創業107年のNitto(日東電工)が実現した採用DX〜業務効率化で紙での煩雑な評価管理から脱却。データ活用で叶えた「伴走型の採用」で年間100名超の採用を実現。
日東電工株式会社
- 業界: 化学
- 事業概要: 表示ディスプレイには欠かせない偏光板などの光学材料をはじめ、莫大なデータを通信、蓄積するために必要不可欠なHDD用およびモバイル機器用高精度基盤、工業用テープ、自動車用部材、医療用関連製品など、高機能材料メーカーとしてさまざまな業界で幅広く製品を提供。
- 従業員数: 連結27,915名、単体7,019名(2025年3月末時点)
- https://www.nitto.com/jp/ja/
高機能材料メーカーとして、ニッチトップ戦略を推進し、数多くの分野で世界的なシェアを築いてきた日東電工株式会社(以下、Nitto)。100年を超える長い歴史を持ちながらも、時代に応じた変化を恐れず、チャレンジを楽しむことを推奨する風土が根付く同社では、現在、中期経営計画において「ニッチトップ戦略×Nitto流ESG戦略」を掲げています。
同社は、2021年頃よりキャリア採用数を年間100名超へと大幅に拡大。急激な採用ニーズの増加に対し、少数精鋭の採用部門はいかにして質の高い採用を実現したのか。HRMOS採用の導入背景と、その後の採用変革について、人財マネジメント部リクルーティンググループの皆様にお話を伺いました。
導入の目的
- 採用計画が100名超と急増する中、入社後の活躍を見据えてデータを集約、活用する必要があったため
課題
- 表計算ソフトやメールなどに採用に関する情報が散在し、100を超えるポジションの進捗管理が煩雑になっていた
- 紙ベースで評価情報を管理していたため、情報共有に時間がかかり、リードタイムが長期化
- 採用情報が各担当管理となっており、データ分析ができない環境となっていた
導入の決め手
- 外部の採用関連サービスとシームレスに連携できる
- エージェントとのコミュニケーションの効率化が叶えられる
- レポート機能を活かして、最適な採用チャネルが選択できる
効果
- 社内外との情報共有がスムーズになり、選考リードタイムを削減できた
- データという定量的な根拠を基に採用部門と建設的な会話ができ採用の質が上がった
- 他エージェント経由の重複応募を自動検知し、トラブルを未然に防止できている
- 社内公募制度やリファラル採用の運用基盤としても活用し、成果が上がっている
採用数倍増で露呈した、アナログ管理の限界
―貴社の採用体制を教えてください。
Nittoのリクルーティンググループは、新卒採用・キャリア採用・採用ブランディングの3つに分かれています。キャリア採用においては、リクルーター3名、アシスタント2名の計5名体制で、国内の多岐にわたるポジションの採用を行っています。
―HRMOS採用を導入したきっかけは何でしょうか?
HRMOS採用の導入以前(2021年頃まで)、当社のキャリア採用は年間数十名規模で、管理手法は新卒採用システムの一部流用や表計算ソフト、メールベースでのアナログな管理が中心でした。
しかし、今後の経営を見据えた人財戦略として「キャリア採用を年間100名超へ増員する」という意思決定がなされた際、従来の管理手法は限界を迎えました。
当時は100を超えるポジションの選考情報が表計算ソフトやメールに散在し、進捗管理が極めて煩雑でした。また、紙ベースで評価情報を管理していたため、情報管理が属人化しており、継続的な情報の蓄積や分析にも課題を抱えていました。
特に、リーマン・ショック後の採用抑制期の影響で手薄になっていた20代後半〜30代前半の中間層を緊急的に採用する必要があり、スカウト型サービスなど多様なチャネルとのシームレスな連携が急務でした。
候補者との「伴走」を貫くための業務効率化
―HRMOS採用を導入して、どのような変化がありましたか?
HRMOS採用の導入により、まず大きく改善されたのが「情報の集約」と「業務効率」です。
転職エージェントやビズリーチ経由で接点を持った候補者情報をHRMOS採用で一元管理できるようになりました。また、これまで採用担当者が各自のメールで実施していた面接官とのやり取りや評価情報もシステム内に集約され、データの振り返りが容易になりました。
結果的に、社内外との情報共有が非常にスムーズになり、選考リードタイムの削減に繋げることができました。
また、人事のタスク管理や応募者の属性をカテゴリー分けできる「応募ラベル」を活用することで、最優先でコミットすべき候補者やタスクを即座に社内で共有でき、タスク管理の抜け漏れが減少しました。

(※応募ラベルのイメージ)
―効率化により捻出された時間で、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか。
Nittoが最も大切にする「候補者への伴走」に充てています。Nittoの採用は、内定がゴールではありません。入社後の長期活躍を見据え、スキル以上にカルチャーマッチを重視しており、一人のリクルーターが応募から内定受諾・入社まで一気通貫で担当する「伴走型」選考スタイルをとっています。
候補者ごとの「候補者ジャーニー(心情の変化や不安)」を理解した上で、最初から最後まで同じ担当者が寄り添い、選考が進むほど相互理解が深まる仕組みになっています。最終面接では遠方の方とも必ず対面でお会いするなど、「Face to Face」のコミュニケーションを大切にしています。
HRMOS採用で事務工数を削減できたことで、候補者一人ひとりの志向や不安に向き合う時間を確保し、リクルーターが候補者の「良き理解者」として深く関わることが可能になりました。
また、システム上でポジション変更時の評価引き継ぎができることや、他エージェント経由で同じ候補者が応募してきた際の重複応募の自動検知が可能になったことも、トラブルを未然に防げることから候補者体験の向上に寄与しています。

(※重複応募の可能性のある応募者の表示イメージ)
「感覚」から「データ」へ。現場を巻き込む採用体制の構築
―HRMOS採用の導入で、現場部門との関わり方にも変化はありましたか?
HRMOS採用の導入は、人事と現場部門との関係性にも変化をもたらしました。
以前は採用担当者の経験や勘に頼る部分も多かった採用活動ですが、現在は蓄積されたデータを基にした戦略的な議論が行われています。具体的には、HRMOS採用のデータを活用した独自のダッシュボードを作成し、週次でモニタリングを実施しています。
これには煩雑なデータ整理が必要でしたが、HRMOS採用のカスタマーサクセスを担当している野地さんに相談しながら、分析したい項目や求人のタイトルを整理し、フォーマットを作成しました。
短期的な視点では、「どのセグメント(地域×職種)が好調で、どのセグメントが苦戦しているか」を可視化し、採用部門の管理職にも現状を正確に認識していただくことが可能となり、具体的な課題や改善策の議論ができるようになりました。例えば、「この要件では市場に人材がいないため、求人ターゲットの調整や求人票内の魅力訴求の工夫ができないか」といった建設的な提案が、データという根拠を持つことでスムーズに通るようになったのです。
社内公募制度やリファラル採用の運用基盤としてもHRMOS採用を活用
―社内公募やリファラル採用でもHRMOS採用を活用されていますよね。
社外からの採用活動だけでなく、社内公募制度(ジョブポスティング)の運用基盤としてもHRMOS採用を活用しています。2024年度、Nittoは従業員のキャリア自立支援を目的に同制度を導入し、2025年度からHRMOS採用を活用した社内公募の仕組みを構築しました。
以前は別システムで運用していましたが、HRMOS採用で一元管理することで、求人作成から応募管理までがスムーズになりました。直属の上司を通さずに応募できるため機密性が保たれ、社員が安心して応募できるような環境を構築できています。
また、リファラル採用においてもHRMOS採用の求人票を応用し、求人票が見られる二次元コード付きの周知ポスターを社内で展開したところ、応募数が1.5〜2倍に増加したという成果も出ています。
入社後の「活躍」までを見据えたデータ活用へ
―今後、HRMOS採用を活用して推進したいことはありますか?
HRMOS採用の導入から数年を経て、Nittoの採用は「業務効率化」のフェーズを超え、「データ活用による採用品質の向上」という新たなステージに進んでいます。
今後は、候補者がどのような軸で意思決定し、入社後にどう活躍しているかという『候補者ジャーニー』全体のデータを繋げていきたいと考えています。
入社時の評価データと入社後のパフォーマンス評価を突き合わせ、『Nittoで活躍する優秀な人材とは何か』を定量的に定義する。そして、その知見を採用部門にフィードバックし、最終的には人事の採用部隊のみならず、募集部署が主体性を持って採用活動を行えるような体制を目指しています。