学生アルバイト雇い入れ時の「保護者の同意」、いる?いらない?

労働基準法
学生アルバイト雇い入れ時の「保護者の同意」、いる?いらない?

目次

  1. 労基法上は、「保護者の同意」を求める規定はない
  2. 民法上は、未成年の労働契約締結に際し「法定代理人の同意」を求める
  3. 「18歳成人」により、18歳以上の学生への対応は各社様々
  4. 「保護者の同意」と併せて、学生アルバイトへの「必要な配慮」も忘れずに

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新学期を迎え、新たにアルバイトを雇い入れる現場も多いのではないでしょうか。先日、とある飲食店経営者様より、「高校生のアルバイトを採用予定ですが、保護者の同意書は必要なのでしょうか?」とのご質問を受けました。労働契約は基本的には会社と労働者との間の契約ですが、労働者が学生、とりわけ未成年となれば、やはり親御さんの存在を無視することはできません。今号では、学生アルバイト雇入れ時の「保護者の同意」について、法的観点からその必要性を考えてみましょう。

労基法上は、「保護者の同意」を求める規定はない

労働基準法上、未成年の労働契約締結については以下の通り記載されており、意外にも労働契約締結時の「保護者の同意」に関わる規定はありません。むしろ、「未成年者の労働契約」「未成年者の賃金」に関しては、親権者及び後見人による過度な介入を排除しています。

〇 最低年齢:使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了しない児童を労働者として使用してはならない。但し、児童の健康及び福祉に有害でなく、軽易な業務である場合には、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、満13歳以上の児童を使用することができる(なお、映画、演劇の事業については、満13歳未満の児童でも使用は可能)。

〇 年少者の証明:使用者は、満18歳未満の年少者を使用する場合には、その者の年齢を証明する証明書(年齢証明書)を事業場に備え付けなければならない。年齢証明書としては、住民票や住民票記載事項の証明書等でよいが、本籍地の記載は不要である。

〇 未成年者の労働契約:親権者、後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならない。

〇 未成年者の賃金:親権者、後見人は、未成年者の賃金を代わって受取ってはならない

〇 年少者の労働時間及び休日:満18歳未満の年少者に変形労働時間制は適用できない。

参考:e-Gov法令検索「労働基準法

民法上は、未成年の労働契約締結に際し「法定代理人の同意」を求める

一方、民法第5条では「未成年者の法律行為」について、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人(親権者等)の同意を得なければならない。」としています。つまり、労働契約の締結も法律行為のひとつであることから、使用者側は未成年者と労働契約を締結する場合には、親権者の同意を得なければなりません。
ちなみに同条第2項では、「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」としています。この取り消しは、未成年者本人・法定代理人(親権者等)・継承人が行える行為です。つまり、保護者の同意を得ずに未成年者が勝手に労働契約を締結した場合、未成年者本人及び保護者は取り消すことができるのです。このことから、未成年のアルバイト雇用には「保護者の同意」は不可欠であると言えます

参考:e-Gov法令検索「民法

「18歳成人」により、18歳以上の学生への対応は各社様々

ところで2022年4月以降、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことは、皆さんにとっても記憶に新しいテーマだと思います。これにより、18歳、19歳の方との労働契約であれば民法上の「未成年者の法律行為」に該当しなくなるため、「保護者の同意」を不要とする企業が出てきているようです。とはいえ、18歳、19歳であっても学生の場合、実態として親の保護下にあるケースがほとんどであるため、引き続き保護者の同意を求めるとする企業もまだまだ多いと言えます。

「保護者の同意」と併せて、学生アルバイトへの「必要な配慮」も忘れずに

働き手不足を背景に、採用戦略上、「学生アルバイトの活用」を重視する現場も少なくありません。ただし、未成年者の雇い入れに際して保護者の同意を得ないことは民法に反する行為である上に、労使トラブルの火種ともなるため厳禁です。
併せて、「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンにて呼びかけられている学生アルバイトへの適正な労務管理についても、もれなく対応できるようにしましょう。

関連記事:『「意図せず労基法違反」に注意!学生アルバイトの労務管理

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HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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