2026年度地域別最低賃金 改定額の全国一覧と改定時期、必要な企業対応を総まとめ

賃金・給与
2026年度地域別最低賃金 改定額の全国一覧と改定時期、必要な企業対応を総まとめ

目次

  1. 2026年度地域別最低賃金 都道府県ごとの改定額と発効月日
  2. 企業における地域別最低賃金引き上げ対応のポイント

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長引く物価高と深刻化する人手不足を背景に、昨年に次ぐ大幅引き上げが決定した地域別最低賃金。すべての都道府県において事前に示された目安額以上での改定となり、10月から12月にかけて順次適用されます。今号では、2026年度改定の概要、及び企業における最低賃金対応を解説します。

2026年度地域別最低賃金 都道府県ごとの改定額と発効月日

厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した、2026年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。改定のポイントは以下の通りです。

・47都道府県で54円~65円の引き上げ
・改定額の全国加重平均額は1,177円で、昨年度の1,121円から56円の引き上げ
・最高額(東京都1,280円)に対する最低額(宮崎県1,085円)の比率は84.8%となり、地域間格差は改善傾向

各都道府県における改定額及び発効予定年月日は、以下URLよりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(厚生労働省)

33府県で目安額越えの引き上げが実現し、「地域間格差」は12年連続改善へ

冒頭でも触れたとおり、2026年度の地域別最低賃金改定ではすべての都道府県で目安額以上での改定となりましたが、特筆すべきは「33府県で目安額超」となる引き上げが実現したことです。
地域別最低賃金額の改定に際しては、まず中央最低賃金審議会で引き上げ目安額に係る答申を受けた後、都道府県に設置された地方最低賃金審議会での審議・答申を経て、各都道府県労働局長により最終決定がなされます。
2026年度は、7月28日に開催された中央最低賃金審議会において、都道府県の経済実態に応じて分けられたABCの3ランクごとに「Aランク54円」「Bランク及びCランク56円」の引き上げ目安額が示されました。
これに対し、地方最低賃金審議会の答申では、実に33府県で目安額を超える引き上げが行われる旨の決定がなされました。
地方を中心とした目安額超の引き上げ実現は、かねてより問題視されていた賃金の地域間格差の解消、ひいては都市部への人口流出に歯止めをかけることにつながります。最低賃金の地域間格差は、12年連続で縮小傾向にあるとのことです。

新たな地域別最低賃金の適用は、10月から12月にかけて

2026年度地域別最低賃金は、10月1日から12月2日にかけて順次発効します。2025年度の改正では多くの地域で発効が11月以降、とりわけ6つの県では年明けとなりましたが、2026年度は多くの地域で原則通り10月の発効となる見込みです。

企業における地域別最低賃金引き上げ対応のポイント

地域別最低賃金の大幅引き上げに伴い、企業においては「従業員の賃金見直し」及び「継続的な賃上げを実現するための体制整備」に係る検討が急務となります。まずは現状を正確に把握して法令遵守を徹底すること、さらには組織として近年の賃金上昇に前向きに対応していく必要があります。

地域別最低賃金改定対応① 従業員の賃金見直し

従業員の給与について、発効日以降、地域別最低賃金を下回る従業員が生じることのないよう注意しましょう。最低賃金は時給で示されますから、月給制や日給制等に係る確認、時間外・休日・深夜の割増賃金単価や固定残業代の見直しが不可欠です。
時給制以外の給与形態に係る時給換算については、厚生労働省の解説ページが参考になります。

参考;厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」

併せて、最低賃金額の大幅引上げに伴う、事業場内賃金の「底上げ」の検討も重要です。近年の最低賃金大幅引き上げへの対応で、事業場内で下限となる賃金のみを毎年引き上げた場合、新人とベテランの時給の差が無条件に縮まり続けることになり、ベテラン従業員のモチベーション低下・離職等が懸念されます。

また、非正規従業員の賃金引き上げに伴い、社会保険の年収の壁対策として想定される就業調整への対応も検討する必要があります。従業員の希望を丁寧に聴取しながら働き方の見直しや実質的な手取り額の確保を行う、生労働省の年収の壁・支援強化パッケージなどを活用する等、対応に努めましょう。

参考:厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」

地域別最低賃金改定対応② 継続的な賃上げを実現するための体制整備

近年の最低賃金大幅引き上げ傾向を背景に、政府は中小企業・小規模事業者向けに各種の支援事業を展開しています。
価格転嫁・取引適正化の推進や省力化投資・デジタル化支援に取り組む企業向けの補助金・助成金、中小企業向け賃上げ促進税制、経営改善や賃上げに向けた専門家派遣・相談等、自社に必要な支援を上手く活用しながら、原資の確保に努める姿勢が肝心です。

参考:
厚生労働省「最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業」
経済産業省「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」
中小企業庁「賃上げ・最低賃金対応支援」

関連:労務ジャーナル「速報!2026年度地域別最低賃金改定目安 対応の鍵は、中小・小規模事業者の「稼ぐ力」強化」

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HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

監修者

HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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