採用担当者が情報の橋渡し役を担い、
採用につながるプロセスを構築
社内外との丁寧なコミュニケーションで
昨対比200%超えの採用成果を実現
「タスク処理」の積み上げではなく、正しく「採用プロセス」を経る
以前までの弊社では、明確な採用担当という機能がなく、各社員が通常業務と並行して採用タスクをこなしていました。手順としては、窓口担当が募集から応募受け付けを担い、現場マネージャーが書類選考を実施。書類選考通過後はバックオフィス部門が日程調整し、現場マネージャー間で複数回の面接が行われるといったもの。一見すると採用の業務は回っている状態でしたが、「選考合否の根拠や申し送り事項は?」「他社選考の状況は?」「自社への志望度や懸念事項は?」といった候補者起点での情報の連携漏れが散見され、採用につなげるための一連のプロセスとして機能しているとは言えない状況でした。
そこで採用担当者を設置し、まず各タスク間のプロセスに介入して候補者にまつわる情報の整理と現場側の要求水準の把握に着手。この過程で採用における情報とコミュニケーションの集約、採用活動の数値の見える化が必須と考えHRMOS採用の導入を決断しました。
施策の実行と検証を繰り返し、採用コミュニケーションのスタイルを確立
弊社の採用活動では、「新たな挑戦をするクライアントの真のパートナー」という信念に共感する方々と多くの出会いの機会を設けること、各種プロセスを経て候補者・弊社間で相互理解を深め、双方の納得度が高い状態で採用に至ることを重要視しております。このような状態を目指すため、「出会う機会の最大化」に向けた社外コミュニケーションと「相互理解の醸成」に向けた社内コミュニケーションにおいて試行錯誤を繰り返し、コミュニケーションスタイルを形成していきました。
【出会う機会の最大化に向けて】
人材紹介会社のエージェントの特徴や取引期間・決定実績に応じて適した情報の提供ややり取りを実施しました。
◾︎取引歴の長いエージェントに対するコミュニケーション
自社の求めるスキル・経験に関する要件は一定程度ご理解いただいているため、社員の雰囲気やカルチャー理解につながる情報を提供しマッチング精度を高めることに注力しました。具体的には入社後に活躍している社員の人柄やプロジェクトでのクライアントからの評判などを、ニュアンスを含め伝えていくなどです。
エージェントからは紹介の際に「この方は職務経歴書に記載のスキル・経験ですと御社の書類選考は通過しないかもしれませんが、一度会ってみてほしいです。必ずマッチすると思います」といった提案をいただける等、深い信頼関係を感じられる事例も出てきました。
◾︎取引歴の短いエージェントに対するコミュニケーション
求人情報の更新連絡や選考にまつわる情報の共有、書類通過した候補者の事例など自社の理解を高めてもらうための接点を増やしました。求人情報の更新においては、求人に記載できない情報をエージェント向けに共有できるHRMOS採用の機能を活用して、弊社の求める人物要件を手触り感を持ってイメージしていただけるように心掛けました。
またエージェントへの一括連絡機能を使い、エージェント側が候補者紹介を躊躇しないようまずは相談できる関係性を築くことも意識しております。結果的にエージェント経由の紹介数は昨対比でも200%増となっており、出会う機会づくりに大きく寄与できました。
【候補者との相互理解の醸成に向けて】
◾︎採用担当者間のコミュニケーション
職務経歴やエージェントからの推薦理由をベースに、どのような選考のストーリーを描くのが良いか目線合わせすることは常に行っています。誰を面接官としてアサインすべきか、選考の過程で面談を挟むべきか等、採用担当者間での目線のブレや判断の齟齬が発生しないよう注意しています。
◾︎社内の現場マネージャーに対するコミュニケーション
なぜこの候補者の面接官としてアサインしたか、理由を明確に伝えるようにしました。選考となるとどうしても候補者を選ぶという視点が強くなりがちな部分もあるため、自社も候補者に選ばれる立場であることは念押ししています。面接官に判断を委ねるだけでなく、採用担当者側がプロセスに介入して申し送りを丁寧に行うことで、現場側から「この人は必ず採用したいと思っているが、どうしたら良いか」といった相談をもらうケースも増えてきています。
一朝一夕で全てがうまくいったわけではありませんが、プロセス間の数値遷移を振り返り、地道に試行錯誤を繰り返した結果、自社の採用のスタイルができあがってきたと効果を感じています。
成果の再現性を高めるために
昨対比実績(2023年8月時点)として、応募数、採用決定数、内定承諾率ともに200%越えという成果を残すことができましたが、現在この成果を企業規模が拡大したとしても担保できる仕組みづくりに着手しています。
面接官にアサインされる社員の数も増えてきたため、採用活動における要諦を言語化し、社内に浸透させていくことも必要となってきます。採用成果の再現性を高めるために、HRMOS採用上に蓄積されていくデータを確認しながら施策の実行・検証を行っていければと思います。