【社会保険算定基礎届】4月昇給者は「7月月変」「8月月変」の対象かどうかを検討しましょう

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【社会保険算定基礎届】4月昇給者は「7月月変」「8月月変」の対象かどうかを検討しましょう

目次

  1. まずは復習!標準報酬月額決定のタイミング
  2. なぜ、4月昇給者は「7月月変」または「8月月変」の対象になるのか?

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社会保険算定基礎届において、特に注意が必要なのは「4月昇給者の取扱い」です。4月に昇給し、その結果、随時改定の対象に該当する場合、算定基礎届ではなく、月額変更届によって標準報酬月額を決定しなければなりません。昇給月を4月とする企業のご担当者様であれば、適切な事務処理ができるよう、「7月月変」「8月月変」について理解を深めておきましょう。

まずは復習!標準報酬月額決定のタイミング

標準報酬月額決定のタイミングには、以下の3つあります。

① 資格取得時の決定
② 定時決定
③ 随時改定

「①資格取得時の決定」では、文字通り、新たに健康保険および厚生年金保険に加入する際、健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の内容によって標準報酬月額が決まります。ここで決定した標準報酬月額はその年の8月まで(ただし、6月1日から12月31日までに資格取得した人は、翌年の8月まで)使用します。

「②定時決定」は、算定基礎届による標準報酬月額の決定を指します。毎年7月1日現在で使用している全ての被保険者について、4~6月に支払った賃金を届け出ることで、その年の9月から翌年8月まで使用する標準報酬月額が決まります。定時決定により年に一度標準報酬月額の見直しを行うことで、すべての被保険者について、実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないようになっています。

ただし、昇給や降給によって報酬額に大幅な変動があった場合、定時決定を待たずして「③随時改定」を行います。随時決定を行うことで、報酬額の変動に応じた適切な標準報酬月額を早期に適用できるようになります。随時改定で決定した標準報酬月額はその年の8月まで(ただし、その年の7月以降に改定された場合は翌年の8月まで)使用します。

なぜ、4月昇給者は「7月月変」または「8月月変」の対象になるのか?

さて、今号のテーマは「4月昇給者の取扱い」ということで、適切な手続きを検討します。定時決定によって届け出た場合、以下2つの問題が生じます。

1.昇給が正しく反映されない場合がある
算定基礎届で届け出るのは、4~6月に支払われた報酬です。例えば当月締・翌月払の場合、届け出るのは3~5月労働分の報酬であり、3月労働分の報酬(昇給前の報酬)が含まれてしまうため、昇給が正しく反映されません

2.昇給の反映が遅れる
算定基礎届で決定した標準報酬月額は、前述の通り、その年の9月から使用されます。一方で、随時改定によって標準報酬月額を決定した場合、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4ヵ月目から改定されます。標準報酬月額の改定月についての考え方は次項にて解説しますが、昇給後最初の給与支払日に応じて、その年の7月もしくは8月から新しい標準報酬月額が適用されます。

よって、4月昇給者は算定基礎届ではなく随時改定の対象として、月額変更届による手続きにより標準報酬月額を決定するのが原則となります

「7月月変」か「8月月変」かは、給与支払日によって決まる

昇給後、最初の報酬が4月に支払われる場合、4~6月の報酬を元に7月に随時改定を行います(7月月変)
一方、翌月払いの場合には昇給後の報酬が初めて支払われるのが5月になるため、5~7月の報酬を元に8月に随時改定を行うことになります(8月月変)

ポイントは「固定的賃金の変動」!随時改定の要件を確認

ここで一つ注意すべきは、「4月以降報酬額が上がった被保険者が皆、7月月変もしくは8月月変の対象者とは言えない」という点です。随時改定を行えるのは、以下の3つの条件を全て満たす場合のみです。

✓ 昇給または降給等により固定的賃金に変動があった
✓ 変動月からの3ヵ月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた
✓ 3ヵ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である

「2等級以上の差」や「支払基礎日数17日以上」に該当する場合でも、「固定的賃金の変動」はどうでしょうか?固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているものを指しますが、具体的には次のような場合が考えられます。

  • 昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
  • 給与体系の変更(日給から月給への変更等)
  • 日給や時間給の基礎単価(日当、単価)の変更
  • 請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
  • 住宅手当、役付手当等の固定的な手当の追加、支給額の変更

よって、例えば「年度末から年度初めにかけて残業が増えて報酬額が上がった」というだけでは対象外ですのでご注意ください。

参考:
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】令和4年度の算定基礎届の記入方法等について
日本年金機構「随時改定(月額変更届)

関連記事:『【社会保険算定基礎届】4、5、6月に新型コロナウイルスの影響による休業があった場合の算定方法を解説!

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HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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