広がる支援の輪 奨学金代理返還支援(代理返還)制度導入企業を支える地方公共団体の取り組み

広がる支援の輪 奨学金代理返還支援(代理返還)制度導入企業を支える地方公共団体の取り組み

目次

  1. 東京都 「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業」
  2. 兵庫県 「兵庫型奨学金返済支援制度(県内企業人材確保支援事業)」
  3. 鯖江市 「中小企業人材確保奨学金返還支援補助金」
  4. 地方公共団体による支援事業の適用を受けるためには、「就業規則の整備」が必要です

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今や日本の大学生(昼間部)の約55.0%が何らかの奨学金を受給する現状を背景に、企業における奨学金返還支援(代理返還)制度の導入は着々と進みつつあります。企業による奨学金返還支援(代理返還)は、すでに別記事で解説した通り、労使双方にメリットのある制度ですが、本制度の更なる普及を目的に、補助金による支援を行う都道府県や市区町村もあるようです。さっそく、地方公共団体ごとの取り組みをいくつか見ていきましょう。

東京都 「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業」

東京しごと財団では、日本学生支援機構による奨学金代理返還支援(代理返還)制度の仕組みを利用し、奨学金の貸与を受けている大学生等の技術者採用に際し

奨学金返還支援を行う企業負担を軽減する「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業」を行っています。

奨学金の貸与を受けている技術職志望の大学生等と都内中小企業等がそれぞれに本事業専用サイトに登録し、採用活動・就職活動を経て、大学生等が就職後1年間継続して在籍した場合、企業における奨学金返還支援(代理返還)に対する助成を行う事業です。

東京都と中小企業等がそれぞれ出えん金を負担し、公益財団法人東京しごと財団が奨学金返還費用相当額の一部を奨学金貸与団体に直接支払う方法によって助成することにより、中小企業等における技術者の人材の確保と定着を図ります。

対象となるのは、建設・IT・ものづくり分野での技術者採用です。大学生等を技術者として採用し

その者が1年継続して在籍した場合、最大3年間にわたり登録申込時に選択した以下「企業負担金額」の負担を確約できることを条件に、1年度あたり1社につき3名まで適用できます。

参考:公益財団法人東京しごと財団「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業 登録企業募集」

 

兵庫県 「兵庫型奨学金返済支援制度(県内企業人材確保支援事業)」

一般社団法人兵庫県雇用開発協会では、兵庫県と連携し、中小企業の人材確保や若年者の県内就職・定着を図るため、若手社員の奨学金返済を支援する中小企業及び当該企業に勤務する従業員への補助を行っています。

対象は、本社が兵庫県内にある中小企業及び京都府就労・奨学金返済一体型支援事業対象中小企業(京都府本社に限る)の兵庫県内事業所において、下記の対象従業員に対する奨学金返済負担軽減制度を設ける企業です。

1.正社員である者

2.日本学生支援機構の奨学金を受給し、返済義務のある者

3.申請時点で兵庫県内事業所に勤務する者

4.40歳未満の者(申請年度末時点で39歳以下の者)

補助期間は、以下の通り、対象従業員1人につき最長17年です。

補助額は、労使双方に対して以下の通りです。

(企業向け)次の1~3のうち低い額を支給

1.年間返済額の3分の1の範囲

2.奨学金の返済支援として企業が支給する手当額等の年額(申請年度の4月~2月支給分)の2分の1

3.上限6万円/人・年

(従業員向け)次の1~3のうち低い額を支給

1.上限6万円/人・年

2.年間返済額から企業からの手当額等の年間支給額を差し引いた額

3.企業への支給額と同額

参考:一般社団法人兵庫県雇用開発協会「兵庫型奨学金返済支援制度(兵庫県補助事業)」

 

鯖江市 「中小企業人材確保奨学金返還支援補助金」

鯖江市では、市内中小企業の人材確保と若年者の地元就職の促進を図ることを目的に、従業員の奨学金返還支援制度を設ける市内中小企業に対し

企業が従業員に支給した奨学金返還支援額の一部を助成します。本補助金は、企業が代理返還を行った後、または給与・手当として従業員に支給した後の申請となります。

本補助金の対象は幅広く、独立行政法人日本学生支援機構が貸与する奨学金、鯖江市奨学資金、その他地方公共団体、大学、民間企業・団体等が貸与する奨学金が含まれます。

以下の対象事業者、従業員に対し、奨学金代理返還制度にかかる経費(給与、手当、共済費等)の2分の1(年度内1補助対象者120万円が限度。1事業者あたり年度内10人を限度とし、1人の限度額はひと月あたり1万円とする。)が補助されます。

〇 対象事業者

次の1~6のすべてに該当する中小企業

 1.市内に主たる事務所を有していること

 2.従業員に対する奨学金返還支援制度を設け、就業規則又は賃金規定等にその定めを明記していること

 3.対象従業員を正社員として雇用していること

 4.市税の滞納がないこと

 5.国、県または市が出資による権利を有しないこと

 6.暴力団等が経営に関与、または密接な関係を有していないと認められる事業所・事業主

 

〇 対象従業員

次の1~6のすべてに該当する従業員

 1.交付申請日時点で鯖江市民であること

 2.期間の定めなく正規雇用として雇用されていること

 3.2025年4月1日以降雇用された新卒者または県外からの転職者

(市外の支社で現地採用された市外在住の従業員は対象外)

 4.雇用日時点の年齢が30歳未満であること

 5.大学等在学時に奨学金の貸与を受け、奨学金の返還を延滞していないこと

 6.事業所が実施する奨学金の返済支援制度の対象者であること

参考:鯖江市「【令和8年度】中小企業人材確保奨学金返還支援補助金」

 

地方公共団体による支援事業の適用を受けるためには、「就業規則の整備」が必要です

今号でご紹介した、企業の奨学金返還支援(代理返還)を支える都道府県や市区町村による補助金等の申請には

事前の「就業規則や賃金規程の整備」が不可欠です。社内規程に、会社が導入する奨学金返還支援制度の内容を明記すること

そして、補助金の対象となる従業員の要件に「正社員」とあるものには正社員の定義(労働条件や賃金、待遇等)を明確にしておく必要もあります。もちろん、従業員周知や労働基準監督署への届け出も忘れてはなりません。

企業の奨学金返還支援(代理返還)制度の導入、補助金等申請を見据えた社内規程の整備は、社会保険労務士へご相談ください。

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ハーモス労務給与は、となり合った業務をつなげ、労務・給与業務がラクになるシステムです。勤怠データからの給与自動計算、給与通知・年末調整書類のカンタン作成など、労務給与業務がシステムで完結し、効率化につながります。

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HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

編集者

HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
労務関連の手続きやご相談、就業規則作成、助成金申請・・・等々、どんなことでもお気軽にご相談ください!東京はもちろん、日本全国からのご依頼に対応させていただきます。

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