管理だけに留まるのではなく、従業員の採用や育成、能力開発、評価などにも関わります。

従業員のモチベーションを高め、成長を促し、組織の成果につなげるという点において、HRMはPMに比べ、より広い視野から従業員のサポートを行う手法であるといえます。

まとめ

HRM(人的資源管理)とは、従業員を経営資源の一つとして捉え、従業員が持つスキルや潜在的な能力を育成し、組織の目標達成を目指すマネジメント手法です。

HRMによって組織の成長を目指すうえでは、経営戦略に則った人材戦略の立案とHRMの連携、自社に適したHRMシステム・ソリューションの導入が欠かせません。

また、HRMシステム・ソリューションは導入して終わりではありません。従業員がより高いやりがいとモチベーションを維持しながら業務を遂行できるよう、また、経営目標の達成を実現できるよう、運用中も定期的な評価と改善を繰り返していくことが大切です。

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人材は、経営資源であり、経営資本でもあります。人的資本経営に対する注目が高まる中、人事部門には経営パートナーとしての役割が期待されています。

従業員の適性やキャリア志向に合わせ、適切な研修の実行、適材適所の人材配置、公平で透明性の高い評価の実践は、経営目標の実現を力強くバックアップするでしょう。

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