インボイス制度における経費精算とは?領収書の扱いや立替経費の対応を解説

2026.09.29

インボイス制度における経費精算とは?領収書の扱いや立替経費の対応を解説

インボイス制度の開始により、経費精算では従業員から提出された領収書やレシートについて、適格請求書(インボイス)として必要な事項が記載されているか、仕入税額控除の対象となるかなどを確認する必要があります。

特に、従業員が店舗や交通機関などで立替払いをする経費では、「経費精算書があればよいのか」「従業員名義の領収書でも問題ないのか」「少額の経費や交通費にもインボイスが必要なのか」など、判断に迷うケースも少なくありません。

インボイス制度では、仕入税額控除を受けるため、原則として一定事項を記載した帳簿と適格請求書等の保存が必要です。一方、一定の要件を満たせば、インボイスの保存がなくても仕入税額控除が認められる特例もあります。

また、税制改正に伴い、適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)からの課税仕入れに関する経過措置も見直されました。2026年10月1日からは、仕入税額相当額の70%を控除できる措置へ移行します。

本記事では、インボイス制度における経費精算の基本から、領収書・レシートの確認方法、従業員による立替経費、各種特例、経過措置の変更点まで、経理実務で押さえておきたいポイントを解説します。

1.インボイス制度で経費精算はどう変わった?

インボイス制度は、2023年10月1日に開始された「適格請求書等保存方式」です。

インボイスは、売手が買手に対して、適用税率や消費税額等を伝えるためのものです。仕入税額控除を受けるためには、原則として一定事項を記載した帳簿と適格請求書等を保存する必要があります。

そのため、従業員が立て替えた経費についても、単に「領収書が提出されているか」を確認するだけでなく、その取引が仕入税額控除の対象となる場合には、インボイスとして必要な事項が記載されているか、特例の対象となる取引ではないかなどを確認する必要があります。

仕入税額控除には原則として帳簿とインボイス等の保存が必要

仕入税額控除とは、売上時に受け取った消費税額から、仕入れや経費の支払い時に負担した消費税額を差し引く仕組みです。

インボイス制度では、課税仕入れに係る仕入税額控除を受けるため、原則として、取引の事実などを記載した帳簿と適格請求書等を保存します。請求書等には、適格請求書だけでなく、適格簡易請求書や一定の仕入明細書、その電磁的記録なども含まれます。

一方、後述する公共交通機関特例や出張旅費等特例、少額特例など、一定の要件を満たせば帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるケースもあります。

参考:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の概要」

経費精算で確認する項目が増えている

インボイス制度下の経費精算では、取引内容に応じて次のような確認が必要になります。

項目主な確認内容
領収書・レシート適格請求書・適格簡易請求書として必要な事項が記載されているか
発行事業者適格請求書発行事業者の登録番号(T番号)が有効か
取引内容課税取引か、適用税率は何%か
仕入税額控除原則どおりインボイスが必要か、特例・経過措置の対象か
会計処理取引内容に応じた税区分・控除割合で処理できているか
証憑・帳簿必要な書類・帳簿を要件に沿って保存できているか

ただし、これらをすべて申請者が判断する必要があるわけではありません。申請者・承認者・経理担当者の役割を整理し、どの段階で何を確認するかを決めておくことが重要です。

2.経費精算で確認するインボイス・領収書の基本

インボイスという名称の専用書類があるわけではありません。国税庁は、必要事項が記載されていれば、請求書だけでなく、領収書や納品書など、書類の名称を問わずインボイスになり得るとしています。

そのため経費精算では、「領収書だから大丈夫」「レシートだからインボイスではない」と書類名だけで判断せず、必要な事項が記載されているかを確認します。

適格請求書に必要な記載事項

適格請求書には、主に次の6つの事項が必要です。

項目記載内容
①適格請求書発行事業者の氏名または名称・登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率対象の場合はその旨を含む)
④税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

たとえば会社宛てに発行された領収書でも、登録番号などの必要事項が不足していれば、その書類だけで適格請求書の要件を満たすとは限りません。

参考:国税庁「適格請求書等の記載事項」

レシートでも適格簡易請求書になる場合がある

小売業や飲食店業、タクシー業など、不特定多数の者に対して販売やサービス提供を行う一定の事業者は、「適格簡易請求書(簡易インボイス)」を交付できます。

適格簡易請求書では、通常の適格請求書とは異なり、書類の交付を受ける事業者の氏名・名称、いわゆる宛名の記載は不要です。また、「適用税率」または「税率ごとに区分した消費税額等」のいずれか一方の記載でよいとされています。

そのため、飲食店や小売店でもらった宛名のないレシートでも、適格簡易請求書の要件を満たしていれば、仕入税額控除に必要な請求書等として扱える場合があります。

経費精算書とインボイスは役割が異なる

ここは経費精算で混同しやすいポイントです。

一般的な「経費精算書」は、従業員が業務上の支出を立て替えた際に、会社へ内容や金額を申請し、精算するための社内書類です。

一方、インボイスは、取引先・店舗などの売手から交付を受ける、仕入税額控除の要件に関係する書類・データです。

項目経費精算書インボイス
主な目的社内で立替経費等を申請・精算する適用税率・消費税額等を買手へ伝える
主な作成・発行者従業員等適格請求書発行事業者
主な利用場面社内の経費精算仕入税額控除
代表例経費精算書・立替金精算書要件を満たす請求書・領収書・レシート等

したがって、一般的な社内の経費精算書を作成しただけで、取引先から受領するインボイスの保存要件を満たすわけではありません。

ただし、後述する従業員による立替払いなどでは、立替金精算書が保存要件を満たすために必要になる場合があります。

3.従業員が立替払いした経費のインボイスはどう扱う?

経費精算では、従業員が会社に代わって物品やサービスの代金を支払い、後から会社がその金額を精算するケースがあります。

このとき、店舗から受け取った領収書に従業員名が記載されている場合、「会社名義ではないから仕入税額控除できないのでは」と迷うことがあります。

結論からいうと、従業員名が記載された適格簡易請求書であっても、一定の要件を満たすことで会社が仕入税額控除を行える場合があります。

従業員名義の適格簡易請求書でも仕入税額控除できる場合がある

国税庁は、会社の業務に必要な消耗品等を従業員が立替払いし、従業員名が記載された適格簡易請求書を受け取ったケースについて、具体的な取扱いを示しています。

原則として、適格簡易請求書に会社以外の者の氏名が記載されている場合、その書類をそのまま保存しただけでは会社の仕入税額控除の保存要件を満たしません。

一方、その従業員が会社に所属していることが分かる従業員名簿等をあわせて保存している場合は、従業員名が記載された適格簡易請求書と従業員名簿等の保存によって、請求書等の保存要件を満たすことが認められています。

つまり、「従業員名義だから仕入税額控除できない」と一律に判断する必要はありません。

従業員を特定できない場合は立替金精算書も保存する

一方、従業員名簿等がなく、適格簡易請求書に記載された人物が会社の従業員であることを特定できない場合は、従業員名義の適格簡易請求書に加え、従業員が作成した立替金精算書の保存が必要です。

整理すると次のようになります。

ケース保存書類の考え方
従業員名義の適格簡易請求書があり、従業員名簿等で本人を特定できる適格簡易請求書 + 従業員名簿等 + 帳簿
従業員名簿等で立替払いした従業員を特定できない適格簡易請求書 + 立替金精算書 + 帳簿
会社宛ての適格請求書等を受領している原則として適格請求書等 + 帳簿

参考:国税庁「従業員が立替払いした場合の適格簡易請求書等の保存要件」

なお、この国税庁Q&Aは「従業員名が記載された適格簡易請求書」についての取扱いです。通常の適格請求書など、異なるケースまで同じ扱いになると一般化しないよう注意が必要です。

4.インボイスの保存がなくても仕入税額控除できる主なケース

インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために帳簿と適格請求書等を保存するのが原則です。

しかし、経費精算で頻繁に発生する取引の中にも、一定の要件を満たせば、インボイスの保存がなくても一定事項を記載した帳簿のみで仕入税額控除が認められるケースがあります。

特に間違えやすいのが、「少額特例」「公共交通機関特例」「出張旅費等特例」です。

3つの制度を整理すると、次のとおりです。

制度・特例主な対象金額・期間等注意点
少額特例一定規模以下の事業者による課税仕入れ税込1万円未満、2029年9月30日まで対象となる事業者が限定される
公共交通機関特例一定の公共交通機関による旅客運送3万円未満すべての交通手段が対象ではない
出張旅費等特例従業員等への通常必要な出張旅費・宿泊費・日当・通勤手当一律の金額基準なし「通常必要と認められる部分」が対象

「1万円未満」「3万円未満」という金額だけで判断せず、どの特例の要件を満たしているのかを確認することが重要です。

少額特例|税込1万円未満の課税仕入れ

少額特例とは、一定規模以下の事業者が行う税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくても、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を認める制度です。

対象となるのは、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者です。2023年10月1日から2029年9月30日までに行う課税仕入れが対象です。

ここで注意したいのが、「1万円未満ならすべての企業でインボイスが不要」という意味ではないことです。

また、少額特例はあくまで仕入税額控除におけるインボイスの保存を不要とする制度です。会社が社内の経費精算ルールとして領収書やレシートの提出・保存を求めるかどうかとは分けて考える必要があります。

なお、1万円未満かどうかは原則として一商品ごとではなく、1回の取引の合計額で判定します。たとえば同時に5,000円の商品と7,000円の商品を購入した場合、合計12,000円の取引となるため、少額特例の対象にはなりません。

参考:国税庁「少額特例の概要」

公共交通機関特例|3万円未満の一定の旅客運送

3万円未満の公共交通機関による一定の旅客運送については、適格請求書の交付義務が免除されており、買手側も一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を受けることができます。

対象となる公共交通機関には、一定の船舶、バス、鉄道・軌道による旅客運送が該当します。

一方、「3万円未満の交通費なら何でもインボイス不要」というわけではありません。タクシーや航空機による旅客運送は、この公共交通機関特例の対象には含まれません。

参考:国税庁「公共交通機関特例の3万円未満の判定単位」

出張旅費等特例

従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当のうち、通常必要と認められる部分については、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

したがって、経費精算では「交通費だから公共交通機関特例」とだけ考えるのではなく、会社が従業員に支給する出張旅費等として出張旅費等特例の対象になるかという別の観点もあります。

参考:国税庁「出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い」

5.インボイス未登録の事業者等からの経費はどうする?経過措置の変更点

適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)からの課税仕入れでは、原則として適格請求書の交付を受けることができません。

ただし、制度開始後の一定期間については、一定の要件を満たすことで仕入税額相当額の一部を控除できる経過措置が設けられています。

2026年9月30日までは仕入税額相当額の80%を控除可能

2023年10月1日から2026年9月30日までの課税仕入れについては、一定の要件のもとで、仕入税額相当額の80%を仕入税額として控除できます。

2026年10月1日からは70%控除へ変更

経過措置の適用にあたり、特に注意したい変更点があります。

当初は2026年10月から50%控除へ移行する予定でしたが、税制改正によって経過措置が見直されました。

変更後の控除割合は次のとおりです。

課税仕入れの時期控除可能割合
2023年10月1日~2026年9月30日80%
2026年10月1日~2028年9月30日70%
2028年10月1日~2030年9月30日50%
2030年10月1日~2031年9月30日30%
2031年10月1日以降経過措置終了(0%)

経過措置の控除割合は、代金を支払った日ではなく、原則として「課税仕入れを行った時期」で判断します。例えば、サービスなどの役務提供を受けた場合は原則として役務の全部が完了した日、商品の仕入れでは原則として商品の引渡しを受けた日が課税仕入れの時期となります。

そのため、例えば2026年9月にサービスの提供が始まり、10月にサービス提供が完了して代金を支払った場合、原則として課税仕入れの時期は10月となり、70%の控除割合が適用されます。支払日だけで80%・70%を判断しないよう注意が必要です。

つまり、2026年10月1日以降に行う課税仕入れでは、経過措置の控除割合が80%から70%へ変わります。

社内資料などで旧制度の「2026年10月から50%控除」のまま記載されている場合は、最新の税制改正後の内容に更新する必要があります。

また、2026年度税制改正では控除割合だけでなく、経過措置を適用できる課税仕入れの上限も見直されています。適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)との取引については、取引先ごとに、その年または事業年度における経過措置の対象となる課税仕入れの合計額(税込み)が1億円を超える場合、その超えた部分には経過措置を適用できません。なお、この上限の見直しは、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

参考:国税庁「令和8年度 税制改正特集」

なお、経過措置を適用するためには、免税事業者等から受領した区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等と、経過措置の適用を受ける旨を記載した帳簿の保存が必要です。

経費精算で見直したいポイント

控除割合の変更に合わせて、経費精算では次の点を確認しておきましょう。

  • 支払先が適格請求書発行事業者か
  • 課税仕入れを行った時期はいつか
  • 経過措置の対象となる取引か
  • 適用する控除割合が正しいか
  • 会計処理で使用する税区分・仕訳が適切か
  • 経過措置に必要な書類・帳簿を保存できているか

特に、経費精算システムや会計システムで控除割合・税区分等を設定している企業では、最新の税制改正後の控除に対応しているか、利用中のシステムやベンダーの案内を確認しておくことが重要です。

6.インボイス制度に対応した経費精算の流れと確認ポイント

インボイス制度への対応では、経理担当者だけがすべての確認を担うのではなく、経費の発生から会計処理・保存までの流れを整理し、それぞれの段階で必要な情報をそろえられる運用にすることが重要です。

一例として、次のように整理できます。

流れ主な担当主な対応・確認
① 経費発生・証憑受領申請者領収書・レシート等を受け取る
② 経費申請申請者支払先・日付・金額・用途等を入力し、証憑を提出
③ 承認承認者業務上必要な支出か、社内規程に沿っているかを確認
④ インボイス確認経理担当者等T番号・必要記載事項、特例・経過措置等を確認
⑤ 会計処理経理担当者税区分・仕入税額控除の区分・仕訳等を処理
⑥ 証憑・帳簿保存会社法令や社内ルールに沿って必要な証憑・帳簿を保存

たとえば、申請者には「領収書を受け取って申請時に添付する」、承認者には「業務上必要な支出か確認する」、経理担当者には「仕入税額控除の扱いや税区分を確認する」といったように、役割を分けておく方法があります。

インボイス制度への対応で重要なのは、T番号の確認だけではありません。領収書等の取得から、経費申請、承認、税務上の確認、仕訳、証憑保存までを一連の業務として設計することが、確認漏れや手戻りを減らすうえで重要です。

経費精算では、インボイス対応に限らず「入力」「内容確認」「規程との照合」「例外対応」など複数の作業・判断が発生します。

関連記事:経費精算がめんどくさいのはなぜ?申請者・承認者・経理の負担と解決策

関連記事:経費精算の課題とは?立場別の問題点と繰り返す原因・解決策を解説

7.インボイス制度下の経費精算で注意したいポイント

最後に、経費精算で特に間違えやすい4つのポイントを整理します。

  • T番号が記載されているだけでインボイスと判断しない
  • 「領収書」「レシート」という名称だけで判断しない
  • 1万円未満・3万円未満の特例を混同しない
  • インボイス制度と電子帳簿保存法を混同しない

T番号が記載されているだけでインボイスと判断しない

適格請求書には、登録番号だけでなく、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額、消費税額等などの記載事項があります。

そのため、T番号が記載されていることだけを理由に「適格請求書の要件を満たしている」と判断するのではなく、必要な事項が記載されているかを確認します。また、登録番号については、現在有効な適格請求書発行事業者のものか確認することも重要です。

「領収書」「レシート」という名称だけで判断しない

インボイスには法令上決められた様式があるわけではありません。必要事項が記載されていれば、請求書、領収書、納品書など名称を問わずインボイスとなり得ます。また、飲食店や小売店などが交付するレシートも、適格簡易請求書の要件を満たしている場合があります。

したがって、書類名ではなく「必要事項が記載されているか」で判断することが基本です。

1万円未満・3万円未満の特例を混同しない

「1万円未満」と「3万円未満」は、異なる制度の基準です。

少額特例は、一定規模以下の事業者が行う税込1万円未満の課税仕入れが対象です。一方、公共交通機関特例の3万円未満という基準は、一定の公共交通機関による旅客運送に関するものです。「少額だからインボイスはいらない」と金額だけで判断しないことが重要です。

インボイス制度と電子帳簿保存法を混同しない

インボイス制度と電子帳簿保存法は、どちらも領収書や請求書の実務に関係するため混同しやすい制度ですが、目的・ルールは異なります。

  • インボイス制度:主に消費税の仕入税額控除を受けるための請求書等の要件に関する制度
  • 電子帳簿保存法:国税関係帳簿・書類や電子取引データを電子的に保存する際の方法や要件などを定めた制度

たとえばメールやWebサイトからPDFで受け取った領収書・請求書については、インボイスとして必要な事項の確認だけでなく、電子取引データとして電子帳簿保存法に沿って保存することも必要になる場合があります。「インボイスとして適切か」と「どのように保存するか」は分けて確認すると理解しやすいでしょう。

8.インボイス制度に対応した経費精算を支援する「ハーモス経費」

インボイス制度によって、経費精算ではT番号や適格請求書発行事業者かどうかの確認、仕入税額控除の区分など、確認する項目が増えています。

クラウド型経費精算システム「ハーモス経費」では、領収書の読み取りからT番号の照合、経費申請・承認、仕訳データの作成まで、経費精算に関わる一連の業務を支援します。

AI-OCRでT番号を読み取り、国税庁データベースと照合

ハーモス経費の領収書AI-OCRでは、領収書から日付、金額、消費税額、発行元、適格請求書発行事業者登録番号(T番号)などを読み取ることができます。

読み取ったT番号は国税庁のデータベースと照合し、適格請求書発行事業者かどうかを確認できます。また、仕入税額控除の対象を区別した仕訳にも対応しています。

申請者によるT番号の手入力や、経理担当者が登録番号を一件ずつ検索する作業を減らし、インボイス確認を支援します。

ただし、AI-OCRによる読み取り・照合だけで、すべての税務判断が不要になるわけではありません。取引内容や特例の適用可否など、必要に応じて確認する運用は引き続き重要です。

機能詳細:ハーモス経費「領収書AI-OCR」

領収書AI-OCRを基本料金内で利用できる

ハーモス経費の領収書AI-OCRは標準搭載されており、読み取り枚数に応じた追加の従量料金なく、基本料金内で利用できます。

領収書の件数が多い場合でも、読み取り枚数に応じた従量料金を気にせず利用できるため、日常的に発生する経費精算でAI-OCRを活用できます。

インボイス確認から仕訳データ作成までつなげられる

ハーモス経費では、AI-OCRによるT番号の読み取り・照合に加えて、仕入税額控除の対象を区別した仕訳が可能です。100種類以上の会計システムとの連携実績があり、主要な会計システム向けの標準テンプレートや、連携用CSVファイルの作成にも対応しています。

そのため、

領収書の読み取り → T番号の照合 → 経費申請・承認 → 仕訳データ作成 → 会計システムへの連携

まで、一連の経費精算業務としてつなげることができます。

※経過措置割合の変更に伴う具体的な対応状況・設定仕様については、最新の製品資料や問い合わせ窓口へご確認ください。

機能詳細:ハーモス経費「会計ソフト連携・データ出力」

電子帳簿保存法に対応した証憑保存

ハーモス経費は、電子帳簿保存法のスキャナ保存・電子取引に対応しており、領収書や請求書などの証憑を電子保存・管理できます。また、スキャナ保存ソフト法的要件認証および電子取引ソフト法的要件認証の双方でJIIMA認証を取得しています。

インボイス制度への対応と証憑保存を別々に管理するのではなく、経費精算の申請・承認とあわせて管理できます。

サービス詳細:ハーモス経費の機能・サービス詳細

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経費精算システムを検討する際は、インボイス制度対応機能だけでなく、自社の現在の業務をどこまで効率化できるかを確認することが重要です。ハーモス経費の主な機能や料金、導入後の運用イメージを確認したい方に向けて、基本資料をご用意しています。

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9.インボイス制度と経費精算に関するよくある質問

インボイス制度下における経費精算や領収書の扱いに関して、実務担当者からよく寄せられる疑問と回答をまとめました。自社の経費精算ルールや運用を見直す際の参考にしてください。

  • Q1. 経費精算書はインボイスとして使えますか?
  • Q2. 従業員名義の領収書でも仕入税額控除できますか?
  • Q3. 1万円未満の経費ならインボイスは不要ですか?
  • Q4. 3万円未満の交通費ならインボイスは不要ですか?
  • Q5. インボイス未登録の店で支払った経費は仕入税額控除できませんか?

Q1. 経費精算書はインボイスとして使えますか?

A.一般的な社内の経費精算書は、従業員が立替経費を会社へ申請・精算するための書類であり、取引先から交付を受けるインボイスとは役割が異なります。仕入税額控除を受ける場合は、原則として一定事項を記載した帳簿と適格請求書等の保存が必要です。なお、従業員立替などでは、立替金精算書が保存要件を満たすために必要となるケースがあります。

Q2. 従業員名義の領収書でも仕入税額控除できますか?

A.一定の場合に可能です。たとえば従業員名が記載された適格簡易請求書について、その従業員が会社に所属していることが分かる従業員名簿等をあわせて保存している場合、会社は請求書等の保存要件を満たすことが認められています。従業員名簿等がなく立替払いした従業員を特定できない場合は、従業員名義の適格簡易請求書と立替金精算書の保存が必要です。

Q3. 1万円未満の経費ならインボイスは不要ですか?

A.すべての企業・取引で不要になるわけではありません。少額特例の対象となるのは、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が行う税込1万円未満の課税仕入れです。2029年9月30日までの課税仕入れが対象となっています。また、インボイスの保存が不要になることと、会社の経費精算ルール上、領収書等を提出・保存する必要があるかは別の問題です。

Q4. 3万円未満の交通費ならインボイスは不要ですか?

A.すべての交通費が対象ではありません。3万円未満の一定の公共交通機関による旅客運送については、インボイスの保存がなくても一定事項を記載した帳簿のみで仕入税額控除を受けられます。一方、タクシーや航空機はこの公共交通機関特例の対象ではありません。また、従業員への出張旅費等については、公共交通機関特例とは別に出張旅費等特例の対象となる場合があります。

Q5. インボイス未登録の店で支払った経費は仕入税額控除できませんか?

A.適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)からの課税仕入れでも、経過措置の要件を満たす場合は、一定割合を仕入税額として控除できます。2026年9月30日までに行う課税仕入れは80%、2026年10月1日から2028年9月30日までに行う課税仕入れは70%です。控除割合は、原則として課税仕入れを行った時期に応じて判定します。その後、2028年10月から50%、2030年10月から30%へ段階的に変更されます。

10.まとめ|インボイス制度に対応した経費精算のポイントを押さえよう

インボイス制度下の経費精算では、領収書やレシートを受け取るだけでなく、仕入税額控除の対象となる取引について、適格請求書等として必要な事項が記載されているか、特例・経過措置の対象となるかなどを確認する必要があります。

特に押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 一般的な社内の経費精算書と、取引先が発行するインボイスは役割が異なる
  • 領収書・レシートも、必要事項を満たせば適格請求書・適格簡易請求書になり得る
  • 従業員名義の適格簡易請求書でも、従業員名簿等との保存によって仕入税額控除の保存要件を満たせる場合がある
  • 少額特例・公共交通機関特例・出張旅費等特例では、一定の要件を満たせば帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる
  • 適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者等)からの課税仕入れに係る経過措置の控除割合は、2026年10月1日から80%控除から70%控除へ変更される
  • インボイス制度と電子帳簿保存法は目的・要件が異なるため、それぞれのルールを確認する

インボイス制度への対応では、申請者・承認者・経理担当者それぞれが確認する内容を整理し、領収書の取得から申請・承認、税務上の確認、仕訳、証憑保存までを一連の業務として見直すことが重要です。

経費精算システムを活用すれば、領収書の読み取りやT番号の照合、仕訳データ作成など、定型的な入力・確認作業を効率化できます。一方で、取引内容や特例の適用可否など、人による確認・判断が必要な場面も残ります。

インボイス制度下の経費精算を見直したい方へ

経費精算システム「ハーモス経費」では、AI-OCRによる領収書の読み取りやT番号の国税庁データベース照合、仕入税額控除区分に対応した仕訳データ作成など、インボイス制度下の経費精算業務を支援します。機能や運用イメージを確認したい方は、以下の資料をご覧ください。

※本記事は執筆時点の法令・国税庁公表情報をもとに、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の取引における税務上の取扱いについては、必要に応じて税理士等の専門家や所轄税務署へご確認ください。