グロービス株式会社 | HRMOS(ハーモス)

人事からの能動的なデータ開示と情報共有を通じ

採用における現場とのリレーションを進化

グロービスが取り組む、現場と協働する採用体制づくり

「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う。」をビジョンに掲げ、経営大学院の運営から企業研修、EdTech事業、ベンチャー企業への投資などさまざまなサービスを展開する株式会社グロービス。人の可能性を広げることが社会の可能性を広げることにつながると話す人事部の坂本様に、高い採用目標を成し遂げるために行っている、現場を巻き込んだ協働体制づくりについてお伺いしました。

部門の協力には人事からの働きかけが重要

現在グロービスでは、年間100名以上の採用目標を掲げ、部門と人事が協働して採用活動を行っています。私自身、以前は10年ほど法人ビジネスに携わっており、自部門の採用も担当することがあったのですが、人事側の動きが細部まで見えているわけではありませんでした。ときに「現状はどうなっているんだろう?」「候補者が上がってこないな」と不安に感じることもありました。2022年5月に人事に異動して気付いたことは、実は人事側で部門の要求水準に応じ多くの候補者をスクリーニングし、採用したい人材を絞ったうえで情報共有していること。そして、部門側にはそこに至るまでの人事の頑張りが見えていないこともあり、両者が見ている景色が大きく異なることに気づきました。

これまでは人事側から必要最低限の情報しか共有していませんでしたが、より高い採用目標を達成していくためには、人事から部門に積極的に情報や進捗を共有することで、部門を巻き込み、同じ方向を見て協働できるように一体感を作り出す必要があると考えました。

現在は、部門と採用状況や課題の目線を合わせる場を定期的に設けています。選考中の候補者数や選考実施数などの実際の数字を見せると活動量に驚かれるケースも多く、情報を開示し状況を正しく共有することで相互理解が得られ、協力体制が築けると感じています。

人事ならではの視点でフィードバック

人事と部門で協働を進めるために意識しているのは、各部門における採用のボトルネックの共通認識を持つことです。

例えば、同系統の職種で選考プロセスの推移を比較し「採用の進捗が良いAポジションは選考通過率が30%だけれど、進捗が芳しくないBポジションは10%」とわかると、エージェントと目線が合っていないのではないか、評価基準に差分があるのではないかなど仮説を立てることができます。実績データをもとに仮説を立て、部門とディスカッションし、改善すべき要素は何かといった建設的な対話を行います。人事が見ているデータだけで判断せず、現場側の状況を踏まえて何をすべきか合意することで、目線を合わせて同じ課題に向き合うことができます。

また、私たちは面接官として、人の可能性を信じ、候補者のポテンシャルを引き出すような対話を心がけながら、「候補者から選ばれる立場でもある」ということを現場にも繰り返し共有しています。「カジュアル面談から選考参加率に問題がある」といったデータがある場合、候補者の方に対する興味喚起に課題があるかもしれません。こういった分析や仮説をもとに、部門側と目線を合わせて採用活動の改善を図っています。 採用目標は部門主導で決めていきますが、組織図を見ながら採用計画と照らし合わせ、いま本当に注力すべきなのは採用か進言するケースもあります。「このチームには直近入社者や業務委託メンバーが多い。今すぐに採用すると現場は混乱するのでは」などと、部門の状況をイメージしながら対話することで、解像度高く協働を進めることができます。

人事の施策ではなく、全社で向き合う活動へ

部門との協働で進めている施策の一つに、リファラル採用の「GO縁(ごえん)制度」があります。社員紹介制度は以前からありましたが、そもそも紹介するハードルが高く、社内認知も高くない状況でした。まずは、全社に認知してもらうべく、制度のネーミングを全社アンケートで募集し、社内外のご縁を繋いでいく制度として「GO縁制度」と名づけました。名称を公募することで、全社員に採用活動を「我がこと」として感じていただけるようプロセス設計から大切にしています。成功事例の発信や活発な巻き込みも相まって、社内認知率は100%になりました。

人事からの発信だけでは全社への浸透は難しいと考え、人事の発信を各部門の採用担当者に自部門内で再展開してもらえるような構造を設計しました。やはり浸透に寄与したのは各部門からの自発的な発信が大きかったと感じています。各部門内でGO縁制度の勉強会や成功事例の発信が増えたことで、人事主導の施策ではなく、全社で取り組む施策として「自分ごと化」が浸透してきたのだと思います。

採用力を高めるために、広報は非常に重要なポイントだと考えています。社外だけでなく社内の人にも、グロービスをあらゆる切り口から知ってもらうべく情報発信に努めています。その取り組みの一つである社外向けサイト「GLOBIS HUB」では、手触り感のある働く社員のリアルな声やグロービスらしいカルチャーを丁寧にお伝えしています。複数事業を展開するグロービスでは、社員同士も他の部署がどんな仕事をしているのか細部まで見えていない場合もあり、社内外、多くの皆さんにグロービスの理解を深めていただけるようなコンテンツを充実させていきたいです。

「人の成長が社会の成長につながる」という、グロービスが大切にしている考えを世の中に広げ、共感していただける仲間を増やしていきたいと考えています。

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