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年次有給休暇の付与日数は、通常「継続勤務年数」と「所定労働日数」を基準に算定されるものです。しかしながら、いわゆる「シフト制」では、あらかじめ所定労働日数を定めておらず所定労働日数を算出しがたいケースを散見します。
これを受け、2026年6月29日に規制改革推進会議が公表した「規制改革推進に関する答申」において、シフト制労働者の年次有給休暇の付与の判断に関わる記載が盛り込まれました。
シフト制労働者の年次有給休暇付与では、労働日数の実績に応じた付与日数算定が可能
労働基準法第39条第1項、第2項に則り、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、使用者は所定日数の年次有給休暇を付与しなければならないとされています。この原則は、正規・非正規の別を問わず、すべての労働者に対して適用されるものです。
雇用契約期間が6ヶ月未満でも、契約更新による6ヶ月間継続勤務で年次有給休暇の付与対象に
なお、当初の雇用契約期間が6ヶ月未満であっても、契約更新により勤続期間が6ヶ月以上に及んだ場合、6ヶ月間継続勤務の要件を満たすことになります。
シフト制で勤務する労働者の中には、有期雇用契約を締結する者も少なくありませんが、「6ヶ月未満ごとの雇用契約期間を理由に年次有給休暇を付与しない」といったことのないよう、注意が必要です。
原則的な年次有給休暇付与日数の考え方
冒頭でも触れたとおり、年次有給休暇の付与日数は、「継続勤務年数」と「所定労働日数」に応じて算定されます。所定労働日とは、労働契約により労働義務の設定された日を指し、雇用契約時に定めるものです。
大前提として、所定労働日数と実労働日数が乖離しないこと、会社都合で一方的に所定労働日数や実労働日数を増減させることは認められません。

出典:厚生労働省リーフレット「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
週所定労働日数5日または週30時間以上勤務のいわゆるフルタイム労働者には、上図「(1)通常労働者の付与日数」が適用されまず。
これに満たないパートタイム労働者には上図「(2)週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数」が適用されます。ちなみに、週4日勤務であっても週所定労働時間数が30時間以上であれば、(1)の適用となります。
一方で、週5日・週30時間未満の勤務でも(1)の適用となります。
なお、週以外の期間によって所定労働日数が定まっている場合は、1年間の所定労働日数が算定基準となります。
あらかじめ所定労働日数が定められていない場合の年次有給休暇付与日数の考え方
「規制改革推進に関する答申」では、「シフト制における適正な年次有給休暇の取得等」の項目に、以下の記載が盛り込まれました。
“所定労働日数を定めていないことを理由に、シフト制労働者に適正な日数の年次有給休暇が付与されなくなることのないよう、…(中略)…「予定されている所定労働日数を算出し難い場合には、基準日直前の実績を考慮して所定労働日数を算出することとして差し支えないこと。
したがって、例えば、雇入れの日から起算して6箇月経過後に付与される年次有給休暇の日数については、過去6箇月の労働日数の実績を2倍したものを「1年間の所定労働日数」とみなして判断することで差し支えないこと。
」とされていることも参考に、シフト制労働者について、基準日において所定労働日数を算出し難い場合における取扱いを都道府県労働局への通達や厚生労働省ウェブサイト等において明確化し、広く周知する。”
つまり、すでに訪問介護労働者の非定型的パートタイムヘルパー等に認められている以下の算定方法を適用することとして差し支えないとされ、以下の計算方法が厚生労働省「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」にも明記されました。
・雇入れ6ヶ月経過後の年次有給休暇の付与に当たっては、雇入れから6ヶ月間の労働日数の実績を2倍した日数
・雇入れ1年6か月経過後以降の年次有給休暇の付与に当たっては、前年の労働日数の実績

出典:厚生労働省リーフレット「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
上図内の「1年間の所定労働日数」欄と照らし合わせ、前年の労働日数実績「48日以上」(ただし初回付与時には6ヶ月で「24日以上」)というのが、年次有給休暇の付与対象かどうかの基準となります。
参考:厚生労働省「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」
「月〇日以上」等の目安となる労働日数が定められている場合
なお、具体的に所定労働日数の決定がなされていない場合であっても、あらかじめ労使間で一定期間において「目安となる労働日数」等が定められているときは、当該日数を基準日における所定労働日数とみなして年次有給休暇の付与日数を算出することも可能です。
ただし、この「目安となる労働日数」等を算定基準とできるのは、上記の労働日数実績を用いて算出した付与日数を上回る場合に限ります。
具体的な事例で考えてみましょう。
〇目安となる労働日数:月8日以上、つまり年間の労働日数目安は8日×12ヶ月=96日以上
〇年間の労働日数実績:70日
⇒「目安となる労働日数」が「年間の労働日数実績」を上回るため、「1年間の所定労働日数 96日」として継続勤務年数に応じた年次有給休暇を付与して問題ない
シフト制労働者の年次有給休暇付与の実務対応について、改めてご確認を
企業においては、所定労働日数が少ない労働者に対して、基準日における所定労働日数に応じた年次有給休暇の比例付与を行う必要がある一方、シフト制労働契約においては付与日数の算定基準となる所定労働日数を判断し難い場合があり、実務上支障が生じるケースが多々あります。
本稿でご紹介した「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」をご確認の上、適正な対応を徹底しましょう。
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