経費精算代行(アウトソーシング)とは?依頼できる業務・費用やシステムとの違いを解説
2026.09.16


この記事のポイント
- 経費精算は外部へ代行でき、申請内容・証憑の確認、データ入力、仕訳、支払関連業務などを委託できる。
- 代行により社内の業務負担を軽減できるが、支出の業務上の必要性など社内での判断・決裁が必要な業務は残る。
- 定型作業そのものを減らす「システム化」や代行との「併用」も含め、自社の業務を分解して最適な方法を選ぶことが重要。
経費精算業務には、申請内容や証憑(領収書等)の確認、社内規程との照合、仕訳・会計処理など、さまざまな作業が発生します。
こうした業務の一部や全部を外部へ委託し、社内の負担を軽減する方法の一つが「経費精算代行(アウトソーシング/BPO)」です。一方で、代行を導入しても社内での判断が必要な業務は残ります。また、入力や確認などの定型作業を経費精算システムによって効率化する方法もあります。
本記事では、経費精算代行の基本から、委託できる業務範囲、メリット・デメリット、費用、代行会社の選び方に加え、経費精算システムとの違いや使い分けまでわかりやすく解説します。
1.経費精算代行(アウトソーシング)とは
経費精算代行とは、企業内部で行われている経費精算業務の一部または全部を、外部の専門事業者へ委託(アウトソーシング/BPO)するサービスです。
経理担当者の業務負担を軽減し、財務分析や予算管理など、より専門性や判断を必要とする業務にリソースを振り向けるための手段の一つです。
一口に経費精算代行と言っても、委託できる業務範囲や対応形態(オンライン型、委託センター型、常駐型など)は代行会社によって異なり、自社の課題に合わせた契約・導入が行われます。
立替経費精算に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:立替経費精算とは?申請の流れ・仕訳・注意点と効率化の方法を解説
2.経費精算代行に依頼できる主な業務
経費精算代行で実際に外部へ任せられる業務はどこからどこまでなのか、一般的な委託範囲を整理します。
申請内容・領収書などの確認
申請者から出された申請内容と、添付された領収書やレシートなどの証憑との突き合わせ確認を行います。
- 支払日・金額・支払先・取引内容などのチェック
- 社内規程(金額上限、事前申請の有無など)との照合
- 記載不備や入力漏れがある場合の不備確認・差し戻し対応支援
※実際の対応範囲はサービスによって異なります。
データ入力・仕訳などの会計処理
提出された領収書画像や紙の証憑をもとにしたデータ入力や、会計ソフト・経費精算システムへの入力作業を委託します。
- 領収書等のデータ化・入力作業
- 契約内容や運用ルールに基づく勘定科目・税区分の適用、仕訳入力
- 会計システムへのデータ取り込み・登録
支払関連業務
経費精算データの確定後、従業員への立替経費の振込や、振込手配に関する業務を委託・支援してもらうケースもあります。
- 銀行振込用データ(FBデータ)の作成
- 振込手続きの代行・サポート
※金融機関の口座操作等に関わるため、サービスやセキュリティ契約によって対応可否が分かれます。
【注意】経費精算代行ですべての業務を任せられるとは限らない
経費精算代行では、申請内容や証憑の確認だけでなく、あらかじめ定めたルールに基づく承認業務まで委託できるサービスもあります。ただし、対応範囲や承認権限はサービス・契約内容によって異なります。また、支出の業務上の必要性や、社内規程から外れる例外的な支出の妥当性など、自社での判断・決裁が必要となる業務もあります。委託前に「外部へ任せる業務」と「社内で判断する業務」を整理しておくことが重要です。
3.経費精算を代行するメリット・デメリット
経費精算代行の検討にあたっては、導入による利点と懸念される注意点の両面を把握しておくことが重要です。
経費精算を代行するメリット
- 経理担当者の業務負担を軽減できる
毎月の締め日付近に集中する領収書の確認作業や手入力作業を外部へ委託することで、社内担当者の業務負担軽減につながります。 - コア業務に集中しやすくなる
経理担当者が定型的な精算チェックや入力作業から解放され、財務分析や予算管理といった業務に注力しやすくなります。 - 人手不足に対応しやすい
採用難や突発的な退職・休職により社内のリソースが不足した場合でも、社内リソースを補完しやすくなります。 - 外部事業者の専門ノウハウを活用できる
経費精算に関する実務経験やノウハウを持つ事業者へ委託することで、一定の業務品質を維持しやすくなることが期待できます。
経費精算を代行するデメリット・注意点
- 委託費用が発生する
外部へ委託するための費用が発生するため、削減できる社内工数や人件費とのバランスを考慮する必要があります。 - 社内にノウハウが蓄積しにくくなる可能性がある
確認作業や実務をすべて外部へ任せきりにすると、自社内に経費精算の実務ノウハウが残りにくくなるリスクがあります。 - セキュリティや情報管理への配慮が必要
社内の支出情報や取引先・従業員の個人情報を含む証憑を外部へ提供するため、信頼できるセキュリティ体制・秘密保持契約を備えた事業者を選ぶ必要があります。 - イレギュラー対応や緊急時のスピード感に注意が必要
対応頻度やデータの受け渡し方法などによっては、確認・修正に時間を要する場合があるため、緊急時の運用ルールをあらかじめ決めておく必要があります。
4.経費精算代行の費用・料金体系
経費精算代行の費用は、委託する業務範囲や処理件数、企業規模、対応方法などによって異なります。
経費精算代行では、例えば以下のような料金体系があります。
- 初期費用:運用フローの構築やマニュアル作成、初期設定などの費用
- 月額基本料金:システム利用や一定の基本業務をカバーするための固定費用
- 従量料金:申請件数や領収書枚数など、処理量に応じて発生する料金
- オプション料金:急ぎの処理や振込データ作成、特殊な個別確認などを追加する場合の料金
費用を検討する際は、表面上の月額費用だけでなく、処理件数や利用人数、委託範囲、社内に残る作業工数まで含めて比較しましょう。
5.経費精算代行サービスを選ぶポイント
自社に合った経費精算代行会社を選定するために、比較検討時に確認しておくべき主なポイント5つを紹介します。
- 委託対応業務の範囲
- 自社に合った料金体系
- セキュリティ・情報管理体制
- 既存システムとの連携・データ受け渡し
- イレギュラー・緊急時の対応体制
委託したい業務に対応しているか
「領収書の確認・手入力だけ任せたいのか」「仕訳作成や振込データ作成まで任せたいのか」など、自社が負担に感じている工程をカバーできるか確認します。
料金体系が自社に合っているか
単純な月額料金だけでなく、処理件数・オプション・社内に残る工数なども含めて総合的に検討します。
セキュリティ・情報管理体制が整っているか
経費精算代行では、従業員や取引先に関する個人データを委託先が取り扱う場合があります。個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合、委託元に委託先への必要かつ適切な監督が求められています。
委託先を選ぶ際は、プライバシーマークやISMS(ISO/IEC 27001)等の取得状況だけで判断するのではなく、データの取扱方法やアクセス管理、再委託の有無、事故発生時の報告体制なども確認しましょう。
既存システムとの連携・データ受け渡しがしやすいか
自社が既に利用している、または導入予定の経費精算システムや会計システムへスムーズにデータを出力・連携できるかを確認します。
イレギュラー・緊急時の対応体制があるか
対応時間・問い合わせ方法・締め日・修正時のフローなど、緊急時の対応体制が明確になっているかを確認します。
6.経費精算代行と経費精算システムの違い
経費精算の負担を軽減する方法は、外部へ業務を委託する「代行」だけではありません。入力や確認、データ連携などの定型作業を経費精算システムで効率化する方法もあります。
【概要比較】経費精算代行と経費精算システム
| 比較項目 | 経費精算代行 | 経費精算システム |
|---|---|---|
| 主な考え方 | 社内業務の一部を外部へ委託 | 定型作業を仕組みで効率化 |
| 主な対象 | 確認・入力・会計処理・支払関連業務等 | 入力・チェック・承認回付・仕訳/振込データ作成・データ連携等 |
| 費用 | 委託範囲・件数等で変動 | 利用人数・プラン・機能等で変動 |
| 社内に残る業務 | 業務上の判断・決裁 本人確認が必要な申請内容の修正等 | 業務上の判断・決裁 本人確認が必要な申請内容の修正等 |
| 併用 | システムとの併用も可能 | 代行サービスとの併用も可能 |
どちらが適しているかを考えるには、経費精算業務を工程ごとに分け、「誰が・何を担うのか」を整理することが重要です。
【役割分担表】社内担当者・代行業者・経費精算システムの役割
| 業務工程 | 社内担当者が担うこと | 代行業者が担えることの例 | 経費精算システムで効率化・支援できることの例 |
|---|---|---|---|
| 申請・入力 | 利用目的の入力、証憑の提出等 | 証憑の入力・データ化等 | AI-OCR、法人カード・ICカード等のデータ連携による入力支援 |
| 確認・チェック | 業務上の必要性・妥当性の判断 | 証憑と申請内容の照合、規程チェック等 | 入力不備、規程違反、重複等のチェック支援 |
| 承認・回付 | 業務上の必要性や例外についての社内判断・決裁 | 運用ルールに基づく申請内容の確認・承認等 | 設定条件に応じた承認ルートへの回付 |
| 会計処理 | 例外的な取引等の会計判断 | 仕訳入力、会計ソフトへの入力等 | 申請・承認データをもとに仕訳データ作成、会計システムとのデータ連携 |
| 支払関連業務 | 振込内容の確認・承認等 | 振込データ作成・振込手続きの支援等 | 振込データ(FBデータ)の作成・出力等 |
※代行業者の対応範囲はサービス・契約内容によって異なります。また、利用できる機能は経費精算システムによって異なります。
代行は社内業務を外部へ委託する方法
代行は、これまで社内で行っていた確認・入力・会計処理などを外部へ委託し、担当者の負担を軽減できる方法です。社内リソースを直接使わずに業務を回せる利点がある一方、委託範囲に応じた費用が発生し、社内での判断・決裁が必要な業務は残ります。
経費精算システムは定型作業を仕組みで効率化する方法
経費精算システムを導入する方法は、定型作業をシステムで効率化・仕組み化するアプローチです。経費精算システムでは、製品によって以下のような機能を利用できます。
- 領収書AI-OCR:領収書から日付・金額・発行元・T番号等を読み取りデータ化し、手入力を削減
- 法人カード・交通系IC連携:利用明細データを取り込み、手入力や転記作業を抑制
- 規程・重複チェック機能:上限オーバーや二重申請をシステムが自動で検知・警告
- 仕訳データ作成・会計連携:申請・承認データをもとに仕訳データを作成し、会計ソフトに合わせたレイアウトで出力
- 振込データ作成:精算データをもとにFBデータを作成し、振込処理を効率化
定型的な転記や簡単な照合などの作業をシステムで補助することで、入力や確認の手間を削減できます。
代行と経費精算システムを組み合わせる方法もある
代行とシステムを二者択一にする必要はありません。
例えば、経費精算システムを業務基盤として導入し、データ連携やAI-OCRによって入力や定型チェックの作業工数を減らした上で、残る確認や処理の一部を代行事業者へ委託するというハイブリッドな運用も選択肢の一つです。
業務プロセスやデータをシステム上で共通化しておくことで、代行範囲の変更や内製化を検討しやすくなる場合があります。
まずは自社の経費精算業務を分解し、「システムで効率化できる業務」「社内で判断すべき業務」「外部へ委託する業務」を整理したうえで、自社の予算やリソース、業務量に応じて、代行・システム導入・併用のどれが適しているかを検討しましょう。
7.経費精算業務の効率化を支援する「ハーモス経費」
経費精算システム「ハーモス経費」では、こうした入力・確認業務の効率化を支援する機能を提供しています。申請者の手入力削減から、規程チェック、承認ワークフロー、証憑管理、仕訳・会計連携まで、経費精算業務全体の効率化を幅広く支援します。
AI-OCRやデータ連携で入力作業を効率化
- 領収書AI-OCR:紙の領収書をスマートフォンアプリで撮影する場合はもちろん、メール等で受領した電子取引の領収書(PDFや画像)の読み取りにも対応。日付・金額・消費税額(8%・10%)・発行元・適格請求書発行事業者登録番号(T番号)などを自動でデータ化し、申請時の入力負担を軽減します。
- 法人カード・交通系ICカード連携:利用明細データを取り込んで申請に活用可能。経路検索や金額入力の手間を減らし、転記ミスの抑制にもつながります。
規程チェックや承認フローを効率化
- 規程違反・重複申請チェック:設定した条件に対する金額超過や、同一領収書・日付・金額等の重複を検知してアラートを表示し、担当者の目視確認負担を軽減します。
関連記事:重複申請チェック機能|ハーモス経費
関連記事:事前申請額の超過チェック機能|ハーモス経費 - 柔軟なワークフロー設定:部門・ユーザー・金額などの条件に応じて承認ルートを設定し、申請内容に応じた回付を支援します。
仕訳データ作成・100種類以上の会計システムとの連携実績
- 仕訳データ作成・会計システム連携:申請・承認データをもとに仕訳データを作成し、会計システムへの連携に活用できます。主要な会計システム向けの標準テンプレートに加え、テンプレートがない場合でも、利用中の会計システムに合わせて、連携用CSVの出力レイアウトを設定できます。なおハーモス経費では100種類以上の会計システムとの連携実績があります。
電子帳簿保存法に対応した電子保存・証憑管理
- 電子帳簿保存法対応・証憑管理:ハーモス経費は、電子帳簿保存法のスキャナ保存・電子取引の両方に対応しており、領収書や請求書などの証憑を法令の要件に沿ってシステム上で保存・管理できます。また、スキャナ保存ソフト法的要件認証および電子取引ソフト法的要件認証の双方でJIIMA認証を取得しています。
25年以上の実績と利用継続率99.8%の運用基盤
- 25年以上の実績・セキュリティ基盤:2000年に「eKeihi」としてサービスを開始して以来、25年以上にわたり経費精算業務を支援してきた運用実績があり、利用継続率は99.8%(2025年3月時点)です。Microsoft Azureを採用した基盤に加え、SAML認証(SSO)やIPアドレス制限などのセキュリティ機能にも対応しています。
ハーモス経費で申請・承認・会計処理に必要なデータを一元的に管理することで、経費精算業務の効率化を支援します。代行サービスと併用する場合は、代行事業者がハーモス経費上でどの業務まで対応できるか、権限設定やデータの受け渡し方法を含めて個別に確認する必要があります。
【無料ダウンロード】ハーモス経費がわかる基本資料3点セット
機能や運用イメージを詳しく知りたい推進担当者・経理担当者の方に向けて、ハーモス経費がわかる資料を無料でご用意しています。

8.経費精算代行に関するよくある質問
- Q1. 経費精算はどこまで代行できますか?
- Q2. 経費精算代行にはどのような料金体系がありますか?
- Q3. 経費精算代行と経費精算システムはどちらが良いですか?
- Q4. 経費精算代行と経費精算システムは併用できますか?
Q1. 経費精算はどこまで代行できますか?
A.申請内容や領収書の確認、社内規程との照合、データ入力、仕訳作成、振込データの作成などを委託できます。サービスによっては、あらかじめ定めたルールに基づく承認業務まで委託できる場合があります。ただし、対応範囲や承認権限はサービス・契約内容によって異なり、業務上の必要性や例外的な支出など、自社での判断が必要となる業務もあります。
Q2. 経費精算代行にはどのような料金体系がありますか?
A.委託する業務範囲や月間の処理件数、対応形態によって異なります。月額固定料金制、1件あたりの従量課金制、あるいは両方の組み合わせなどがあり、自社の運用規模に応じた確認が必要です。
Q3. 経費精算代行と経費精算システムはどちらが良いですか?
A.一概にどちらが良いとは言えません。社内で行っている確認・入力等を外部へ委託したい場合は代行、入力・転記・チェック・仕訳データ作成などの定型作業を仕組みで効率化したい場合はシステムが選択肢になります。両者を組み合わせる方法もあります。
Q4. 経費精算代行と経費精算システムは併用できますか?
A.併用可能です。経費精算システムを導入して入力やチェックの定型作業を効率化した上で、残る確認や処理の一部を代行業者へ委託するハイブリッド運用も選択肢の一つです。
自社の予算やリソース、業務量に応じて、代行・システム導入・併用のどれが適しているかを検討しましょう。
9.まとめ|経費精算業務を分解し、自社に合った効率化方法を選ぼう
経費精算代行は、社内で行っている確認や入力・記帳などの業務を外部へ委託し、担当者の負担を軽減できる方法の一つです。
一方、経費精算システムを活用すれば、入力や転記、確認などの定型作業を効率化できます。
まずは自社の経費精算業務を「システムで効率化できる作業」「社内で判断・確認すべき業務」「外部へ委託できる業務」に分解してみましょう。代行・システム導入・併用という選択肢の中から、自社に適した方法を選ぶことが、経費精算業務の効率化につながります。
※本記事は、法令・実務上の一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法律的アドバイスを提供するものではありません。実際の経費精算運用や税務処理にあたっては、自社の経費精算規程や最新の法令・公的情報を確認し、必要に応じて税理士等の専門家へご相談ください。

















