脱タイムカードを実現。正社員だけでなく嘱託社員や契約社員、パートアルバイトまで、「ハーモス勤怠」を導入することで従業員の働き方ニーズに対応した。
福井自動車
- 業界: 自動車整備業
- 事業概要: 自動車整備・車検・販売・リース, 損害保険代理店・レンタカー, 駐車場・貸事務所賃貸業務
- 従業員数: 14名(2022年9月現在)
- https://www.fukui-car.co.jp/
中小企業基盤整備機構(中小機構)様のJ-Net21にて、ハーモス勤怠 by IEYASUを導入くださっている福井自動車様を「ITツール活用事例」として取り上げていただいております。J-Net21の「特集・事例>ITツール活用事例」にてご覧いただけます。
交通系ICカードで使える勤怠管理システム ハーモス勤怠 by IEYASU、作業効率化に貢献
東京・神田川のほとりに、整備や保険、レンタカー、販売までクルマ全般のサービスを提供する福井自動車がある。午前8時半の始業前。従業員が次々に出社し、入口を入った机の脇に設置してあるカードリーダーに自前の交通系ICカードでピッ、ピッとタッチしていく。
勤怠管理ツールの「ハーモス勤怠 by IEYASU」だ。通勤に使っているカードなどをかざすだけで出社時間や退社時間が打刻される。打刻された情報はパソコン上に図表化されて表示されるので、従業員の勤務状況がリアルタイムで管理できる。
「勤怠はずっと従来型のタイムカードで管理していたんですが、タイムレコーダーのインクリボンが廃盤になってしまって」と、同社の土田千恵社長(52歳)。「10年使ってまたリボンがないとなったらどうしよう。この際、考えようか」と軽い気持ちでインターネットを検索して行き当たったのが「ハーモス勤怠 by IEYASU」だった。
脱タイムカード。勤怠管理システムで多様な働き方ニーズに対応
専用のカードは必要なく、社員の手持ちのカードが使えて、タイムカードと同じ勤怠管理サービスを無料で使うことができる。アプリをパソコンに入れてカードリーダーに接続するだけというシンプルさも気に入った。「やってみてなじめなかったらまた元に戻せばいいし、とりあえずやってみよう」と導入を決めた。今年4月のことだ。
同社はアルバイト4人、嘱託・契約社員2人、社員8人、役員が3人の計17人。勤怠管理が必要なのは役員以外の14人。以前はタイムカードで不都合はなかった。だが、ここ数年、雇用形態が変化して、決まったシフトで同じタイミングで仕事をする流れに変化が出ていた。定年後も嘱託で仕事をする人が出てきたり、正社員になりたくないと契約という雇用形態を選ぶ人もいる。
「働き方のニーズが変わってきて、人によって働く曜日や時間が違うし、有給や公休の休みもバラバラ」と土田さん。電子化すれば月の集計と勤怠状況を把握する一覧表がパッとだせる。従業員はガチャンとやるか、ピッとやるかだけだが、管理する側の負担は格段に減る。
クラウド勤怠管理などIT化の推進では、軌道に乗るまでの親身なサポートを
親族が経営する同社に入社後、総務や人事など管理部門を一手に引き受けてきた土田さんが6年前、役員になって最初に手をつけたのが社内ネットワークの構築と社内で情報を共有できるグループウェアの導入だった。それまで、会社の予定表は紙ベース。それぞれが予定を書き込む方式だったが、煩雑で分かりづらい。工場の予定が社外からでも2階の事務所からでも把握できるようにした。すると、営業は自分の担当するクルマの整備が終わったがどうか分かるから、帰社してすぐ納車に行ける。社内のコミュニケーションは大きく改善した。
「便利さが実感できると、いいね!ということになる。うちみたいな小さい会社は新しいITツールをただ使えと言われてもダメなんですよ」と土田さん。まず自分が使えるようになって、こんなに便利に使えるからと手取り足取りして軌道に乗るまで一緒にやる。「こうなっちゃったんだけど、どうしたらいいですか」とあれこれやっていく中で社内に浸透していく。従業員は一番若手が26歳、その上が33歳、あとは40代、50代で70代も1人いる。「IT力に天と地ほどの差がある。受け入れてくれるまで、放ったらかしでは駄目です」。
勤怠管理システムの導入はグループウェアに次ぐステップだった。「導入して5ヶ月。集計作業は楽になりました」と手ごたえを感じている。先行きについても「勤怠管理がWeb給与明細などに連動するようになれば一番いい」と前向きだ。「優先順位としては、まず商売。勤怠システムも給与システムも効率化を求めるもので、それ自体がお金をもうけてくれるわけではない。効率化を追求しすぎて、お客さまと疎遠になってもいけない」と思い悩む。
昨年亡くなった5代目、土田さんの実父・福井忠雄氏はこう言った。「いい会社っていうのは大きい会社ではなくて、長く続く会社だ。同じことをずっとやっても絶対うまくいかないし、時代にそぐわなくなる。自動車じゃなくてもいいから、この松住町で長く商売を続けてほしい。不易流行だよ」。伝統を踏襲しつつ、新しいことを随時取り入れていく。IT化は父の遺言のようなものだ。
総務や経理部門のIT化は社員の働き方改革につながるし、本業の自動車整備事業そのもののIT化も今後の生き残りに直結する大きな課題だ。土田さんは「全てを一気に変えるのは難しいが、時代に取り残されないよう取り組んでいきたい」と考えている。