職場における熱中症死傷災害の発生は、2025年過去最多!注意すべき「午前中」の発症

職場における熱中症死傷災害の発生は、2025年過去最多!注意すべき「午前中」の発症

目次

  1. 熱中症による死傷者数は2025年「1,803 人」。前年比43%増
  2. 盲点になりがちな「午前中の熱中症」 発症原因を探る

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8月を迎え、連日のように熱中症関連の報道を見聞きするようになりました。近年の異常な暑さを背景に、深刻さを増しているのが「熱中症の発症」です。
政府の統計によると、職場における熱中症による死傷災害の発生は右肩上がりで推移しており、ここ数年は過去最多を更新し続けているとのことです。
今号では、2025年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」より、熱中症による労働災害発生の実態を知ると共に、盲点になりがちな「午前中の熱中症発症」への対策を考えてみましょう。

熱中症による死傷者数は2025年「1,803 人」。前年比43%増

厚生労働省によると、職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数は「1,803人」と、死傷者数について統計を取り始めた2005年以降、最多となったとのことです。

企業の熱中症対策義務化を背景に、死亡者数は39%減

近年問題視されている気温上昇を一因として、職場における熱中症発生状況は年々悪化の一途をたどる一方、死亡者数に関しては2025年「19人」と、前年に比べ約 39%減少しました。
こうした背景には、改正労働安全衛生規則の施行により、企業に義務づけられた熱中症対策の効果が伺えます。
従業員に熱中症発症のおそれのある作業を行わせる際、事業者に報告体制の整備、手順の作成等の措置が義務づけられたことにより、事業場における熱中症の重篤化防止対策が一段と進み、死亡災害の防止が一定程度図られたものと思われます。

「6、7、8月」「建設業、製造業、運送業」の熱中症にご注意を

熱中症というと、例年、7月、8月の2ヶ月間に集中して発症する傾向にありますが、2025年の数字では、「6月」の発症件数増加も注視すべきでしょう。2025年6月といえば、記録的な猛暑により東京都心で6月としての真夏日数が過去最多を更新した月です。
湿度の高い6月の気温急上昇時には、熱中症のリスクが高まる傾向にあるため特に注意しなければなりません。現場においては、夏本番を迎える以前の熱中症対策にも、意識的に取り組む必要があるでしょう。

関連:労務ジャーナル「5月も熱中症に注意!企業に義務化された「職場における熱中症予防対策」の徹底を」

また、業種別でみると、製造業が 365人、建設業が 292人、運送業が220人の順で多くなっています。死亡者数については、19人のうち建設業が5人と最も多く発生しています。
熱中症労災の発生が建設業、製造業、運送業で特に多い傾向は例年のことで、これら3業種における熱中症による業種別死傷者数の割合(2021~2025年計)は実に全体の50%超となります。

盲点になりがちな「午前中の熱中症」 発症原因を探る

熱中症の発症は、1日のうちで暑さのピークを迎える14~15時に特に多くなるだろうというイメージがありますが、意外なのは午前中の発症件数の多さです。
もっとも、「9時台以前」の数字に関しては「0時台から9時台まで」の発症がカウントされており、他の時間帯と単純比較はできませんが、それでも10時台、11時台の午前中は15時前後と並んで多く発生していることが分かります。

午前中の熱中症発症には、「疲労の蓄積」が影響

仕事が始まったばかりの午前中の熱中症発症に関しては、前日からの疲労の蓄積の影響が疑われます。熱中症の症状は、夜間や翌日等のように、時間差で現れることも珍しくありません。
これは、日中に受けた熱のダメージによって就寝時や翌朝に頭痛、吐き気、倦怠感等が感じられることがあるためです。
仕事中のちょっとした違和感は熱中症のサインである可能性がありますから、ダメージを溜め込まないためにも、こまめな休息、水分・塩分補給を心がける必要があります。

「作業前の健康チェック」、「午前中から万全な熱中症対策」の徹底が肝心

会社が行うべき熱中症対策のひとつに、「作業前及び作業中の健康チェック」があります。
労働者の安全・健康確保のために、体調の変化や気になる症状がないかを従業員に自己申告させる、リーダーが従業員一人ひとりの顔色・表情・行動などを注意深く観察する等の健康確認を欠かさずに行うようにしましょう。
併せて、熱中症対策として必要な「作業環境管理」や各人の「作業管理」に関しては、午前中から徹底して行います。熱中症対策は、暑さが厳しくなる午後から行えば良いというものではありません。暑さ指数であるWBGT値を元に、適切な行動計画の立案・実施がカギとなります。

参考及び図の出典:厚生労働省「令和7年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します」

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HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

監修者

HM人事労務コンサルティング 代表 社会保険労務士 丸山博美

起業したての小さな会社支援を得意とする社労士事務所、HM人事労務コンサルティング代表・丸山と申します。 創業当初の事業主様に不足しがちな「経験」「人脈」「知識」を、 社会保険労務士という立場からサポートいたします。
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