現場巻き込み方採用の極意!忙しい現場社員を巻き込むメリットと方法とは
組織巻き込み2026.07.14

労働力人口の減少やジョブ型雇用の広がりにより、企業の採用活動を取り巻く環境は激変しています。専門性の高い人材の獲得競争が激化するなか、人事部門や採用担当者だけの限られたリソースによる採用活動には限界が見え始めています。そこで近年、多くの企業から注目を集めているのが、現場の従業員を巻き込み、組織全体で人材獲得を目指す採用手法です。
本記事では、企業の採用担当者や人事責任者の方々に向けて、現場を巻き込んだ採用活動の基本概念から、注目される背景、導入によるメリット、直面しやすい課題とその解決策、そして現場の従業員を効果的に巻き込むための具体的な実践フローや成功事例までを網羅的に解説します。
現場を巻き込んだ採用活動の基礎知識と注目される背景
現場を巻き込んだ採用とは
現場を巻き込んだ採用とは、採用担当者だけでなく、実際に配属予定の部署で働く現場の従業員が、採用活動のあらゆるプロセスに主体的に関与する採用手法を指します。
従来の採用活動においては、現場の従業員が協力するとしても、一部の面接に同席する程度の一時的な関与に留まる傾向にありました。しかし、現場主導の採用体制では以下のような幅広いプロセスに現場が参画します。
- 求める人物像(採用ペルソナ)の設計
- 求人の作成
- スカウトの送信対象の選定や文面作成
- 採用広報活動(ブログ執筆など)
- 面談・面接の実施
- 内定後のフォロー
経営陣、人事部門、そして現場が三位一体となり、全社一丸となって採用力の最大化を目指すのが特徴です。
なぜ今、現場の巻き込みが必要なのか
現場を巻き込んだ採用が注目される背景には、大きく分けて三つの要因があります。
採用競争の激化
労働力人口の減少により、優秀な人材を複数社で取り合う状況が続いています。求職者からの応募を待つだけの「待ちの採用」では成果が出にくく、転職潜在層への積極的なアプローチが不可欠です。現場のネットワークや専門知見を活用することで、人事部門だけではリーチできなかった層へのアプローチが可能になります。
採用手法の多様化
人材紹介会社や総合型の求人媒体だけでなく、ダイレクトリクルーティング、SNSを活用したソーシャルリクルーティング、採用オウンドメディアでの発信など、求職者との接点は多岐にわたります。多様なチャネルに最適化された活動を展開するには、人事部門だけのリソースでは対応しきれず、全社的な取り組みが求められています。
専門性の高い人材の見極めと採用ミスマッチの防止
近年はAIエンジニアなどをはじめ、特定の専門スキルを持つ人材のニーズが高まっていますが、現場が求めるスキル要件を人事担当者だけで正確にジャッジすることは困難です。
実際、採用ミスマッチは多くの企業で深刻な課題となっています。ある人材サービス会社の調査によると、人事・採用担当者の87%が「採用ミスマッチを経験した」と回答しています(※1)。また、同調査で入社後に「想定と違う」と感じた求職者は76%以上にのぼり、その理由として「事業内容の違い」や「職場の雰囲気」が上位に挙げられました(※2)。
さらに、別の就業前後の調査でも、新入社員の79%が入社前後でギャップがあると回答しています(※3)。
こうした期待と実態のズレを防ぐためには、現場のリアルな状況を熟知している従業員の関与が不可欠なのです。
それらのデータを踏まえ、採用担当者は人事部門だけで選考を完結させるのではなく、現場の従業員を巻き込み、リアルな業務内容や職場の雰囲気を候補者に直接伝えることで、採用ミスマッチの防止に向けたアクションを起こすことが重要です。
- ※1 出典:株式会社PRIZMA「求職者と人事採用担当者に関する調査」
(https://www.prizma-link.com/press/whitepaper/form/whitepaper63) - ※2 出典:株式会社PRIZMA「求職者と人事採用担当者に関する調査」
(https://www.prizma-link.com/press/whitepaper/form/whitepaper63) - ※3 出典:エン・ジャパン株式会社「『就業前後のギャップ』調査」
現場を巻き込んだ採用が企業にもたらす4つのメリット
① 採用ミスマッチの防止と定着率の向上
現場を巻き込んだ採用の最大のメリットは、採用ミスマッチを防ぎやすい点にあります。 例えば、面接で「協調性がある」と評価された候補者であっても、現場が求める協調性のニュアンスと異なっていれば、入社後にチーム内で孤立してしまう可能性があります。一緒に働く現場の従業員が選考に適切に関われば、自社のカルチャーやチームの雰囲気に真にマッチするかどうかを高い精度で見極めることができます。また、現場の「リアルな情報」を直接伝えることで、過度な期待をコントロールし、定着率の向上に寄与します。
② 従業員エンゲージメントの向上と育成意識の醸成
採用活動に参加する従業員は、候補者に対して自社の魅力や事業の優位性を自分の言葉で語るプロセスを通じて、「自社の本当の強みは何か」を再認識する機会となり、従業員エンゲージメントの向上につながります。 さらに、自らが「一緒に働きたい」と選んだ人材であるため、入社後の受け入れや育成に対しても強い当事者意識と責任感を持つようになります。
③ 専門スキルやカルチャーフィットの正確な評価
ITエンジニアや高度な専門職の採用において、技術スキルや経験の深さを人事担当者が正確に把握するのは困難です。現場のスペシャリストが面接官として参加することで、候補者の本当の実力や、自社の技術環境への適応力を的確に評価することができます。 また、スキルだけでなく、変化への対応力や自発性など、その部門特有のカルチャーフィットについても深い掘り下げが可能になります。
④ 採用担当者の業務負荷の軽減と役割の高度化
採用手法が多様化し、採用担当者に求められる業務量は増加の一途をたどっています。現場を巻き込んだ採用体制を導入し、求人の作成、スカウト対象の選定、面談の実施といった実務の一部を現場と分担することで、採用担当者にかかる物理的な負荷を軽減できたという企業様の事例もあります。
これにより、採用担当者は単なるオペレーション業務から解放され、全社的な採用戦略の立案、市場データ分析、現場のマネジメントといった、より高度なプロジェクトマネージャーとしての業務に注力できるようになります。
これらのメリットを踏まえ、採用担当者は人事部門だけで業務を抱え込まず、現場の専門知見やリソースを積極的に採用活動へ取り入れ、組織全体の採用力を引き上げるためのアクションを実施することが望ましいでしょう。
現場主導の採用体制の導入時に直面する課題と解決のポイント
① 現場の従業員の負担増
最も直面するであろうハードルが「現場の従業員の負担増加」です。従業員は通常業務を抱えながら採用活動も同時に行うため、業務過多に陥る可能性があります。それにより、採用業務への意欲が低下したり、本業に割く時間が取れず、パフォーマンスが低下するリスクがあります。
これを回避するには、現場が採用に携わる際に行わなくてはいけないことを最小限に抑える必要があります。これは「渡す業務を調整する」ということではなく、「採用のムダをなくす」ことです。例えば現場が面接をするにあたっては、申し送りや候補者情報などの必要な情報を一つにまとめておけば、「あれはどこだろう」「この人はどういう経緯でうちに応募したんだろう」など、情報を探す手間を省くことができます。
また、AIの活用も効果的です。専門性の高い求人票の作成や書類選考も、まず信頼できるAIを通した後に、過不足の確認や最終チェックを現場と行うことで、工数を抑えながらより精度の高いものを作成できます。
② 「やらされてる感」を防ぐ、当事者意識の醸成
通常業務がある従業員は、どうしても採用を「人事から言われた業務」だからやる、という状態に陥りがちです。ですが、それだと「現場巻き込み型採用」で期待される最大限の効果を引き出すことができません。
採用活動が「現場のチームを強化し、将来的な業務負荷を減らすための重要な投資」であることを経営層から発信し、理解を得ることが不可欠です。また、採用への貢献を人事評価制度に組み込んだり、適切なインセンティブを設定したりするなど、意欲的に参加できる環境の整備も効果的です。
また、なぜその人に面接官を頼んだのか、その人の面接はどうだったのか、個人個人に人事から適切にフィードバックを行うことも、特に現場を巻き込み始めた初期段階では重要になります。人事を「依頼者」ではなく、「採用によってチームを作る仲間」であるという認識を現場に持ってもらうことも、制度設計以上に重要です。
③ 採用基準と意識の統一の難しさ
複数の従業員が評価に関わると、「面接官によって評価基準がブレる」問題が発生しやすくなります。主観に頼ってしまうと、求める人物像から乖離した人材を採用してしまう恐れがあります。
これを防ぐためには、経営陣、人事部門、現場が協力して、求める人物像や必須スキル、カルチャーフィットの条件などを明確に言語化し、統一された採用基準を策定することが重要です。さらに、評価シートのテンプレート化や、面接官向けのトレーニングの実施などを通じて、目線をすり合わせる取り組みが求められます。
現場の従業員を上手く巻き込む具体的な実践フロー例
ステップ1:キックオフによる全社的な意識づけ
全社的な採用活動をスタートさせるにあたり、まずは社内でのキックオフミーティングを実施します。採用背景や事業目的、現在の採用市場の厳しさ、そして「現場の協力が不可欠である理由」を丁寧に説明します。 「採用活動は全社的な重要プロジェクトである」という意識を組織全体に浸透させることが成功への第一歩となります。
ステップ2:計画段階からの要件定義とすり合わせ
初期段階から配属予定部署のマネージャーや現場のリーダーを巻き込みます。現場の課題を見据え、「どのようなスキル・経験が必要か」「どのような価値観を持つ人材がフィットするか」を議論し、採用ペルソナを言語化します。 また、求人作成時にも現場に確認を依頼し、業務の実態とズレがないかをチェックしてもらうことで、入り口段階でのミスマッチを防ぎます。
ステップ3:カジュアル面談や採用広報への参加
本格的な選考に入る前の「カジュアル面談」に現場の従業員をアサインします。評価を目的としない対話の場を設けることで、候補者はリラックスして本音を話しやすくなり、現場も自社のリアルな雰囲気を直接伝えることができます。 また、企業のオウンドメディアでの記事執筆やSNS発信といった採用広報活動にも協力してもらいます。現場のリアルな声は、転職潜在層へ強力にアピールする武器となります。
ステップ4:権限移譲と定期的なフィードバック
採用担当者はプロジェクト全体の進行管理を行う「プロジェクトマネージャー」へとシフトし、面接などの合否判断の権限を、基準をすり合わせた上で現場へと大胆に移譲します。 同時に、定期的に採用状況を共有する定例会議を開催し、現場からのフィードバックを吸い上げます。「要件の人材は市場に少ないため条件を緩和すべきか」など、双方向のコミュニケーションを通じてプロセスを継続的に改善していく仕組みを作ります。
これらのプロセスを踏まえ、採用担当者は現場の伴走者として、従業員が本来の業務と両立しながら無理なく採用活動に参加し、やりがいを感じられるような環境を主体的に構築していくことが求められます。
現場を巻き込んだ採用を支える「採用管理システム」の重要性
アナログ管理から移行の必要性
現場を巻き込んだ採用活動の成功には、経営陣、人事部門、そして多数の現場従業員間での密な連携とスピーディーな情報共有が不可欠です。しかし、関与する人数が増えるほど情報の管理は複雑になります。
従来のように表計算ソフトなどでの管理やメールベースでのやり取りを行っていると、情報の転記漏れや共有遅れが発生しやすく、せっかくの優秀な候補者を取り逃がしてしまうリスクが高まります。そのため、現場主導の採用体制を推進するにあたっては、こうしたアナログな管理から採用管理システム(ATS)への移行が強く推奨されます。
情報の一元管理と円滑なコミュニケーションの実現
採用管理システムを導入することで、複数の経路から応募してきた候補者の情報を一元的に管理できるようになります。
現場の従業員は、システムにアクセスするだけで担当する候補者のレジュメや過去の面接担当者の評価コメント、選考ステータスをリアルタイムで確認できます。 さらに、システム上で評価を入力したり、チャット機能を用いて人事担当者と素早く連携したりすることが可能になるため、選考スピードが格段に向上します。
面接官ごとの評価の傾向や、経路別の採用決定率などをデータとして可視化・分析できる機能も備わっており、採用戦略の継続的な改善を回すための強力な基盤となります。
これらのシステム導入の効果を踏まえ、採用担当者は自社に適した採用管理システムを活用し、現場の従業員とのシームレスな情報共有を実現することで、全社一丸となった強固な採用体制を構築していくことが望ましいでしょう。
現場巻き込み型を実現できる採用管理システムの特徴
① 誰でも簡単に操作できるUI/UX
現場巻き込み型採用の場合、面接官によってリテラシーにバラつきがあったり、さらに面接官の入れ替わりが多く発生する可能性があります。
誰でも説明なしにすぐ使える画面であることが重要です。新しい面接官に毎回説明をしなくてはならない、導入したのに結局メールやwordで評価が返ってくる、と言った状況を避けるために重要な要素です。
② 権限設定が適切にできる
現場の責任者に情報をスムーズに渡すために、採用管理システムの権限を渡す企業は多いです。それにより、候補者の今までの面接情報ややりとりの履歴だけでなく、現状の採用進捗を一目で確認することができます。
ですが、この時に採用管理システムの権限機能が弱く、隣の部署の候補者の年収や履歴書などの個人情報も見えてしまうようでは、適切な運用ができません。
特に成長企業の場合、今は全員が見えてもいい、という運用でも、規模が拡大するにつれて、「これでは運用ができない」と、別の採用管理システムに乗り換えるケースが多くあります。
理想的なのは、「今は全部が見えてもいいが、ゆくゆく50名、100名の壁を超えて成長した時には、その規模に合わせた運用ができる採用管理システム」を選択し、使い続けることです。
採用管理システム ハーモス採用を使った現場巻き込み例
ハーモス採用をハブに、人事と現場の協力体制を構築(リコーリース株式会社様 )

<導入前の課題>
リコーリース株式会社の採用はポジションごとに進めるため、書類選考段階から現場が判断し、1次面接は主に現場の課長が担当します。
導入前は人材紹介会社や媒体経由で届いた書類を、現場にメール添付で確認を依頼。状況確認で再度メールを送り、面接の日程調整をお願いして会議室を取って連絡して…と、情報伝達だけで膨大な時間をとられていました。
両者の煩雑な業務を解消し、採用活動に前向きに取り組むには、業務負荷がかからない、使いやすいシステム導入が欠かせないと考えました。
<導入後の改善>
ハーモス採用導入を機に「これからはハーモス採用を採用活動のハブにする」というオペレーションに一新しました。
書類の確認、面接日程の調整、面接官の評価入力など、「情報はすべてハーモス採用に集約していく」ことを伝え、UI/UXのわかりやすさもあって、現場にも問題なく浸透していると思います。
現場のニーズは現場にしかわからないので、人事だけが頑張っても効果的な採用の実現は難しく、疲弊につながっていくかもしれません。現場との協働体制をどう作ればいいだろうと悩んでいる企業があるのなら、使いやすい優れたUI/UXのシステムを導入することが近道になるのではないかと思います。
当社は、ハーモス採用導入とともに「人事と現場が主体的に協力し合い、良い人材を採用していきましょう」という文化を醸成できました。
その意識変容は、ハーモス採用導入によって得られた価値だと思っています。
導入事例記事の全文はこちら:
https://hrmos.co/info/customers/rlease/
人事側も現場も時間のロスが減少(株式会社駅探様)

<導入前>
ハーモス採用を導入するまで、人材紹介会社とのやりとりから「1次スクリーニング」まではアウトソーシングしていました。
ですが、候補者の情報把握を人事が直接行い、決定率を向上させるために自社内での採用を進めることに。アウトソースに頼らなくても限られたマンパワーで業務を回せるように、採用管理システムの活用で業務削減を目指しました。
また、書類選考から現場の面接官が行うため、現場の負担が増えないシステムを探していました。
<導入後>
情報の一元管理をはかることができ、人事側も現場も時間のロスが減りました。以前は各部署が候補者情報一覧を「Excel」に入力して管理していたようですが、ハーモス採用上で一覧表示されステータスもしっかり管理できるようになったことで、「便利で楽になった!」との声があります。
導入事例記事の全文はこちら:
https://hrmos.co/info/customers/ekitan/
現場巻き込み型採用に有効!ハーモス採用の機能
ハーモス採用では、社員全員で採用に取り組むスタートアップから、各部門長や拠点に権限を委譲しながら進めていきたい大企業まで、あらゆる規模の「現場巻き込み型採用」を加速します。
① カンタンなUIで迷わず操作
ハーモス採用なら、採用管理システムを使い慣れていない現場の面接官でも、マニュアル不要ですぐに使い始めることができます。
実際の操作感はこちらからオンラインで確認することができます。
https://hrmos.co/ats/onlinedemo/
② Slackからコメント返信や評価リマインドの受取
採用管理システムを開かなくても、slack上で選考の評価を入力することができます。
面接のリマインドや面接評価漏れの通知もslack上で来るため、抜け漏れを最小限に抑えます。
③ 柔軟な権限設定
ハーモス採用では、組織の状況に合わせて柔軟に権限設定を変更できます。
システム部の部長は、紐づく求人の全てを閲覧できるが、営業部の求人情報は見れない、あるいは現場の責任者はすべての情報を閲覧できるが、削除や選考設定の変更はできない、など、組織の求める運用に合わせた設定が可能です。
採用管理システム「ハーモス採用」の詳しい機能はこちらをご覧ください。










