経費精算システムで領収書管理はどう変わる?申請・保存・会計処理まで解説
2026.09.01

領収書やレシートなどの証憑管理では、紙原本の保管や申請内容との目視確認、紛失時の対応に加え、電子帳簿保存法やインボイス制度を踏まえた保存・確認も必要です。そのため、申請者と経理担当者の双方に負担が発生しやすい業務といえます。
経費精算における領収書管理を改善するには、単に紙を撮影して手入力を減らすだけでは不十分です。「提出しやすくし、不備や重複を早期に発見し、法令や社内規程に沿って保存したうえで、承認から会計処理までつなげる」という一連の運用を仕組み化することが、バックオフィス全体の効率化につながります。
本記事では、経費精算システムを活用することで領収書管理が具体的にどう変わるのか、導入前後の比較表を交えて結論から解説します。
あわせて、領収書とレシートの違い、紛失時の不備対応、電子帳簿保存法上の保存区分など、実務で生じやすい疑問とシステム選定のポイントをご紹介します。
1.経費精算システムで領収書管理はどう変わる?
経費精算システムを活用すると、領収書の提出・内容の入力・確認・保存・会計処理をシステム上でつなぎ、紙の受け渡しや手入力、目視確認などの作業を減らしやすくなります。
紙やExcelを中心とした運用では、それぞれの工程が分断されやすく、申請者・承認者・経理担当者が個別に確認や転記を行う必要があります。経費精算システムを活用することで、領収書管理の一連のプロセスをつなげ、効率化しやすくなります。
【早わかり】経費精算システム導入前後の領収書管理
| 工程 | 紙・Excel中心の運用 | 経費精算システムの活用後(例) |
|---|---|---|
| 提出 | 紙の領収書を月末にまとめて提出 | スマートフォンで撮影し、外出先からでも都度申請 |
| 入力 | 日付・金額・発行元などを手入力 | OCR・AI-OCRによる入力支援 |
| 確認 | 申請書と領収書原本を目視で突合 | 申請データと領収書画像を同じ画面で確認 |
| 保存 | 紙をファイリングし、保管場所を確保 | 対応機能を利用してシステム内に電子保存 |
| 会計処理 | CSV加工や会計システムへの手入力 | 仕訳データを出力し、会計システムへ連携 |
※利用できる機能や電子帳簿保存法への対応範囲は、製品・契約プランによって異なります。
このように、経費精算システムを活用すると、領収書の提出から会計処理までの各工程で、手入力や紙の受け渡し、確認作業を減らしやすくなります。
ただし、システムを導入するだけで領収書管理が自動的に適正化されるわけではありません。自社の経費精算規程や承認フロー、紛失・期限遅れなどの例外処理を整理し、システム上の設定と実際の運用を一致させることが重要です。
2.経費精算に領収書が必要な理由と基本ルール
そもそも、なぜ経費精算には領収書などの証憑が必要なのでしょうか。
ここでは、経理実務や組織管理における領収書の役割と重要性を確認します。
なぜ領収書などの証憑を提出する必要があるのか
経費精算で領収書やレシートなどの証憑が求められる主な理由は、以下の4点です。
- 支払いの事実や内容、事業との関連性を説明するため
- 適切な会計・税務処理を行うための証拠とするため
- 架空申請、二重請求、私的支出の混入などを抑止するため
- 原則として、消費税の仕入税額控除に必要となる帳簿・適格請求書等を適切に保存するため
領収書だけが支出を証明する唯一の資料とは限りません。しかし、「いつ・誰に・何のために・いくら支払ったのか」を客観的に説明するうえで、重要な証憑となります。
なお、消費税の仕入税額控除には、原則として一定の事項が記載された帳簿と適格請求書等の保存が必要です。一方で、一定の公共交通機関による旅客運送など、請求書等の保存が免除される特例や、免税事業者等からの仕入れに関する経過措置もあります。そのため、取引内容に応じた確認が必要です。
内部統制や税務調査における証憑管理の重要性
領収書管理は、単なる経理部門の事務作業にとどまりません。会社のお金が経費精算規程に沿って適切に使われているかを確認する、内部統制の一部です。
申請内容と証憑が紐付き、後から追跡・参照できる状態を整えておくことで、税務調査や会計監査の際に、取引の事実や処理の妥当性を説明しやすくなります。
また、領収書画像、申請者、承認履歴、支出目的などを一連で確認できれば、二重申請や私的支出の混入を発見しやすくなり、企業全体のガバナンス強化にもつながります。
3.領収書とレシートの違い・確認したい記載事項
実務で現場から寄せられやすいのが、「レシートでも精算できるのか」「宛名がないと無効になるのか」という疑問です。ここでは、法制度上の要件と社内運用の考え方を整理します。
レシートも経費精算の証憑として利用できる?
レシートにも、以下のような項目が記載されていれば、支払いの事実と内容を示す証憑として利用できる場合があります。
- 取引年月日
- 金額
- 発行元(店舗名・事業者名)
- 購入内容(品名・明細)
手書きの領収書よりも、購入した品目が印字されるレシートの方が、取引内容や事業との関連性を確認しやすい場合もあります。
ただし、実際に経費精算で認められるかどうかは、税務上の要件だけでなく、各企業の経費精算規程によっても異なります。社内で宛名入りの領収書を必須としている場合などは、規程に沿った証憑を取得する必要があります。
経費精算で確認したい領収書・レシートの記載事項
経費精算において確認したい基本項目は、以下の通りです。
- 取引年月日
- 金額
- 発行元
- 取引内容(品名・明細)
- 宛名の有無
- インボイス制度上の記載事項
| 確認項目 | 通常の領収書・レシート | インボイスで必要な項目 |
|---|---|---|
| 取引年月日・金額 | ○ | ○ |
| 発行元(店舗名等) | ○ | ○ |
| 取引内容(品名・明細) | ○ | ○ (軽減税率の対象である旨も含む) |
| 宛名(交付を受ける者の氏名) | △ (社内規程による) | ○ (※適格簡易請求書の場合は省略可能) |
| 登録番号(T番号) | - | ○ |
| 適用税率・税額 | - | ○ (税率ごとに区分した対価の額および消費税額) |
インボイス制度への対応では、適格請求書発行事業者の登録番号、適用税率、税率ごとの対価の額や消費税額なども確認対象となります。
ただし、必要な記載事項は、証憑の種類や取引内容、適格請求書・適格簡易請求書によって異なります。
宛名なし・「お品代」表記の扱いと簡易インボイス
一般的な適格請求書では、交付を受ける事業者の氏名・名称の記載が必要です。
一方、不特定かつ多数の者に対して販売・サービス提供を行う一定の事業では、宛名の記載を省略できる「適格簡易請求書(簡易インボイス)」を交付できます。
適格簡易請求書を交付できる主な事業は、以下の通りです。
- 小売業
- 飲食店業
- 写真業
- 旅行業
- タクシー業
- 不特定かつ多数の者を対象とする駐車場業
- その他、これらに準ずる事業
これらの事業者が発行するレシート等は、登録番号や取引年月日、取引内容、税率ごとの金額など、適格簡易請求書に必要な記載事項を満たしていれば、宛名がなくても仕入税額控除に必要な請求書等として利用できます。
ただし、手書き領収書の但し書きが「お品代」とだけ記載されている場合は、具体的な購入内容を確認しにくくなります。購入目的や明細を補足し、事業との関連性を説明できる状態にする社内ルールを設けておくとよいでしょう。
4.経費精算で領収書がない・紛失した場合の不備対応
「領収書をなくしてしまった」「自動販売機で購入したため領収書を取得できなかった」といった例外的な事態への対応手順をあらかじめ整えておくことも、領収書管理では重要です。
領収書を紛失・再発行できない場合に確認したい資料
領収書を紛失し、発行元での再発行も難しい場合は、取引内容や支払いの事実を説明する資料として、以下のようなものを確認します。
- クレジットカードの利用明細
- 購入完了メール
- ECサイトの注文履歴
- 納品書や請求書
- 銀行の振込記録や口座引き落とし履歴
- 交通系ICカードの利用履歴
ただし、クレジットカード利用明細だけでは、具体的な購入内容や適用税率、T番号などを確認できない場合があります。
一つの資料だけで完全に代替できるとは限らないため、購入完了メールや注文履歴、納品書など、複数の資料を組み合わせて取引内容を確認することが重要です。
出金伝票や理由書を活用した例外承認フロー
慶弔費、自動販売機での購入、近距離の公共交通機関の利用など、領収書を取得しにくい支出については、出金伝票や領収書不備理由書を作成する運用があります。
ただし、出金伝票を作成しただけで、税務上必ず支出が認められるわけではありません。
出金伝票には、以下の内容を記録するとよいでしょう。
- 支払先
- 取引年月日
- 金額
- 具体的な支出目的
- 領収書を取得できなかった理由
可能な限り、利用履歴や案内状、購入記録などの補足資料も添付し、支払いの事実と事業との関連性を説明できる状態にしておくことが重要です。
そのうえで、自社の経費精算規程に定めた例外承認の手続きを行います。社内で承認された場合でも、税務上の取り扱いが必ず認められるわけではない点には注意が必要です。
社内経費精算規程の整備が不可欠
例外処理が発生するたびに担当者の主観で判断していると、申請者や承認者によって対応が変わり、経理担当者への問い合わせも増えやすくなります。
以下のような内容を、経費精算規程や運用マニュアルに定めておきましょう。
- どのような代替資料があれば精算を認めるか
- いくらまで理由書による例外申請を認めるか
- 誰の承認が必要か
- どのような情報や補足資料を必須とするか
- 紛失が繰り返される場合にどのように対応するか
税務上の要件を踏まえつつ、自社の業務や内部統制の水準に合わせた例外承認ルールを整えることが重要です。
5.領収書の保存方法と電子帳簿保存法の区分
領収書の原本保管やデータ保存を行う際は、電子帳簿保存法への対応が必要です。
領収書を受け取った方法によって、保存区分が異なります。
紙保存・スキャナ保存・電子取引データ保存の3区分
領収書の保存方法は、大きく以下の3つに分けられます。
| 受領方法 | 保存区分 | 主な保存要件・ルール | 紙原本の廃棄 |
|---|---|---|---|
| 紙で受領 | ① 紙保存 | 紙のままファイリングし、法定保存期間保管 | 不可 |
| 紙で受領 | ② スキャナ保存(任意) | スマホ等で撮影・読み取り、タイムスタンプ付与や検索性の確保 | 条件を満たせば可能 |
| データで受領 (PDF・メール等) | ③ 電子取引データ保存(必須) | 電子データのまま保存(検索要件・改ざん防止措置の適用) ※紙印刷のみの保存は不可 | 原本がデータのため該当なし |
① 紙保存
紙で受領した領収書・レシートを、紙のままファイリングして保存する方法です。スキャナ保存を選択しない場合、紙原本を法定保存期間中保管します。
② スキャナ保存
紙で受領した領収書・レシートを、スマートフォンやスキャナーで読み取り、画像データとして保存する方法です(※スキャナ保存制度の利用は任意です)。紙原本の保存を省略するには、電子帳簿保存法上のスキャナ保存要件を満たす必要があります
③ 電子取引データ保存
WebサイトからダウンロードしたPDF領収書や、メールに添付されて届いた領収書データなどは、電子取引データとして電子データのまま保存します。業務上の確認などを目的として紙に印刷すること自体は問題ありませんが、印刷した紙だけを保管し、元の電子データを保存しない運用では、電子帳簿保存法上の保存要件を満たしません。
スキャナ保存における紙原本廃棄の条件と注意点
紙の領収書をスキャナ保存する場合、2022年1月1日以後に保存する書類については、原則として、読み取り後に画像と紙原本の記載内容が同等であることなどを確認した後であれば、紙原本を廃棄できます。
ただし、入力期間を経過した場合など、紙原本の保存が必要となるケースもあります。また、保存する電子データ自体は、電子帳簿保存法上のスキャナ保存要件を満たす必要があります。
主な確認事項として、以下が挙げられます。
- 所定の入力期限を守っているか
- 対象書類に応じた画像の解像度や階調などの要件を満たしているか
- 取引年月日・取引金額・取引先などで検索できるか
- タイムスタンプの付与や、訂正・削除履歴が残る、または訂正・削除できないシステムの利用など、データの真実性を確保する仕組みがあるか
- システム上への保存が正常に完了しているか
- 自社で定めた証憑確認・廃棄ルールに沿っているか
なお、2022年1月以後のスキャナ保存制度では、従来の適正事務処理要件が廃止され、定期的な検査は法令上の必須要件ではありません。
スキャナ保存の要件を満たした状態でデータを保存するとともに、紙原本については読み取り内容を確認したうえで、自社の証憑管理・廃棄ルールに沿って処理しましょう。
領収書は何年間保存する必要がある?
法人が受領した領収書などの帳簿書類は、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します。
ただし、青色申告書を提出した事業年度で繰越欠損金が生じた場合や、災害損失金額が生じた場合などは、10年間の保存が必要になることがあります。
「領収書は一律に7年」または「すべて10年」と単純化せず、自社の申告状況や対象となる事業年度に応じた保存期間を確認しましょう。
※会社法上の会計帳簿等には、法人税法上の帳簿書類とは別の保存期間が定められています。
6.経費精算システムを活用して領収書管理を行うメリット
経費精算システムで領収書管理をデジタル化すると、申請者・承認者・経理担当者のそれぞれに、以下のようなメリットがあります。
- 出先から申請しやすくなり、ため込み・紛失リスクを軽減できる
- OCRによる入力支援で手入力負担やミスを軽減できる
- 申請データと領収書画像を一元管理できる
- 承認後の会計処理までつなげやすくなる
① 出先から申請しやすくなり、ため込み・紛失リスクを軽減できる
スマートフォンで領収書を撮影し、その場で申請できる環境を整えることで、月末まで領収書を財布やファイルに保管する負担を軽減できます。
経費が発生してから申請するまでの期間を短くしやすくなるため、領収書のため込みや紛失、申請漏れのリスク軽減にもつながります。
② OCRによる入力支援で手入力負担を軽減できる
OCR機能を備えたシステムであれば、領収書画像に記載された日付・金額・発行元などを読み取り、申請フォームへ反映できます。
すべての文字を手入力する必要がなくなるため、入力の手間や転記ミスのリスクを軽減できます。
※OCR技術の仕組みやAI-OCRとの違いについては、経費精算を効率化するOCR(AI-OCR)とは?仕組み・メリット・選び方を解説」もあわせてご確認ください。
③ 申請データと領収書画像を一元管理できる
申請明細と領収書画像をシステム上で紐付けて保存することで、承認者や経理担当者は申請内容と証憑を同じ画面で確認しやすくなります。
紙の束から該当する領収書を探したり、申請書と紙原本を一枚ずつ突き合わせたりする負担を軽減できます。
税務調査や内部監査の際にも、日付・金額・取引先などの検索条件から、対象となる証憑を参照しやすくなります。
④ 承認後の会計処理までつなげやすくなる
一般的に経費精算システムでは、承認済みの申請内容や、あらかじめ設定した仕訳ルールをもとに、会計システムへ取り込む仕訳データを作成・出力できます。
経費精算システムと会計システムの間でデータを連携できれば、会計システムへの再入力やCSVの手作業による加工を減らしやすくなります。
7.経費精算システムを選ぶ際の比較・検討ポイント
自社に合った経費精算システムを選ぶ際は、OCRの読み取り性能だけでなく、領収書を使った申請から確認・保存、会計処理まで、一連の経費精算業務を効率化できるかという視点が重要です。法制度への対応や例外処理、既存システムとの連携、料金体系なども含め、以下の6つのポイントから比較・検討しましょう。
| 比較・検討ポイント | 確認すべき具体的な着眼点 |
|---|---|
| ① 証憑の種類・操作性 | スマホ撮影のしやすさ、長尺レシート・複数ページ・電子領収書への対応 |
| ② 法制度対応 | スキャナ保存・電子取引保存への対応、T番号の照合支援 |
| ③ 不備・重複確認機能 | 必須項目漏れ、金額上限超過、過去申請との二重申請アラート |
| ④ 例外対応の組み込み | 領収書紛失時の理由書添付、例外申請ルートの分岐設定 |
| ⑤ 会計システム連携 | 利用中の会計ソフト向け仕訳データ出力、フォーマット柔軟性 |
| ⑥ 料金・サポート体制 | OCRの従量課金の有無、初期設定支援や導入後の問い合わせ窓口 |
① 対応する証憑の種類と、撮影・申請・修正の操作性
自社で発生する、以下のような証憑への対応範囲を確認します。
- 紙の領収書やレシート
- PDFなどの電子領収書
- 手書きの領収書
- 長尺レシート
- 複数ページ、複数画像で構成される証憑
また、スマートフォンで撮影・申請しやすいか、領収書画像と入力内容を比較しやすいか、OCRの誤読があった場合に修正しやすいかも確認しましょう。
操作が複雑だと、申請者が領収書をため込み、従来の紙運用に戻ってしまう可能性があります。
導入前に実際の画面を確認することが重要です。
② 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応範囲
以下のような法制度への対応範囲を確認します。
- スキャナ保存への対応
- 電子取引データ保存への対応
- 検索要件
- タイムスタンプの付与
- 訂正・削除履歴の記録
- T番号の読み取り・照合支援
- 税率・税区分の確認支援
「電子帳簿保存法対応」と記載されていても、スキャナ保存と電子取引データ保存のどちらに対応しているか、対象機能が標準プランかオプションかは製品によって異なります。
自社の証憑受領方法や運用範囲と照らし合わせて確認しましょう。
③ 誤入力・不備・重複申請を確認する機能
以下のような不備や重複を、申請・承認段階で確認できるかを比較します。
- 必須項目の入力漏れ
- 社内規程上の金額上限超過
- 同じ領収書画像の使い回し
- 日付・金額が重複する申請
- 事前申請と精算内容の差異
これらはシステムが警告を表示しても、人による最終的な確認が不要になるわけではありません。しかし、確認すべき申請を絞り込んだり、見落としのリスクを抑えるために非常に有効です。
④ 紛失や不備などの例外対応を運用へ組み込めるか
領収書を紛失した場合や、証憑を取得できない支出が発生した場合の運用も確認します。
- 領収書画像が添付されていない場合の警告・申請制御
- 理由書や代替証憑の添付
- 例外申請専用の入力項目
- 例外時の承認ルート分岐
- 期限後申請の取り扱い
こうした例外処理をシステムに組み込めれば、担当者が毎回個別に処理方法を考える必要がなくなり、対応基準をそろえやすくなります。
⑤ 既存の会計システムとの連携性
承認後、必要に応じて経理部門による確認・確定処理を経た申請データから仕訳データを作成し、現在利用している会計システムの取込形式に合わせて出力できるか確認します。
確認したい主な項目は、以下の通りです。
- 利用中の会計システムに対応しているか
- 勘定科目、税区分、部門、プロジェクトなどを出力できるか
- 自社独自の取込フォーマットに対応できるか
- 出力後のCSV加工をどこまで減らせるか
- 仕訳データと証憑をどのように参照できるか
会計システムへの連携まで含めて検討することで、申請の入力負担だけでなく、経理処理全体の負担軽減につなげられます。
⑥ 料金体系・利用範囲・導入サポート
機能だけでなく、実際の運用件数を踏まえた料金も確認します。例えば以下のような点に留意しましょう。
- OCRは基本料金に含まれているか
- OCRの読み取り枚数に上限があるか
- OCRの読み取り枚数に応じた従量課金があるか
- 電子帳簿保存法対応機能は標準かオプションか
- 初期設定の支援があるか
- 社内規程や承認フローの設定についてどこまで再現できるか
- 導入後の問い合わせ窓口やサポート体制が整っているか
申請件数や領収書枚数が多い企業では、1枚あたりの従量課金が運用コストに大きく影響する場合があります。現在の処理件数を把握したうえで比較しましょう。
8.領収書の申請から保存、会計連携まで一連の業務を支援する「ハーモス経費」
ここまで解説したように、領収書を使った経費精算を効率化するには、OCR(読み取り)機能だけでなく、申請・確認・保存から会計連携まで、一連の業務を支援できるシステムを選ぶことが重要です。
クラウド型経費精算システム「ハーモス経費」は、高精度なAI-OCRによる入力支援はもちろん、T番号照合や重複アラートによる不備の未然防止、電子帳簿保存法への対応、承認フローの制御、会計システム連携に至るまで、領収書を使った申請から、確認・保存・会計連携まで、経費精算業務の一連の流れをスムーズにつなぎます。
スマートフォン撮影とAI-OCRで入力・提出を支援
スマートフォンアプリで領収書を撮影すると、AI-OCRが以下の項目を読み取ってデータ化します。
- 日付
- 金額
- 税率ごとの消費税額(8%・10%)
- 発行元
- 適格請求書発行事業者登録番号(T番号)
読み取り結果を確認・修正して申請できるため、出先から申請しやすくなり、領収書を月末までため込む負担の軽減につながります。
ハーモス経費の領収書AI-OCRは基本料金内で利用でき、読み取り枚数に応じた従量課金を気にせず活用できます※。
※ 料金や提供条件は変更となる場合があります。最新情報はサービスページをご確認ください。
T番号照合と重複アラートで確認作業を支援
領収書から読み取ったT番号を、国税庁のデータベースと自動で照合します。手作業で登録番号を検索する負担を軽減し、仕入税額控除の対象を区別した仕訳処理を行いやすくします。
また、同じ領収書の使い回しや、過去の申請データと重複する可能性がある申請を検知し、アラートを表示します。
確認が必要な申請を把握しやすくすることで、手作業による確認漏れのリスクを抑える運用を支援します。
社内規程に応じた入力・申請チェック
企業ごとの経費精算規程に合わせて、入力項目、金額上限、伝票区分、事前申請との関連などを設定できます。
設定した条件に応じて警告や申請制御を行うことで、入力不備や規程違反を申請段階で把握しやすくし、差し戻しの削減につなげます。
領収書を紛失した場合などの例外申請についても、自社の運用に応じて、理由や代替資料を入力・添付する手順を設計することが重要です。
※社内ルールに沿ったチェック機能や運用の詳細については、以下の関連コラムもあわせてご覧ください。
電子帳簿保存法に対応した電子保存・証憑管理
領収書のアップロード時にタイムスタンプを付与し、電子帳簿保存法の要件に対応した形でシステム上に保存・管理できます。
紙で受け取った領収書を電子化するスキャナ保存と、PDFなどで受け取った電子取引データの保存の双方に対応しています。
領収書画像と申請データをシステム上で一元管理することで、承認時や経理確認時、過去の証憑を参照する際の負担を軽減できます。
設定した承認ルートに沿った回付
所属部署、申請内容、申請金額などの条件に応じて承認ルートを設定し、設定したルートに沿って申請を回付できます。自社の組織や決裁基準に合わせた承認フローをシステム上で運用することで、誰に承認を依頼すべきか申請者が都度判断する負担を軽減できます。
100種類以上の会計システムと連携
ハーモス経費は、勘定奉行、弥生会計、freee、マネーフォワード、SAPをはじめ、100種類以上の会計システムとの連携実績があります。主要な会計システム向けの標準テンプレートに加え、企業独自のフォーマットにも柔軟に対応できる汎用レイアウト機能を搭載。現在お使いの会計システムを活かしながら導入でき、手入力による転記や取込作業の効率化を実現します。
安心して運用できる基盤
ハーモス経費は、2000年に「eKeihi」としてサービスを開始して以来、25年以上にわたり多様な業種の経費精算を支えてきました。利用継続率は99.8%(2025年3月時点)を誇ります。また、Microsoft Azureを採用したセキュリティ基盤に加え、SAML認証(SSO)やIPアドレス制限にも対応し、大企業やグループ企業で求められるセキュリティ・アクセス管理にも対応しやすい環境を整えています。
ハーモス経費は、25年以上の提供実績と99.8%の利用継続率(2025年3月時点)を誇るクラウド型経費精算システムです。 100種類以上の会計システム連携や高精度AI-OCRによる自動読み取りをはじめ、Microsoft Azureを採用したセキュリティ基盤やSAML認証(SSO)など、安心かつ豊富な機能を備えています。単なる領収書の入力支援にとどまらず、経費発生から申請・承認・経理確認まで一連の業務フローを力強く支援します。
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9.経費精算の領収書管理に関するよくある質問
領収書管理や経費精算システムの運用にあたって、現場や経理担当者から寄せられやすい質問と回答をまとめました。
- Q1. レシートと領収書のどちらをもらうべきですか?
- Q2. クレジットカードの利用明細だけで経費精算できますか?
- Q3. 領収書をなくした場合、出金伝票で精算しても税務調査で認められますか?
- Q4. 電子領収書を印刷して紙で保存するのはNGですか?
- Q5. スマートフォンで撮影した領収書原本は、いつ廃棄できますか?
- Q6. 経費精算システムを導入すれば、領収書の目視確認は完全に不要になりますか?
- Q7. 領収書と申請データはどのように紐付けて保存すべきですか?
Q1. レシートと領収書のどちらをもらうべきですか?
A.レシートにも取引年月日、金額、発行元、購入内容などが記載されていれば、経費精算の証憑として利用できる場合があります。
品目が印字されるレシートの方が、手書き領収書よりも取引内容を確認しやすいこともあります。
ただし、実際に必要となる証憑は、会社の経費精算規程や、インボイス制度上の記載要件によって異なります。自社のルールを確認しましょう。
Q2. クレジットカードの利用明細だけで経費精算できますか?
A.クレジットカード利用明細だけでは、購入内容や適用税率、T番号などを確認できない場合があります。
そのため、領収書、適格請求書、購入明細、注文履歴など、取引内容を確認できる資料と組み合わせて提出する運用が一般的です。
実際に必要となる資料は、取引内容と自社の経費精算規程に従って確認してください。
Q3. 領収書をなくした場合、出金伝票で精算しても税務調査で認められますか?
A.出金伝票を作成しただけで、自動的に税務上の経費として認められるわけではありません。
支払先、取引年月日、金額、具体的な業務上の目的を記録し、購入完了メールや注文履歴、口座引き落とし履歴など、支払いの事実を裏付ける資料を添付することが重要です。
あわせて、自社の経費精算規程に定めた例外承認の手続きを行います。社内で承認された場合でも、税務上の取り扱いが保証されるわけではないため、金額や内容によっては税理士などの専門家へ確認しましょう。
Q4. 電子領収書を印刷して紙で保存するのはNGですか?
A.WebサイトからダウンロードしたPDFやメールで受け取った電子領収書などは、電子取引データとして電子データのまま保存する必要があります。
業務上の確認のために紙へ印刷すること自体は禁止されていませんが、印刷した紙だけを保存し、元の電子データを保存しない運用では、電子帳簿保存法上の要件を満たしません。
Q5. スマートフォンで撮影した領収書原本は、いつ廃棄できますか?
A.電子帳簿保存法のスキャナ保存制度を利用する場合、2022年1月1日以後に保存する書類については、原則として、読み取り後に画像と紙原本の記載内容が同等であることなどを確認した後であれば、紙原本を廃棄できます。
ただし、入力期限を経過した場合など、紙原本の保存が必要となるケースもあります。また、保存する電子データについては、入力期限や画像要件、検索要件、真実性を確保する仕組みなど、スキャナ保存の要件を満たす必要があります。
自社で証憑確認・廃棄ルールを定めている場合は、そのルールにも沿って処理しましょう。
参考:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」
Q6. 経費精算システムを導入すれば、領収書の目視確認は完全に不要になりますか?
A.完全に不要になるとは限りません。
OCRによる入力支援や、重複・規程違反に関するアラートによって確認負担を軽減できますが、文字の誤認識や不鮮明な画像、例外的な申請内容などは、人による確認や判断が必要です。
システムには、すべての確認をなくすことではなく、定型的な確認を効率化し、人が確認すべき申請を絞り込む役割があります。
Q7. 領収書と申請データはどのように紐付けて保存すべきですか?
A.申請明細ごとに領収書画像を紐付け、取引年月日、金額、発行元などの情報とあわせて検索・参照できる状態にすることが望ましいといえます。
一つの申請に複数の領収書がある場合も、どの明細とどの証憑が対応しているかを確認できるようにしておくことが重要です。
これにより、承認・経理確認だけでなく、税務調査や内部監査、過去データの確認も行いやすくなります。
10.まとめ:領収書の申請から確認・保存・会計処理まで、一連の経費精算業務を効率化することが重要
ここまで解説したように、領収書を使った経費精算では、紙をデータ化したり、申請時の手入力を減らしたりするだけでなく、その後の確認・保存・会計処理まで含めて業務全体を効率化することが重要です。
そのためには、以下のプロセスを一連のフローとして捉え、仕組み化する必要があります。
- 出先から申請しやすい環境を整える
- 不備や重複申請を早期に発見する
- 紛失や例外発生時の社内ルールを明確にする
- 申請データと領収書画像を紐付けて確認できるようにする
- 電子帳簿保存法などの法制度に沿って証憑を保存する
- 承認後のデータを仕訳・会計処理へつなげる
経費精算システムを活用して、領収書の申請から確認・保存・会計処理までを一連のフローとしてつなぎ、自社の経費精算規程に沿った運用を仕組み化することで、申請者・承認者・経理担当者それぞれの負担を軽減しやすくなります。
経費精算システムを選ぶ際も、OCRなどの入力支援機能だけでなく、領収書を使った申請から保存、会計処理まで、自社の経費精算業務全体をどこまで効率化できるかという視点で比較・検討することが重要です。
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- サービス紹介・デモ動画:ハーモス経費でできることを動画でわかりやすく解説。実際のデモ画面を見ながら、運用のイメージを掴んでいただけます。
※本記事は、税務・法律上の一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法律的アドバイスを提供するものではありません。掲載内容の正確性・妥当性には万全を期しておりますが、実際の経費精算運用や税務処理にあたっては、自社の経理規程や所轄の税務署、税理士等の専門家へご相談のうえ、ご自身の判断にてご利用ください。

















