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2026年7月28日開催の厚生労働省中央最低賃金審議会において、2026年度の地域別最低賃金額改定の目安に係る答申が取りまとめられました。
昨年度に引き続き、いずれの都道府県においても大幅引き上げが予想される2026年度地域別最低賃金の改定目安、及び答申に示された中小・小規模事業者における賃金引き上げ対応のポイントについて解説します。
2026年度地域別最低賃金改定額 全国加重平均「1,176 円(上昇額55円)」に
地域別最低賃金では、都道府県の経済実態に応じ、全都道府県がABCの3ランクに区分され、各ランクについて引上げ額の目安が提示されています。2026年10月以降順次適用となる地域別最低賃金の引き上げ額の目安を、ABCの3ランクごとに確認しましょう。

出典:厚生労働省プレスリリース「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」
上記の目安額は、今後、各地方最低賃金審議会での審議を経て最終決定されます。仮に上記の目安通りに地域別最低賃金の引上げが行われた場合、全国加重平均は「1,176 円(上昇額 55 円)となり、引上げ率に換算すると 4.9%となります。
答申に示された、中小企業・小規模事業者の賃金引き上げ対応のポイント
近年大幅な引き上げ傾向にある地域別最低賃金への対応として、中小企業・小規模事業者には継続的に賃上げできる環境の整備が不可欠となります。具体的な施策として答申に挙げられたのは、助成金活用を主軸とした生産性向上、そして「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」の着実な実行です。
助成金活用の観点では、特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金について、最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者による十分な活用が望まれます。
また、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」とは、中小企業庁から2026年6月24日に公表された「強い中小企業」を作るための施策です。
具体的には、事業再構築・生産性向上・事業再編等に取り組む中堅・中小企業の支援、必要な連携・再編の促進により、「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を促すことで、中小企業・小規模事業者の経営管理能力の高度化と経営改革の実現を目指します。
参考:経済産業省『「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略」を公表します』
地域別最低賃金の大幅引き上げに伴い、すべての従業員の賃金見直しを
ここからはこの時期に毎年お話ししていることですが、地域別最低賃金の引き上げに伴い、検討すべきは「従業員の賃金見直し」です。
見直しに際しては、自社に「最低賃金を下回る従業員はいないか」、「最低賃金未満の従業員に対しては毎年賃上げを行う一方、最低賃金以上の従業員の賃金が毎年据え置きになっていないか」等の観点から検討を進めましょう。
対応できていますか?日給制や月給制の賃金確認
最低賃金引き上げに伴い見直すべきは、パート・アルバイトの時給だけではありません。月給制や日給制が適用される従業員についても、所定労働時間をもとに時間単価を算出し、改定後の最低賃金と比較して、上回っているかどうかを確認する必要があります。
全国に事業場が複数ある場合、必ず事業場所在地の最低賃金を基準に確認作業を進めましょう。
日給制や月給制の場合の時給換算方法については、厚生労働省の解説ページが参考になります。
併せて、時給単価に変動があった場合には、基本給とは別に支給している固定残業代の算定見直しも忘れてはなりません。
「新人だけ毎年賃上げ」は、ベテラン従業員のモチベーション低下の原因に
最低賃金引き上げに伴う対応として、盲点になりがちなのが、事業場全体の「賃金底上げ」の観点です。近年の最低賃金大幅引き上げに伴い、結果的に、毎年のように新人の賃金引き上げが実施されるケースも少なくありません。
しかしながら、これでは新人とベテランの時給の差が毎年無条件に縮まり続けることになり、ベテラン従業員のモチベーション低下や離職が懸念されます。最低賃金対応として、機械的に「事業場の下限賃金のみ引き上げる」のは得策ではありません。
新人の賃金引き上げと併せて、最低賃金を上回る従業員の処遇改善も積極的に検討しましょう。
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