SAP S/4HANA移行の経費精算は「アドオン不要」。クリーンコアを実現する連携の最適解

2026.07.01

SAP S/4HANA移行の経費精算は「アドオン不要」。クリーンコアを実現する連携の最適解

SAP S/4HANAへの移行(2027年問題)を控え、「周辺システムとどう連携させていくか」に頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。なかでも「経費精算」は、現場の使いやすさと社内の厳しいルール(ガバナンス)をどちらも大切にしなければならない、一筋縄ではいかない領域です。

これまでは、SAP本体に追加機能(アドオン)を作り込んで対応するのが一般的でしたが、最近では「Clean Core(クリーンコア)」という考え方が主流になっています。これは、システム本体をできるだけシンプル(標準的)な状態に保つことで、将来のアップデートやメンテナンスをぐっと楽に、柔軟にするための賢い戦略です。

本記事では、SAP側に大きな手を加えることなく、外部システムと「柔軟につなぐ」ことでこの戦略を形にする方法を分かりやすく解説します。また、1,700名規模のペーパーレス化を成し遂げた大規模組織でのハーモス経費活用事例もご紹介しますので、強固なガバナンスと現場の効率化をいかに両立させるか、具体的なヒントを一緒に探っていきましょう。

1. SAP移行は「経費精算」を見直す絶好のチャンス

2027年の保守期限(2025年問題)を控え、多くの企業がSAP S/4HANAへの移行プロジェクトを最優先課題としています。この巨大な転換期において、基幹システム本体の移行と同様に重要なのが「周辺システムとの連携」の再定義です。

かつてのERP運用では、使い勝手を補うために本体側に膨大な「アドオン(追加開発)」を組み込むのが一般的でした。しかし、現代のERP運用の鉄則は「Clean Core(クリーンコア)」。本体に手を加えず標準機能を維持し、経費精算のような変化の激しい領域は、外部のクラウドサービスと独立性を保ったまま連携させるのが、将来的なシステムの維持管理を容易にし、運用コストを最適化するための現実的で合理的なアプローチです。

2. なぜ「アドオン開発」での経費精算は限界を迎えるのか

多くのSAPユーザーが直面する課題は、以下の3点に集約されます。

  • 開発・保守コストの高騰:SAP本体のバージョンアップのたびに、経費精算のアドオン改修に多額の費用と検証工数が発生。
  • 現場の使い勝手の悪化:経理目線で構築されたSAPの入力画面は、現場社員にとって使いにくく、誤申請や入力遅延の原因に。
  • 法対応への追随:インボイス制度や電帳法への対応をすべて自社開発で行うには、スピードもコストも限界がある。

3. SAP側の大がかりな改修なしで、スムーズな連携を実現。
ハーモス経費がもたらす3つの価値

SAP移行において、周辺システムの選定基準となるのが「本体側の環境をいかに変えずに済むか」という点です。こうした課題に対し、ハーモス経費ではSAP側の大がかりな改修を必要とせず、そのままの環境でスムーズにデータを繋ぐための仕組みを整えています。

①アドオン開発不要。マスタ同期から、SAPの受入ルールに適合したデータ出力まで、スムーズに実現

SAP本体に手を加えることなく、システムに備わっている機能を賢く組み合わせることで、高度なデータ連携を実現できます。ここでは、その一例をご紹介します。

導入にあたってSAP側をカスタマイズする必要はありません。日々の運用に欠かせないマスタ情報の取り込みから、最終的な仕訳データの出力まで、ハーモス経費の標準的な設定だけで一貫したフローを構築できます。

  • 複雑なマスタ同期の自動化(二重管理の撤廃):SAP側で管理されている膨大な「原価センタ」や「WBS要素(プロジェクトコード)」、「利益センタ」などの組織マスタをハーモス経費へ自動で取り込みます。マスタの二重管理を排除し、常に最新の組織構造に合わせた運用を可能にします。
  • 明細単位での原価センタ・WBS入力の徹底:同期したマスタに基づき、経費の明細ごとに適切な分析軸(プロジェクト等)を必須入力させることが可能です。SAP側の厳格なバリデーション(入力規則)をハーモス経費側で再現することで、現場の入力ミスを申請時点でブロックします。
  • SAP受入ルールに適合したデータ出力:「貸借の一致」や「適切な転記キー・税コードの付与」をシステム側で制御し、SAPの受入ルールに適合した形式でデータを出力します。さらに自社固有の「Z項目(アドオン項目)」にも汎用項目で対応可能なため、貴社独自の分析軸を維持したまま、アドオン開発なしでの連携を実現します。
    ①アドオン開発不要。マスタ同期から、SAPの受入ルールに適合したデータ出力まで、スムーズに実現

②大規模組織に耐えうるガバナンス機能

ハーモス経費は1,700名規模の運用実績を誇り、制度対応と業務効率化を両立します。


  • AI-OCRによるインボイス判定の自動化

    アップロードされた領収書から「適格請求書発行事業者番号(T番号)」を自動で転記、さらに国税庁の公表情報と自動突合して正しい事業者名を取得。適格・非適格に応じた税区分も自動付与します。もし申請時にT番号が無効(または未登録)の場合、明細に表示される妥当性アイコンや、警告ダイアログにより、AI-OCRの読み取り漏れや入力ミスがある状態での申請を未然に防ぎ、差し戻しの工数を削減します。

    AI-OCRによるインボイス判定の自動化

  • 規程違反を未然に防ぐ機能

    社内ルールに基づいたチェック設定により、不備のある申請をリアルタイムで検知。差し戻しの手間や不備のある申請を未然に防ぎます。

    • 証票重複チェック機能(領収書の使い回し防止):証票登録時に、取引日・金額・発行元などの項目から過去の領収書データとの一致を自動判定。意図しない「使い回し」や二重計上を申請時点で未然に防ぎます。
    • 重複申請チェック機能(二重計上の防止):過去の申請伝票と照合し、日付や明細内容の重複を自動検知。手入力ミスなどによる意図しない二重請求を、申請時点で未然に防ぎます。
    • 事前申請との照合機能(規程の遵守):事前申請のない精算のブロックや、概算金額の超過アラートにより予算外にいち早く気づけます。管理者のチェック負担を軽減し、組織全体のガバナンス向上を支えます。
    • 旅費交通費の入力補助とチェック:乗換案内と連動し、利用した経路から交通費を自動算出します。定期区間の自動控除にも対応しているため、二重支払いを防ぎ、正確な精算をサポートします。
    • 過去日付の申請チェック:設定した締切日以前の申請にアラートを出す「締日対応」や、古い明細の入力を制限する設定が可能。現場の「出し忘れ」を未然に防ぐことで、経理側の確認作業をスムーズにし、安定した月次決算を支えます。

  • 複雑なマスタ同期の自動化

    SAP側で管理されている膨大なプロジェクトコードやユーザー情報・部門情報を、ハーモス経費に自動で取り込み。マスタの二重管理を排除し、現場の入力ミスを申請時点でブロックします

    人事データ・取引先管理・プロジェクト管理からERPを経由してハーモス経費へのマスタ同期フロー

  • 1,700名規模のペーパーレス化と工数削減実績

    システムによる申請時点での自動チェックが、差し戻しのないスムーズな手続きをサポートします。ルール不備をリアルタイムで本人に通知する仕組みにより、経理担当者の手元に届く前にミスが解消される「精度の高い申請サイクル」が実現します。

    これにより、管理部門を悩ませる膨大な差し戻し工数を削減し、現場と経理双方が本来の業務に集中できる環境と、強固なガバナンスを両立。

    実際に1,700名規模の運用を行う日比谷花壇様においても、ハーモス経費を活用することで組織全体の業務効率化を成し遂げられています。

    【あわせて読みたい:導入事例】
    1,700名規模のペーパーレス化と工数削減実績。
    株式会社日比谷花壇様の事例記事を読む

③複数法人・グループ展開における柔軟な環境設計

  • 子会社ごとにSAP環境や勘定科目コードが異なる場合でも、法人単位で独立した環境を保持したまま導入可能です。
  • 親会社の担当者は「グループ企業切り替え機能」により、シームレスに各社の精算状況を監査できます。
1つの環境からログイン切り替えでグループ企業A・B・Cのハーモス経費をシームレスに管理

4. 結論:周辺システムとの「柔軟な連携」が、移行プロジェクト成功の鍵

SAP S/4HANA移行を「単なるシステムの置き換え」で終わらせるか、DXに繋げるか。その分岐点は、経費精算のようなフロント業務をいかに基幹システムから切り離し、かつ密に連携させるかにあります。アドオンに頼らない「柔軟な連携」の構築こそが、将来の変化に強い次世代の経理基盤を構築する鍵となります。

5.SAP連携の「具体的な仕組み」を資料で確認する

SAP S/4HANA移行に伴う経費精算システムの選定において、より詳細な仕様や連携イメージを確認したい方のために、専用の導入ガイドをご用意しています。

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