圧倒的につながる「HRMOS(ハーモス)労務給与」
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2026年も終盤にさしかかり、そろそろ忘年会シーズンを迎えようとしています。コロナ禍で一気に減少した忘年会開催ですが、コロナ5類移⾏後には着実に回復傾向にあるようで、皆さんの身の回りでも「忘年会」のキーワードを耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
さて、職場の忘年会で特に注意したいのが、意図せぬ「アルコールハラスメント」です。今号では、アルコールハラスメントの定義やおさえておくべき防止策を解説します。
アルコールハラスメントを正しく定義する
良かれと思って他の人にお酒を勧めたり、場を盛り上げるために一気飲みを煽ったり等のやり取りは、忘年会の場ではさほど珍しいものではないでしょう。乾杯用に、とりあえず全員分のビールを注文すること等も、多々見受けられることです。しかしながら、これらの言動が、意図せずアルコールハラスメントに該当する可能性があることを忘れてはなりません。
アルコールハラスメント 5つの定義
アルコール関連問題の防止に幅広く取り組む特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アルコールハラスメントの定義として以下の5項目を挙げ、注意喚起しています。
① 飲酒の強要
上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
② イッキ飲ませ
場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと、早飲みも「イッキ」と同じ。
③ 意図的な酔いつぶし
酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたる。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもある。
④ 飲めない人への配慮を欠くこと
本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱したりする、など。
⑤ 酔ったうえでの迷惑行為
酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。
出典:特定非営利活動法人ASK「アルハラの定義5項目」
「とりあえずビール」は約半数が「ハラスメントに該当」と認識>
行為者側が「悪気はなかった」「お酒の席での出来事だから・・・」と考えていても、受け手側がこうした言動をハラスメントと捉える可能性は大いにあります。
例えば、乾杯用の「とりあえずビール」について、パーソルホールディングス株式会社が2023年3月に実施した「はたらく定点調査」では、確認されずに勝手にビールを注文されたことを「ハラスメントだと思う」と回答した割合は、男性47.4%、女性54.4%、全体50.6%という結果であることが分かっています。
酒席での何気ない言動がハラスメントになっていないかどうか、日頃から慎重に判断する必要がありそうです。
出典:パーソルホールディングス株式会社「~忘年会シーズン お酒の席でのハラスメント~全国の就業者10万人を対象とした「はたらく定点調査」に見るアルコールハラスメントに対する意識~「飲み会欠席」「お酌しない」への叱責は約8割、「ビールを勝手に注文」は約半数がハラスメントと認識~」
アルコールハラスメント防止策として、企業が講じるべき3つの対策
忘年会は職場外かつ勤務時間外に開催されることが大半ですが、従業員が集まる場である以上、そこで発生したハラスメント行為に対して会社が管理責任を免れることはできません。職場におけるアルコールハラスメントは、従業員の健康を脅かす他、モチベーション低下、メンタルヘルス不調、離職率上昇等の労務課題にもつながります。アルコールハラスメントを防止するために、企業が講じるべき対策を検討しましょう。
① アルコールの危険性の周知
忘年会シーズンを控えた今、従業員に対し、「飲酒に伴う危険性」に関わる周知・啓発に取り組みましょう。他者への無責任な飲酒の強要は、相手に重大な健康被害をもたらす行為です。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、アルコールの影響には個人差があり、特に体質的にお酒が弱い人は、口の中のがん(口腔がん)や食道がんなどの発症リスクが非常に高くなることが示されています。また、急性アルコール中毒による死亡事故は毎年のように発生しており、決して他人事ではありません。参加者一人ひとりがアルコールの危険性を正しく理解した上で忘年会に臨むことが、飲酒の強要や酔いつぶしといった問題行為を未然に防ぐことにつながります。
参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
② 飲み会に関するルール作り
職場の飲み会についてのルールを明確化しておくことも、アルコールハラスメント防止策として有効です。具体的には、以下に関わるルール策定が望まれます。
- 「自由参加」を原則とする:参加の強制や、不参加への不利益な扱いをしない
- 飲酒やお酌を強要しない:そもそも飲酒を前提としない(相手の意向を無視した注文や、飲酒の強要をしない)、「上司のグラスが空いたら注ぐ」といった暗黙のルールを廃止する
- ソフトドリンクの充実:アルコール以外の飲み物を豊富に用意し、飲む量や種類を完全に個人の自由にする
- 幹事・主催者の責任の明確化:無理な飲酒をさせない環境をつくり、万が一泥酔者が出た場合は放置せず安全を確保して救急搬送などの責任を持つ。
③ 相談窓口の設置
従業員からの相談に柔軟に対応するため、事業主は適切な体制を整える必要があります。アルコールハラスメント対策として、その他のハラスメント防止措置同様、相談窓口を設置する等の対応が求められます。
アルコールハラスメントの発生は、従業員間だけにとどまりません。取引先の担当者から自社の従業員が被害を受ける、自社の従業員が就活生やインターン、外注先に加害行為を行う等の幅広いケースを想定し、他のハラスメント防止対策と併せて幅広く対応できる様な体制を整えましょう。
今一度、アルコールハラスメント対策のご検討を
職場の忘年会は、一年の労をねぎらうとともに、職場のメンバーとの交流を深める重要な機会です。忘年会を実りあるものにするためには、「すべての参加者にとって安全な環境の確保」が大前提となります。参加者全員が他者への配慮を意識するべきことはもちろんですが、企業としても使用者責任・安全配慮義務の観点から、適切にアルコールハラスメント防止対策を講じてまいりましょう。
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